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キンミズヒキ(金水引)
 今日8月31日は、私の短い夏休みの終わりの日です。ここ2日間は曇り空で雨が降りやすい天候となり、気温も低めに推移しています。秋の気配濃厚ですが、無線で他の地方の天候を聴いたら33度を超えるところもありました。野草撮影には少し暗すぎますが、これから出かけようとしています。

 昨年の秋、三角錐状の実を見つけました。これがキンミズヒキと分かるまでに時間がかかりました。実から花を同定するのは結構難しいですね。実には鉤状の棘があり衣服に取り付き運ばれます。

 実を見たからには花を見たいと思い、探し回りました。ようやく見つかり一安心です。花はミズヒキというよりオカトラノオに近い感じがします。私には、花より実のほうに興味があります。葉は互生し奇数羽状複葉で縁に鋸歯があります。乾燥させた全草を生薬の龍牙草(りゅうげそう)あるいは仙鶴草(せんかくそう)とし、止血剤あるいは下痢止めとして使われるそうです。

 中国名は、リュウゲソウ(龍牙草)。小型種のヒメキンミズヒキ(姫金水引)Agrimonia nipponica Koidz. もあります。

Japanese common name : Kin-mizuhiki
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Agrimonia pilosa Ledeb. var. japonica (Miq.) Nakai
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キンミズヒキ(金水引)
バラ科キンミズヒキ属
学名:Agrimonia pilosa Ledeb. var. japonica (Miq.) Nakai
花期:7~10月 多年草 草丈:30~80cm 花径:6~11mm 実径:4mm

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【学名解説】
Agrimonia : argemone(棘の多い)/キンミズヒキ属
pilosa : pilosus(軟毛がある・毛で被われた)
Ledeb. : Carl Friedrich von Ledebour (1785-1851)
var. : varietas(変種)
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から25.50km 左岸土手 2005.08.26
安倍城跡(Alt. 435m) 2014.10.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

31 ugust 2005, 13 July 2015
Last modified: 13 September 2016
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by pianix | 2005-08-31 00:00 | | Trackback(1) | Comments(0)
ツルボ(蔓穂)
 ツルボ(蔓穂)は、キジカクシ科ツルボ属の多年草です。日本、中国、朝鮮半島に分布し、国内では全国に分布する在来種です。名の由来は不明です。蔓でもないのに蔓穂という不思議な名前が付いています。「連穂」が訛ったのでしょうか。別名のサンダイガサ(参内傘)は、公卿の従者が参内の時に持つ長柄の傘に例えたもの。

 キジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))は、約150属2500種が分布します。旧分類ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ツルボ属(Barnardia Yamaguti, 1963)は、約90種があります。

 山野に自生します。鱗茎は卵形で黒褐色の外皮に包まれ2~3cm。葉は根生します。横幅5mm程の扁平な線形で、長さ15~25cm。草丈は、15~35cm。花期は8月から9月。開けた草地に自生します。花茎に4~7cmの総状花序をつけて下から咲いていきます。花は淡い紅紫色で、平開し、花径は7~8mm。外花被片3と内花被片3の合計6の花被片があります。雄しべ6、雌しべ1。

 果実は蒴果(室果)です。倒卵形で、長さ5.5mm。子房に短毛の縦列があり果実にも残ります。熟すると裂開して2~3個の種子を出します。種子は黒色の長楕円形で、長さ4~4.5mm。染色体数は、2n=26,34,35。

 野山に秋を知らせる代表的な花の一つでしょう。白花品種のシロバナツルボ(白花蔓穂)Barnardia japonica (Thunb.) Schult. et Schult.f. f. albiflora (Satake) Yonek. や、変種として、海岸沿いに分布する、ハマツルボ(浜蔓穂)Barnardia japonica (Thunb.) Schult. et Schult.f. var. litoralis (Konta) M.N.Tamura 、葉幅が広く海岸沿いに分布する、オニツルボ(鬼蔓穂)Barnardia japonica (Thunb.) Schult. et Schult.f. var. major (Uyeki et Tokui) M.N.Tamura があります。

