カテゴリ:花( 376 )
ミズバショウ(水芭蕉)
 ミズバショウ(水芭蕉)は、サトイモ科ミズバショウ属の多年草です。アジア北東(カムチャッカ半島、サハリン)や日本に分布します。日本では、本州(兵庫県、中部以北)から北海道に分布します。名の由来は、葉がバショウ(芭蕉)に似て、水辺や湿地に咲く事から。

 サトイモ科(Araceae Juss. (1789))は、115属2000種以上が熱帯を中心に分布します。ミズバショウ属(Lysichiton Schott, 1857)は、世界に2種あり、北米と東アジアに1種ずつ分布します。

 湿地や湿原に自生します。径4~5cmで1mを越す太く長い根茎があり、ひげ根が多数あります。不溶性蓚酸塩1)を含み、全草が有毒です。根生葉を輪生させ、草丈は60~80cmになります。葉は、長さ40~80cm、幅15~30cmの長楕円形で、全縁。花後にも成長します。葉腋から、長さ10~30cmの花茎を出します。

 花期は4月から5月頃で、産地によって異なります。多肉花軸の周囲に柄のない花を均等に密生させる肉穂花序 (spadix)を立ち上げます。穂状花序(spike)を特殊化した形態で、無限花序の一つです。肉穂花序は、円柱状で長さ12cmぐらい。まわりを囲む花弁状の仏炎苞2)があり、長さ10~15cmの白色の卵形で、基部は筒状、上部は舟形です。

 両性花で、雌雄異熟。柱頭が先に熟す、雌性先熟です。花は、径3~4mmの六角状で、4個の淡緑色をした花被片と4個の雄しべ、1個の雌しべがあります。花粉は黄色。果実は液果で、緑色に熟します。子房は2室で、各室に種子2個をつけます。種子は褐色で、水面に浮き、長さ約4mm。染色体数は、2n=28。

 本種の他に、北米に分布し仏炎苞が黄色の、アメリカミズバショウ(アメリカ水芭蕉)Lysichiton americanum Hulten et St.John があります。

1)蓚酸塩(しゅうさんえん・oxalate):接触により皮膚炎症、誤食により、口腔炎症、嘔吐、重度の下痢、強直性痙攣(低カルシウム症)等を起す。
2)仏炎苞(spathe):肉穂花序(花軸に密集してつく小花)を囲むように発達した苞葉。形状が仏像の光背の炎形に似るため。

 ※高山の池に咲く水芭蕉は、地元JA静岡市水見色女性部が移植したもので、自生ではありません。1995(平成7)年に群馬県片品村から24株を譲り受けたものです。高山や高山の池については、静岡市役所 経済局 農林水産部 中山間地振興課 〒421-1212 静岡市葵区千代538-11 静岡市林業センター 電話054-294-8807 Fax054-278-3908 へお問い合せ下さい。
 ※高山(牛ヶ峰)のハイキングコースについては、静岡市観光交流文化局 スポーツ振興課 電話:054-221-1038へお問い合せ下さい。

参考:オランダカイウ(阿蘭陀海芋)

Japanese common name : Mizu-basyou
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Lysichiton camtschatcense (L.) Schott

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両性花で、雌雄異熟。
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2015.04.17

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左:花期 2015.04.17 <花は、径3~4mmの六角状> 右:花後 2008.05.07
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花期のミズバショウ
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1月のミズバショウ 2015.01.20

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左:水面が凍っている2月 2008.02.22 右:水が緩んだ3月 2008.03.06
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高山の池 2008.03.06

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左:4月 2008.04.04 右:5月 2008.05.07
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4月の高山の池 (窪地にできた小さな池です)


ミズバショウ(水芭蕉)
サトイモ科ミズバショウ属
学名:Lysichiton camtschatcense (L.) Schott
花期:4月~5月(~7月) 多年草 草丈:60~80cm 花径:3~4mm

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【学名解説】
Lysichiton : lysis(分離)+chiton(衣服)/ミズバショウ属
camtschatcense : カムチャッカの(camtschatcensis, camtschaticus)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Schott : Heinrich Wilhelm Schott (1794-1865)
---
ca. : circa(約、およそ)

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰 Alt. 716.7m)/高山の池(Alt. ca. 580m)/移植
2008.02.22, 2008.03.06, 2008.04.04, 2008.05.07
2015.01.20, 2015.04.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

29 April 2015
Last modified: 29 June 2015
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by pianix | 2015-06-29 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ショウジョウバカマ(猩々袴)
 ショウジョウバカマ(猩々袴)は、シュロソウ科ショウジョウバカマ属の多年草です。日本や朝鮮半島、サハリンに分布します。日本では、北海道から九州までに分布する在来種です。名の由来は、花を猩々の赤ら顔、葉を袴に例えたものと言われています。猩々は、中国の伝説上の動物です。

