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シナレンギョウ(支那連翹)
 桜が咲く頃、鮮やかな黄色の花を咲かせるレンギョウ(連翹)があります。辺り一面が明るい雰囲気になります。このレンギョウの後ろにサクラが咲くとコントラストが美しく、毎年楽しみにする風景の一つになっています。付近に咲くレンギョウを調べて回ったら、ほとんどがシナレンギョウでした。

 シナレンギョウ(支那連翹)はモクセイ科レンギョウ属の落葉低木です。中国が原産で、日本へは古くに観賞用として渡来しました。1923年渡来との説もあります。名の連翹は漢名を音読みしたもので、中国ではトモエソウ(巴草)Hypericum ascyron L.を指し、これを誤って付けたもの。本来の漢名は黄寿丹です。英名は、Golden-bolls。

 変種に朝鮮原産のチョウセンレンギョウ(朝鮮連翹)があります。日本原産種に、ヤマトレンギョウ(大和連翹)とショウドシマレンギョウ(小豆島蓮翹)があります。モクセイ科は世界の熱帯から温帯にかけて、約27属600種が分布します。レンギョウ属は東アジア、ヨーロッパ東部に数種が分布します。

 枝や幹は直立します。チョウセンレンギョウの場合は枝が湾曲します。枝は中空で、髄があり隔壁(薄い膜の仕切り)があります。レンギョウにはありません。葉は対生し、鋸歯が先端の半分程まであります。チョウセンレンギョウの場合は、ほぼ全面にあります。葉の長さは5~10cm程。花冠は25mm程で、黄色。深く4裂し、下向きに咲きます。雌雄異株です。雄しべは2個で、花柱は雄しべより長く突き出ます。卵形の朔果をつけます。生薬として使うのは、この果実で、消炎・利尿・排膿・解毒に利用されます。挿し木で簡単に殖やせます。

***
【日本原産】
ヤマトレンギョウ(大和連翹):Forsythia japonica Makino
ショウドシマレンギョウ(小豆島蓮翹):Forsythia togashii Hara
【中国原産】
レンギョウ(連翹):Forsythia suspensa (Thunb.) Vahl
【朝鮮原産】
チョウセンレンギョウ(朝鮮連翹):Forsythia viridissima Lindl. var. coreana Rehd.
【バルカン原産】
フォルシティア・エウロパエア:Forsythia europaea Deg. et Bald.

Japanese common name : Shina-rengyou
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Forsythia viridissima Lindl.


シナレンギョウ(支那連翹)
モクセイ科レンギョウ属
学名:Forsythia viridissima Lindl.
花期:3月~4月 落葉低木 樹高:2~3m 花径:25mm

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【学名解説】
Forsythia : William Forsyth(1737-1804)に由来/レンギョウ属
viridissima : viridissimus(濃緑色の)
Lindl. : John Lindley (1799-1865)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.25km 左岸土手(植栽) 2006.03.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 31 March 2006
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by pianix | 2006-03-31 00:00 | | Trackback | Comments(0)
キランソウ(紫藍草/金瘡小草)
 キランソウ(紫藍草/金瘡小草/金襴草)は、シソ科キランソウ属の多年草です。普通に見られる野草ですが、個体数が多いわけではありません。キランソウの名の由来は定かではありません。「紫藍草」の「キ」は紫の古語、「ラン」は藍色で、花色に由来したものとする説、また「金襴草」は、織物の切れ端に例えたものとの説があります。「金蒼小草」は中国名です。

 別名のジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)はインパクトがあります。春の彼岸の頃に花が咲くので、先祖の霊を閉じこめるものとの説は違和感を覚えます。そうではなく、薬効がある為に瀕死の重病人が地獄へ落ちる事を妨げる蓋に例えたものとの説が有力です。単に、茎葉が覆うように生えるから地面の蓋に例えたとする説もあります。要するに蓋は出さないか入れないかに注目している訳で、入れない説に道理があります。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。キランソウ属は、世界の温帯から熱帯にかけて約50種が分布し、日本には12種1変種1品種が自生します。キランソウは、中国、朝鮮半島、また日本では本州から九州に分布します。

