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1月のクイズ
 次の花の名前を当てて下さい。花好きな人には簡単すぎるかもしれません。

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1回目の写真です
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2回目の写真です


 【ヒント】(1) ニチニチソウ(日々草)ではありません。(2) センニチコウ(千日紅)ではありません。

 お分かりのかたは、最下段の「Comments」をクリックして、コメント欄でお答え下さい。分からなかったかたは「分からない」とお答え下さい。簡単すぎると思われた方は、花の名前は書かずに、それにまつわる話でもお書き下さい。賞品は出ません(もしかしてその内に用意するかもしれませんが……)。

答えは、ヒャクニチソウ(百日草)でした。コメントを頂いた方々にお礼を申し上げます。

Japanese common name : Hyakuniti-sou
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Zinnia elegans Jacq.


ヒャクニチソウ(百日草)
別名:ジニア(Zinnia)
キク科ヒャクニチソウ属
学名:Zinnia elegans Jacq.
花期:8月~10月 1年草 草丈20~40cm 花径:4~5cm

【学名解説】
Zinnia : Johann Gottfried Zinn (1727-1759)に因む/ヒャクニチソウ属
elegans : 優美な・風雅な
Jacq. : Nicolaus Joseph von Jacquin (1727-1817)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷(植栽) 2005.10.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 31 January 2006
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by pianix | 2006-01-31 00:00 | クイズ | Trackback | Comments(10)
フウセントウワタ(風船唐綿)
 フウセントウワタ(風船唐綿)は、キョウチクトウ科フウセントウワタ属の常緑低木です。南アフリカ共和国を原産とし、日本では関東地方以西で屋外越冬が可能となります。やや寒さに弱いところがあり、樹木ですが1年草として扱われる事もあります。1936年に園芸品種として移入されたと言われています。名の由来は、風船のように膨らむ果実、外来を表す「唐」、種子が綿毛を持つ事に因みます。中国名は汽球花。

 キョウチクトウ科(Apocynaceae Juss. (1789))は、熱帯・温帯に分布し、215属2100種に及ぶ大きな植物群です。旧分類のガガイモ科(Asclepiadaceae R.Brown, 1810)は、熱帯から亜熱帯に約250属2700種が分布し、日本には6属、数十種類があります。花冠には副花冠があり、雄しべと雌しべが合着した「ずい柱」がある事が特徴です。

 葉は、10cm程の細長い針状で、対生します。葉や茎を傷つけると乳液が出ます。夏に葉脇から散形花序を出し、フクシアに似た1cm程の小さな花を下向きにつけます。花冠は白色の5弁で反り返り、副花冠は淡紫色です。虫媒花です。染色体数は、2n=22。

 果実は緑色の袋果で、卵形をしています。柔らかで少し湾曲した棘状の剛毛を表面に付けます。5~6cm程の大きさになります。種子は黒褐色で、白い絹糸状の長い冠毛を持ち、果実が熟すと割れて風で散布されます。温暖な地方では野生化もします。用途は切り花で、綿毛はクッションなどにも利用されます。

Japanese common name : Fuusen-touwata
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Gomphocarpus physocarpus E.Mey.

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左:花冠は白色の5弁で反り返り、副花冠は淡紫色 右:果実は卵形の袋果


フウセントウワタ(風船唐綿)
別名:フウセンダマノキ(風船玉の木)
キョウチクトウ科フウセントウワタ属
学名:Gomphocarpus physocarpus E.Mey.
synonym : Gomphocarpus fruticosus auct. non (L.) W.T.Aiton
花期:8月~9月 常緑低木 樹高:100~200cm 花径:10~15mm 果期:9~10月

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【学名解説】
Gomphocarpus : Gompho(釘状の、くさび状の)+ carpos(果実)/フウセントウワタ属
physocarpus : physo(膨らんだ)+carpos(果実)
E.Mey. : Ernst Heinrich Friedrich Meyer (1791-1858)
---
fruticosus : 低木状の
L. : Carl von Linne (1707-1778)
W.T.Aiton : William Townsend Aiton (1766-1849)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園「標本園」 2005.12.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

