カテゴリ:花( 374 )
タチアオイ(立葵)
 梅雨入りが近づいた、どんよりとした曇り空の日。静岡の入梅日は6月8日が平均だそうです。今は、梅雨の走り。野草を観察に行っても、いつ降り出すかと心配になってしまいます。植物は、雨が降ろうと風が吹こうと、じっと耐えます。というよりも、雨は恵み。そんな植物のまっただ中で、この時期を嫌う私だけが異質なのは確かです。

 私は、自生する植物が好きです。ところが、自生するからこそ人間に嫌われるという側面があります。それを理解しないと摩擦が起きてしまいます。人間に都合の良いものと悪いものがあり、都合の悪いものの内、人間がコントロールできないものが嫌われるのです。それを雑草と呼び、お百姓さん達は日々戦っています。彼らが雑草に愚痴を言いたくなるのも分かります。人間にも似たような所があり、自分で生きていける人や信念の強い人は嫌われる存在になってしまうことがあります。アウトロー=雑草の図式です。それを理解した上で、なおかつ私は自生する野草が好きなのです。

 タチアオイが色とりどりに背丈を伸ばして花を咲かせています。晴れた日のタチアオイは元気そうです。曇りの日は優しそうに見えます。タチアオイは静岡市の市花になっています。

Japanese common name : Tati-aoi
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Alcea rosea L.


タチアオイ(立葵)
別名:ホリホック/ハナアオイ(花葵)
アオイ科タチアオイ属
学名:Alcea rosea L.
synonym : Althaea rosea (L.) Cav.
花期:6月~8月 2年草 草丈:1~2m 花径:7~10cm

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【学名解説】
Alcea : altheo(治す)/タチアオイ属(Alcea L. (1753))
rosea : roseus(バラ色の、淡紅色の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
---
Althaea : althaino(治療)/ビロードアオイ属

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10km 左岸河川敷 2005.06.03
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

5 June 2005
Last modified: 12 June 2014
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by pianix | 2005-06-05 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ウンシュウミカン(温州蜜柑)
 「みかんの花が咲いている/思い出の道丘の道/はるかに見える青い海/お船がとおくかすんでる」(作詞:加藤省吾)。この曲は、昭和21(1946)年にNHKラジオが静岡県伊東市伊東西小学校との中継番組を行った際に作られました。「みかんの花咲く丘」は、放送前日に、あわただしく作られたようです。作詞者は静岡県出身者です。

 当たり前のように食べられているミカンですが、外国ではクリスマスの時にしか食べられないような貴重品である場合が多いようです。アメリカから一時帰国した知人が、マンダリン(Mandarin Orange)だと言いながら頬張っていたのは印象的でした。

 ミカン科(Rutaceae Juss. (1789))は、150属をかかえる大きな科で、約900種が知られています。ミカン属(Citrus L. (1753))は159種があります。日本には明治時代に導入されました。中国名で檸檬。クエン酸は、別名のクエン(枸櫞)が由来。

 ウンシュウミカンの親品種は、キシュウミカン(紀州蜜柑)1)とクネンボ(九年母)2)であると推定されました。種子親(母種)がキシュウミカン、花粉親(父種)がクネンボ。農研機構果樹茶業研究部門が行ったDNA鑑定3)によるもので、2016年12月7日に発表されました。

参考文献:
Parental diagnosis of satsuma mandarin (Citrus unshiu Marc.) revealed by nuclear and cytoplasmic markers(核および細胞質マーカーによるウンシュウミカン(Citrus unshiu Marc.)の親子鑑定) Breeding Science (2016) doi:10.1270/jsbbs.16060. 農研機構果樹茶業研究部門 主席研究員 藤井浩、他8名。

1)キシュウミカン(紀州蜜柑)Citrus kinokuni Hort. ex Tanaka
2)クネンボ(九年母)Citrus nobilis Lour.
3)DNAマーカー(SNPマーカーによる親子関係の解析、CAPSマーカーによる種子親・花粉親の解析)による。

参考:ミカン科ミカン属 ブンタン(文旦) レモン(lemon/檸檬)

Japanese common name : Unsyuu-mikan
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Citrus unshiu (Swingle) Marcow.


