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ナナホシテントウ(七星瓢虫)
 小さな昆虫の世界を覗くと、様々な共生関係を見る事ができます。テントウムシは葉ダニ(アブラムシ、カイガラムシ)などを食べます。アリは、アブラムシの出す甘い汁が大好きです。そこで、テントウムシとアリは敵対関係になります。アリが噛めば、テントウムシは苦く有毒な黄色の汁を足の付け根から出して応戦します。

 幼虫の時はテントウムシとは思えない姿形ですが、同じように食肉性です。成虫は、びっくりすると擬死もします。店頭で転倒したら、やはり死んだ真似をするかもしれません。時に臭い液体を出すかもしれません。成虫のまま集団越冬しますが、暖かい地域では幼虫や蛹でも越冬できるそうです。見つけたら「テントウムシのサンバ」を聞かせてあげるのも一興ですが、テントウムシから我が一族に産婆はいないと言われるかもしれません。(もちろん嘘です)

 ナナホシテントウ(七星瓢虫)は、赤地に七つの黒点がある、とても身近なテントウムシです。派手な模様は警戒色だと言われています。植物と人間にとっては益虫です。アブラムシとアリにとっては害虫です。

参考:ナミテントウ(並瓢虫)

Japanese common name : Nanahosi-tentou
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Coccinella septempunctata Linnaeus, 1758
宿敵のアリさんとご対面


ナナホシテントウ(七星瓢虫)
甲虫目テントウムシ科
学名:Coccinella septempunctata Linnaeus, 1758

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体長:7~8mm
出現期:3~11月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
食物:アリマキ(アブラムシ)
英名:sevenspotted lady beetle

【学名解説】
Coccinella : 赤い色/Coccinella属
septempunctata : septem(数字の7)+punctata(点のある)
Linnaeus : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から5.75km 右岸河川敷 2005.09.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

31 October 2005
Last modified: June 22, 2008
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by pianix | 2005-10-31 00:00 | | Trackback | Comments(3)
フジバカマ(藤袴)
 フジバカマ(藤袴)は、秋の七草であり、古来から親しまれてきた花の一つですが、現在は環境省の絶滅危惧II種(VU)に指定され、絶滅のおそれのある野生生物の種となっています。絶滅危惧II類(VU)とは、「絶滅の危険が増大している種」を意味しています。野生絶滅(EW)「飼育・栽培下でのみ存続している種」や、絶滅(EX)「我が国ではすでに絶滅したと考えられる種」とならない事を願うばかりです。(静岡県では育成が確認されています)

 日本列島は、6,000種に近い多様な野生植物が育成する、恵まれた地域環境であると言えます。しかしながら、急速な人為的開発によって生育場所を奪われ、絶滅の瀬戸際に立たされている植物は、1980年の調査開始以来、多大な数(1665種類)に上っている事が判明しています。これは我が国に存在する野生植物の24%に相当するそうです。河川開発、道路工事、植生の遷移が減少の主要因とされています。

一端絶滅すると、取り返しがききません。それで近年、各方面で保護活動が活発になっています。しかし、一般市民レベルでの関心と理解がないと難しいのも確かです。韓国ソウル市チョンゲチョン(清渓川)の、河川再生報道は記憶に新しいと思います。実は、先行モデルとなったのは、佐賀県唐津市の松浦川湿地再生の試み「アザメの瀬」事業であることは、おおいに勇気づけられます。人間が生活する以上、野となれ山となれ方式では困りますが、自然環境を考えに入れない極端な開発の悪影響を止める意識を持たなければならない時代だと言えます。

 フジバカマは、藤色であって、その頭花が袴に例えられたと言われています。葉は3裂します。別名のコウソウ(香草)は、葉を半乾燥させると桜餅のような良い香りがする事から。写真のフジバカマは雑種か園芸種の可能性があります。

日本固有種:Eupatorium japonicum Thunb. ex Murray
参考:ヒヨドリバナ(鵯花)

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フジバカマ(藤袴)
別名:ランソウ(蘭草)/コウソウ(香草)
キク科ヒヨドリバナ属
学名:Eupatorium fortunei Turcz.
花期:8月~9月 多年草 草丈:100~150cm 散房花径:15~20cm 総苞:5~6mm