☆  ☆  ☆

 ツルボは、その2~3cm程の鱗茎が飢饉の時に食べられたようです。灰汁抜きは江戸時代に文献があるようですが、縄文時代以前から知られていたとする説が有力なようです。『日本凶荒史考』(西村真琴・吉川一郎編)によると、『寛永飢民録』寛永13年に救荒植物として「すみれ」が登場し、『西遊記』の天明3年の記述では、葛の根と共に「すみら」があり、これが今のツルボであると言われています。飢饉によって食べるものが無くなると、手当たり次第に食べられるものは食べ、最終的に毒草によって衰弱して命を落としていく図式は、何度も繰り返されてきたに違いありません。飽食の時代にある私は、鱗茎を粉にして作る「ツルボ餅」というのは、さて、どんな味がするのか、と言う興味しか思い浮かびません。でも、飢餓にあえぐ国は現にあるのですね。

 毎年、我が家近くの土手にはカワラナデシコが咲きます。そのピンクと交代するように薄紫色のツルボが出てきます。柔らかな雰囲気で土手を飾ってくれます。残念ながら今年は、草刈りの時期がずれたので、それらを味わう事ができませんでした。他の場所に行って初めて、もうその季節なのかと知る事になりました。

Japanese common name : Turubo
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Barnardia japonica (Thunb.) Schult. et Schult.f.

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下から順に開き始める。外花被片3と内花被片3の6花被片。雄しべは6個

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子房に白色で短毛の縦列があり果実にも残る

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左:果実は蒴果(室果) 右:種子は黒色の長楕円形


ツルボ(蔓穂)
別名:サンダイガサ(参内傘)
キジカクシ科ツルボ属
学名:Barnardia japonica (Thunb.) Schult. et Schult.f.
synonym : Scilla scilloides (Lindl.) Druce
花期:8~9月 多年草 草丈:15~35cm 花径:7~8mm 総状花序:4~7cm

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【学名解説】
Barnardia : Edward Barnard (1786-1861)氏の/ツルボ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Schult. : Josef (Joseph) August Schultes (1773-1831)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Schult.f. : Julius Hermann Schultes (1804-1840)
---
synonym : シノニム、同物異名
Scilla : Urgenea scilla | skyllo(Greek: 有害)/ツルボ属
scilloides : ツルボ属(Scilla)のような
Lindl. : John Lindley (1799-1865)
Druce : George Claridge Druce (1850-1932)
---
f. : forma(品種)
albiflora : albiflorus(白花の)
Satake : Yoshisuke Satake 佐竹義輔 (1902-2000)
Yonek. : 米倉浩司 Koji Yonekura (1970- )(東北大学)
---
var. : varietas(変種)
litoralis : littoralis(海岸性の)
Konta : 近田 文弘 Fumihiro Konta (1941- )
M.N.Tamura : 田村 実 Minoru N. Tamura(京都大学)
---
major : 巨大な
Uyeki : 植木 秀幹 Homiki Uyeki (1882-1976)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Tokui : 得居 修 Osamu Tokui (1932-2013)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から12km 右岸土手 2005.08.24
安倍川/河口から9km 左岸土手  2006.07.28, 2017.09.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

14 September 2013, 9 August 2016, 24 November 2016, 11 April 2017
Last modified: 27 September 2017
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by pianix | 2005-08-30 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ハグルマトモエ(歯車巴)
 ちょっと変な飛び方をしている蛾でした。ちょっと変な模様の蛾でした。巴型の大きな黒紋が目玉に見えてきます。全体は、おかしな顔のようです。この模様に驚かされたりするのは鳥だけではなく私も同様です。おまえふざけているのかと言いたくなりますが、ふざけているのは私でした。フラッシュを焚いたので凄い発色になってしまいました(修正しました)。長く見ていると目がチカチカしてしまいます。

Japanese common name : Haguruma-tomoe
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Spirama helicina (Hubner, 1831)


ハグルマトモエ(歯車巴)
チョウ目(鱗翅目)ヤガ科シタバガ亜科
学名:Spirama helicina (Hübner, [1831])