 APG1)植物分類体系では、シュロソウ科(Melanthiaceae Batsch ex Borkh. (1797))で、北半球温帯に約16属170種が分布します。旧分類(新エングラー体系、クロンキスト体系)では、ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))で、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ショウジョウバカマ属(Helonias L. (1753))は、日本や台湾、朝鮮半島、サハリンに6種分布し、日本には3種が分布します。

 野や山地の湿地や林下に自生します。根生葉はロゼット状の葉で、放射状に広がり、やや革質のヘラ型で全縁、無毛、長さ5~20cm。草丈は10~30cmで、鱗片葉が花茎に数個付きます。花期は4~5月。茎頂に花柄を出し、総状花序に3~10の花を付けます。花披片は倒披針形。淡紅色から濃紅紫色で、濃淡の個体差があります。花被基部が膨らみます。雌性先熟で、開花前は雌性期、開花後に雄性期となります。雄しべ6個で、葯は黒紫色。子房上位。

 花後に茎が伸び、花被が退色して緑色になります。花は上を向くようになり果実が熟してきます。果実は蒴果です。長さ約8mmで、3~5にくびれます。熟すと裂開し、5mm程の両端に糸状の付属体が付いた線形の種子を多数出します。風による種子散布を行います。種子及び葉先に生じる不定芽(栄養繁殖体)により繁殖します。染色体数は、2n=34。

 他に、花弁が白い、ツクシショウジョウバカマ(筑紫猩々袴)Helonias breviscapa (Maxim.) N.Tanaka、別名シロバナショウジョウバカマ(白花猩々袴)。鹿児島、沖縄、台湾に分布し小型白色系で絶滅危惧II類(VU)の、コショウジョウバカマ(小猩々袴)Helonias kawanoi (Koidz.) N.Tanaka。白花種で絶滅危惧IB類のオオシロショウジョウバカマ(大白猩々袴)Helonias leucantha (Koidz.) N.Tanaka。台湾に分布する、ヒメショウジョウバカマ(姫猩々袴)Helonias umbellata (Baker) N.Tanakaがあります。

1)APG : Angiosperm Phylogeny Group (被子植物系統グループ)は、ゲノム解析に基づく分類体系を構築する団体。

参考文献:YAKUGAKU ZASSHI Vol. 73 (1953) No. 1 P 84-85 邦産植物ステリン成分の研究 (第2報) ショウジョウバカマの成分 (1) 武田 健一, 岡西 為人, 島岡 有昌

Japanese common name : Syoujou-bakama
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Helonias orientalis (Thunb.) N.Tanaka
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茎頂に花柄を出し数個の花を付ける。花披片は倒披針形。

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左:開花前 右:開花途中。葯は黒紫色。

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左:根生葉は放射状に広がる。 右:花茎につく鱗片葉。成長と共に間隔が広がる。

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花色は淡紅色から濃紅紫色がある。

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左:花後は緑色になる。 右:果実は蒴果。裂開して糸状の種子を出す。
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葉先に出た不定芽


ショウジョウバカマ(猩々袴)
シュロソウ科ショウジョウバカマ属
学名:Helonias orientalis (Thunb.) N.Tanaka
synonym : Heloniopsis orientalis (Thunb.) Tanaka
花期:4月~5月 多年草 草丈:10~30cm 花冠長:1~1.5cm 花径:約1.5cm

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【学名解説】
Helonias : 詳細不明/ショウジョウバカマ属
orientalis : 東方の
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
N.Tanaka : 田中教之 Noriyuki Tanaka (?) 帝京大学教授
---
Heloniopsis : Helonias(属名)+opsis(似る)/ショウジョウバカマ属
breviscapa : brevi(短い)+scaposus(花茎)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
Tanaka : 田中長三郎 Tyôzaburô Tanaka (1885-1976)
---
synonym(シノニム):同意語、異名。

撮影地:静岡県静岡市
ダイラボウ(Alt. 561.1m) 2015.03.26
誓願寺山麓 2015.03.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

7 February 2015, 30 April 2015, 27 April 2016
Last modified: 11 June 2016
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by pianix | 2015-04-28 00:00 | | Trackback | Comments(0)
アリドオシ〈蟻通し〉
 アリドオシ〈蟻通し〉は、アカネ科アリドオシ属の常緑低木です。東南アジアに分布し、国内では関東地方以西に分布する在来種です。名の由来は、一般的には鋭い棘が蟻を刺し通す程の例えから。棘が多い事から蟻でなければ通り抜けられない等の説もあります。別名の一両は、センリョウ(千両)等と対比した名称で、「千両万両有り通し」との縁起を担いだ洒落から。中国名は、虎刺(hǔcì)。山梨県で絶滅危惧IA類(CR)、埼玉県、茨城県、福井県では絶滅危惧II類(VU)に指定されています。(参考:レッドデーターブック・カテゴリー図

