ヤマトシリアゲ(大和尻上)
 ヤマトシリアゲ(大和尻上/大和挙尾)は、長翅目シリアゲムシ科の小昆虫です。国内では北海道から九州までに分布する日本固有種です。名の由来は、静止状態の時に尻尾を反り返している事から。英名は、スコーピオンフライ(Scorpionfly)。

 長翅目はシリアゲムシ目の事で、世界に約600種が分布し、日本には5属44種が分布します。シリアゲムシ科(Panorpidae L.)は世界に3属約362種、シリアゲムシ属(Panorpa C. Linnaeus, 1758)は約240種がいます。シリアゲムシ科の昆虫を総称してシリアゲムシ(挙尾虫)と呼んでいます。

 雑木林の縁などに生息します。体長は15~22mmで、光沢のある黒色か黄褐色をしています。体色や翅の斑紋には変化があります。細長い触覚2本があります。脚は6本で長く、黄褐色。口吻は長く伸びて特異な形状です。腐った物や小昆虫の体液、死骸などを吸います。清掃に一役買っていると言えます。翅は膜質で先端が丸みを帯び、前翅・後翅の計4枚があり同形です。前翅の長さは13~20mm。黒色の条紋が中央付近から翅端にかけて2筋あります。

 飛翔力は弱く、速度は遅めです。雄の尾端はサソリのような形状で丸まって立ち上がります。雌の尾端は反りますが丸まりません。先端に鋏(はさみ)状の付属器があり、交尾する時に雌を挟む役割をします。刺したりするものではありませんから危険はありません。

 年2回発生(1000m以上の高地では年1回)し、5月の発生が1化目、8月の発生が2化目です。1化目の成虫は黒色、2化目は黄褐色で鼈甲(べっこう)色に似ています。この事から2化目をベッコウシリアゲとし、別種として分類していた時期がありました。現在では同一種の季節型として扱われています。

 5月と8月に交尾期を迎えます。5月に産卵したものは8月に、9月に産卵したものは翌年5月に成虫となります。卵・幼虫・蛹・成虫を経る完全変態をします。土中に産卵します。卵の期間は約7日間です。土中で幼虫・蛹の時期を過ごします。終令幼虫(4令)で越冬します。

Japanese common name : Yamato-siriage
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Panorpa japonica Thunberg, 1784
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2化目のベッコウ色型ヤマトシリアゲ♂ 2007.10.23
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♀ 2014.06.09


ヤマトシリアゲ(大和尻上/大和挙尾)
長翅目シリアゲムシ科シリアゲムシ亜科
学名:Panorpa japonica Thunberg, 1784

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体長:15~22mm/(前翅長)13~20mm
分布:北海道・本州・四国・九州
出現期:5~9月(年2回)
食餌:小昆虫(死骸を含む)・植物

撮影地:静岡県静岡市
千代山(Sendai-yama, 226m) 2007.05.08
安倍城跡(Alt. 435m) 2014.06.09
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

12 July 2007
Last modified: 12 June 2014
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by pianix | 2007-07-12 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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