カテゴリ:虫( 103 )
イチモンジセセリ(一文字挵)
 ある日、河川敷で身動きせずに撮影している女性がいました。遠目でもニラ(韮)の花を写しているのが分かりました。よほど詳細にこだわっている方とお見受けし、話しかけてみました。写しているのはニラではなくて、ニラに止まって吸蜜している、蝶のイチモンジセセリでした。ピントが合わないので時間が掛かっていたのでした。デジカメでマニュアル操作ができない機種でした。そこでマクロでのピントの合わせ方を教えてあげると、綺麗に写ったと喜んでくれました。私が良くやっている、被写体の背景にピントが合わないように対象物の裏側を手の平で覆い隠す方法です。勿論、ピントが合ったら手は引っ込めます。何故イチモンジセセリを写しているのかと聞いたら、「だって、目が可愛いでしょう」との事。確かに、大きな目は可憐な感じがしないでもありません。「どうしてニラの花にいる時は逃げないのかしら」と素朴な疑問も持たれていました。

 イチモンジセセリ(一文字挵)は、セセリチョウ科セセリチョウ亜科イチモンジセセリ属の昆虫で、小型普通種の蝶です。本州以西に分布します。セセリチョウの仲間は国内に30種ほどが生息します。国外では東アジアに広く分布します。南方系の蝶で、越冬可能な地域は関東以西であり、関東以北に現れるのは移動してきたものです。渡をする蝶としても知られています。

 名の由来は、後翅に白色の紋が一直線に並ぶセセリチョウの仲間である事から。セセリとは、「突く」とか「もてあそぶ」の意味です。英名は、rice skipper。体長は18~20mm、翅を広げると30~35mmです。頭部は丸みを帯びて、胴体が太く、地色は茶褐色です。三角状の翅と先端が黒くなった棍棒形の触角があります。口吻で吸蜜します。鱗粉が多いので一見、蛾のように見えますが、飛翔は敏速です。

 昆虫は変温動物なので、環境の温度に影響を受けます。最適温度は18~25度と言われています。温度と体温が同じ時はじっとしている状態になります。イチモンジセセリ成虫の環境温度と活動の関係は次のようになります。8.8度では僅かに動く程度、18.9度で正しい姿勢を取る事ができるようになり、19.7度で歩く事ができます。24.5度から飛翔するようになり、37.8度で興奮状態、44.9度では仮死状態に陥ります。

 完全変態します。卵は灰褐色の半球状で直径1mm前後。葉の裏に1個ずつ産卵します。幼虫で越冬します。終齢幼虫の体長は、30~35mm。全体は淡緑色をしています。頭部は褐色で黒褐色の斑紋があり、紡錘形。腹部は白色で、背面に褐色の筋模様がある芋虫です。頭部の色彩斑紋は齢期によって異なるようです。稲の葉を綴り合わせてツト(苞)と言われる筒巣を作ります。そこから、ツトムシ(苞虫)、あるいはイネツトムシ(稲苞虫)と呼ばれます。夜間にツトから出て稲を食害するので、害虫として農家の嫌われ者となっています。但し、これが大量に発生するのは、食草である稲の豊作によるものですから、豊年虫とも言われます。蛹は体長25mm程で、黒褐色の円筒型をしています。似た蝶に、チャバネセセリ(茶羽根せせり)Pelopidas mathias oberthueri (Evans, 1937)がいます。

参考文献:イチモンジセセリの発育に及ぼす温度の影響 江村 薫,内藤 篤 埼玉県農業試験場研究報告 (43), p36-43, 1989-03

上部から見た写真→
※セセリ「挵」の漢字は、Unicode:U+6335

Japanese common name : Itimonji-seseri
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Parnara guttata guttata (Bremer et Grey, 1852)

イチモンジセセリ(一文字挵)
チョウ目(鱗翅目)セセリチョウ科セセリチョウ亜科イチモンジセセリ属
学名:Parnara guttata guttata (Bremer et Grey, 1852)

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体長:(前翅長)15~21mm/(開張)35mm
出現期:6月~11月(年4~5回)
分布:本州・四国・九州・沖縄
食草:セイバンモロコシ、イネ、ススキ、ヒメシバなどのイネ科
成虫吸蜜:アザミ類・キク類・ハギ類

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.5km左岸河川敷 2006.09.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