 シソ科の植物は茎が四角形である事が特徴ですが、本種は珍しく丸い茎を持っています。地を放射状に這う匍匐茎で、立ち上がりません。長さは15cm程になりますが、高さは3~5cm程です。綿毛を密生し、茎色は紫色を帯びます。根生葉は広倒披針形で先端は鈍頭、4~6cmの長さがあります。茎上の葉は対生し、葉柄があります。葉の縁は波打っていて、裏側は紫色です。花は濃紫色の唇形で、下唇は3裂、上唇は2裂します。雄しべは4本で、内2本が長く突き出ます。果実は卵球状で2mm以下の大きさです。

 生薬として乾燥葉が「キランソウ」として販売されていて、鎮咳、去淡、解熱、健胃、下痢止めに使われます。

 類似種として、関東地方から東海地方に分布し準絶滅危惧種(NT)の、タチキランソウ(立金蒼小草)Ajuga makinoi Nakai、沖縄から台湾北部に分布する、ヒメキランソウ(姫金蒼小草)Ajuga pygmaea A. Gray、キランソウとジュウニヒトエの自然雑種で関東から四国までに分布する、ジュウニキランソウ(十二金蒼小草) Ajuga x mixta Makino、等があります。ジュウニヒトエ(十二単)やセイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)も、この仲間です。

Japanese common name : Kiransou
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Ajuga decumbens Thunb.


キランソウ(紫藍草/金瘡小草)
別名:ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)
シソ科キランソウ属
学名:Ajuga decumbens Thunb.
花期:3月~5月 多年草 草丈:3~5cm(地を這う) 花冠:1cm

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【学名解説】
Ajuga : a(無)+jugos(軛くびき・束縛)|abiga(畸形・奇形)/キランソウ属
decumbens : 横臥した
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷 2006.03.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 30 March 2006
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by pianix | 2006-03-30 00:00 | | Trackback | Comments(0)
シキミ(樒)
 馴染みのない植物は、地域的に見かけないか、利用する事がない場合が主な理由です。私が偶然に迷い込んだ山間地域に、見慣れない花木がありました。シキミ(樒)です。何故この一帯に植えてあるのか聞いてみたところ、昔は周辺にお墓があったそうで、納得しました。私にとって、実に馴染みのない植物でした。

 シキミはマツブサ科シキミ属の常緑小高木です。中国・台湾、日本に分布し、国内では宮城県以西から沖縄にかけて分布します。静岡県富士市ではシキミ栽培農家があり、3年ものを盆花として出荷しています。古来、神事に使われ、後に仏事に引き継がれたようです。神事にはサカキ(榊)、仏事にはシキミと分けて使われます。全体に有毒であり、特に実には、毒物及び劇物取締法による劇物に指定されている猛毒が含まれています。これから「悪しき実」が転訛してシキミになったとか、実の形から「敷き実」との説があります。マツブサ科は、3属約100種が分布します。旧シキミ科は1属のみがあり、温帯から亜熱帯にかけて、約20種が分布します。

 樹皮や葉を燃やすと強い臭いを発生します。死臭を香りで覆い隠す為に使われた木で、これの粉末を線香や抹香の材料として利用します。現在でも名残として仏事の霊前に供える木であり、主に寺院に植栽されています。有毒成分は、アニサチン(anisatin|分子量328)という痙攣毒で、中毒事故の事例があります。これは種子や果皮に多く含まれています。シキミは劇物指定されている唯一の植物です。従って、シキミの実を販売や授与の目的で製造・輸入・販売するには、登録を受けた者でないと行えません。抽出されるシキミ酸(shikimic acid)は無毒です。

 樹皮は暗灰褐色。葉は互生します。革質で艶がある倒卵状広披針形で4~10cm程の長さがあります。花は両性花で、葉腋に出し、径3cm程の淡黄白色。花弁は長く、萼片と共に線状披針形で12個あります。雄しべは約20本。果実は袋果の集まりで9~10月に熟し、艶のある褐色の種子を出します。染色体数は、2n=28。

