カテゴリ:虫( 106 )
クマゼミ(熊蝉)
 クマゼミ(熊蝉)は、セミ科クマゼミ属の昆虫です。日本、中国、台湾に分布します。日本では、関東地方以西に分布します。エゾゼミ(蝦夷蝉)と並ぶ日本最大のセミです。名の由来は、体が大きく黒色である事から熊に例えたもの。

 生息域の北上が言われていて、その原因は地球の温暖化、あるいは樹木移植時の土壌に紛れ込んでいるためとの説がありますが、詳しくは分かっていません。最近はクマゼミによる光ケーブル損傷事故が相次いでいるようです。晴天の午前中に盛大に鳴きます。これは体内温度の影響によるものと言われています。シャア・シャアと大合唱をします。他のセミと比べて、頭部の幅が広くずんぐりした大型のセミです。翅は透明で、前翅の縁は緑色です。

 クマゼミは、クマゼミ属(Cryptotympana Stål, 1861)です。クマゼミ属はセミ科(Cicadidae Batsch, 1789)の仲間で、セミ科は半翅目(Hemiptera Linnaeus, 1758)という大きなグループの仲間です。半翅目はカメムシ目の事です。つまり、カメムシの仲間という事になります。

 セミ科の特徴は幾つかあります。頭部は幅が広い三角形で、左右に複眼があり、複眼の間に単眼が3つあります。触覚は短く毛状です。頭の下から後方にまで伸びる針状の口があり、成虫は樹液を吸汁しまます。幼虫は地中の植物の根から汁を吸います。前翅は後翅よりも大きく、雄は大きな声で鳴き、雌を呼び集めます。セミは、世界で約1600種、日本には35種がいるとされています。

 雌の腹部には卵巣があります。産卵管を樹に差し込み、数個ずつ産卵しながら移動します。枝や樹皮に産み付けられた卵は翌年に孵化し、幼虫は木から下りて土中に潜り、5齢まで過ごします。幼虫でいる期間は詳しく解明されていません。おおよそ5~6年と言われています。幼虫から蛹を経ないで直接成虫になる不完全変態をします。幼虫は日没前に地上に出て羽化の準備をします。

 成虫が好む木はセンダン(栴檀)ですが、鳴く時は木を選びません。雄の腹部には、薄い膜でできた発信膜があります。発信膜の内側にV字型の筋肉があり振動させます。雄の腹の中は空洞で、発信膜の震動を共鳴させて音を増幅させます。発音器官である腹弁は橙色です。成虫は2週間から4週間生きると考えられています。

参考:ツクツクボウシ(寒蜩) アブラゼミ(油蝉) セミの仲間

Japanese common name : Kuma-zemi
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Cryptotympana facialis (Walker, 1858)
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クマゼミ(熊蝉)
カメムシ目(半翅目)セミ科クマゼミ属
学名:Cryptotympana facialis (Walker, 1858)

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体長:(翅端まで)60~68mm [♂60~64mm/♀63~68mm]
出現期:7月~9月
分布:本州(関東以南)、四国、九州、沖縄

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2006.08.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 16 August 2006
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by pianix | 2006-08-16 00:00 | | Trackback | Comments(0)
セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)
 セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)は、スズメバチ科アシナガバチ亜科アシナガバチ属の蜂です。キアシナガバチに良く似ていて、アシナガバチの仲間では日本で最大です。北海道を除く日本各地に生息しています。名の由来は、背中部分が黒くて脚が長い事から。英名は、Tree Wasp。

 スズメバチ科は、約26属900種があり、日本には3属11種が生息しています。身近で代表的なのは、
セグロアシナガバチ(Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887)
キアシナガバチ
(Polistes rothneyi iwatai van der Vecht, 1968)
フタモンアシナガバチ(Polistes chinensis antennalis Perez, 1905)
の3種です。