 アカネ科(Rubiaceae Juss. (1789))は、約630属14,000種が分布します。アリドオシ属(Damnacanthus C.F. Gaertner, 1805)は、東アジアに6種が分布します。

 山地の広葉樹林内に自生します。枝は分岐しながら広がり、樹高は30~60cmになります。葉は対生します。大型葉、小型葉が交互につき、長さ10~25mm、幅6~12mmの卵形で全縁。革質で光沢があります。大型葉の葉腋1)から葉に対生して長さ1~2cmの2本の鋭い棘を左右に出します。棘の長さは葉表側の方が長い事が多い。棘は、草食動物に対する防御のために細枝が変化したものと考えられています。山道脇に生えている事も多く、棘で引っかけられる場合があり痛い思いをさせられます。尻餅は勿論、前に転倒して手を突いたら悲惨な事になりかねません。

  花期は5月。葉腋に2個ずつ花をつけます。花冠は白色。長さ10mm程の筒状漏斗形で先端が4裂します。雄しべ4、雌しべは糸状で先端が4裂します。両性花。子房下位で4室、各室に胚珠2)1。果期は9月頃。果実は核果(液果)です。径4~6mmの宿存萼3)がある球形で、熟すと赤くなります。染色体数は、倍数性4)が知られていて、2n=225)、2n=4x=446)

 よく似た変種に、オオアリドオシ(大蟻通し)Damnacanthus indicus Gaertn.f. var. major (Siebold et Zucc.) Makino や、ホソバオオアリドオシ(細葉大蟻通し)Damnacanthus indicus Gaertn.f. var. lancifolius Makino、矮性種としてヒメアリドオシ(姫蟻通し)Damnacanthus indicus C.F.Gaertn. var. microphyllus (Makino) Makino ex Nakai があります。

1)葉腋(ようえき、leaf axil):葉の付け根部分
2)胚珠(はいしゅ、ovule):種子になる部分
3)宿存萼(persistent calyx):花が終わっても母体から離れず残る萼。
4)倍数性(ばいすうせい、polyploidy):生物体細胞の染色体数2nが、基本数xの整数倍になる現象。
5)三重県、和歌山県、四国、九州、沖縄 (Naiki and Nagamasu, 2004)
6)関東、東海、近畿、中国、四国、九州、沖縄 (Naiki and Nagamasu, 2004)

参考文献:
・Bulletin of the Osaka Museum of Natural History, No.62 p. 75-80; March 31, 2008.
・Naiki, A., and Nagamasu, H. 2004. Correlation between distyly and ploidy level in Damnacanthus (Rubiaceae). American Journal of Botany 91: 664-671.

Japanese common name : Aridoosi
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Damnacanthus indicus C.F.Gaertn. var. indicus

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左:花の蕾先端は閉じている 右:花は2個ずつ下向きに咲く
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雄しべ4と雌しべ1があり、花冠の長さは10mm程で、筒内には毛がある

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左:葉に対生して鋭い棘が上下に一対出る 右:光沢のある葉は大小が交互につく

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左:盛大に広がったアリドオシ 右:冬に残留萼片がついた果実は赤く熟す


アリドオシ〈蟻通し〉
アカネ科アリドオシ属
学名:Damnacanthus indicus C.F.Gaertn. var. indicus
花期:5月 常緑低木 樹高:30~60cm 花冠長:約1cm

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【学名解説】
Damnacanthus : damnao(優る)+acantha(刺)/アリドオシ属
indicus : インド(India)の
C.F.Gaertn. : Karl Friedrich von Gaertner (1772-1850)
var. : varietas(変種)

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰 Alt.717m) 2008.02.07
嫁越峠(Alt.ca.270m) 2012.03.15
安倍城跡(Alt.435m) 2014.05.27
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 07 February 2015
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by pianix | 2015-02-07 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ニッコウネコノメ(日光猫目)
 ニッコウネコノメ(日光猫目)は、ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草です。本州の太平洋側山地から四国にかけて分布する日本固有種です。イワボタン(岩牡丹)を母種とする変種です。イワボタンの葯は黄色です。名の由来は、日光国立公園の塩原で見つけられたネコノメソウである事から。イワボタンは、岩の多い場所に自生し牡丹の葉の付き方に似ている事から。ネコノメソウは、果実が熟して割れた形状を猫の瞳孔に例えたもの、あるいは漢名の猫児目晴草から。

