カキノハグサ(柿の葉草)
 カキノハグサ(柿の葉草)は、ヒメハギ科ヒメハギ属の多年草です。本州の東海地方以西から近畿地方北部あたりまでに分布する日本固有種です。地域によっては準絶滅危惧種になっています。名の由来は、葉が柿の葉に似る事から。

 ヒメハギ科(Polygalaceae Hoffmanns. & Link (1809))は、約18属800種以上があり、日本にはヒナノカンザシ属、ヒメハギ属の2種が分布します。ヒメハギ属(Polygala L. (1753))は、東アジア、北アメリカ、南アフリカに400種以上があります。日本には5種があり、帰化及び栽培種が7種ほどあります。

 山地の林内木陰に自生します。根は淡褐色でくびれがあり、サポニン(saponin)1)が含まれます。茎は直立し、草丈は20~30cm。葉は葉柄があり互生します。長さ8~15cm、幅3~5cm程の倒卵状楕円形で、葉質は薄く鋸歯はありません。冬に黄色となり落葉します。

 花期は5月から6月頃。茎頂に総状花序を付けます。花冠長は1~2cm。一見するとマメ科の蝶形花のようですが構造が異なります。萼片は薄黄色で5個あり、内2個の側萼片が立ち上がり、残り3個は花弁を包み込みます。花弁は橙黄色で3個あり、合着して舟形となり、下に位置する竜骨弁2)の先端には付属体のフリンジ(fringe)3)があります。

 付属体内部に雄しべ8本、雌しべ1本がある両性花です。子房は上位で2室、楕円形で毛があります。果実は蒴果です。種子は円形で細かく、付属体のカルンクル(caruncle/種沈)があり、蟻によって運ばれます。

 品種として葉が細長い、ナガバカキノハグサ(長葉柿の葉草)Polygala reinii Franch. et Sav. f. stenophylla Yonek. があります。

1)サポニン (saponin) : 配糖体の総称で、水に溶解し界面活性作用がある。
2)竜骨弁(りゅうこつべん): 蝶形花(ちょうけいか)にある下側の2花弁で、左右が接して舟形となり、雄しべ、雌しべを包込む。船の背骨に当たる部分に似る事から。舟弁(しゅうべん)とも。
3)フリンジ(fringe):房毛

Japanese common name : kakinoha-gusa
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Polygala reinii Franch. et Sav.

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花期は5月から6月

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左:蕾 右:葉は互生する

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左:花冠の長さは2cm程 右:ナガバカキノハグサ(長葉柿の葉草)

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左:横から  右:後ろ部分
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カキノハグサ(柿の葉草)
ヒメハギ科ヒメハギ属
学名:Polygala reinii Franch. et Sav.
花期:5月~6月 多年草 草丈:20~30cm 花冠長:1~2cm

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【学名解説】
Polygala : polys(多)+gala(乳)/ヒメハギ属
reinii : Johannes Justus Rein (1835-1918)の
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&に同じ)
Sav. : Paul Amedee Ludovic Savatier (1830-1891)
---
ナガバカキノハグサ(長葉柿の葉草)
Polygala reinii Franch. et Sav. f. stenophylla Yonek.
synonym : Polygala reinii Franch. et Sav. f. angustifolia Ohwi
f. : forma(品種)
stenophyllus : sten(狭い)+phyllos(葉)/狭い葉の
Yonek. : 米倉浩司 Koji Yonekura (1970- ) Tohoku University
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synonym : (シノニム)同物異名
angustifolia : angustatus(狭くなった)+foliatus(葉の)
Ohwi : 大井次三郎 Jisaburo Ohwi (1905-1977)

撮影地:静岡県静岡市
牛ヶ峰(高山)Alt.717m
八十岡ルート 2008.05.28/谷沢ルート 2008.06.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

12 August 2008, 13 August 2008
Last modified: 07 April 2016
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by pianix | 2008-08-12 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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