30 January 2006
Last modified: 29 June 2014
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by pianix | 2006-01-30 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(2)
ソシンロウバイ(素心蝋梅)
 ソシンロウバイ(素心蝋梅)は、ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木です。ロウバイ(蝋梅)の一品種です。ロウバイが花の中心部が暗紫色になるのに対して、ソシンロウバイは花弁全体が黄色になります。江戸時代には渡来されていたと言われています。この2種はロウバイ属です。以下、ロウバイと同様なので、「ロウバイ(蝋梅)」を参照してください。

☆  ☆  ☆

 学名は階級づけられて、上位から界(Kingdom)、門(Division/Phylum)、網(Class)、目(Order)、科(Family)、属(Genus)、種(Speices)と定められています。国際植物命名規約では、その内の、科・属・種を規制します。種の下に、亜種(Subspecies)、変種(varietas)、型(Form)、品種(Race)を設けます。園芸品種(cultivana varietas)、交配種(hybrid)、二種間交配種(x)等も使われます。

 ロウバイを眺めていたら、見物客の何人かは「オウバイ(黄梅)は終わったな、下を向いている」と話していました。ロウバイをモクセイ科のオウバイ(黄梅)と間違えているようです。確かに一文字違いの発音ですから紛らわしいのかもしれません。その上、名前に梅の文字を使っています。ところが、ウメ(梅)はバラ科サクラ属ですが、ロウバイはロウバイ科ロウバイ属、オウバイはモクセイ科ソケイ属で、異なる性質です。

 私は中学生の時に歌を作り、NHKテレビに出演した事がありました。その歌の題名は「白薔薇の夢」でした。今思い起こすと、薔薇の外観さえもあやふやで、薔薇そのものを、ほとんど知らない状態でした。言葉に実体がなかったのです。言葉と実体の解離は普段の生活でも問題を起こします。特に、見かけ以上に自分を背伸びさせたい状況におかれると頻発するかもしれません。いわゆる知ったかぶりです。植物を観察していると、頭の中で、曖昧な言葉が実体と合わさる瞬間があります。植物に対して、大きな驚きと敬愛の念を抱く時です。植物の名を知るというのは、こういう事なのかと実感しています。

 梅の蕾は堅いのに、「梅は咲いたか、桜はまだかいな」と梅園で歌う粋なかたもいました。春を待ちわびる日本人の季節感覚が樹木と合わさっている事が分かります。ロウバイは、それらの前哨戦のような、春を予感させる迎春花です。

Japanese common name : Sosin-roubai
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Chimonanthus praecox (L.) Link f. concolor (Makino) Makino


ソシンロウバイ(素心蝋梅)
ロウバイ科ロウバイ属
学名:Chimonanthus praecox (L.) Link f. concolor (Makino) Makino
synonym : Chimonanthus praecox Link f. lutea (Makino) Okuyama
花期:12月~2月 落葉低木 樹高:2~5m 花径:2cm

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【学名解説】
Chimonanthus : cheimon(冬)+anthos(花)/ロウバイ属
praecox : 早期の・早熟の・早咲きの
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Link : Johann Heinrich Friedrich Link (1767-1851)
f. : forma(品種)
concolor : con(共に)+color(色)/同色の 
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
---
lutea : luteus(黄色の)
Okuyama : 奥山春季 Shunki Okuyama (1909-1998)

撮影地:静岡県静岡市
葵区羽鳥「洞慶院」(植栽) 2006.01.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

29 January 2006
Last modified: 06 January 2015
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by pianix | 2006-01-29 00:00 | | Trackback | Comments(4)
ロウバイ(蝋梅)
 ロウバイ(蝋梅)は、ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木です。中国(湖北・江西省近辺)が原産で、17世紀頃に渡来したと言われています。日本全国に分布します。蝋質の花を付けるのが名の由来で、漢名の音読によります。旧暦12月の臘月に咲くからとの説もあります。別名のトウバイ(唐梅)とカラウメ(唐梅)は、共に産地国の中国や朝鮮半島を経由して来た事を表しています。英名は、Winter Sweet。