 ユキノシタ科(Saxifragaceae Juss. (1789))は、温帯から寒帯にかけて約17属500種があります。以前は約80属1200種が属する大きな科でしたが、近年に幾つかの科が分離され減少しました。ネコノメソウ属(Chrysosplenium L. (1753))は、世界に約55種、日本に14種が分布します。

 葉が対生するネコノメソウ節(Sect. Chrysosplenium)と、互生するヤマネコノメソウ節(Sect. Nephrophylloides)の2節に分類されます。ニッコウネコノメは、葉が対生するネコノメソウ節に分類されます。

 山地沢沿いの湿地に自生します。茎は暗紅色で無毛。葉は対生します。根生葉と茎葉共に柄があります。茎葉は灰白色の斑紋があり、長さ1~5cm。基部はくさび形で卵円形から卵状楕円形、鋸歯があり無毛。葉脈が目立ちます。花期は4月。萼裂片は4個で斜開、あるいは平開し、黄緑色。雄しべは4~8個で、葯は暗紅紫色。花後に送出枝が伸びます。果実は蒴果です。種子は茶褐色、径1mm程の球形で多数あります。染色体数は、2n=22。

 よく似た種に、葯が暗紅色で花糸や花盤が紅紫色をした、ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目)があります。岐阜県以西の日本海側にはボタンネコノメソウ(牡丹猫の目草)があります。ネコノメソウの仲間は、地域による個体差があり、それによって種類が多く、分類が難しくなります。

Japanese common name : Nikkou-nekonome
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Chrysosplenium macrostemon Maxim. var. shiobarense (Franch.) H.Hara

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歓昌院坂 2008.04.02
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葯色は暗紅色

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牛妻不動の滝 2007.03.08

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左:全体の様子(歓昌院坂 2008.04.02) 右:芽生え後(安倍城跡 2013.03.06)

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左:茎 (歓昌院坂 2008.04.02) 右:果実 (牛妻不動の滝 2007.03.08)


ニッコウネコノメ(日光猫目草)
別名:ニッコウネコノメソウ(日光猫目草)
ユキノシタ科ネコノメソウ属
学名:Chrysosplenium macrostemon Maxim. var. shiobarense (Franch.) H.Hara
花期:4月 多年草 草丈:5~15cm 花径:2~3mm

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【学名解説】
Chrysosplenium : chrysos(金の)+spleen(脾臓)/ネコノメソウ属
macrostemon : 長い雄蘂(ゆうずい)の
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
var. : varietas(変種)
shiobarense : 那須塩原の
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
H.Hara : 原寛 Hiroshi Hara (1911-1986)

撮影地:静岡県静岡市
歓昌院坂 2008.04.02
牛妻不動の滝 2007.03.08
安倍城跡 2013.03.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 24 December 2014
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by pianix | 2014-12-25 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ハナネコノメ(花猫の目)
 ハナネコノメ(花猫の目)は、ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草です。福島県から京都付近までに分布します。シロバナネコノメソウ(白花猫の目草)を母種とします。名の由来は、花弁状の萼片がネコノメソウの仲間では花らしく見える事から。ネコノメソウは、果実が熟して割れた形状を猫の瞳孔に例えたもの、あるいは漢名の猫児目晴草から。

 ユキノシタ科(Saxifragaceae Juss. (1789))は、温帯から寒帯にかけて約17属500種があります。以前は約80属1200種が属する大きな科でしたが、近年に幾つかの科が分離され減少しました。ネコノメソウ属(Chrysosplenium L. (1753))は、世界に約55種、日本に14種が分布します。葉が対生するネコノメソウ節と、互生するヤマネコノメソウ節の2種に分類されます。

 山地の沢や谷沿い湿地に自生します。茎は暗紅褐色を帯び、白色軟毛が散生します。草丈は5~10cm。葉は対生します。根生葉は花期に枯れます。茎葉は扇形で、半円状の鋸歯が3~7個あり、長さ10mm以内。葉にも白色軟毛がまばらにあります。花後に走出枝(runner)を伸します。

 花期は3月から4月頃で、茎頂に4~5個の花を付けます。花弁状に見えるのは4裂した萼裂片です。萼裂片は長さ3~5mmの長卵形で斜開し、白色、花径は約5mm。両性花。雄しべは8個で萼より突出します。葯色は暗紅色。花粉は黄色。近畿地方以西、四国や九州に分布する母種のシロバナネコノメソウ(白花猫の目草)の花粉は白色。花柱の先端はくちばし状。子房上位。果実は蒴果です。種子は微小で乳頭状突起があります。

 シロバナネコノメソウ(白花猫の目草)Chrysosplenium album Maxim. var. albumを母種とする変種は次の3種があります。
・ハナネコノメ(花猫の目)
 Chrysosplenium album Maxim. var. stamineum (Franch.) H.Hara
・キイハナネコノメ(紀伊花猫の目)
 Chrysosplenium album Maxim. var. nachiense H.Hara
キバナハナネコノメ(黄花花猫の目)
 Chrysosplenium album Maxim. var. flavum H.Hara