 スズメバチと比べると細身で、体長は20~26mm。黒地に黄褐色の斑紋があります。類似種でほぼ同じ体長のキアシナガバチとの違いは、胸の後半部(腹部第1節)に2列に並んだ縦筋の斑紋が無い事です。翅は4枚で、前翅は大きく後翅は小さく、前翅は縦二つに折りたたむ事ができます。幼虫を養う働き蜂は青虫や毛虫を捕獲し、大顎で噛み砕いて肉団子を作ります。働きバチの羽化は5月以降、オスバチと新女王バチは7月中旬に羽化します。完全変態をします。

 巣は釣鐘型で外皮が無く(スズメバチの巣は外皮がある)、巣房(honey comb)が露出しています。育房は300~400房あります。アシナガバチを英語でPaper waspというのは、この巣が紙質であるからです。巣は軒下に作られる事もあり、何かのきっかけで刺激すると刺されます。時にはアレルギー反応であるアナフィラキシーショック(Anaphylaxis shock)により死亡することもありますから注意が必要です。

★  ★  ★

 私の好きなフタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂)君が、肉団子を作っている所に遭遇しました。挨拶をしながら写真を撮らせてもらいましたが、何やら気持ち悪い状態だったので、早々に引き上げました。家に帰って写真を見ると顔が黄色。ギョッとしました。私の嫌いなセグロアシナガバチ君ではないですか。人違いならぬ蜂違いでした。何もしなければ刺さない蜂とは言え、刺されたら痛いのは確か。

Japanese common name : Seguro-asinaga-bati
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Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887

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セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科アシナガバチ亜科アシナガバチ属
学名:Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887
synonym : Polistes jadwigae Dalla Torre, 1904

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体長:20~26mm
出現期:4月~10月
分布:本州・四国・九州・沖縄

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km左岸河川敷 2006.07.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

14 August 2006
Last modified: 24 August 2013
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by pianix | 2006-08-14 00:00 | | Trackback | Comments(0)
カワラバッタ(河原飛蝗)
 カワラバッタ(河原飛蝗)は、バッタ科(Acrididae MacLeay, 1821)の昆虫です。北海道から九州の河原に分布する日本固有種です。このバッタがいるのは、手が付けられていない自然のままの礫質河原がある証拠です。県によっては絶滅危惧種に指定されています。各地で減少傾向にあるのは確かです。

 成虫は8月から9月頃に現れます。体長25~45mmの中型のバッタです。体長は頭から翅の先までなので、触覚は含めません。体色は灰褐色から灰黒色です。河原の砂礫と似た保護色になっていて、静止している時に見つけ出すのは難しいかもしれません。ところが驚いて飛び跳ねるので見つかってしまうのです。

 胸の後半部分は盛り上がります。前翅には2つの暗色横帯があります。後翅に褐色の半円帯があり、裏側は鮮やかな青色です。多くのバッタのこの部分はクリーム色が多いので、見分け方の材料となります。

 成虫と幼虫は、イネ科の植物や昆虫の死骸などを食べる雑食性です。土の中に産卵し、卵で越冬します。幼虫は6月頃に孵化し、7月頃から羽化します。前翅に後腿節を擦りつけてカシャカシャと鳴きます。直翅目は、バッタ目の事です。

 日本自然保護協会では、「自然しらべ2006」のテーマとしてバッタを取り上げています。バッタの生息環境によって自然の様子を調査しようとする試みです。実施期間は2006年8月31日までです。興味のある方は、HPをご覧下さい。(終了しています)
http://www.nacsj.or.jp/project/ss2006/pdf/sheet2006-2.pdf

Japanese common name : Kawara-batta
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▲幼虫 安倍川/河口から10km右岸河川敷 2006.07.14
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▲成虫 安倍川/河口から10km右岸河川敷 2005.10.12 (800x600)
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安倍川/河口から7.75km右岸河川敷 2007.11.14 (1024x768)


カワラバッタ(河原飛蝗)
バッタ目(直翅目)バッタ科
学名:Eusphingonotus japonicus (Saussure, 1888)

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体長:♂25~35mm/♀40~45mm
出現期:8月~9月(年1回)
分布:北海道・本州・四国・九州
食草:イネ科植物(エノコログサ・オヒシバ・ススキ)/昆虫の死骸