Eupatorium : Mithridates Eupator (King of Pontus, BC.132~63)/ヒヨドリバナ属
fortunei : Robert Fortune (1812-1880)に因む
Turcz. : Porphir Kiril Nicolas Stepanovich Turczaninow (1796-1864)

撮影地:静岡市葵区/下(植栽) 2005.10.25

Last modified: August 12, 200
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by pianix | 2005-10-30 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ジョロウグモ(女郎蜘蛛)
 私はクモが大嫌いです。とても恐いのです。ジョロウグモ(女郎蜘蛛)は目の高さほどの至る所に巣を張っています。この時期、異様に多い事に気が付きました。時々、絡まってしまい巣を壊してしまう事があります。逆襲にあってクルクルと巻かれたらどうしようと顔が引きつるので、一目散に逃げる事にしています。でも、怖がっているのはクモのほうのようです。蛇とご対面する事もありますが、舌をベロベロさせてから驚いて逃げるのは、やはり蛇のようです。私は優しい顔をしていますが、彼らにとって人間ほど恐いものは無いのかもしれません。

 ジョロウグモは、アシナガグモ科ジョロウグモ属の蜘蛛です。ナガコガネグモ(長黄金蜘蛛)より体が角張って厚みがある印象があります。横から見ると甲羅を背負っているようにも見えます。背面は黄色に緑青色の帯模様があります。腹面は赤が目立ち、緑青色と黄色の縞模様があり、結構派手です。その出で立ちから「女郎」さんの艶やかな衣装に例えられたのだと思います。「秋の女王」とも称されるようです。

 10月~11月頃に白色で楕円形をした卵嚢を木の葉などに作ります。卵嚢には卵が400~1500個あると言われています。親は冬に死滅しますが、翌年5月頃に卵嚢から卵が孵化して出てきます。3ヶ月間程で成体になります。

 写真に写っている小さなクモは、ジョロウグモの雄です。子供ではありません。笑ってしまうほど小さく、同じ種とは思えないほどです。雄は交尾が終わると、雌に食べられてしまう事があります。ちなみに、日本で最大のクモは、奄美大島以南に生息しているオオジョロウグモ(大女郎蜘蛛)Nephila maculata (Fabricius, 1793)です。そして、植物で言えば、女郎花はジョロウバナではなく、オミナエシです。

参考:ナガコガネグモ(長黄金蜘蛛)

Japanese common name : Jorou-gumo
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Nephila clavata L. Koch 1878
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腹面は赤が目立つ
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背面は黄色に緑青色の帯模様
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ジョロウグモの亜成体♀


ジョロウグモ(女郎蜘蛛)
真正蜘蛛目アシナガグモ科ジョロウグモ属
学名:Nephila clavata L. Koch 1878

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体長:♀20~30mm/♂6~10mm
出現期:9月~11月
分布:本州・四国・九州・沖縄

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.25km 左岸河川敷 2005.09.30, 2005.10.27
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

29 October 2005
Last modified: 22 October 2016
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by pianix | 2005-10-29 00:00 | | Trackback | Comments(1)
ノコンギク(野紺菊)
 ノコンギク(野紺菊)は、キク科シオン属の多年草です。日本固有種とされ、本州、四国、九州に分布します。北海道にはエゾノコンギク(蝦夷野紺菊)1)があります。名の由来は、野に咲く紺色の菊から。ヒメジョオンと交代するように、ノコンギクが安倍川河川敷に増えていきます。紺色の菊と言っても、白に近いものから薄紫がかっものまで様々です。しかし、蕾が開き始めた時は濃い色をしています。花色が濃い紫色のものは園芸種(ノコンギクの選別品種)のコンギク(紺菊)2)です。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。シオン属(Aster L. (1753))は世界に約400種あり、その内、北米に250種、日本には約20種が自生します。

 ヨメナ(嫁菜)3)と大変よく似ています。以前、見分けが付かなかったので、花を分解して確かめていました。しかし、分解するまでもありません。花びらをめくって、種(そう果)に付く細い毛(冠毛)が確認できれば、ほぼノコンギクです。ヨメナは、この部分と茎に毛がほとんどありません。結果、私は安倍川河川敷で、ヨメナを見た事がありません。