 梅の名が付けられていますが、バラ科ではなくロウバイ科(Calycanthaceae Lindley, 1819)であり、梅とは異なります。ロウバイ科には、クロバナロウバイ属(北米産・5種)、ロウバイ属(Chimonanthus J. Lindley, 1819/中国産・2種)の2属7種があります。

 幹と共に枝も良く分岐します。樹皮には横長楕円形の皮目があります。枝分かれした先に径2cm程の黄色の花を付けますが、花弁と萼片は区別できません。花被片は多数あり、外花被片は淡黄色で、内花被片は小形で紫褐色をしています。蝋細工のようだと言われるように半透明で光沢があります。下か横向きに咲きます。花には芳香があり、ボルネオール(Borneol)、リナロール(Linalool)、カンファー(Camphor)、ファルネゾール(Farnesol)、シネオール(Cineole)等の精油成分が含まれています。

 花が咲いた後に葉が展開します。葉は柄があり、長楕円形の全縁(鋸歯がない)で、対生します。長さ15cm位で、光沢があり、先端は尖ります。果実は卵形で長さ4cm程、種子は褐色で1cm程です。花蕾を生薬の蝋梅花として、解熱・鎮咳・鎮痛薬として用います。花弁全体が黄色であるのは、ソシンロウバイ(素心蝋梅)です。割合としては、ソシンロウバイの方が多いようです。

Japanese common name : Roubai
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Chimonanthus praecox (L.) Link


ロウバイ(蝋梅)
ロウバイ科ロウバイ属
別名:トウバイ(唐梅)/カラウメ(唐梅)
学名:Chimonanthus praecox (L.) Link
花期:12月~2月 落葉低木 樹高:2~5m 花径:2cm

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【学名解説】
Chimonanthus : cheimon(冬)+anthos(花)/ロウバイ属
praecox : 早期の・早熟の・早咲きの
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Link : Johann Heinrich Friedrich Link (1767-1851)

撮影地:静岡県静岡市
葵区羽鳥「洞慶院」(植栽) 2006.01.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 January 2006
Last modified: 19 March 2014
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by pianix | 2006-01-28 00:00 | | Trackback | Comments(2)
カラシナ(芥子菜)
 カラシナ(芥子菜)は、アブラナ科アブラナ属の2年草です。ヨーロッパ原産で、食用として導入したものが野生化した帰化植物です。主に関東以西に分布します。名の由来は、種子を芥子にしたことから。英名も、和名と同じく、leaf mustardです。

 一般的に、私達が「菜の花」と言っているものは、アブラナ科の黄色い花を付けるものを指す事が多いようです。そして、その種類は多く、判別に頭を悩ます事になります。河川敷では大きなロゼットを見る事が多く、その内の幾つかは花を付けています。

 双子葉綱ケシ目のアブラナ科(Cruciferae Juss. 1789)で、世界に約390属3200種が知られています。日本には100種以上があります。科名は十字架を意味し、4弁の十字状の花を付ける事に由来します。以前は十字花科とされていました。

 アブラナ(Brassica rapa L. var. oleifera DC.)と、クロガラシ(Brassica nigra (L.) W.D.J.Koch)の、雑種4倍体です。それで、カラシナとセイヨウアブラナ(西洋油菜)は、大変よく似ています。

 簡単な見分け方法ですが、茎の基部で葉を抱かないのがカラシナです。葉は互生し、30cm程になります。羽状に分裂し鋸歯があります。花は扁平の十字形をしています。染色体数は、2n=4x=36。

Japanese common name : Karasina
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Brassica juncea (L.) Czern.
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葉は茎を抱かない


カラシナ(西洋芥子菜)
別名:セイヨウカラシナ(西洋芥子菜)
アブラナ科アブラナ属
学名:Brassica juncea (L.) Czern.
花期:3月~5月 2年草 草丈:30~80cm 花径:1cm