Japanese common name : Sikimi
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Illicium anisatum L.
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熟した果実と種子 2013.09.11
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種子 2007.11.12


シキミ(樒)
別名:コウバナ(香花)/コウノキ(香の木)
マツブサ科シキミ属
学名:Illicium anisatum L.
花期:3月~4月 常緑小高木 樹高:2~5m 花径:25~30mm 果期:9~10月

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【学名解説】
Illicium : illicio(誘惑する、魅了する)/シキミ属
anisatum : (薬草・香辛料の)アニス
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
葵区西ヶ谷(植栽) 2006.03.15
安倍城跡(Alt. 435m) 2013.09.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

29 March 2006, 15 September 2013
Last modified: 22 February 2016
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by pianix | 2006-03-29 00:00 | | Trackback(1) | Comments(2)
ハハコグサ(母子草)
 ハハコグサ(母子草)は、キク科ハハコグサ属の越年草です。中国、日本、東南アジア、インドに分布し、国内では全国に分布する史前帰化植物の在来種です。古くは、オギョウあるいはゴギョウと呼ばれ、春の七草の一つになっています。七草粥や草餅に利用されたようですが、現在ではヨモギが使われます。ハハコグサはホホケグサが訛った名であるとの説があります。冠毛がほおけ立つ(穂穂ける=毛羽立つ)事に由来します。それからすると、母子草との字を充てるのは適切でないようです。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。ハハコグサ属(Pseudognaphalium M.E. Kirpicznikov, in M.E. Kirpicznikov et L.A. Kuprijanova, 1950)は、世界に120種程が分布しています。

 茎や葉には白い綿毛が密生しています。葉は互生し、へら形で、ロゼット葉は花期にはありません。頭花は黄色で、管状花と糸状小花で構成される総苞の集まりです。ロゼットで越冬します。ロゼットとは、葉が放射状に根際から出ているものの事です。その一枚毎を根出葉あるいは根生葉、ロゼット葉と言います。染色体数は、2n=14。

 近縁種に、アキノハハコグサ(秋の母子草)がありますが絶滅危惧IB類(EN)です。また、チチコグサ(父子草)は、チチコグサ属の在来種で、頭花は茶色です。外来種のチチコグサモドキ(父子草擬き)も多く見られます。葉の裏が白いウラジロチチコグサ(裏白父子草)、花色が淡紅紫色のウスベニチチコグサ(薄紅父子草)も外来種です。また、ヤマハハコ属には、よく似た名のカワラハハコ(河原母子)があります。

Japanese common name : Hahako-gusa
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Pseudognaphalium affine (D.Don) Anderb.
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2006.05.06


ハハコグサ(母子草)
別名:ホウコグサ/オギョウ(御形)/ゴギョウ(御形)
キク科ハハコグサ属
学名:Pseudognaphalium affine (D.Don) Anderb.
synonym : Gnaphalium affine D. Don.
花期:4月~6月 越年草 草丈:10~30cm 花径:3mm(総苞)

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【学名解説】
Pseudognaphalium : pseudos(偽)+Gnaphalium(一握りの尨毛=獣の毛)/ハハコグサ属
affine : affinis(似た)
D. Don : David Don (1799-1841)
Anderb. : Arne A.Anderberg (1954- )

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷 2006.03.19
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.03.19, 2006.05.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 28 March 2006
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by pianix | 2006-03-28 00:00 | | Trackback | Comments(0)
カワヅザクラ(河津桜)
 桜開花宣言が行われてしばらくすると見頃が訪れます。気象庁による開花宣言の基準は、各地の気象台や測候所で行われ、ソメイヨシノの標本木(標準木・基準木)に5~6輪の花が開いた状態を言います。全国で89カ所があるようです。花芽の80%以上が咲いた状態を「満開」としています。一般的には、梅を追うように桜前線が北上し、東北地方で桜が梅に追いつきます。