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10km 右岸河川敷 2005.10.12, 2006.07.14
安倍川/河口から7.75km 右岸河川敷 2007.11.14

Last modified: 2 February 2013
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by pianix | 2006-08-09 00:00 | | Trackback | Comments(4)
ラミーカミキリ(Ramie髪切)
 ラミーカミキリ(Ramie髪切)は、カミキリムシ科ラミーカミキリ属の外来昆虫です。中国やベトナムに分布し、日本では関東以西に分布します。交易によってラミーと共に江戸時代後期に長崎から入ったと言われています。ラミー(Ramie)とは、麻の1つであるチョマ(苧麻)1)の事で、フランス語。イラクサ科カラムシ属であるカラムシ(茎蒸)の変種です。名の由来は、食草がラミーである事から。カラムシやムクゲ(木槿)も食草とします。現在、北上して棲息分布域を拡大している甲虫で、静岡市では1996年に確認されています。ラミーカミキリ属は1属1種です。

 成虫は5月から8月頃に現れます。体長は8~17mmで、前胸背板に2つの黒い丸模様、上翅には青緑色(個体により青白色や黄白色)に黒の斑紋があります。触角は長く体長と同じくらい。幼虫はカラムシの茎の中で成長し、白色で体長は3~4cm。成虫は葉を食べます。寄主植物の葉や茎に産卵します。

※カミキリムシ科は、植物防疫法による検疫有害動物です。

1) チョマ(苧麻)Boehmeria nivea var. candicans Wedd.

Japanese common name : Rami-kamikiri
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Paraglenea fortunei (Saunders, 1853)


ラミーカミキリ(Ramie髪切)
甲虫目(鞘翅目)カミキリムシ科ラミーカミキリ属
学名:Paraglenea fortunei (Saunders, 1853)

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体長:8~17mm
出現期:5月~8月
分布:本州(関東以西)・四国・九州
食草:ラミー、カラムシ、ムクゲ

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14.25km 左岸土手 2006.08.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 3 August 2006
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by pianix | 2006-08-03 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ツノトンボ(角蜻蛉)
 ツノトンボ(角蜻蛉)は、夏休みになると問い合わせが多くなる昆虫です。「蝶のような長い触覚を持った変なトンボを発見したけど、これは何か」と言うものです。一見するとトンボのようで、よく見ると長い触覚に違和感を覚えてトンボとは違うと気が付きます。トンボの触角は極短いからです。「触覚のあるトンボ」は、結論から言えば、トンボではありません。ウスバカゲロウの仲間です。日本や朝鮮半島、台湾に分布します。日本では本州から九州に分布します。5月から9月頃、平野部から丘陵地の草地に現れます。

 体は細長く、体長は3cm前後、翅を広げて7cm程です。雄は赤褐色で尾に2つの鋏状の付属物があります。雌は雄より太く、黄色の模様が並んでいて付属物はありません。触覚が長く3cm程あり、先端には膨らんだ球桿(きゅうかん)があります。翅は2枚2対、計4枚あり、透明、翅脈は網目状です。この翅はトンボと見分ける大切な部分です。トンボの形態的特徴である結節が無いからです。結節とは、翅の中央付近の前縁部にある節の事です。トンボのように上手な飛び方ではありません。少し飛んですぐに止まります。

 トンボの場合は不完全変態(卵・幼虫・成虫)で、蛹の時期はありません。ツノトンボは蛹の時期があり、完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)します。卵は木や草の茎に産み付けられます。幼虫はアリジゴク(蟻地獄)【ウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉)の幼虫】に似ていますが巣は作りません。肉食性で、物陰に隠れて小昆虫を補食します。(保護者様へ:お子さんには分かりやすい言葉で説明してやって下さい)