Japanese common name : Hana-nekonome
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Chrysosplenium album Maxim. var. stamineum (Franch.) H.Hara

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茎頂に4~5個の花をつける。葯色は暗紅色で、花粉は黄色。
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沢の湿地にある岩陰に群生するハナネコノメ


ハナネコノメ(花猫の目)
ユキノシタ科ネコノメソウ属
学名:Chrysosplenium album Maxim. var. stamineum (Franch.) H.Hara
花期:3月~4月 多年草 草丈:5~10cm 花径:約5mm

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【学名解説】
Chrysosplenium : chrysos(金の)+spleen(脾臓)/ネコノメソウ属
album : albus(白色の)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
var. : varietas(変種)
stamineum : stamineus(雄の、雄蘂の)
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
H.Hara : 原寛 Hiroshi Hara (1911-1986)

撮影地:静岡県静岡市
竜爪山(Alt. 1051m) 2009.03.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 01 September 2014
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キバナハナネコノメ(黄花花猫の目)
 キバナハナネコノメ(黄花花猫の目)は、ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草です。シロバナネコノメソウ(白花猫の目草)を母種とする変種で、東海地方(静岡県、愛知県、岐阜県)、長野県に分布する日本固有種です。静岡県と岐阜県では準絶滅危惧(NT)、愛知県では絶滅危惧Ⅱ類(VU)、長野県では絶滅危惧IA類(CR)。名の由来は、花弁状の萼片が黄色いネコノメソウであることから。ネコノメソウは、果実が熟して割れた形状を猫の瞳孔に例えたもの、あるいは漢名の猫児目晴草から。

 ユキノシタ科(Saxifragaceae Juss. (1789))は、温帯から寒帯にかけて約17属500種があります。以前は約80属1200種が属する大きな科でしたが、近年に幾つかの科が分離され減少しました。ネコノメソウ属(Chrysosplenium L. (1753))は、世界に約55種、日本に14種が分布します。葉が対生するネコノメソウ節と、互生するヤマネコノメソウ節の2節に分類されます。キバナハナネコノメは、葉が対生するネコノメソウ節です。

 山地の谷や渓流沿いに自生します。草丈は5~10cm。茎は紅紫色を帯び、白色の軟毛があります。。花後に走出枝(runner)を伸します。葉は対生します。根出葉は1~2対を対生させ、花期に枯れます。茎葉は短い柄があり、長さ2~8mm、幅3~9mmの扇形単葉で、丸い鋸歯が3~5個あります。

 花期は4月から5月頃。黄色の4裂した広卵形の萼片が花弁状になり半開します。花径は、4~8mm。雄しべは8個。葯は黄色や橙赤色で、萼片から突出します。花柱の先端はくちばし状。子房上位。果実は蒴果です。

 シロバナネコノメソウ(白花猫の目草)Chrysosplenium album Maxim. var. albumを母種とする変種は次の3種があります。
ハナネコノメ(花猫の目)Chrysosplenium album Maxim. var. stamineum (Franch.) H.Hara
・キイハナネコノメ(紀伊花猫の目)Chrysosplenium album Maxim. var. nachiense H.Hara
・キバナハナネコノメ(黄花花猫の目)Chrysosplenium album Maxim. var. flavum H.Hara

※参考:レッドデーターブック・カテゴリー(分野図)

Japanese common name : Kibana-hana-mekonome
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Chrysosplenium album Maxim. var. flavum H.Hara


キバナハナネコノメ(黄花花猫の目)
ユキノシタ科ネコノメソウ属
学名:Chrysosplenium album Maxim. var. flavum H.Hara
花期:4月~5月 多年草 草丈:5~10cm 花径:4~8mm

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【学名解説】
Chrysosplenium : chrysos(金の)+spleen(脾臓)/ネコノメソウ属
album : albus(白色の)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
var. : varietas(変種)
flavum : flavus(黄色、山吹色、黄金色の)
H.Hara : 原寛 Hiroshi Hara (1911-1986)

撮影地:静岡県静岡市
貴重種位置情報非公開 2009.03.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 18 August 2014
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by pianix | 2014-08-18 00:00 | | Trackback | Comments(0)
オニシバリ(鬼縛り)
 オニシバリ(鬼縛り)は、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑小低木です。日本、中国、朝鮮半島に分布します。日本では、本州(福島県以南)、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、引きちぎりにくい枝で、鬼を縛れる程の強さとの例えから。別名のナツボウズ(夏坊主)は、夏に落葉させる事から。