 野草の場合は、どこに咲いているかで風情が変わってくるものかもしれません。茫々とした藪のような所で顔を出しているか、平らかな地の細く柔らかい草の中で咲いているかの違いで、印象が変わります。しかし、咲く場所を選べなかった野草は、文句を言わずに健気に花を咲かせ、世代を受け継がせている感じがします。

1)Aster microcephalus (Miq.) Franch. et Sav. var. yezoensis (Kitam. et H.Hara) Soejima et Mot.Ito
2)Aster microcephalus (Miq.) Franch. et Sav. var. ovatus (Franch. et Sav.) Soejima et Mot.Ito 'Hortensis'
3)Aster yomena (Kitam.) Honda

参考文献 : AKIKO SOEJIMAi and MOTOMI IT0. Aster mierocephalus (Miq.) Franch. & Sav., the Correct Name for A. ovatus (Franch. & Sav.) Mot. Ito & Soejima, Acta Phytotax. Geobot. 49(2): 151-152 (1998)

Japanese common name : No-kon-giku
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Aster microcephalus (Miq.) Franch. et Sav. var. ovatus (Franch. et Sav.) Soejima et Mot.Ito


ノコンギク(野紺菊)
キク科シオン属
学名:Aster microcephalus (Miq.) Franch. et Sav. var. ovatus (Franch. et Sav.) Soejima et Mot.Ito
synonym : Aster ageratoides Turcz. subsp. ovatus (Franch. et Savat.) Kitam.
花期:8月~11月 多年草 草丈:50~100cm 花径:20~25mm

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【学名解説】
Aster : aster(星)/シオン属
microcephalus : micros(小)+cephalos(頭)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Sav. : Paul Amedee Ludovic Savatier (1830-1891)
var. : varietas(変種)
ovatus : 卵円形の
Soejima : 副島 顕子 Akiko Soejima (1961- ) : Kumamoto University
Mot. Ito : 伊藤 元己 Motomi Ito (1956- ) : Tokyo University
---
microcephalus : ageratoides : カッコウアザミ(Ageratum)に似た
Turcz. : Porphir Kiril Nicolas Stepanovich Turczaninow (1796-1864)
subsp. : subspecies(亜種)
Kitam. : 北村四郎 Shirō Kitamura (1906-2002)
---
Hortensis : 庭園栽培の/庭園の
yezoensis : 北海道の/蝦夷から来た(= yesoensis, jesoensis)
yomena : ヨメナ(日本名)
Honda : 本田政次 Masaji Honda (1887-1984)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.50km 右岸河川敷 2005.10.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 October 2005, 22 June 2008, 08 December 2014
Last modified: 14 December 2014
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by pianix | 2005-10-28 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ナガコガネグモ(長黄金蜘蛛)
 河川敷を歩くと、クモが至る所に巣を張っているのが分かります。良くお目にかかるナガコガネグモ(長黄金蜘蛛)は、草の間などの比較的低い場所に網を張るので、観察には好都合です。黒と黄色の横縞模様があります。コガネグモより腹部が長くスマートで、縞模様も細目です。中央より上の黒帯模様はギザギザになり、後部には細かい縦筋が入っています。腹部には黄色の帯2本が縦に入っています。

 ある日、ナガコガネグモを眺めていたらバッタが飛び込んで来ました。かかったバッタを糸で包み込むのに、1分もかかりませんでした。その一瞬をあっけにとられて見ていました(凄いしか言葉に出ない)。真っ白に包み込まれてしまい、バッタである事が全く分からなくなりました。そしてクモは元いた位置に戻りました。

 面白い習性があります。巣を触ったりすると、前後に巣を揺すり始めるのです。威嚇なのでしょうか。頭を下にして巣の中央で獲物を待ちかまえています。巣の上下に太いギザギザ模様を作っている事があります。これを隠れ帯、または白帯と言います。クモが隠れるためにあると言われていますが、定かではありません。(写真では網の作成中らしく見あたりません)。クモは縦糸に乗ります。横糸は獲物を張り付ける程の粘着力があります。産卵は8月~10月頃に行われます。この頃、腹部が膨らんだ雌を多く見かけるようになります。葉の下に巾着のような卵嚢を作ります。