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体長:(前翅長)28~33mm/(開張)52~75mm
出現期:5~9月
分布:本州・四国・九州
食草:ネムノキの葉

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.25km 右岸河川敷 2005.08.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 29 August 2005
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by pianix | 2005-08-29 00:00 | | Trackback | Comments(4)
野草観察用装備の紹介
 私の野草観察用の装備を紹介します。左から、カメラケース、ウエストポーチ、道具入れ、蚊よけ、カメラ。小回りがきく装備を心がけています。

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 ●黒のカメラケースにはレンズを入れた袋が入っています。レンズを落とさないように巾着袋に入れました。袋はケースに取り付けてあります。

 ●ウエストポーチ。携帯入れ部分には、五徳ナイフボールペンが入っています。

 ●その上に見えるのは電池ケースです。中に二つ折りの紙を入れてあります。「充電済み」と「要充電」の文字が書き入れてあり、電池交換したものは「要充電」にしておきます。物忘れ防止用です。

 ●道具入れにある黄色のものは、根切り用小型スコップです。根を確認するため、掘り下げる時に使用します。隣のオレンジ色はカッターナイフ。茎の内部を確認するにはカッターナイフが一番使いやすいようです。黒色はマジックペン。あまり使いませんが園芸用ラベルに花の名称などを書いて置いておくために使います。

 ●蚊よけの「どこでもベープ」。夏場はヤブ蚊を避けるために絶対必要です。

 ●カメラ。カメラを忘れていったら何もできません。ケースは改造してあります。カメラを落とさないようにケースと繋げてあります。レンズ拭き用の布も入れてあります。

 以下は、写真にはありませんが必要なものです。

 これらを腰に付けると異様な格好になります。草藪等ををうろつき回ったら怪しまれる事必至です。それで、「なんちゃってカード」も作ってあります。自分の顔写真と名前、目的(野草・自然環境調査)を書き入れてあります。山奥で不法投棄監視のために来たお巡りさんに出会った時、役立ちました(^^;。人気を感じたら、首にぶら下げたりポケットに留めたりします。

 野草観察専用?バイクには液体虫除けを入れてあります。あらかじめ虫除けスプレーを吹き付けてから出かけるのですが、汗で流れて効力が無くなった頃に使います。小型携帯用蛍光灯も用意しています。暗すぎて撮影できない時に使います。フラッシュはマクロ撮影では使えません。フラッシュはいつも切ってあります。

 帽子は競歩練習用に使っていたものを流用しています。柔らかくてポケットに押し込んでしまう事ができます。レフ板は10cm四方の自作です。厚紙にアルミホイルを貼り付けただけのものです。影が強く出過ぎたり、逆光の時に使います。これはポケットに入れて、すぐに取り出せるようにしています。

 夏場は水分が必要です。最近は酸化還元水と、それで作った氷を入れた水筒を持って出かけています。汗を拭うためのハンドタオルは必要です。ポケットティッシュも土を拭うために必要です。メモ帳は、小さく切った紙をホッチキスで留めただけのものを使っています。大きなものは携帯するだけで邪魔になります。場所と状況を書き入れています。帰宅したら書き写すようにしています。チャック付きのビニール袋を常時何枚か持って行きます。

 必要を感じ次第、装備は増えていくと思いますが、本当は減らしたい気分です。必要最低限が私の理想です。あなたの装備は如何ですか。教えて下さい。

写真は2005.08.29撮影。登山用ではなく平地用です。
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by pianix | 2005-08-29 00:00 | 雑記 | Trackback | Comments(3)
ボタンヅル(牡丹蔓)
 センニンソウと瓜二つで、葉を見ないと違いが分かりません。安倍川流域ではセンニンソウをよく見かけるのですが、ボタンヅルは少ないようです。

 園芸用のネームプレートを買ってきました。河川敷で花が咲いているところに、花の名前を記しておこうと思っています。特に毒草の場合は危険を周知するための注意書きが必要でしょう。それを見た子供達が誤って口にしない事を期待しての事です。

 以前からほしいと思っていた超小型の根切り用スコップが見つかったので買ってきました。携帯に便利そうです。根を切るわけではなく、根の観察のために使います。根を見ないと種別が分からないものもありますから。