12 September 2006
Last modified: 08 September 2010
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by pianix | 2006-09-12 00:00 | | Trackback | Comments(0)
スケバハゴロモ(透羽羽衣)
 スケバハゴロモ(透羽羽衣)は、半翅目ハゴロモ科の昆虫で、カメムシの仲間です。本州・四国・九州に分布します。名の由来は、透明な翅を持つハゴロモの仲間である事から。同じハゴロモ科の、ベッコウハゴロモ(鼈甲羽衣)Orosanga japonicus (Melichar, 1898)やアミガサハゴロモ(編笠羽衣)Pochazia albomaculata (Uhler, 1896)と似た姿をしています。

 体長は6mm程度で、翅の後端までが9~10mmです。体は黒褐色で、蝉に似ています。翅は、前翅・後翅の4枚があり、透明で、暗褐色の外縁と脈があります。幼虫は白色糸状の蝋物質を放射状に付けます。ベッコウハゴロモの幼虫が褐色と白色の斑模様なのに対し、スケバハゴロモは薄緑色をしています。

 半翅目は、同翅亜目(ヨコバイ亜目)と異翅亜目(カメムシ亜目)に分けられます。スケバハゴロモは同翅亜目(ヨコバイ亜目)です。この同翅亜目には616種があり、口に相当する部分がどこにあるかという分類で、腹吻群(ふくふんぐん)と頸吻群(けいふんぐん)および鞘吻群(しょうふんぐん)の3群に分けられます。最近では同翅亜目という括り方は使われなくなってきています。

Japanese common name : Sukeba-hagoromo
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Euricania fascialis (Walker, 1858)


スケバハゴロモ(透羽羽衣)
カメムシ目(半翅目)ハゴロモ科
学名:Euricania fascialis (Walker, 1858)

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体長:6mm/(翅端まで)9~10mm
出現期:7月~9月
分布:本州・四国・九州
食草:広食性(ウツギ・キイチゴ・クワ・ブドウ)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川上流 2006.08.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 9 September 2006
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by pianix | 2006-09-09 00:00 | | Trackback | Comments(2)
コミスジ(小三筋)
 コミスジ(小三筋)は、タテハチョウ科タテハチョウ亜科ミスジチョウ属の蝶です。ヨーロッパ・中央アジアからヒマラヤ・東アジア等の旧北区に分布します。日本では、北海道・本州・四国・九州に分布する普通種です。名の由来は、三本の白線紋がある小型の蝶である事から。英名は、Common Sailer、あるいはCommon Glider。コミスジはタテハチョウの仲間です。

 タテハチョウ科(Nymphalidae Rafinesque, 1815)は南極を除く世界の大陸に6,000種ほどが分布すると言われています。タテハチョウ科の特徴は、翅の表と裏の模様が異なっているものが多く、前脚が退化して短くなっている事です。

 成虫の前翅長は22~30mm。メスはオスよりやや大きめです。地色は茶褐色で、白色横帯と白紋があり、裏面は濃茶褐色です。前翅付け根から出る白色帯は、中室端で2つに分離します。この部分の白点が細かくなっているのがホシミスジ(星三筋)で、滑らかな白線状になるのがミスジチョウ(三筋蝶)、白線上縁がギザギザ状で前翅の先端に白紋があるのがオオミスジ(大三筋)です。

 触覚の先端は3稜があります。飛行の特徴は滑空する事。花の蜜を吸汁します。幼虫は灰褐色で体長は約24mm、前後に小突起があります。マメ科の植物を食べます。終齢(5齢)幼虫は落ち葉の中で越冬します。蛹は尾部のカギ状器官で逆さにぶら下がります。

Japanese common name : Ko-misuji
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Neptis sappho intermedia (W.B. Pryer, 1877)
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2006.08.02
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2009.07.13 
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2009.07.13


コミスジ(小三筋)
チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科タテハチョウ亜科ミスジチョウ属
学名:Neptis sappho intermedia (W.B. Pryer, 1877)

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体長:(前翅長)22~30mm/(開張)45~54mm
出現期:4月~10月(年2~4回)
分布:北海道・本州・四国・九州
食草:(幼虫)マメ科・ニレ科

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14.25km 左岸土手 2006.08.02
賤機山(Alt.140m) 2009.07.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