 カワヅザクラ(河津桜)は、バラ科サクラ属の落葉高木です。早咲き品種で、ソメイヨシノよりも早く開花します。この原木は、静岡県賀茂郡河津町田中の飯田氏邸にあります。早咲きのオオシマザクラ(大島桜)とヒカンザクラ(緋寒桜)との自然交雑品ではないかと言われています。1974年に新種と判明して命名され、翌年1975年に河津町の木に指定されています。毎年2月10日から3月10日にかけて河津桜まつりが開催されます。関東以西に分布します。花弁の縁が赤味がある濃色で、花色は桃色ないし淡紅色です。花は葉に先だって咲きます。

Japanese common name : Kawazu-zakura
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Cerasus × lannesiana Carrière 'Kawazu-zakura'


カワヅザクラ(河津桜)
バラ科サクラ属
学名:Cerasus × lannesiana Carrière 'Kawazu-zakura'
synonym : Cerasus lannesiana Carrière, 1872 ‘Kawazu-zakura’
synonym : Prunus lannesiana Wils. cv. Kawazu-zakura
花期:2月~3月 落葉高木 樹高:3~10m 花径:25~35mm

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【学名解説】
Cerasus : 産地であるトルコのKerasos(現在のGiresun)地方名/サクラ属
x : 二種間交配種
lannesiana : Lannesianus(園芸家ラネスの)
Carrière : Elie Abel Carrière (1818-1896)
---
Prunus : plum(スモモ)のラテン古名/スモモ属
Wils. : Ernest Henry Wilson (1876-1930)
cv. : cultivana varietas(園芸品種)
Kawazu-zakura : 河津桜

撮影地:静岡県静岡市
葵区西ヶ谷(植栽) 2006.03.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

27 March 2006
Last modified: 17 February 2015
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by pianix | 2006-03-27 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)
 ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)は、ケシ科キケマン属の多年草です。日本、中国、台湾に分布います。日本では、関東以西から四国、九州に分布する、在来種です。何とも変わった名前です。スミレを伊勢地方の方言で太郎坊と呼ぶのに対し、本種を二郎坊と呼んだのが由来とされています。延胡索は漢名で、玄胡索が元になっています。玄が尊称である為に延に置き換えられたと言われています。「玄」は黒、「胡」は国名、「索」は縄の意味。根茎が黒く、胡の国に咲く苗に紐状のものがあるとの意味になります。

 新エングラー体系、APG体系ではケシ科(Papaveraceae Juss. (1789))に分類されます。北半球に43種820種が分布します。日本には7種20種、日本固有種は1属4種3変種があるとされています。クロンキスト体系では、ケマンソウ科(Fumariaceae Marquis (1820))に分類され、世界に約16属450種が分布します。キケマン属(Corydalis DC. (1805))は、世界に約200種、日本では約20種が分布します。

 平地や山地に自生します。根茎は約1cmの偏球形。茎は弱く、地面を這い、途中で立ち上がります。草丈は10~20cm。葉は互生します。2回3出複葉。花期は、4月から5月。茎の先端に総状に花をつけます。長さ12~15mmの筒状で先端は唇形。距があります。咲き始めは紅紫色や青紫色で、徐々に色素が抜けて白っぽくなります。花柄基部の苞葉は、全縁の卵形で先端がとがります。果実は蒴果です。線形の鞘状で長さ15~20mm。種子は種沈があり、経約1.5mm。

 根茎を生薬「延胡索」として胃腸薬に用いますが、日本薬局方では中国種の延胡索(Corydalis turtschaninovil Bess. forma yanhusuo Y.H.Chou et C.C.Hsu)を用います。アルカロイド(有毒)成分を含みます。

 品種として、花冠が白色のシロバナジロボウエンゴサク(白花次郎坊延胡索)Corydalis decumbens (Thunb.) Pers. f. albescens (Takeda) Ohwi ex S.Akiyama があります。類似種に、山野に分布するヤマエンゴサク(山延胡索)Corydalis lineariloba Siebold et Zucc. 、北陸から東北地方に分布するミチノクエンゴサク(陸奥延胡索) Corydalis capillipes Franch. 、北海道から東北地方に分布するエゾエンゴサク(蝦夷延胡索)Corydalis fumariifolia Maxim. subsp. azurea Liden et Zetterlund 、その品種であるシロバナエゾエンゴサク(白花蝦夷延胡索) Corydalis fumariifolia Maxim. subsp. azurea Liden et Zetterl. f. candida Yonek. 等があります。

Japanese common name : Jirobou-engosaku
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Corydalis decumbens (Thunb.) Pers.