 ジンチョウゲ(沈丁花)科(Thymelaeaceae Juss. (1789))は、世界の温帯から熱帯に44属、約500種が分布し、日本には4属、16種が自生します。ジンチョウゲ属(Daphne L. (1753))は、世界に約90種、日本には7種程が自生します。

 丘陵や山地の林内に自生します。茎は灰茶色で樹皮は強靱でしなやか。繊維に富む事から和紙の補助材として利用されます。樹高は50cm~80cm。葉は互生します。倒披針形、あるいは披針形で、長さ4~10cm、幅1~3cm、全縁。落葉は夏の7~8月頃の一ヶ月間程で、その後に新葉を出します。

 花期は2月から4月。葉腋から束生状に淡黄緑色の花をつけます。花冠は筒状で、長さ6~8mmの萼筒の先を4裂させた萼裂片を開き、反り返ります。雌雄異株。雌花の萼筒は雄花の半分程の長さで小さい。雄しべ8個。子房上位。

 果実は核果です。長楕円形で長さ6~8mm。熟すと赤くなります。セイヨウオニシバリ(西洋鬼縛り)Daphne mezereum L.と同様に、ダフネトキシン(daphnetoxin|C27H30O8)を含み有毒です。半数致死量(LD50)は、0.3mg/kg-1(mouse)。皮膚吸収の可能性があり、炎症を引き起す事があります。薬用としては、樹皮を慢性皮膚病、リウマチの消腫目的で使用されます。

 似た種に、ナニワズ(難波津)Daphne jezoensis Maxim.があります。長野県の絶滅危惧IB類(EN)。

 参考文献:Constituents of the Leaves of Daphne pseudo-mezereum (T.Konishi, S.Wada, S.Kiyosawa 1993)

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2015.01.29 開花を確認/2016.01.13 開花を確認/2017.02.03 開花を確認

Japanese common name : Oni-shibari
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Daphne pseudomezereum A.Gray

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左:雄株 右:雌株

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雄花花冠。萼筒先端を4裂させる。筒状で長さ6~8mm。

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左:雄花(左)と雌花(左) 右:内部。子房上位。

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左;雄株全体 右:葉は倒披針形、あるいは披針形で、全縁。

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左:若い果実(2014.04.16) 右:赤くなった果実(2016.05.12)


オニシバリ(鬼縛り)
別名:ナツボウズ(夏坊主)
ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属
学名:Daphne pseudomezereum A.Gray
花期:2月~4月 常緑小低木 樹高:50cm~80cm 花冠径:約14mm

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【学名解説】
Daphne : ギリシャ神話の女神名(月桂樹)/ジンチョウゲ属
pseudomezereum : pseudo(似た)+mazeriyn(殺す)[セイヨウオニシバリに似た]
A.Gray : Asa Gray (1810-1888)
---
Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡(Alt.435m) 2014.02.19 - 04.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

05 March 2014
Last modified: 17 May 2016
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by pianix | 2014-05-13 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヤブコウジ(藪柑子)
 ヤブコウジ(藪柑子)は、サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木です。東アジアの台湾、中国、朝鮮等に分布し、日本では北海道、本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、藪に生える小さなみかんから。コウジ(柑子)とは、小さなミカンの一種で、ヤマミカン(山蜜柑)と呼んでいたのが、万葉時代はヤマタチバナ(夜麻多知婆奈)となり、ヤブコウジへと変遷したものと考えられています。センリョウ(千両)、マンリョウ(万両)に対して、カラタチバナ(唐橘)は百両、ヤブコウジは十両と呼ばれ、正月の縁起物としてもお馴染みです。

 サクラソウ科(Primulaceae Batsch ex Borkh. (1797))は、28属約1000種があります。旧ヤブコウジ科(Myrsinaceae R.Brown, 1810)は、熱帯・暖帯・温帯に37属約1300種が分布し、日本には4属1)12種が自生します。ヤブコウジ属(Ardisia O.Swartz, 1788)は、約300種が分布し、日本には約6種があります。

 丘陵や山地(垂直分布1200m)の林内に自生します。地下茎は横に這い、所々から地上茎を出しながら樹高10から20cmに立ち上げ群生します。葉は、単葉で互生し、茎上部で輪生状につきます。長楕円形で長さ7cm程、幅3cm程、革質で光沢があり、細かな鋸歯があります。

 花期は7月から8月頃。葉腋に散形花序2)を出し、7~10mmの花柄の先に下向きに花を咲かせます。花は白色で赤味のある細かい斑紋があります。合弁花で5深裂し、径5~8mm。先が尖る裂片5.萼5、雄しべ5個、雌しべ1個の雌雄同体。子房上位。果実は核果です。熟すと赤くなります。果肉には若干の甘みがあり、鳥に食べられて種子散布されます。