 両方とも百円ショップのものです。野草観察にはお金をかけない事が信条です、と言いたいところですが、実際は貧乏だからです。新車のバイクは野草観察用です。カメラは野草撮影用です。このカメラで人を写そうとすると、「私らは野草と同じか」と言われてしまいます。野草は文句を言わないで撮らせてくれるのに……。

 キンポウゲ科(Ranunculaceae Juss. (1789))は、北半球の温帯を中心に58属約2500種が分布します。センニンソウ属(Clematis L. (1753))は、約300種が分布し、日本には30種ほどがあります。ボタンヅル節には約30種があります。

 ボタンヅルはセンニンソウと混ざって咲いている事があります。蔓が長いので、どこから伸びているのか探し出すのが大変な事があります。葉は1回3出複葉で、茎は木質化します。

参考:センニンソウ(仙人草)

Japanese common name : Botan-zuru
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Clematis apiifolia DC. var. apiifolia

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2006.08.16 葉は1回3出複葉 2006.08.22


ボタンヅル(牡丹蔓)
キンポウゲ科センニンソウ属
学名:Clematis apiifolia DC. var. apiifolia
花期:8月~9月 多年草 草丈:1~10m(蔓性) 花径:15~20mm

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【学名解説】
Clematis : clema(若枝)/センニンソウ属
apiifolia : apiifolius(オランダミツバ属Apiumのような葉の)
DC. : Augustin Pyramus de Candolle (1778-1841)
var. : varietas(変種)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.75km 右岸河川敷 2005.08.16
安倍川/河口から21.25km 左岸河川敷 2006.08.16
内牧川(安倍川水系) 2006.08.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 August 2005
Last modified: 24 October 2016
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by pianix | 2005-08-28 00:00 | | Trackback | Comments(1)
キタテハ(黄立羽)
 台風11号が通過した翌日の26日、静岡は気温が上がり暑くなりました。台風の影響で河川が増水するので見て回る事にしています。いつもは少しの水しか流れていない安倍川ですが、増水すると河川敷のスポーツ広場まで水が上がってくる事があります。今回は、そのような影響はほとんど見られませんでした。

 増水・激しい日差し・風等の過酷な環境で育つ野草を見ていると、立派だと言わざるを得ません。少しの油断で病気や虫の害を受けてしまう野草ですから、丈夫でなければやっていけないのですが、仲間内の生存競争も同様に過酷です。激しい雨風に打ち勝った花達を今日も見る事ができました。

 少し山奥へ行きたいと考えバイクを走らせました。ゲンノショウコやキンミズヒキが草刈りのため近くで見られなくなってしまったためです。その途中、ハツユキソウ(初雪草)に止まるキタテハ(黄立羽)を見ました。豹のような模様がある表の翅ですが、閉じると枯れ葉のような地味な模様が見えます。その変化が大きいので、同じ蝶であっても別種かと見間違えそうです。私は、この裏翅の模様のほうが好きです。白く小さなC形の模様が見えますが、これが小種名のc-aureum(aureus:黄金色の)の由来です。似た蝶に
シータテハ:Polygonia c-album (Linnaeus, 1758)
エルタテハ:Nymphalis vau-album samurai (Fruhstorfer, 1907)
があります。

 どこに避難して台風をやり過ごしていたのでしょうか。たくさんの種類の蝶が舞っていました。

Japanese common name : Ki-tateha
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Polygonia c-aureum (Linnaeus, 1758)


キタテハ(黄立羽)
チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科キタテハ属
学名:Polygonia c-aureum (Linnaeus, 1758)

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体長:(前翅長)22~34mm/(開張)60mm
出現期:3月~11月
分布:北海道・本州・四国・九州
食草:(幼虫)カナムグラ