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山地や山に近い草地に多く自生する
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距がある
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先端部


ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)
ケシ科キケマン属
学名:Corydalis decumbens (Thunb.) Pers.
花期:4月~5月 多年草(宿根草) 草丈:10~20cm 花冠長:12~15mm

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【学名解説】
Corydalis : Korydallis(雲雀)|花の形に由来/キケマン属
decumbens : 横臥した
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Pers. : Christiaan Hendrik Persoon (1761-1836)

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷 2006.03.20
千代みどりの森 2007.03.02
安倍城跡 2017.03.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

21 March 2006
Last modified: 23 June 2017
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by pianix | 2006-03-21 00:00 | | Trackback | Comments(4)
シダレザクラ(枝垂桜)
 我が家の年寄りから、何事かと思うような呼び止められ方をされました。近くでシダレザクラが咲いたという地方紙の記事を開いて話し始めました。あまりにも熱心に話すので、見に行きたいのかと尋ねると、その様子。私は花好きと勘違いされているようです。年寄りの希望は叶えてあげるべきだと思っています。毎年が見納めなのです。本人も、そう思っていると思います。私だって、そう遠くない未来に遺影写真になる運命です。

 詳しい番地が分かりませんでした。出かけた先で通行人に尋ねたら、詳しい道順を教えてくれました。途中の分岐点には「新聞の桜」と書かれた案内板がありました。すぐに見事なシダレザクラが見えてきました。静岡市葵区福田ヶ谷に住む大塚さんというお宅の庭にあるシダレザクラです。何と、見物客にミカンを配って回る家人の気前の良さ。押し寄せる人たちに丁寧に説明をしていました。翌日、再度伺って取材をしました。樹齢は30年、淡紅色で、品種詳細は分からず、山梨県身延町にあるお寺の桜と同じであろうとの事でした。多分、桜の名所で名高い身延山久遠寺であると思われます。

 シダレザクラ(枝垂桜)はバラ科サクラ属の落葉高木です。標準和名は、イトザクラ(糸桜)。原産国は日本で、朝鮮原産の野生種であるエドヒガンの変種と言われ、早咲き性です。本州以南に分布します。シダレザクラは、枝が下方に長く垂れ下がる枝垂れ性のものを言います。枝垂れ性品種は、植物ホルモンの一種であるジベレリン(Gibberellin)1)の欠乏により発現すると言われています。枝は横に広がり、小枝は細く垂れます。葉は互生し、狭楕円形で鋸歯があります。花は淡紅色で花弁は5枚。25~30mm程で、葉に先立ち咲きます。

 静岡地方気象台で、2006年3月17日にソメイヨシノの開花が発表されました。観測史上2番目の早咲きで、本州では一番乗りとの事です。

1)Gibberellin(C19H22O6)の発見者:藪田貞治郎 Yabuta Teijiro (1888-1977)

Japanese common name : Ito-zakura (Shidare-zakura)
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Cerasus itosakura (Siebold) H.Ohba et S.Akiyama var. itosakura f. itosakura
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シダレザクラ(枝垂桜)
標準和名:イトザクラ(糸桜)
バラ科サクラ属
学名:Cerasus itosakura (Siebold) H.Ohba et S.Akiyama var. itosakura f. itosakura
synonym : Prunus pendula Maxim. f. pendula
synonym : Prunus subhirtella var. pendula (GRIN)
synonym : Cerasus spachiana Lavalee ex H.Otto var. spachiana f. spachiana (Y-List)
花期:3月~4月 落葉高木 樹高:~25m 花径:25~30mm 果期:6月

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【学名解説】
Cerasus : 産地であるトルコのKerasos(現在のGiresun)地方名/サクラ属
itosakura : 和名イトザクラ
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
H.Ohba : 大場秀章 - Hideaki Ohba (born 1943)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
S.Akiyama : 秋山忍 Shinobu Akyama (1957- )
var. : varietas(変種)
f. : forma(品種)
---
Prunus : plum(スモモ)のラテン古名/スモモ属
pendula : pendulus(下垂の・傾下して付いた)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)