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【学名解説】
Brassica : キャベツの古いラテン語/アブラナ属
juncea : junceus(イグサに似た)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Czern. : Vassilii Matveievitch Czernajew (1796-1871)
---
et : 及び(命名者が2名の時など・&に同じ)
Coss. : Ernest Saint-Charles Cosson (1819-1889)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0km 右岸河川敷 2006.01.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 January 2006
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by pianix | 2006-01-27 00:00 | | Trackback | Comments(1)
ニホンミツバチ(日本蜜蜂)
 ニホンミツバチ(日本蜜蜂)は、ミツバチ科ミツバチ属の昆虫です。名前から分かるとおり日本の在来種で、日本全国に分布します。ミツバチは、ミツバチ科(Apidae Latreille, 1802)ミツバチ属(Apis Linnaeus, 1758)の総称で、高度な社会性を持つ昆虫の1種です。ミツバチ属は世界に9種、日本には2種2亜種が生息しています。ニホンミツバチは、トウヨウミツバチ(東洋蜜蜂)の亜種です。系統遺伝学的関係では韓国のトウヨウミツバチと同じグループで、ニホンミツバチに遺伝的多型がほとんどなかった事が報告1)されています。

 現在、日本で養蜂に使用されているのは2種類で、ニホンミツバチとセイヨウミツバチです。特定植物の受粉用にはマルハナバチ(丸花蜂/マルハナバチ属)が使用されます。ニホンミツバチが群れで蜜を採取する年間量は2~3kgで、対してセイヨウミツバチは10~15kgです。繁殖力の強さもあって、1877年に導入された以後は急速にセイヨウミツバチによる養蜂に切り替わっていきました。ニホンミツバチの欠点は、蜜の採取量の他に、ストレスを受けると巣を放棄する性質がある事です。養蜂家にとっては取り扱いにくいところです。ニホンミツバチの群れは約1万匹で、セイヨウミツバチは約2万匹と言われています。巣は、木や地中に作ります。Karl Ritter von Frisch(1886-1982)によって、蜜の在りかを仲間に知らせるダンスが確認されました。

 ニホンミツバチは、東南アジアに分布するオオスズメバチ(大雀蜂)に巣を攻撃されます。その対抗手段として200匹ほどの集団でオオスズメバチを包み込み、熱を発して蒸し殺す事があります。温度耐性は、ニホンミツバチが48度なのに対しオオスズメバチは46度です。セイヨウミツバチは、分布していた地域にオオスズメバチがいなかったため対抗手段を取得できず、野生化できない原因となっています。

 ニホンミツバチの体色は暗茶褐色で、セイヨウミツバチより黒く見えます。腹部に縞模様がありますが、セイヨウミツバチのようにオレンジ色ではありません。働き蜂の体色変化は季節により二型あり、34℃以上で黄色、それ以下では黒色となります2) 。よって、8月から10月にかけては黄色型が多くなります。女王蜂は、初春から晩秋まで産卵を続けます。最多期は2千個/日になります。寿命は通常3年程です。働き蜂は分業し、秋に生まれた種は寿命200日程、繁忙期では35日程と言われています。働き蜂のほとんどは雌です。群れの1割ほどを占める雄蜂の寿命は90日程で、秋には働き蜂に駆逐されます。染色体数は、雌蜂が2n=32、雄蜂がn=16。


 蜂蜜の古い記述として、『それゆえ、わたしは降(くだ)って行き、エジプト人の手から彼らを救い出し、この国から、広々としたすばらしい土地、乳と蜜の流れる土地、カナン人、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の住む所へ彼らを導き上る。』(出エジプト記3章8節・新共同訳)があります。当時、蜜は生活に潤いをもたらす貴重な食物であった事が知られます。

1) Deowanish, S.,J. Nakamura, M. Matsuka and K. Kimura 1996.
mtDNA variation among subspecies of Apis cerana using restriction fragment polymorphism. Apidologie 27:407-413
2)ニホンミツバチの飼育法と生態・吉田忠晴 玉川大学出版部(ISBN4-472-40081-2)

参考:フタモンアシナガバチ(二紋足長蜂)キアシナガバチ(黄足長蜂)キイロスズメバチ(黄色雀蜂)