 このツノトンボの仲間に、本州や四国、九州に分布する、オオツノトンボ(大角蜻蛉) Protidricerus japonicus (MacLachlan, 1891)、本州や九州に分布し後翅に黄色の筋模様がある、キバネツノトンボ(黄羽根角蜻蛉) Ascalaphus ramburi MacLachlan, 1875、沖縄に分布するオキナワツノトンボ(沖縄角蜻蛉)Suphalomitus okinawensis (Okamoto, 1910)がいます。

※  ※  ※

 トンボの仲間は、大きく分類すると蜻蛉目(トンボ目)になります。ところが、ツノトンボは脈翅目(アミメカゲロウ目・Neuroptera)に分けられます。脈翅目には3亜目があります。つまり、広翅亜目(ヘビトンボ亜目・Megaloptera)、駱駝虫亜目(ラクダムシ亜目・Raphidiodea)、扁翅亜目(アミメカゲロウ亜目・Raphidiodea)です。ツノトンボは、扁翅亜目です。扁翅亜目には17科約4000種があり、日本には約116種がいます。より詳細に分類すると、ウスバカゲロウ上科(Myrmeleonoidea)の内のツノトンボ科(Ascalaphidae)となります。

Japanese common name : Tuno-tonbo
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Hybris subjacens (Walker, 1853)

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♀ 雌は雄より太く、黄色の模様が並んでいて鋏状付属物はありません


ツノトンボ(角蜻蛉)
アミメカゲロウ目(脈翅目)ツノトンボ科Hybris属
学名:Hybris subjacens (Walker, 1853)

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体長:約30mm/開張:約70mm
出現期:5月~9月
分布:本州・四国・九州
写真は♀

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.75km 右岸河川敷 2006.07.27
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 31 July 2006
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by pianix | 2006-07-31 00:00 | | Trackback | Comments(2)
アカスジカメムシ(赤筋椿象)
 アカスジカメムシ(赤筋椿象)は、カメムシ科の昆虫です。アカスジカメムシ亜科には4属7種があり、Graphosomaは1種があります。例年に比べ出会う機会が多くなった昆虫の1つです。北海道から沖縄にかけての広い範囲に分布しています。

 黒地に赤い筋が縦方向に走っている派手な色彩のカメムシです。腹側は赤地に黒色の多数の斑点模様があります。赤黒のどちらが地色なのかは悩むところです。この模様を美しいと思うか不気味と思うかは個人差があるかもしれません。一般的に派手な彩色は警戒色であって、他の者を寄せ付けない効果があります。

 体長は、10~12mm。一見すると、翅が他のカメムシと異なって見えます。それは三角形の大きな小楯板が発達しているので、1枚しかないように見えるからです。前翅と後翅は共に小楯板の下に隠れています。臭いの元を出す臭腺は、幼虫では背面に、成虫では腹面に開口します。

 幼虫から蛹を経ずに成虫になる、不完全変態をします。卵殻には点刻がなく, 明瞭で細かい網状構造があり多数の小刺があります(小林)1)。植食性で、セリ科の植物を吸汁し、ニンジンも食害します。植物防疫法施行規則にある「検疫有害動植物」の1つにも挙げられています。
★ ★ ★

 花には虫がつきものです。受粉には、風媒・水媒・動物媒(虫媒、鳥媒)等の媒体があります。受粉に関係していなくても、虫えい(虫瘤)を作り出すものもいます。昆虫と植物の関係は深く、無視できません。出会った虫は何をしているのだろうかという興味が私にはあります。ここに何度か虫が登場するのは、その為です。蜘蛛などは見たくもないし、見つけ次第逃げ出していた私ですが、その恐怖となる実体を見つめなければ不安さえも解消されないと考えて観察を始めました。私の植物観察テーマは、「何故生き続けるのか」という一風変わった哲学的なものです。まずは名前を覚える事から出発します。