5 September 2006
Last modified: July 13, 2009
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by pianix | 2006-09-05 00:00 | | Trackback | Comments(0)
モンシロチョウ(紋白蝶)のイナバウアー
 モンシロチョウがいました。いきなり私の前でイナバウアーをしたので驚きました。そこへオスがやってきたので、事の成り行きが分かり安心しました。私からメスを守る為にオスが応援に駆けつけたという訳ではありません。オスが交尾を仕掛けてきたのですが、振られてしまったのです。蝶は、頭・胸・腹に分かれていますが、腹部を大きく反り返らせる事ができます。

 モンシロチョウ(紋白蝶)は、シロチョウ科シロチョウ亜科モンシロチョウ属の蝶です。温帯と亜寒帯(日本・朝鮮半島・中国・中央アジア・ヨーロッパ)に広く分布します。日本では全国に分布する普通種です。奈良時代に大根の栽培と共に移入されたと考えられている帰化昆虫です。名の由来は、シロチョウの仲間で斑点の紋がある事から。英名は、Small White、あるいはCabbage White。

 シロチョウ科は、ほぼ全ての大陸に約1000種類が分布します。シロチョウ科(Pieridae)は、コバネシロチョウ亜科、マルバネシロチョウ亜科、モンキチョウ亜科、シロチョウ亜科の4亜科に分類されます。モンシロチョウはシロチョウ亜科に属します。

 前後翅の前縁が灰黒色で、前翅中央に灰黒色の斑点が2つあります。オスと比べた場合、メスの黒色紋は大きく鮮明になります。オスの地色は白色に黄色味を帯びますが、メスの地色は白色です。また、前翅の中室に灰黒色が強く出るのもメスの特徴です。紫外線によってメスの翅は白く、オスの翅は黒く見えるようで、これで雌雄の区別をしていると言われています。

 メスが翅を開いて腹部を高く突き出しイナバウアーをするのは、交尾拒否姿勢です。すでに交尾が済んでいる場合に、オスに対する合図として行います。完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)します。卵は黄色で1mm程。1週間ほどで孵化します。幼虫は青虫で、4回の脱皮で体長4cm程になります。蛹は糸のバンドで固定されます。蛹で越冬します。

Japanese common name : Monsiro-tyou
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▲腹部を高く突き出し交尾拒否をするメス
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▲オスが近寄ってきたところ


モンシロチョウ(紋白蝶)
チョウ目(鱗翅目)シロチョウ科シロチョウ亜科モンシロチョウ属
学名:Pieris rapae crucivora (Boisduval, 1836)

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出現期:3月~11月(年2~7回)
体長:(開張)45~60mm/(前翅長)20~30mm
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
食草:アブラナ科(キャベツ・大根)/フウチョウソウ科

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10km 右岸河川敷 2006.07.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 2 September 2006
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by pianix | 2006-09-02 00:00 | | Trackback | Comments(8)
キンモンガ(金紋蛾)
 キンモンガ(金紋蛾)は、アゲハモドキガ科に分類される昼行性の蛾です。本州・四国・九州に分布します。昼行性の蛾は、蝶のような色彩を持つものが少なくありません。開張32~39mmで、黒地に黄色の紋があることから名が付けられています。しかし、黒地に白色や淡黄色の紋を持つものもあります。白色紋の種は銀紋蛾とでも呼びたくなりますが変異の範疇です。翅の後ろ端には各1カ所、計4カ所の白帯があります。

 幼虫は体長20mm前後で、リョウブ(令法)1)の葉を食草とします。成虫は花の蜜を吸汁します。葉の上に翅を広げて止まっている事が多いようです。完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)をします。近似種に、希少種のフジキオビ(Schistomitra funeralis Butler, 1881)があります。

★  ★  ★

 昆虫を研究する学会は多数ありますが、その内の一つに、蝶や蛾を扱う日本鱗翅(りんし)学会があります。この会長さんである高橋さんが行った蝶の生息調査が新聞に掲載されていました。静岡市葵区にお住まいの方です。南アルプスなどに生息する蝶の古里を確認する為にシベリア奥地で調査をして成果を上げてきました。氷河期や温暖化を経て蝶の分布が変化していく様子を解明しています。近隣にこのような方がいらっしゃるのは心強い限りです。なお、国立・国定公園特別地域内では、捕獲等を規制されている蝶がありますから、そのような場所では充分な注意が必要です。

1)Clethra barbinervis Siebold et Zucc.