 蛇足ですが、蜘蛛目は昆虫の仲間ではありません。日本にいる蜘蛛は、名前が判明しているものだけで約1300種類と言われています。蜘蛛の体は、頭胸部と腹部に別れ、頭と胸の節がありません。足は4対8本(昆虫は3対6本)あり、触角はなく触肢があります。複眼は無く、単眼が8個あります。

 そして私は何よりもクモが嫌いです。小さなハエトリグモでも後ずさりしてしまいます。しかし、何故嫌いなのかを知るためにカメラを向け始めたら、少しだけ抵抗感が薄らいできました。しかし嫌いな事には変わりありません。ナガコガネグモは美しいクモだと言われるようですが、私には不気味な生き物なのです。

参考:ジョロウグモ(女郎蜘蛛)

Japanese common name : Naga-kogane-gumo
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Argiope bruennichii (Scopoli, 1772)


ナガコガネグモ(長黄金蜘蛛)
真性蜘蛛目コガネグモ科コガネグモ属
学名:Argiope bruennichii (Scopoli, 1772)

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体長:♀20~25mm/♂8~12mm
出現期:8月~11月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
写真は♀

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9km/右岸河川敷 2005.07.15
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 October 2005
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by pianix | 2005-10-27 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ホソバアキノノゲシ(細葉秋の野芥子)
 ホソバアキノノゲシ(細葉秋の野芥子)は、キク科アキノノゲシ属の1~2年草です。標準和名は、アキノノゲシ。名の由来は、葉がケシ(芥子)に似ているノゲシ(野芥子)の仲間で、葉が細い品種であることから。ノゲシが5月~8月にかけて咲くのでハルノノゲシ(春の野芥子)と呼ばれる事もあるのに対し、アキノノゲシ(秋の野芥子)は9月~11月に咲くので「秋」が付きます。別名のチチクサ(乳草)は、葉や茎などを切ると白い汁が出る事によります。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。アキノノゲシ属(Lactuca L. (1753))は世界に約100種を数え、紀元前4500年のエジプトの墳墓の壁画に描かれているほど古くから知られています。

 秋から生育が目立ち、草丈は150~200cmになります。ノゲシの葉は茎を抱きますが、ホソバアキノノゲシは茎を抱きません。葉に棘があるものをオニノゲシ(鬼野芥子)と言います。アキノノゲシは葉が羽状に分裂していますが、ホソバアキノノゲシの葉は分裂しません。

 花期は9月から11月頃。花色は黄白色(クリーム色)で大きさは2cm程。葉、花ともノゲシとは趣が異なり、属も異なります。同属に野菜のレタス等があり、レタス(lettuce)はラテン語のlactucaからきています。飼料植物のリュウゼツサイ(竜舌菜)はアキノノゲシの変種です。

 秋遅くにできる種子(痩果)には冠毛があり、タンポポのように風に飛ばされ運ばれます。冬はロゼットで越冬します。

ノゲシ(野芥子): Sonchus oleraceus L.
オニノゲシ(鬼野芥子) : Sonchus asper (L.) Hill
リュウゼツサイ(竜舌菜) : Lactuca indica L. var. dracoglossa (Makino) Kitam.
チシャ(萵苣) : Lactuca sativa L. var. angustana Hort.

Japanese common name : Akino-nogesi
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Lactuca indica L.
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ホソバアキノノゲシの葉は羽状分裂しない


ホソバアキノノゲシ(細葉秋の野芥子)
標準和名:アキノノゲシ(秋の野芥子)/別名:チチクサ(乳草)
キク科アキノノゲシ属
学名:Lactuca indica L.
synonym : Lactuca indica L. var. laciniata (Houtt.) H.Hara f. indivisa (Maxim.) H.Hara
synonym : Lactuca indica L. f. indivisa (Makino) Kitam.
花期:9月~11月 1~2年草 草丈:150~200cm 花径:2cm