 庭の下草としての利用があります。中国では、全草を乾燥させたものを紫金牛(しきんぎゅう)として利尿や咳止めに用いられます。

1)ヤブコウジ属、イズセンリョウ属(Maesa Forssk. (1775))、ツルマンリョウ属(Myrsine L. (1753))、タイミンタチバナ属(Rapanea Aublet, 1775) 。
2)散形花序[さんけいかじょ(umbel)]:無限花序のひとつで、放射状(傘形)に花柄をつける花序。

Japanese common name : Yabu-kouji
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Ardisia japonica (Thunb.) Blume

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5深裂した合弁花で、花径は5~8mm

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左:花は葉の下に隠れるように咲く(2008.07.11) 右:蕾(2007.12.13)ダイラボウ

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果実:超小型のリンゴのような形でかわいい。(2012.02.17)
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群生するヤブコウジ 2014.02.19

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左:上部の葉は輪生状につく 右:核(径約5mm)


ヤブコウジ(藪柑子)
別名:ヤマタチバナ(山橘)、ジュウリョウ(十両)
サクラソウ科ヤブコウジ属
学名:Ardisia japonica (Thunb.) Blume
花期:7~8月 常緑小低木 樹高:10~20cm 花径:5~8mm 果実径:5~6mm

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【学名解説】
Ardisia : ardis(鎗先・矢先)/ヤブコウジ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Blume : Carl Ludwig von Blume (1796-1862)
---
Batsch : August Johann Georg Karl Batsch (1761-1802)
ex : ~による
Borkh. : Moritz (Moriz) Balthasar Borkhausen (1760-1806)
---
R.Brown : Robert Brown (1773-1858)
O.Swartz : Olof Peter Swartz (1760-1818)
※japonicaは、ジャポニカではなくヤポニカと発音します。

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡(Alt. 435m) 2007.12.13 - 2014.02.19
ダイラボウ(Alt. 561m)
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

25 February 2014, 14 March 2014
Last modified: 24 October 2016
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by pianix | 2014-02-25 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ミヤマシキミ(深山樒)
 ミヤマシキミ(深山樒)は、ミカン科ミヤマシキミ属の常緑低木です。アジアに分布し、日本では関東以西の山地に分布します。名の由来は、葉がシキミ(樒)に似て、山地に生える事から。

 ミカン科(Rutaceae Juss. (1789))は、世界に約150属、900種が分布します。ミヤマシキミ属(Skimmia Thunberg, 1783)は、アジアに約9種が分布し、日本では本種の1種のみがあり、変種・品種が11種程あります。

 山地の林下に自生します。樹高は100~150cmになります。葉は互生します。長さ6~13cm、幅3~5cmの倒卵状楕円形で全縁。光沢がある革質で、油点があります。花期は4月から5月頃で、茎頂に円錐花序をつけます。雌雄異株。小花は白色の花弁4枚からなり径8~9mm。芳香があります。雌花は4本の退化した雄しべと1本の雌しべ、雄花は4本の雄しべと退化した雌しべ1本があります。

 果実は核果です。赤く熟し、球形で長さ約8mm。広卵形で7mm程の核が2~5個あります。染色体数は、2n=30。

 葉や種子に痙攣作用があるスキミアニン(skimmianine)や、ジクタムニン(dictamnine)を含む有毒植物です。古くは頭痛、めまいの民間薬として用いられた経緯があり、農業用殺虫剤としての利用があります。観賞用として栽培される場合もあります。

Japanese common name : Miyama-sikimi
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Skimmia japonica Thunb. var. japonica

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左:蕾 2008.02.18  右:蕾 2008.03.12

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左:《雄花》雄しべ4本と退化雌しべ1本 右:《雌花》雌しべ1本と退化雄しべ4本

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葉は倒卵状楕円形で全縁。光沢がある革質で、油点がある。

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果実は核果で、熟すと赤くなる


ミヤマシキミ(深山樒)
ミカン科ミヤマシキミ属
学名:Skimmia japonica Thunb. var. japonica
花期:4月~5月 常緑低木(雌雄異株) 樹高:100~150cm 果期:12月~2月

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【学名解説】
Skimmia : 和名のミヤマシキミに由来/ミヤマシキミ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
※japonicaは、ジャポニカではなくヤポニカと発音します。

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡(Alt. 435m) 2008.02.18 - 2014.02.07
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 08 February 2014
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by pianix | 2014-02-06 00:00 | | Trackback | Comments(0)
エビネ(海老根)
 エビネ(海老根)は、ラン科エビネ属の多年草です。日本、朝鮮、中国に分布し、日本では北海道から沖縄にかけて分布する在来種です。環境省レッドブックで準絶滅危惧(NT)。名の由来は、地下茎の形状を海老に見立てたもの。園芸愛好家の間ではジエビネ(地海老根)の名前が使われています。

