2017年 09月 11日 ( 1 )
チヂミザサ(縮み笹)
 チヂミザサ(縮み笹)は、イネ科チヂミザサ属の1年草です。世界に広く分布します。日本では全国に分布する在来種です。名の由来は、笹の葉に似ているが波打って縮んでいるように見える事から。中国名は、求米草。英名は、wavy-leaf basket grass。

 イネ科(Poaceae Barnhart (1895))は、世界に約600属9500種以上が分布する規模の大きな科で、野生種は日本に700種程が知られています。チヂミザサ属(Oplismenus P.Beauv. (1810))は、世界に10数種が分布します。

 チヂミザサ(縮み笹)は2変種に分類されます。花序軸や葉鞘に開出する毛が多いのがケチヂミザサ(毛縮み笹)で、少ないものはコチヂミザサ(小縮み笹)です。

 山地の林縁に自生します。茎は細く中空で、枝分かれしながら節から根を出して横に這います。途中で節から立ち上がり、高さ10~30cmになります。葉は互生します。狭卵形または広披針形で鋭頭、長さ3~7cm、幅10~15mm。葉の縁は波打ちます。基部は葉鞘となって茎を抱きます。

 花期は8月~9月。山地の林縁に自生します。茎の先に穂状花序をつけます。花序長は約10cm。花序枝から鱗状の苞葉である穎(えい)で狭卵形の小穂(しょうすい)を形成します。小穂は緑色の狭卵形で長さ3~3.8mm。総状花序が短縮した構造で、横向きにつけます。小穂の付け根にあるものが苞穎(ほうえい)、花を包むものが花穎(かえい)です。

 苞穎は2つあり、第一苞穎(外苞穎)は広披針形で長さ約3mm、第二苞穎(内苞穎)は狭卵形で長さ約2.5mmです。芒(のぎ)は第一苞穎に長さ12~20mm、第二苞穎に3~4mmがつきます。花穎は、外花頴(がいかえい)と内花頴(ないかえい)があります。外花頴は、約1.5mmの芒があり、葉腋部分に小花を持ち雄しべと雌しべがつきます。雄しべは花糸の先に薄黄色の葯を付け、雌しべは白や赤紫色のブラシ状です。内花頴は退化して不稔性。両性花で風媒花。

 果実が熟すと、苞頴に伸びる3本の芒に粘液を出し、動物に付着して種子の拡散をします。粘液を使って動物付着散布する仲間に、メナモミ、ヌマダイコン、ノブキ、タネツケバナ等があります。果実は穎果1)です。長さ約2mm。種子は楕円形。染色体数は、2n=54。

 仲間に、沖縄に多く分布し分枝して小穂をつけるエダウチチヂミザサ(枝打縮み笹)Oplismenus compositus (L.) P.Beauv. があります。

 ここで使用している用語は、他の呼び方もあるため参考に列挙します。
第一苞穎(fast Glume):外苞穎、外頴、第一護穎
第二苞穎(second Glume):内苞穎、内頴、第二護穎
外花頴(Lemma):護頴、花頴、外桴(がいふ)、外穎
内花頴(Palea):内頴、内桴(ないふ)

1)穎果(えいか):痩果のひとつで、乾燥した頴が種子と密着した果実。穀果とも。

Japanese common name :Tidimi-zasa
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ケチヂミザサ(毛縮み笹)
Oplismenus undulatifolius (Ard.) Roem. et Schult. var. undulatifolius f. undulatifolius
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コチヂミザサ(小縮み笹)
Oplismenus undulatifolius (Ard.) Roem. et Schult. var. undulatifolius f. japonicus (Steud.) T.Koyama ex W.T.Lee

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叢生する花期のコチヂミザサ
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第一苞穎の芒は長く(12~20mm)、第二苞穎の芒は短い(3~4mm)

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雄しべは花糸の先に薄黄色の葯を付け、雌しべは白や赤紫色のブラシ状

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左:基部は葉鞘となって茎を抱く 右:笹に似た葉で、縁がうねる
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粘液を出してストックに付いた果実



チヂミザサ(縮み笹)
イネ科チヂミザサ属
学名:Oplismenus undulatifolius (Ard.) Roem. et Schult.

コチヂミザサ(小縮み笹)Oplismenus undulatifolius (Ard.) Roem. et Schult. var. undulatifolius f. japonicus (Steud.) T.Koyama ex W.T.Lee
ケチヂミザサ(毛縮み笹)Oplismenus undulatifolius (Ard.) Roem. et Schult. var. undulatifolius f. undulatifolius
花期:8月~10月 1年草 草丈:10~30cm 小穂長:3~3.8mm 果期:11月

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【学名解説】
Oplismenus : hoplismos(芒のある)/チヂミザサ属
undulatifolius : うねった葉の
Ard. : Pietro Arduino (1728-1805)
Roem. : Johann Jacob Roemer (1763-1819)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Schult. : Josef August Schultes (1773-1831)
var. : varietas(変種)
f. : forma(品種)
japonicus : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Steud. : Ernst Gottlieb von Steudel (1783-1856)
T.Koyama : 小山鐵夫 Tetsuo Michael Koyama (1933- )
ex : ~による
W.T.Lee : W.T.Lee (col.1924- )
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compositus : 枝分かれした
L. : Carl von Linne (1707-1778)
P.Beauv. : Ambroise Marie Francois Joseph Palisot de Beauvois (1752-1820)

撮影地:静岡県静岡市
ダイラボウ(Alt.561m) 2008.11.05
高山(牛ヶ峰 Alt.717m) 2014.09.23
安倍城跡(Alt.435m) 2014.09.26, 2015.09.11, 09.15, 09.23, 09.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 11 September 2017
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by pianix | 2017-09-11 00:00 | ひっつき虫 | Trackback | Comments(0)