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【学名解説】
Lactuca : チシャ(萵苣)の古名。葉や茎から乳(lac)を出すことから/アキノノゲシ属
indica : インドの
L. : Carl von Linne (1707-1778)
---
froma : 品種
indivisa : indivisus(分裂しない・連続した)
Makino : 牧野富太郎 omitaro Makino (1862-1957)
Kitam. : 北村四郎 Shirō Kitamura (1906-2002)
---
var. : varietas(変種)
laciniata : laciniatus(補足分裂した)
Houtt. : Maarten Houttuyn (1720-1798)
H.Hara : 原寛 Hiroshi Hara (1911-1986)
f. : forma(品種)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2005.10.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

June 25, 2008
Last modified: 28 June 2014
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by pianix | 2005-10-26 00:00 | | Trackback | Comments(2)
オオハナアブ(大花虻)
 花の受粉に関する方法は幾つかあります。動物送粉、非動物送粉、自動同花送粉などです。動物を介するものは、虫媒(entomophily)、鳥媒(ornithophily)、コウモリ媒(chiropterophily)。動物を介さないものは、風媒(anemophily)、水媒(hydrophily)等と区別する事ができます。

 動物を介さない受粉では、誘引する要素の香りなどは必要がなく、風媒花のようなものは花粉は軽くなくてはいけません。動物を介する動物媒花では、逆になります。そこに集まる昆虫などは、花にとってはお客さんです。虫に確実に運んでもらうためには、粘着力のある花粉が必要です。いわば、持ちつ持たれつの関係で、極端に単一依存するものは、片方が滅びると自動的に共倒れを起こす事になります。

 オオハナアブ(大花虻)は、虫媒として活躍します。名前の通り大きなハナアブです。ハナアブはハチの仲間ではなくハエの仲間です。ナミハナアブと異なり、体は黒色部分の面積が多く、太い赤みを帯びた黄色の帯が目立ちます。オオマルハナバチ(Bombus hypocrita hypocrita Perez)に擬態していると言われています。複眼には筋模様があります。日本全国にいますが、いつでも見られるほど個体数が多いわけではありません。幼虫はナミハナアブと同じくオナガウジ(尾長蛆)と呼ばれています。

※写真のオオハナアブが止まっている花は、セイタカアワダチソウ(背高泡立草)です。

参考:ナミハナアブ(並花虻) ナミホシヒラタアブ ホソヒラタアブ(細扁虻)

Japanese common name : Oo-hana-abu
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Phytomia zonata (Fabricius, 1787)


オオハナアブ(大花虻)
ハエ目(双翅目)ハナアブ科オオハナアブ属
学名:Phytomia zonata (Fabricius, 1787)

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体長:11~16mm
出現期:4月~11月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷 2005.10.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 25 October 2005
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by pianix | 2005-10-25 00:00 | | Trackback | Comments(2)
カラスノゴマ(烏の胡麻)
 カラスノゴマ(烏の胡麻)は、アオイ科カラスノゴマ属の1年草です。カラスと名が付いていても、カラスが食べるわけではありません。カラスやスズメの名が付く植物は幾つかありますが、ほとんどが大きさを表しているだけです。本種の場合は黒褐色の種子をゴマに見立てたものと思われます。

 葉の陰に隠れるように下向きに黄色の花をつけます。5弁花で、長く目立つ雄しべは5~15本の範囲内に不規則数あります。通常は雄しべなどを気にしませんが、この種は面白い特徴を持っています。アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は、APG分類体系では約240属があります。旧シナノキ科(Tiliaceae Juss. (1789))は世界に約50属700種あり、ほとんどが木本です。特徴の一つである星状毛は、草本である本種も持っています。染色体数は、2n=20。

Japanese common name : Karasu-no-goma
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Corchoropsis crenata Siebold et Zucc.