 ラン科(Orchidaceae Juss. (1789))は、熱帯から亜寒帯に約700属、15000種以上、日本には約73属約220種が分布します。エビネ属(Calanthe R.Brown ex Ker-Gawler, 1821)は、東南アジア、東アフリカ、オーストラリア、南米などに変種を含んで約210種が分布し、日本には21種が自生します。

 山野の林内に自生します。球状で2cm程の偽鱗茎1)を地表浅く横に伸します。偽鱗茎からは径2~3mmの根を多数出します。葉は根生します。基部は花茎を抱き、披針状長楕円形で幅3~6cm、長さ15~30cmの薄い葉を2~3枚を出します。縦に5本の葉脈があり縮れます。茎の太さは3~5mm程で2~3個の小さな苞がつき、直立して高さ30~40cm。

 花期は4月から6月頃。総状花序を出し、径2~3cmの花を8~15個、下垂させてつけます。花柄は長さ約16mm。花は左右相称のラン形花冠で、幅約20~33mm。萼片(外花被片)3個と花弁(内花被片)がそれぞれ3個あり、萼片3個と花弁の2個(側花弁)は暗褐色で先が尖ります。花弁中央は唇弁で、白色や薄紫紅色、長さ約6.5mmで深く3裂し、さらに中央の中裂片は浅く2裂、3本の隆起線があります。基部が袋状の距となり長さ5~10mm、入口部に雄しべと雌しべが合着した蕊柱(ずいちゅう)があります。

 両性花。花粉は黄色で花粉塊となります。子房下位。果実は蒴果2)です。長さ3cm位の楕円形で、熟すと縦に6個の裂目ができて種子を飛ばします。種子は菌根菌に依存する微小な埃種子で多数あり、風によって散布されます。染色体数は、2n=40。

 品種(forma=f.)に、アカエビネ(赤海老根)C. f. rosea (Hatus.) Honda[萼片と側花弁が紫褐色で唇弁が淡紅色]、ダイダイエビネ(橙海老根)C. f. rufoaurantiaca (Iwata) Honda[萼片と側花弁が黄褐色で唇弁が白色]、があります。

 変種(varietas=ver.)に、カツウダケエビネ(嘉津宇岳海老根)C. var. kanashiroi Fuk.[沖縄県に分布]、ハノジエビネ(八の字海老根)C. var. divaricatipetala Ida[徳之島に分布]、があります。変種とされていた絶滅危惧IAのアマミエビネ(奄美海老根)C. var. amamiana(Fuk.)Masam.[奄美大島および徳之島に分布]はsynonym(異名)とされ、Calanthe amamiana Fukuy.に変更3)されました。

 1)偽鱗茎(ぎりんけい):蘭の複数の茎の節間にできる栄養貯蔵組織。
 2)蒴果(さくか):裂開果の一つで、熟すと果皮が割れて種子を出す果実。
 3)米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)

※以下の写真は、アカエビネ(赤海老根)です。

Japanese common name : Ebi-ne
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Calanthe discolor Lindl. f. rosea (Hatus.) Honda

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全体 2本の花茎があるので合計6枚の葉が見える。花は8~15個つく。
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萼片と花弁が3個ずつあり、白っぽく見えるのが唇弁で3裂している。

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左:地表浅くにある偽鱗茎。 右:前年度の古い葉。上に本年度の葉が見える。

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葉は根生し、花茎を抱く。長さ15~30cmの薄い葉を2~3枚を出す。

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左:花柄の下に白色の距があり、長さ5~10mm。 右:茎に付く披針形の苞(鱗片葉)

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左:果実は蒴果で、窪んだ部分が裂けて種子を出す(6月4日)。右:裂開後(9月6日)。

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2014年に出てきた新芽 2014.03.31


エビネ(海老根)
別名:ジエビネ(地海老根)
ラン科エビネ属
学名:Calanthe discolor Lindl.
花期:4月~6月 草丈:30~40cm 多年草 花径:2~3cm

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【学名解説】
Calanthe : calos(美)+anthos(花)/エビネ属
discolor : dis(分離)+color(色)[異なる部分が二色の]
Lindl.: John Lindley(1799-1865)
---
f. : forma(品種)
rosea : roseus(バラ色の・淡紅色の)
Hatus. : 初島住彦 Sumihiko Hatusima (1906-2008)
Honda : 本田正次 Masaji Honda (1897-1984)

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡(Alt. 435m) 2013.04.21 - 06.04(果実) - 09.06(裂開後果実)
2014.03.31(新芽)
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

06 September 2013
Last modified: 06 April 2014
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by pianix | 2013-09-06 00:00 | | Trackback | Comments(4)