ウンシュウミカン(温州蜜柑)
ミカン科ミカン属
学名:Citrus unshiu (Swingle) Marcow.
花期:5月~6月 常緑低木 樹高:3~4m 花径:30~35mm 果期:9~12月

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【学名解説】
Citrus : kitron(箱)、レモンの古名/ミカン属
unshiu : ウンシュウ(温州)
Swingle : Walter Tennyson Swingle (1871-1952)
Marcov. : Vasil Vasilevicz Marcowicz (1865-1942)

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷(植栽) 2005.05.20
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

3 June 205, 23 May 2010
Last modified: 9 December 2016
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by pianix | 2005-06-03 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ゼニアオイ(銭葵)
 草花の撮影と称して、自転車で走り回っています。バイク2台が故障して使えなくなりました。歩いていくと時間がかかるので、自転車を使い始めました。気温が上がっている時は、自転車のカゴに飲み物を用意して行きます。あたりに自動販売機が無い時が多いからです。

 たまたま、飲み物を用意しないで出かけた時、汗が流れるほどになりました。これはまずいと思って、撮影前に自動販売機を探して買い求めました。そこに咲いていたゼニアオイ。初夏の日差しを浴びて咲くゼニアオイは、あたりを明るくさせるようです。野草化しているものも多く見られます。

 なお、徳川家の葵の紋に使われる葵は本種のアオイ科ではなく、ウマノスズクサ科です。葉を乾燥したものは錦葵葉(きんきよう)、花を乾燥したものは錦葵花(きんきか)として、生薬に使われます。

Japanese common name : Zeni-aoi
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Malva mauritiana L.


ゼニアオイ(銭葵)
アオイ科ゼニアオイ属
学名:Malva mauritiana L.
synonym : Malva sylvestris L. var. mauritiana Boiss.
花期:5月~6月 多年草 草丈:60~80cm 花径:3.5~4cm

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【学名解説】
Malva : malache(軟らかくする)/ゼニアオイ属
mauritiana : mauritianus(インド・モーリシャス島の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
---
synonym : (シノニム) 同意語、異名
var. : varietas(変種)
sylvestris : sylvester(森林生の・野生の)
Boiss. : Pierre Edmond Boissier (1810-1885)

撮影地:静岡県静岡市
葵区安倍口団地(植栽) 2005.05.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 2 June 2005
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Last modified: 23 May 2010
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by pianix | 2005-06-02 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ウツボグサ(靭草)
 ウツボグサ(靭草)は、シソ科ウツボグサ属の多年草です。海のウツボを思い出して恐そうな名前ですが、矢を入れる道具の「靭」に似ているところからつけられたようです。葉は対生、茎は四角。花穂を乾燥させたものが生薬の夏枯草(利尿・消炎薬)。

 ふと思い出し、以前咲いていた所を探し回ったのですが、姿が見えませんでした。これは残念と思っていたら、近くの土手斜面にたくさん咲いていました。ラッキーでした。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。オドリコソウ属Lamiumに由来する名です。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。ウツボグサ属(Prunella L. (1753))は約7種が分布します。

参考:ハナトラノオ(花虎の尾) メハジキ(目弾) ハッカ(薄荷) ホトケノザ(仏の座) ヒメオドリコソウ(姫踊子草)

Japanese common name : Utubo-gusa
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Prunella vulgaris L. subsp. asiatica (Nakai) H.Hara


ウツボグサ(靭草)
別名:カゴソウ(夏枯草)=生薬名
シソ科ウツボグサ属
学名: Prunella vulgaris L. subsp. asiatica (Nakai) H.Hara
synonym : Prunella vulgaris L. var. lilacina Nakai
花期:6月~8月 多年草 草丈:10~30cm 花穂:2~8cm

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【学名解説】
Prunella : 扁桃腺炎Brunellaに効果がある事から/ウツボグサ属
vulgaris : vulgaris(普通の・通常の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
subsp. : subspecies(亜種)
asiatica : asiaticus(アジアの)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)
H.Hara : 原 寛 Hiroshi Hara (1911-1986)
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*Prunella vulgaris L. subsp. asiatica (Nakai) H.Hara var. lilacina Nakai f. asiatica (Nakai) H.Hara
var. : varietas(変種)
lilacina : lilacinus(藤色の)
f. : forma(品種)

撮影地;静岡県静岡市
安倍川/河口から8.30km付近 左岸土手 2005.06.01

1 June 2005, 23 May 2010
Last modified: 20 March 2015
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by pianix | 2005-06-01 00:00 | | Trackback | Comments(0)