GRIN : Germplasm Resources Information Network

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷(植栽) 2006.03.20
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

20 March 2006
Last modified: 6 September 2016
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by pianix | 2006-03-20 00:00 | | Trackback(2) | Comments(0)
ヤマトシジミ(大和小灰蝶)
 ヤマトシジミについて話をしていると噛み合わなくなる事があります。貝と蝶で同じ和名の生物がいるからです。異物同名(homonym)は幾つもあり、お互いに失笑する事になります。貝のヤマトシジミはCorbicula japonica Prime, 1864ですが、ここでは蝶のヤマトシジミについて書いています。しかし、本家は貝の方で、翅裏がシジミ貝の内側に似ている事からシジミチョウの名が付けられています。ヤマトは「大和」で、日本の事です。

 ヤマトシジミ(大和小灰蝶)は、シジミチョウ科ヒメシジミ亜科ヤマトシジミ属の昆虫です。日本本州北部から沖縄までに分布する小型の蝶です。低地性の蝶で、極普通に見られます。北朝鮮南部が北限のようです。シジミチョウ科(Lycaenidae)は、9亜科に分類されます。日本に生息するものは、ウラギンシジミ亜科・カニアシシジミ亜科・ベニシジミ亜科・ヒメシジミ亜科・ミドリシジミ亜科の5亜科があります。ヤマトシジミはハマヤマトシジミ属(Zizeeria)でしたが、ヤマトシジミ属(Pseudozizeeria)に転属されました。「偽の」という意味のPseudoが付き、偽のハマヤマトシジミ属と怪しい名前になっています。

 翅の表面は雄と雌で異なります。雄は淡青白色で、雌は暗褐色をしています。裏面は褐色を帯びた灰白色地で、黒の斑紋があります。夏に出現するものは小型です。幼虫で越冬します。卵は扁平で細かな網目があります。幼虫は草鞋(わらじ)型で、終令幼虫は緑色で12mm内外です。蛹は、シジミチョウ共通のだるま型で、黄緑色あるいは淡褐色です。

 食草のカタバミは、どこにでも生える強い野草なので、生育に困る事はなさそうです。他の蝶には、河川が整備される事によって食草を失い絶滅へと向かうものもあります。類似種にゴマシジミ(胡麻小灰蝶)aculinea teleius (Bergstrasser, 1779)、誤認しやすいルリシジミ(瑠璃小灰蝶)Celastrina argiolus ladonides (de l'Orza, 1869)がいます。

Japanese common name : Yamato-sizimi
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Pseudozizeeria maha argia (Menetries, 1857)
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交尾


ヤマトシジミ(大和小灰蝶)
チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ヒメシジミ亜科ヤマトシジミ属
学名:Pseudozizeeria maha argia (Menetries, 1857)

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体長:(前翅長)9~16mm/(開張)20~28mm
出現期:3月~11月年(年5~6回)
分布:本州・四国・九州・沖縄
食草:(幼虫)カタバミ科(カタバミ)

撮影地:静岡県静岡市
葵区西ヶ谷 2006.03.13
賤機山 2009.07.22

Last modified: 31 September 2009
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by pianix | 2006-03-18 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ベニシジミ(紅小灰蝶)
 蝶の翅の模様は様々です。しかし、表面と裏面では全く異なる色彩や模様を持つものが多く、蝶を見慣れない方にとっては、全く違った蝶だと思ってしまうかもしれません。裏面とは翅を閉じた時に見える面です。人間を例えて考えると、こちらが表ではないかと思ってしまいます。

 ベニシジミ(紅小灰蝶)は、シジミチョウ科ベニシジミ属の昆虫です。日本での生息範囲は、北海道から九州まで広範囲に渡ります。草原性で明るく開けたところを好みます。汎世界種の一つです。シジミチョウ科(Lycaenidae)は、世界中に分布し約5500種を抱える、鱗翅目の中で最大の科です。ベニシジミ亜科は、旧北区のユーラシア大陸と新北区の北アメリカに広く分布します。日本には、シジミチョウ科の仲間は80種程いますが、ベニシジミ亜科は、ベニシジミの一種だけです。