Japanese common name : Kinmon-ga
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Psychostrophia melanargia Butler, 1877
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キンモンガ(金紋蛾)
学名:Psychostrophia melanargia Butler, 1877
チョウ目(鱗翅目)アゲハモドキガ科

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体長:(開張)32~39mm/(前翅長)18~20mm
出現期:6月~8月(年2回)
分布:本州・四国・九州
食草:リョウブ科

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川上流 2006.08.18
林道佳山線 2016.09.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 31 August 2006
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by pianix | 2006-08-31 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾)
 ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾)は、イラガ科イラガ亜科アオイラガ属の蛾です。中国からインドが原産です。日本には1920年頃に侵入したと言われ、1960年以降に帰化し、1980年頃から増え始めた外来昆虫です。関東以西に分布します。

 緑色で前翅の縁に褐色の帯(黒褐色斑)があります。類似種のアオイラガ(青毒棘蛾)より褐色の帯部分が広くなっています。成虫の体長は14~16mm。イラガ科(Limacodidae Duponchel, 1845)は、国内には約20種類がいるとされ、植物防疫法による検疫有害動物に指定されています。

 幼虫や繭には毒毛があり、刺されると激痛が起き皮膚炎を発症します。有毒毛虫です。幼虫は緑色で背中に筋模様があり、放射状に伸びた毛束(肉状突起)を付けます。後胸に一対の突起があり、そこに橙色の棘があります。アオイラガと似ていますが、アオイラガの棘は黒色です。完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)をします。孵化後の初期段階では集団で葉を食害します。繭で越冬します。繭は褐色で12mm前後の扁平な楕円球状です。

Japanese common name : Hiroheri-ao-iraga
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Parasa lepida (Cramer, 1777)


ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾)
チョウ目(鱗翅目)イラガ科イラガ亜科アオイラガ属
学名:Parasa lepida (Cramer, 1777)

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体長:14~16mm/(開張)約30mm
出現期:4月~10月(年2回)
分布:本州(関東以西)・四国・九州・沖縄
食草:サクラ、カシ、モミジ等(広食性)

撮影地:静岡県静岡市
自宅/採取は清水区高橋 2006.08.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 29 August 2006
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by pianix | 2006-08-29 00:00 | | Trackback | Comments(2)
アカマダラメイガ(赤斑螟蛾)
 アカマダラメイガ(赤斑螟蛾)は、メイガ科マダラメイガ亜科の小型の蛾です。日本・シベリア・朝鮮・中国・台湾・インド・ヨーロッパの広範囲に分布します。日本では全国に分布します。名の由来は、赤い配色を持ったマダラメイガから。螟は植物の茎に穴を開けて食害する虫の事。

 メイガ科(Pyralidae Latreille, 1809)は世界に10000種以上、日本には約650種があると言われています。成虫は、翅が狭い種で、害虫として扱われる場合が多いようです。完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)をします。

 体長は22~28mmで、幼虫はメドハギ(蓍萩)をはじめ、ミヤコグサ(都草)、シロツメクサ(白詰草)等のマメ科植物を食べます。触角は長く糸状です。翅は4枚あります。赤くなっているのは前翅の縁です。グリーンの目が、とぼけた雰囲気を出して可愛いと感じる人もいます。類似種に、穀物や菓子の保管物を加害するノシメマダラメイガ(熨斗目斑螟蛾)の幼虫があり、台所で発生する害虫として知られていることから、イメージは悪いかもしれません。

 日本には鱗翅目(チョウ目)は5000種以上あると言われています。その内、蝶は約280種で残り全部が蛾になります。それで、チョウ目ではなく、ガ目とも言われます。昼に行動するのが蝶で、蛾は夜であるとのイメージがあります。そして蛾は4枚の翅に付いた鱗粉や毛が多く、嫌われる原因ともなっています。しかし、昼に行動する蛾もあり、蝶のような形態をしています。気温が上がる昼に行動する場合、鱗粉や毛を多く付ける事は得策でないからです。日本では蝶と蛾を区別していますが、これは明治以降の教育によるところが大きいと思われます。

Japanese common name : Aka-madara-mei-ga
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Oncocera semirubella (Scopoli, 1763)


アカマダラメイガ(赤斑螟蛾)
チョウ目(鱗翅目)メイガ科マダラメイガ亜科
学名:Oncocera semirubella (Scopoli, 1763)