カラスノゴマ(烏の胡麻)
アオイ科カラスノゴマ属
学名:Corchoropsis crenata Siebold et Zucc.
synonym : Corchoropsis tomentosa (Thunb. ex Murray) Makino
花期:8月~9月 1年草 草丈:30~90cm 花径:15~20mm

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【学名解説】
Corchoropsis : *Corchorus(シナノキ科ツナソ属) +opsis(似)/カラスノゴマ属
*Corchorus : cores(下だす)+core(瞳孔)
crenata : crenatus(円鋸歯状の)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
---
tomentosa : tomentosus(密に細い綿毛のある)
Thunb.:Carl Peter Thunberg (1743-1828)
ex : ~による
Murray : Johan Andreas Murray (1740-1791)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から5.75km 右岸河川敷 2005.09.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

24 October 2005
Last modified: 20 June 2015
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by pianix | 2005-10-24 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ナミハナアブ(並花虻)
 一見、蜂のようですが、双翅目(そうしもく)に属する、ハエの仲間です。ナミハナアブ(並花虻)は、美しいオレンジ色と黒の模様を持った、大変身近なアブです。単に「ハナアブ」とも呼ばれます。その姿は、蜂に擬態していると言われています。花に集まり花粉を食べるのはミツバチと共通しています。蜂と違う点は、翅が前翅の2枚のみであり、触角が短い事です。毒針はなく、人を刺したりしません。

 ハナアブの仲間の幼虫は、オナガウジ(尾長蛆)と呼ばれています。排水溝などの泥水に住む水棲生物で、鞭毛のような長い尾が付いています。尾は呼吸器の管で、伸び縮みします。水中内の有機物を食べ、管を水面へ突き出して外の空気を吸います。体内が透けて管状のものが見えるので気持ち悪がる人が多いのは頷けます。しかし、人や動物に対する害はありません。

 農業利用として、温室内で羽化させてキュウリやイチゴの受粉に一役買っています。

 似ている種に、シマハナアブ亜属のシマハナアブ(Eristalinus cerealis Fabricius, 1805)がいます。

参考:ナミハナアブ(並花虻)2オオハナアブ(大花虻)ナミホシヒラタアブホソヒラタアブ(細扁虻)

Japanese common name : Nami-hana-abu
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Eristalis tenax (Linnaeus, 1758)


ナミハナアブ(並花虻)
ハエ目(双翅目)ハナアブ科ナミハナアブ亜属
学名:Eristalis tenax (Linnaeus, 1758)

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出現期:3月~11月
体長:14~16mm
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄


撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.75km 右岸河川敷 2005.10.03
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 23 October 2005
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by pianix | 2005-10-23 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ボタンクサギ(牡丹臭木)
 ボタンクサギ(牡丹臭木)は、シソ科クサギ属の落葉低木です。半円球状に花を咲かせるので、遠くから見れば赤い紫陽花の雰囲気です。しかし、葉も、雄花と雌花が長く突きだした花も、クサギそっくりです。当然、葉を揉めば臭い臭いがするのですが、眺める分には別段気になりません。園芸として育てられていますが、性質が強い事から野生化する事もあるようです。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。オドリコソウ属Lamiumに由来する名です。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。旧科名のクマツヅラ科(Verbenaceae Jaume Saint-Hilaire, 1805)は、南半球に約100属3000種が分布します。クサギ属(Clerodendrum L. (1753))は、約100種が知られています。

 余談です。私は花の名前を知りたいと観察に出かけます。花の名前を覚えるのが大変なのに、学名には植物学者の名前が登場します。人の名前を覚えるのが大の苦手なのです。それでも調べようとすると相当の時間がかかってしまいます。海外のサイトに行って訳の分からない言葉と対面し、頭をクラクラさせています。

参考:クサギ(臭木)

Japanese common name : Botan-kusagi
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Clerodendrum bungei Steud.


ボタンクサギ(牡丹臭木)
別名:ヒマラヤクサギ(ヒマラヤ臭木)/ベニバナクサギ(紅花臭木)
シソ科クサギ属
学名:Clerodendrum bungei Steud.
花期:7月~9月 落葉低木 樹高:100~150cm 花序径:10cm

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【学名解説】
Clerodendrum : cleros(運命)+dendron(樹木)=Clerodendron/クサギ属
bungei : Alexander von Bunge (1803-1890)氏の/ウクライナの植物学者
Steud. : Ernst Gottlieb von Steudel (1783-1856)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸土手(植栽) 2005.10.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: June 25, 2008
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by pianix | 2005-10-22 00:00 | | Trackback | Comments(0)