 人の名前は、すぐに忘れてしまいます。加齢による物忘れはありますが、若い時からそうでした。しかし、楽譜などは覚えているので不思議です。苦手な名を覚える事に挑戦したきっかけは聖書にあります。マタイの福音書6章に、「6:26 空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。」とあり、「6:28 なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。」と続きます。そこで、鳥か野の花のどちらかをテーマに覚える事にしました。鳥は動きが速くて観察が難しいと考え、野の花にしました。(実は、これはとんでもない思い違いである事に後から気が付きました)。今まで意識しなかった単なる雑草に名前が付けられていて、生活がありました。そして生き延びる手段の中に虫が介在しているので、必然的に虫の名も知りたくなりました。

1) 日本応用動物昆虫学会誌 9(1), 34-41, 1965-03-25

Japanese common name : Akasuji-kamemusi
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Graphosoma rubrolineatum (Westwood, 1873)

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アカスジカメムシ(赤筋椿象)
カメムシ目(半翅目)カメムシ科
学名:Graphosoma rubrolineatum (Westwood, 1873)

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体長:10~12mm
出現期:6月~8月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
食草:セリ科(ヤブジラミ、シシウド、ハマウド)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.75km 右岸土手 2006.06.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 24 July 2006
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by pianix | 2006-07-24 00:00 | | Trackback | Comments(6)
ヒロオビトンボエダシャク(広帯蜻蛉枝尺蛾)
 ヒロオビトンボエダシャク(広帯蜻蛉枝尺蛾)は、シャクガ科エダシャク亜科の蛾です。海外では中国・朝鮮に、国内では北海道から九州までに分布する昼行性の蛾です。名の由来は、腹の形状が蜻蛉に似て節模様があり、その帯模様の幅が広い事によります。

 日本には5000種以上の蛾がいると言われています。シャクガ科(Geometridae Leach, 1815)の幼虫は、体を曲げ伸ばして進む、いわゆる尺取り虫で、そこからシャクガの名前が付いています。日本には600種以上がいるといわれています。写真は、オニグルミの葉に止まっているところ。

 翅は4枚で、黒色の地色に白色の斑紋があります。前翅と後翅は似た模様になっています。腹部はオレンジ色の地肌に黒紋が不規則にあります。トンボエダシャクの場合は黒紋は長方形です。触角の先端は、蝶と異なり棍棒状にはなりません。成虫は、クリやヒメジョオンの蜜を吸います。卵・幼虫・蛹を経て成虫になる、完全変態をします。終齢の幼虫は40mm内外で、薄黄色の地色に黄色の節があり、節毎に黒色の縦縞があります。

 近似種に、トンボエダシャク(蜻蛉枝尺蛾)Cystidia stratonice stratonice (Stoll, 1782)や、ウメエダシャク(梅枝尺蛾)Cystidia couaggaria couaggaria (Guenee, 1858)がいます。

Japanese common name : Hiroobi-tonbo-edasyaku
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Cystidia truncangulata Wehrli, 1933


ヒロオビトンボエダシャク(広帯蜻蛉枝尺蛾)
チョウ目(鱗翅目)シャクガ科エダシャク亜科
学名:Cystidia truncangulata Wehrli, 1933

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体長:(開張)48~58mm
出現期:6月~8月
分布:北海道・本州・四国・九州
食草:ニシキギ科(ツルウメモドキ・マユミ)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10.50km 右岸河川敷 2006.06.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 June 2006
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by pianix | 2006-06-27 00:00 | | Trackback(1) | Comments(4)
カノコガ(鹿子蛾)
 カノコガ(鹿子蛾)は、ヒトリガ科カノコガ亜科の蛾です。昼行性の蛾で、日本全国に分布し、成虫は花の蜜を吸汁します。幼虫はタンポポの枯れ葉を食草としているようです。キオビツチバチ(Scolia oculata (Matsumura, 1911))等に擬態していると言われています。名の由来は、翅の斑紋が子鹿の模様に似ているからだとされています。

 以前はカノコガ科(Ctenuchina W.Kirby, 1837)とされていましたが、現在ではヒトリガ科(Arctiinae Leach, 1815)のカノコガ亜科(Syntominae)に分類されています。チョウ目(鱗翅目)は、日本には約5000種以上あり、蝶と呼ばれるものは約280種類で、蛾は約4800種とされています。