Japanese common name : Nihon-mitubati
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Apis cerana japonica Radoszkowski, 1887
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吸蜜している花はツワブキ(石蕗)


ニホンミツバチ(日本蜜蜂)
ハチ目(膜翅目)ミツバチ科ミツバチ属
学名:Apis cerana japonica Radoszkowski, 1887

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体長:(働きバチ)13mm前後
出現期:3月~11月
分布:北海道・本州・四国・九州

撮影地:静岡県静岡市
静岡市駿河区谷田 2005.12.01
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 January 2006
Last modified: 5 March 2016
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by pianix | 2006-01-26 00:00 | | Trackback | Comments(0)
レモン(lemon/檸檬)
 レモン(檸檬)は、ミカン科ミカン属の常緑低木です。原産地はインド北部で、現在では地中海沿岸地方、アメリカ合衆国が主な産地となっています。日本には明治時代に導入されました。中国名で檸檬(níng méng)。クエン酸は、別名のクエン(枸櫞)が由来。

 ミカン科(Rutaceae Juss. (1789))は、150属をかかえる大きな科で、約900種が知られています。ミカン属(Citrus L. (1753))は、約159種があります。

 枝には短い棘があり、葉は互生し、楕円形で先端が尖り鋸歯があります。 蕾は淡紫色で、花は白色もしくはピンクの5裂する花弁があり、香りがあります。両性花です。外果皮に油室があります。

 果実は、多肉果のひとつである、蜜柑状果です。蜜柑状果は、中果皮はパルプ状、内果皮は毛状となり、果汁を蓄えた果実を言います。潮風への耐性があるので海岸沿いでも栽培は可能です。他の柑橘類との混在栽培も行われます。収穫は、一般的には10~12月ですが、果実が大きくなったらいつでもできます。無農薬栽培の果実を刻んで塩に漬けた塩レモンは、モロッコの調味料として知られています。

 果実は紡錘形の液果(水分の多い肉質の果皮をもつ・多肉果)で、エーテル性のオイル、蓚酸カルシウム(Calcium oxalate, CaC2O4)、イソキノリン系のアルカロイド(alkaloid)やクマリン(Coumarin, C9H6O2)が含まれます。レモン1個分のビタミンC標準含有量は20mgです。香りがあり強い酸味(pH2)があります。香りの成分はテルペン系炭化水素のd-リモネン (Limonene, C10H16)です。溶剤として使われます。また、含まれるポリフェノールの1種であるエリオシトリン(Eriocitrin, C27H32O15)は、活性酸素を押さえる抗酸化効果があることが分かっています。

参考:ミカン科ミカン属 ウンシュウミカン(温州蜜柑) ブンタン(文旦)

Japanese common name : Lemon
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Citrus limon (L.) Osbeck


レモン(lemon/檸檬)
別名:クエン(枸櫞)
ミカン科ミカン属
学名:Citrus limon (L.) Osbeck
花期:四季咲き性(主に5月) 常緑低木 樹高:3~6m 花径:4cm 果期:10~12月

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【学名解説】
Citrus : kitron(箱)、レモンの古名/ミカン属
limon : limosus(湿地帯生の)イタリアでの名
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Osbeck : Pehr Osbeck (1723-1805)

撮影地:静岡県静岡市
葵区牛妻(植栽) 2006.01.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

25 January 2006, 23 May 2010
Last modified: 12 December 2016
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by pianix | 2006-01-25 00:00 | | Trackback | Comments(0)
オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)
 オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)は、オオバコ科クワガタソウ属の越年草です。ヨーロッパ原産で、アジア・南北アメリカ・オセアニア・アフリカ等に広く分布します。日本では全国で野生化している外来種です。1887年に東京で確認され、大正時代初期に全国に拡大しました。史前帰化植物の在来種、イヌノフグリ(犬の陰嚢)を駆逐しています。名の由来は実の形が、雄犬の陰嚢に似ているイヌノフグリより大型、という意味からです。犬であろうと何であろうと、ちょっと困った名前であるので、別名が多く存在しています。