【学名解説】
Polygonia : 多角形の
aureum : aureus(黄金色の)
Linnaeus : Carl von Linne (1707-1778)
album : 白い(中性系)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から21km 左岸土手 2005.08.26
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 August 2005
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by pianix | 2005-08-27 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ワレモコウ(吾木香)
 ワレモコウ(吾木香)は、バラ科ワレモコウ属の多年草です。中国、朝鮮、シベリヤ、日本などに分布します。日本では北海道から九州まで分布します。名の由来は諸説あり不明です。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、約90属2500種が分布します。ワレモコウ属(Sanguisorba L. (1753))は、世界に約30種、日本には約7種が分布します。

 花弁はなく、萼片は4枚で暗紅色、雄しべは4本。葉は奇数羽状複葉。採取のため引き抜こうとしても、途中で切れてしまいます。掘り下げると根茎が現れます。この根茎を乾かしたものが止血剤として使われる生薬の地楡(ちゆ)。かなり昔から薬草として有名だったようです。

 今まで安倍川沿いでワレモコウ(吾木香)をあまり見ませんでした。最近の事、草刈りから日が経って草が伸び始めている土手斜面に、たくさんのワレモコウを見つけて喜んでいます。かなり地味だと思うのですが、私にとっては親しみを感じてしまう花の一つです。

Japanese common name : Waremokou
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Sanguisorba officinalis L.


ワレモコウ(吾木香/吾亦紅/割木瓜)
別名:エゾワレモコウ(蝦夷吾木香)
バラ科ワレモコウ属
学名:Sanguisorba officinalis L.
花期:7月~11月 多年草 草丈:30~100cm 花径:3~4mm

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【学名解説】
Sanguisorba : Sangus(血)+sorbeo(吸い上げる)/ワレモコウ属
officinalis : 薬用の、薬効のある
L. : Carl von Linne(1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から12km 右岸土手 2005.08.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 26 August 2005
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by pianix | 2005-08-26 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ツクツクボウシ(寒蜩)
 野草観察に出かけ、予定外の所で足を止める事はよくあります。限りある時間内で移動しなければならないのですが、仕事ではないので迷子気分を味わうのも楽しいものです。
そこで聴いたツクツクボウシの声。夏も終わりに近づいた事を教えてくれます。

 「ツクツクオーシ・ツクツクオーシ」という鳴き方は、他のセミに比べ大幅に変化に富んでいます。聴いていると、起承転結があり、音楽的とも言えます。体型はスマート。

 ツクツクボウシセミタケ(Cordyceps sinclairii Kobayasi)という冬虫夏草があります。バッカクキン科トウチュウカソウ属で、ツクツクボウシの終齢幼虫に寄生し、幼虫の頭部から発生します。幼虫だからといって油断できないのですね。

 8月25日、台風11号が静岡へ向かっています。雨の中、セミの声を聴きました。風雨が強まる頃、セミの声は聞こえなくなりました。

参考:クマゼミ(熊蝉) アブラゼミ(油蝉) セミの仲間

Japanese common name : Tukutuku-bousi
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Meimuna opalifera (Walker, 1850)


ツクツクボウシ(寒蜩)
カメムシ目(半翅目)セミ科ツクツクボウシ属
学名:Meimuna opalifera (Walker, 1850)

体長:43~46mm(翅端全長)/♂28~33mm、♀26~32mm
出現期:7月~10月
分布:北海道・本州・四国・九州

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撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9km右岸河川敷 2005.08.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 25 Augustl 2005
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by pianix | 2005-08-25 00:00 | | Trackback | Comments(0)
クサギ(臭木)
 このクサギ(臭木)は、河川敷のネムノキに寄り添うように咲いていました。赤紫色の萼と白花のコントラストが美しいのですが、やや萼のほうが目立つ感じがします。5裂した白色の花冠に、長い雌しべ1本と4本の雄しべが突き出ています。

 草を揉むと独特の臭気を漂わせるので「臭木」。確認のため臭いを嗅ぎに行きました。葉を採って嗅ぐと、やや青臭い。でも、揉んでみても言われているほど臭くはありませんでした。頭は悪いが顔と鼻は悪くないはず(本当なのか)。念のため葉を集めて持ち帰りました。花は良い香りがします。

 次なる楽しみは臭いではなく果実。花よりもインパクトがあるのではないかと期待しています。

 クサギ(臭木)は、シソ科クサギ属の落葉低木です。日本全国のほか、中国や台湾にも分布します。シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。オドリコソウ属Lamiumに由来する名です。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。旧科名のクマツヅラ科(Verbenaceae Jaume Saint-Hilaire, 1805)は、南半球に約100属3000種が分布します。クサギ属(Clerodendrum L. (1753))は約100種が知られています。

臭いを嗅いだ日:2005.08.24
参考:クサギ(臭木)/実 ボタンクサギ(牡丹臭木)

Japanese common name : Kusagi
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Clerodendrum trichotomum Thunb.