 頭部は光沢のある黒色をしています。頭部・肢・触角全体に黒っぽい色です。触覚は糸状。翅には黒褐色の地に半透明の白い斑紋があります。胴体地色は黒色で、オレンジ色の帯び模様が胴体を一周する2本があります。それ以外に短い帯模様が腹部に4本あります。幼虫(毛虫)で越冬します。完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)します。

 本種は人の生活圏内で見られますが、生態に関しては不明なところが多く、研究が進められています。その1つとして、配偶行動にはフェロモンが関与する可能性が高い事が報告1)されています。

 ヒトリガ科カノコガ亜科Amata属には、次の種類がいます。
ツマキカノコ(褄黄鹿子)Amata flava aritai Inoue, 1965 [与那国島に分布]
カノコガ(鹿子蛾)Amata fortunei fortunei (Orza, 1869)
キハダカノコ(黄肌鹿子)Amata germana nigricauda (Miyake, 1907)

1)昼行性蛾類カノコガAmata fortuneiの飼育法と配偶行動 近藤勇介(岐阜大)・中 秀司(農環研)・安藤 哲(農工大)・土田浩治(岐阜大)

Japanese common name : Kanoko-ga
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Amata fortunei fortunei (Orza, 1869)
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カノコガ(鹿子蛾)
チョウ目(鱗翅目)ヒトリガ科(カノコガ亜科)カノコガ属
学名:Amata fortunei fortunei (Orza, 1869)

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体長:(前翅長)15~18mm/(開張)30~37mm
出現期:6月~9月(年2回)
分布:北海道・本州・四国・九州
食草:タンポポ・シロツメグサ・スギナ・ギシギシ

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.06.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 21 June 2006
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by pianix | 2006-06-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ツマグロオオヨコバイ(褄黒大横這)
 ツマグロオオヨコバイ(褄黒大横這)は、ヨコバイ科オオヨコバイ亜科の昆虫です。本州、四国、九州、対馬に分布します。名の由来は、横に移動する性質を持つヨコバイ(横這)の仲間で、体長が倍ほど大きく、翅の後端(褄)が黒くなる事から。俗称、バナナムシ。英名は、leafhopper。

 半翅目(はんしもく|Hemiptera)は、前翅の基部に近い半分が革質の半翅鞘となっていることからで、Hemi(半)+ ptera(翅) と名付けられています。半翅鞘を持つのはカメムシ類だけなので、カメムシ目とも言われます。この仲間は、口が注射針の形をしていて樹液や植物の汁、小動物の体液を吸います。半翅目は約25000種があり、カメムシの仲間の異翅亜目(いしあもく|Heteroptera)=カメムシ亜目274種と、ヨコバイの仲間の同翅亜目(どうしあもく|Homoptera)=ヨコバイ亜目616種に分類されます。翅の作りが異なる事による命名です。同翅亜目はさらに口吻の位置の違いから、アブラムシやカイガラムシの仲間の腹吻群 (Steruchenorrhyncha)と頸吻群(けいふんぐん|Auchenorrhyncha)とに分かれます。ツマグロオオヨコバイは同翅亜目の頸吻群で、165種の仲間があります。

 頭部・胸部・腹部が一体となって、頭部から腹部にかけて細くなります。体は黄緑色で、頭部と胸部、小楯板に黒色の斑紋があり、翅端は黒くなります。1対の複眼と3個の単眼があります。触覚は短めです。針状の口があり、成虫、幼虫ともに茎の汁(道管液と師管液)を吸います。排泄液を出しながら吸汁を続ける事があります。横歩きをして葉陰に隠れたり、跳躍や飛行をして逃げます。前翅と後翅がそれぞれ一対あります。カメムシの仲間の前翅は根本から半分が硬化して半透明なのに対し、ヨコバイの仲間は全てが膜質になっています。幼虫の体は黄緑色。蛹を経ない不完全変態をするので成虫に近い幼虫が生まれます。成虫で越冬します。