 翅に黒褐色の地に紅色の模様がある小型の蝶です。春型は明るい橙赤色で、夏型は黒っぽい橙赤色になります。前翅の表は黒褐色の縁取があり、後翅の表は黒褐色で、縁に赤橙色の帯模様があります。タデ科の植物に卵を産み付けます。幼虫で越冬します。幼虫は10mm程で、緑色で紫色の筋が入ります。食草のタデ科植物は川沿いに多い事から、河川の土手に多く現れます。「蓼食う虫も好き好き」の代表格と言えます。

 ベニシジミの翅裏面は、「ベニシジミ(紅小灰蝶)2005年」をご覧下さい。どちらの模様が好きかは様々と思います。

Japanese common name : Beni-sizimi
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Lycaena phlaeas daimio (Matsumura, 1919)
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2006.03.15

追記:2006.03.18
 J.Jさんからベニシジミの幼虫写真を送って頂きました。ありがとうございます。
 「幼虫も紅をさしています。プレゼントです。喜んでいただけますように。3月11日川原で見つけました。」
田中川の生き物調査隊
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Photo by J.J (田中川の生き物調査隊)


ベニシジミ(紅小灰蝶)
チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ベニシジミ属
学名:Lycaena phlaeas daimio (Matsumura, 1919)

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体長:(前翅長)15~18mm/(開張)27~35mm
出現期:3月~11月(年3~5回)
分布:北海道・本州・四国・九州
食草:(幼虫)タデ科(ギシギシ、スイバ)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9km 左岸土手 2006.03.15
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 17 March 2006
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by pianix | 2006-03-17 00:00 | | Trackback | Comments(0)
テングチョウ(天狗蝶)
 テングチョウ(天狗蝶)は、テングチョウ科テングチョウ亜科テングチョウ属の昆虫で、化石で発掘されるほどの古い生物です。ヨーロッパ・北アフリカ・ユーラシア大陸・日本や台湾にまで分布します。

 テングチョウ科(Libytheidae Boisduval, 1833)は、約10種類ほどの小さな科で、主に熱帯に分布します。日本では1科1属1種のみが生息します。つまりテングチョウしかいません。名の由来は、発達した鼻状突起を持ち、それを天狗の鼻に例えたものです。これは、下唇髭(かしんしゅ)あるいは、パルピ(Pulpi)と呼ばれ、匂いを感じ取る器官で、複眼や口吻を掃除する機能も併せ持っています。

 成虫のまま越冬するので、春早くから飛び回り始めます。エノキなどに産卵します。卵 ・幼虫・蛹・成虫という段階を経る完全変態をします。成虫の羽化は6月頃です。夏に休眠します。秋に覚めて活動し、その後で冬眠して越冬します。翅の表に白色と橙色の斑紋があり、比較すると雌の方が橙色が発達しています。翅の裏面は枯れ葉状の模様になっています。

 漢語の「蝶(てふ)」は、「翅が薄い虫、木の葉のようにひらひら舞う蟲」を意味します。鱗翅目(りんしもく)とは、チョウ目(Lepidoptera)と同じ意味です。2対の翅を持ち、鱗状の鱗粉による模様を持つ分類群を指し、蝶や蛾がそれに当たります。

Japanese common name : Tengu-tyou
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Libythea celtis celtoides Fruhstorfer, [1909]


テングチョウ(天狗蝶)
チョウ目(鱗翅目)テングチョウ科テングチョウ亜科テングチョウ属
学名:Libythea celtis celtoides Fruhstorfer, [1909]

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体長:(前翅長)19~29mm/(開張)40~50mm
分布:本州・四国・九州・沖縄
出現期:3月~6月/9月~11月
食草:エノキ・エゾエノキ・クワノハエノキ

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸土手 2006.03.15
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 16 March 2006
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by pianix | 2006-03-16 00:00 | | Trackback | Comments(0)