クサギ(臭木)
別名:ヤマウツギ(山空木)/クサギリ(臭桐)/クサギナ(臭木菜)
漢名:シュウゴリュウ(臭梧桐)
シソ科クサギ属
学名:Clerodendrum trichotomum Thunb.
花期:8月~9月 落葉低木 樹高:3~5m 花径:20~25mm 果期:10~11月 果実:6~7mm

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【学名解説】
Clerodendrum : cleros(運命)+dendron(樹木)=Clerodendron/クサギ属
trichotomum : tri(三)+chotomus(分岐)/三分岐の
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.75km 右岸河川敷 2005.08.15
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

24 August 2005
Last modified: August 12, 2008
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by pianix | 2005-08-24 00:00 | | Trackback | Comments(0)
アブラゼミ(油蝉)
 無線を楽しんでいるところに耳を引き裂くようなセミの声がしたことがありました。窓の網戸にへばりついて耳元で鳴かれてはたまりません。しかし毎年、夏が近づくにつれセミの声がいつ聞こえてくるかと気になります。セミの声がしない夏はあり得ないからです。

 木にとまっているセミを見つけました。鳴き声をメモしてから撮影しました。カナカナと聞こえます。しかしセミはアブラゼミ。違うセミの声をメモしたようで、これが不思議で、帰ってから首をひねりました。アブラゼミは卵で越冬し、幼虫は6年間土中にいて7年目に羽化して成虫になるそうで、昆虫としては結構長生きですね。

 ファーブル(Jean Henri Fabre 1823~1915)の実験で、大砲の音にセミが驚かなかった話があります。「別にびっくりした様子もなく、相変わらず鳴き続けている」。しかしセミにも耳(鏡膜)があり、聞き取る高さが異なっているのだと後に分かりました。セミの可聴範囲の周波数は1KHz~10KHzにあり、可聴周波数が人間(20Hz~20KHz)に比べて低い事が分かります。

 人間の可聴周波数が20KHzだと言っても、コンディションや年齢によって異なってきます。私が若かった時は20KHzが聞き取れたのですが、すぐに18KHzまでになり、今ではもっと狭まっている事は確かです。もしかしたらセミ並になっているかもしれません。

 ちなみに代表的なセミの鳴き声を簡略化して表すと……

ニイニイゼミ……チィー・チィー
クマゼミ…………シャア・シャア
コエゾゼミ………ギィー・ギィー
エゾゼミ…………ギィー・ギィー
ミンミンゼミ……ミーンミンミンミンミー
ヒグラシ…………カナカナ
エゾハルゼミ……ゲーキョーゲー・ケッケッ
ハルゼミ…………ムゼー・ムゼー
ヒメハルゼミ……ウィーン・ウィーン
ツクツクボウシ…オーシイツクツク
チッチゼミ………チッ・チッ・チッ
アブラゼミ………ジリ・ジリ

参考:クマゼミ(熊蝉) ツクツクボウシ(寒蜩) セミの仲間

Japanese common name : Abura-zemi
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Graptopsaltria nigrofuscata (Motschulsky, 1866)


アブラゼミ(油蝉)
カメムシ目(半翅目)セミ科アブラゼミ属
学名:Graptopsaltria nigrofuscata (Motschulsky, 1866)

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体長:50~60mm(翅端全長)/32~40mm
出現期:7月~9月
分布:北海道・本州・四国・九州

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.25km右岸土手 2005.08.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 23 Augustl 2005
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by pianix | 2005-08-23 00:00 | | Trackback | Comments(0)