 オオバコ科(Plantaginaceae Juss.(1789))は、約90属1700種があります。ゴマノハグサ科から再編されました。旧ゴマノハグサ科(Scrophulariaceae Juss. (1789))は、熱帯から寒帯に約220属3000種がある双子葉植物・合弁花類です。クワガタソウ属(Veronica L. 1753)は、北半球に約300種が分布します。日本には、約13種があります。

 茎は長さ30cm程で、分枝して地を這います。葉は卵円形で鋸歯があり、茎の下部で対生し、上部で互生します。花期は、2月から5月頃。立ち上がった茎の葉腋に花柄を出し、瑠璃色の花を付けます。花冠は4裂していますが花弁が基部で合着する合弁花です。両性花で、雄しべは2本。一日花で、花冠は簡単に剥離します。温暖な地では秋にも咲きます。果実は倒心形の蒴果で、長さ2mm以下の種子が8個程入っています。1株あたり300個以上の種子があり、風などで散布されます。扁平形であるのはクワガタソウ属の特徴です。染色体数は、2n=28。

 類似種として、桃色の花を付けるイヌノフグリ(Veronica didyma Tenore var. lilacina (Hara) T.Yamaz.)の他、青紫色の花で茎が立ち上がるタチイヌノフグリ(Veronica arvensis Linn.)、毛が多く淡青紫色のフラサバソウ(Veronica hederaefolia L.)があります。

オオイヌノフグリ・他の写真
参考:オオカワヂシャ(大川萵苣) カワヂシャ(川萵苣)

Japanese common name : Oo-inuno-fuguri
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Veronica persica Poir.
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大犬の陰嚢=フグリに似ている果実


オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)
オオバコ科クワガタソウ属
学名:Veronica persica Poir.
花期:2月~5月 越年草 草丈:10~25cm 花径:8~10mm

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【学名解説】
Veronica : Vettonicaの転訛|聖Veronicaに因む/クワガタソウ属
persica : persicus(ペルシャの)
Poir. : Jean Louis Marie Poiret (1755-1834)

撮影地:静岡県静岡市
葵区羽鳥「洞慶院」 2006.01.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

24 January 2006
Last modified: 24 September 2015
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by pianix | 2006-01-24 00:00 | | Trackback(1) | Comments(6)
クチナシ(梔)/果実
 クチナシ(梔)は、アカネ科クチナシ属の常緑低木です。中国、韓国、日本(鹿児島・高知)、インドシナの熱帯、亜熱帯地方を原産とし、日本では静岡県以西に自生します。名の由来は、筒状の果実が熟しても先端が開いたように見えない事から、口が無いの意味で付けられたと言われています。アカネ科(Rubiaceae)は世界に約600属、10,000種以上が存在し、クチナシ属は約250種の分布がみられ、日本には1種だけがあります。

 葉は対生し、楕円形で全縁です。光沢のある濃緑色をしています。6月から7月頃に、強い芳香がある白色の花を付けます。大きさは品種によって異なり5~10cm程。合弁花で先端は5~7裂します。萼も5~7個。雌しべは中央に突き出て、雄しべは花弁の間に沿って広がります。5~7本あります。開花後しばらくは白色ですが、やがて黄色味を帯びるようになります。

 10月から11月頃に、赤黄色の長卵形で6~7の稜(角のある筋)を持つ果実をつけます。果実の筒部分は萼であって、萼筒と呼ばれます。園芸品種のオオヤエクチナシ(大八重梔)は、大輪で八重咲きです。コクチナシ(小梔)はヒメクチナシ(姫梔)とも呼ばれ、花径5cm程の小振りです。

 生薬に用いるのは果実の種子で、日本薬局方・サンシシ(山梔子)として、鎮静・消炎・止血・解熱・利胆・肝臓病・黄疸に処方されます。また、外用として打撲・外傷・腰痛にも使われます。成分はイリドイド配糖体(gardenoside)です。但し、八重咲き種は結実しないため薬用には使われません。カロチノイド色素であるクロシン(crocin)を含み、繊維や食品の着色料(黄色)としても使われます。種子は5mm程の黒褐色又は黄赤色をした扁平の円形です。苦い味で、僅かな香りがあります。