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体長:(開張)22~28mm
分布:北海道・本州・四国・九州
出現期:6月~8月
食草:マメ科(メドハギ)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10.50km 左岸河川敷 2006.05.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 18 August 2006
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by pianix | 2006-08-18 00:00 | | Trackback | Comments(4)
クマゼミ(熊蝉)
 クマゼミ(熊蝉)は、セミ科クマゼミ属の昆虫です。日本、中国、台湾に分布します。日本では、関東地方以西に分布します。エゾゼミ(蝦夷蝉)と並ぶ日本最大のセミです。名の由来は、体が大きく黒色である事から熊に例えたもの。

 生息域の北上が言われていて、その原因は地球の温暖化、あるいは樹木移植時の土壌に紛れ込んでいるためとの説がありますが、詳しくは分かっていません。最近はクマゼミによる光ケーブル損傷事故が相次いでいるようです。晴天の午前中に盛大に鳴きます。これは体内温度の影響によるものと言われています。シャア・シャアと大合唱をします。他のセミと比べて、頭部の幅が広くずんぐりした大型のセミです。翅は透明で、前翅の縁は緑色です。

 クマゼミは、クマゼミ属(Cryptotympana Stål, 1861)です。クマゼミ属はセミ科(Cicadidae Batsch, 1789)の仲間で、セミ科は半翅目(Hemiptera Linnaeus, 1758)という大きなグループの仲間です。半翅目はカメムシ目の事です。つまり、カメムシの仲間という事になります。

 セミ科の特徴は幾つかあります。頭部は幅が広い三角形で、左右に複眼があり、複眼の間に単眼が3つあります。触覚は短く毛状です。頭の下から後方にまで伸びる針状の口があり、成虫は樹液を吸汁しまます。幼虫は地中の植物の根から汁を吸います。前翅は後翅よりも大きく、雄は大きな声で鳴き、雌を呼び集めます。セミは、世界で約1600種、日本には35種がいるとされています。

 雌の腹部には卵巣があります。産卵管を樹に差し込み、数個ずつ産卵しながら移動します。枝や樹皮に産み付けられた卵は翌年に孵化し、幼虫は木から下りて土中に潜り、5齢まで過ごします。幼虫でいる期間は詳しく解明されていません。おおよそ5~6年と言われています。幼虫から蛹を経ないで直接成虫になる不完全変態をします。幼虫は日没前に地上に出て羽化の準備をします。

 成虫が好む木はセンダン(栴檀)ですが、鳴く時は木を選びません。雄の腹部には、薄い膜でできた発信膜があります。発信膜の内側にV字型の筋肉があり振動させます。雄の腹の中は空洞で、発信膜の震動を共鳴させて音を増幅させます。発音器官である腹弁は橙色です。成虫は2週間から4週間生きると考えられています。

参考:ツクツクボウシ(寒蜩) アブラゼミ(油蝉) セミの仲間

Japanese common name : Kuma-zemi
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Cryptotympana facialis (Walker, 1858)
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クマゼミ(熊蝉)
カメムシ目(半翅目)セミ科クマゼミ属
学名:Cryptotympana facialis (Walker, 1858)

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体長:(翅端まで)60~68mm [♂60~64mm/♀63~68mm]
出現期:7月~9月
分布:本州(関東以南)、四国、九州、沖縄

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2006.08.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 16 August 2006
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by pianix | 2006-08-16 00:00 | | Trackback | Comments(0)
セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)
 セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)は、スズメバチ科アシナガバチ亜科アシナガバチ属の蜂です。キアシナガバチに良く似ていて、アシナガバチの仲間では日本で最大です。北海道を除く日本各地に生息しています。名の由来は、背中部分が黒くて脚が長い事から。英名は、Tree Wasp。

 スズメバチ科は、約26属900種があり、日本には3属11種が生息しています。身近で代表的なのは、
セグロアシナガバチ(Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887)
キアシナガバチ
(Polistes rothneyi iwatai van der Vecht, 1968)
フタモンアシナガバチ(Polistes chinensis antennalis Perez, 1905)
の3種です。