Japanese common name : Tumaguro-oo-yokobai
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Bothrogonia ferruginea (Fabricius, 1787)
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ツマグロオオヨコバイ(褄黒大横這)
カメムシ目(半翅目)ヨコバイ科オオヨコバイ亜科
学名:Bothrogonia ferruginea (Fabricius, 1787)

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体長:12~13mm
出現期:3月~11月
分布:本州・四国・九州・対馬
食草:植物全般(桑・茶・木苺・葡萄に加害)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から47.5km 右岸河川敷 2006.05.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 May 2006
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by pianix | 2006-05-27 00:00 | | Trackback | Comments(0)
チャバネアオカメムシ(茶羽根青椿象)
 チャバネアオカメムシ(茶羽根青椿象)は、カメムシ科カメムシ亜科の昆虫です。東アジアに分布し、国内では北海道から沖縄にかけての全土に分布します。名の由来は、緑色(青)をしたアオカメムシ(青椿象)に似ていて翅が茶色である事によります。カメムシの名は、背中部分が亀の甲羅状に見える事からです。チャバネアオカメムシは、多くの果樹類を食害する農業害虫の1つとして知られていて、最も重要な種であるので研究も進んでいます。悪臭を発生させる事から不快害虫ともされます。カメムシの仲間は、世界に50,000種以上、日本には800種以上がいるといわれています。

 杉や檜が棲息場所です。春から初夏にかけて果樹に飛来し蕾を食害します。6月下旬頃に、杉や檜に移動します。その球果内部の種子を吸汁して生活し、果実に卵を産んで繁殖します。蛹を経過せすに羽化する不完全変態をします。7月下旬以降に新しい成虫が発生し、秋は果実を食害します。冬は成虫で越冬します。雑木林などの落葉下が主な越冬場所ですが、屋内で集団越冬する場合もあります。時に大発生する場合があります。原因は杉や檜の人工林が増えた為だと言われています。これらが豊作で、花粉症の発生が多い年はチャバネアオカメムシの発生も多い事になります。

 半翅目は文部省学術用語ではカメムシ目、異翅亜目はカメムシ亜目の事です。陸生・両生・水生に分かれますが、本種は陸生です。体長は10から12mm程。緑色をしていて前翅が茶色です。頭・胸・腹部に分かれています。頭部は三角形で細長く、節毎に濃緑色と黄褐色で交互に彩色された触覚があります。頭部の左右には多少突き出た赤茶色の複眼があり、その内側に単眼が2個あります。口はストロー状で頭部の下に折り込まれています。樹液等を吸汁します。前翅の半ばまでは堅い革質部、先は膜状の膜質部になる茶色の半翅鞘です。後翅の上に前翅を重ねて腹部上に折りたたみます。後部に薄い翅が見えるのは、前翅の膜質部にあたります。秋に発生するものは頭部や小楯板が褐色になるものがあります。中央の三角状のものは小楯板(しょうじゅんばん)です。肢は前・中・後の3対あります。

 分泌腺で忌避物質である不飽和アルデヒド類のヘキセナール(hexenal)が生成され、後胸腹板(後肢の付根)にある臭腺(Scent Glands)から刺激された方向へ揮発性の高い臭い物質を噴射します。仲間に危険を知らせたりする警報フェロモン、捕食を防ぐ為の忌避物質と言われています。カメムシ類の性別は、腹側の腹部先端が膨らんでいるのが雌で、へこんでいるのは雄と判別できます。

Japanese common name : Chabane-ao-kamemusi
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Plautia crossota Scott, 1874
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チャバネアオカメムシ(茶羽根青椿象)
カメムシ目(半翅目)カメムシ科カメムシ亜科
学名:Plautia crossota Scott, 1874

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体長:10~12mm
出現期:4月~10月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
食草(樹):果樹類(柑橘類・林檎・梨・柿等多数)・杉・檜

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10km 右岸河川敷 2006.05.19
安倍城跡 2014.07.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

22 May 2006
Last modified: 15 December 2014
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by pianix | 2006-05-20 00:00 | | Trackback(1) | Comments(1)