参考:クチナシ(梔)

Japanese common name : Kutinasi
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Gardenia jasminoides Ellis


クチナシ(梔)
アカネ科クチナシ属
学名:Gardenia jasminoides Ellis
花期:6月~7月 常緑低木 樹高:1~2m 花径:5~10cm 果期:10~12月 実:3~4cm

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【学名解説】
Gardenia : Alexander Garden (1730-1792)に因む/クチナシ属
jasminoides : Jasminum(ソケイ属ジャスミン)+ides(似た)
Ellis : John Ellis (1710-1776)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園「標本園」 2005.12.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 23 January 2006
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by pianix | 2006-01-23 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(2)
タバコ(煙草)
 タバコ(煙草)は、ナス科タバコ属の多年草です。南熱帯アメリカが原産で、日本では1年草として扱われます。名の由来は、ポルトガルから日本へ渡来した時のtabacoから。煙草は中国名で、当字。英名は、Tobacco。

 ナス科(Solanaceae Juss. (1789))は、世界に90属、約2300種が分布します。タバコ属(Nicotiana L. (1753))は、世界に66種類(野生種64種・栽培種2種)が分布しています。内訳は、南北アメリカ大陸45種、オセアニア20種、アフリカ(ナミビア)1種です。フランスの駐ポルトガル大使ジャン・ニコ(Jean Nicot (1530-1600))がフランスに持ち帰った事に因み、属名Nicotianaが付けられました。

 タバコの有効成分ニコチン(Nicotine)の名もこれに由来します。ニコチンはC10H14N2の構造式を持ち、幼児の致死量は15mg、大人の経口致死量は50~60mgとされています。殺虫剤として使用されることから毒物である事が分かります。当初は医薬品として利用されました。日本には1586年(天正14年)以後に入ったと言われています。栽培は1605年(慶長10年)に長崎で始まりました。

 花期は、7月から8月頃。花は、茎の先端部分に群生します。ピンク色の漏斗形をしている管状合弁花で、先端が星形に5裂します。萼片も5裂します。雄しべ5本、雌しべ1本があります。通常、花が出るとすぐに摘花されます。花への栄養を葉に回すためです。

 葉は、先端の鋭い大きな卵形で互生します。下から「下葉・中葉・合葉・本葉・上葉」と呼ばれ、各数枚ずつ計約20枚が付きます。ニコチン含有量は下部が少なく上に行くほど増えます。表面には毛茸(もうじ)と呼ばれる産毛が生えています。長さ約70cm、幅約30cmの大きさまで成長します。

 種子は、約0.7mm×0.5mmの回転楕円体で、重量50μg(マイクログラム)程です。1gの20万分の1と言う微細さです。種子対植物体重量の比は1,500万倍に達します。染色体数は、2n=48。

 紙巻き煙草の原料とされるのは、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum L.)=写真=と、ニコチアナ・ルスチカ(Nicotiana rustica L.)の栽培種2種類のみです。ニコチアナ・タバカムには、バーレー種・黄色種・在来種の各品種があります。タバコの専売制度が廃止(1985年)された以後、タバコ属の園芸種(alata種)が解禁となり市場に出回るようになりました。

Japanese common name : Tabako
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Nicotiana tabacum L.

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管状合弁花で、先端が星形に5裂する <2006.12.21> 萼裂片は5個

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雄しべ5,雌しべ1 <2005.12.21> 葉は卵形で互生し、約20枚がつく


タバコ(煙草)
ナス科タバコ属
学名:Nicotiana tabacum L.
花期:7月~8月 多年草(日本では1年草) 草丈:120cm

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【学名解説】
Nicotiana : Jean Nicot (1530-1600)フランスの外交官に因む/タバコ属
tabacum : tabaca(タバコ)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2005.12.02, 2005.12.21, 2006.12.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 22 January 2006
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by pianix | 2006-01-22 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)