 スズメバチと比べると細身で、体長は20~26mm。黒地に黄褐色の斑紋があります。類似種でほぼ同じ体長のキアシナガバチとの違いは、胸の後半部(腹部第1節)に2列に並んだ縦筋の斑紋が無い事です。翅は4枚で、前翅は大きく後翅は小さく、前翅は縦二つに折りたたむ事ができます。幼虫を養う働き蜂は青虫や毛虫を捕獲し、大顎で噛み砕いて肉団子を作ります。働きバチの羽化は5月以降、オスバチと新女王バチは7月中旬に羽化します。完全変態をします。

 巣は釣鐘型で外皮が無く(スズメバチの巣は外皮がある)、巣房(honey comb)が露出しています。育房は300~400房あります。アシナガバチを英語でPaper waspというのは、この巣が紙質であるからです。巣は軒下に作られる事もあり、何かのきっかけで刺激すると刺されます。時にはアレルギー反応であるアナフィラキシーショック(Anaphylaxis shock)により死亡することもありますから注意が必要です。

★  ★  ★

 私の好きなフタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂)君が、肉団子を作っている所に遭遇しました。挨拶をしながら写真を撮らせてもらいましたが、何やら気持ち悪い状態だったので、早々に引き上げました。家に帰って写真を見ると顔が黄色。ギョッとしました。私の嫌いなセグロアシナガバチ君ではないですか。人違いならぬ蜂違いでした。何もしなければ刺さない蜂とは言え、刺されたら痛いのは確か。

Japanese common name : Seguro-asinaga-bati
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Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887

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セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科アシナガバチ亜科アシナガバチ属
学名:Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887
synonym : Polistes jadwigae Dalla Torre, 1904

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体長:20~26mm
出現期:4月~10月
分布:本州・四国・九州・沖縄

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km左岸河川敷 2006.07.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

14 August 2006
Last modified: 24 August 2013
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by pianix | 2006-08-14 00:00 | | Trackback | Comments(0)
カワラバッタ(河原飛蝗)
 カワラバッタ(河原飛蝗)は、バッタ科(Acrididae MacLeay, 1821)の昆虫です。北海道から九州の河原に分布する日本固有種です。このバッタがいるのは、手が付けられていない自然のままの礫質河原がある証拠です。県によっては絶滅危惧種に指定されています。各地で減少傾向にあるのは確かです。

 成虫は8月から9月頃に現れます。体長25~45mmの中型のバッタです。体長は頭から翅の先までなので、触覚は含めません。体色は灰褐色から灰黒色です。河原の砂礫と似た保護色になっていて、静止している時に見つけ出すのは難しいかもしれません。ところが驚いて飛び跳ねるので見つかってしまうのです。

 胸の後半部分は盛り上がります。前翅には2つの暗色横帯があります。後翅に褐色の半円帯があり、裏側は鮮やかな青色です。多くのバッタのこの部分はクリーム色が多いので、見分け方の材料となります。

 成虫と幼虫は、イネ科の植物や昆虫の死骸などを食べる雑食性です。土の中に産卵し、卵で越冬します。幼虫は6月頃に孵化し、7月頃から羽化します。前翅に後腿節を擦りつけてカシャカシャと鳴きます。直翅目は、バッタ目の事です。

 日本自然保護協会では、「自然しらべ2006」のテーマとしてバッタを取り上げています。バッタの生息環境によって自然の様子を調査しようとする試みです。実施期間は2006年8月31日までです。興味のある方は、HPをご覧下さい。(終了しています)
http://www.nacsj.or.jp/project/ss2006/pdf/sheet2006-2.pdf

Japanese common name : Kawara-batta
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▲幼虫 安倍川/河口から10km右岸河川敷 2006.07.14
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▲成虫 安倍川/河口から10km右岸河川敷 2005.10.12 (800x600)
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安倍川/河口から7.75km右岸河川敷 2007.11.14 (1024x768)


カワラバッタ(河原飛蝗)
バッタ目(直翅目)バッタ科
学名:Eusphingonotus japonicus (Saussure, 1888)

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体長:♂25~35mm/♀40~45mm
出現期:8月~9月(年1回)
分布:北海道・本州・四国・九州
食草:イネ科植物(エノコログサ・オヒシバ・ススキ)/昆虫の死骸

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10km 右岸河川敷 2005.10.12, 2006.07.14
安倍川/河口から7.75km 右岸河川敷 2007.11.14

Last modified: 2 February 2013
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by pianix | 2006-08-09 00:00 | | Trackback | Comments(4)