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ミヤコグサ(都草)
 ミヤコグサ(都草)は、マメ科ミヤコグサ属の多年草です。東アジアの温帯(朝鮮・中国・ヒマラヤ)が原産です。国内では全土に分布する史前帰化植物です。名の由来は、奈良や京都の都周辺に咲いていたという説、ミャクコングサ(脈根草)が転訛したものとの説があります。英名は、Bird's foot trefoil。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があり、日本には41属100種が自生します。ミヤコグサ属(Lotus L. (1753))は世界に約150種が分布します。

 茎は根元で分枝して地を這います。斜上し、草丈15~35cmになります。茎や葉、萼は無毛です。対してセイヨウミヤコグサには毛があります。奇数羽状複葉で、5枚の倒卵状楕円形をした小葉があります。内2枚は托葉になっているので3出複葉に見えます。長さ6~13mmで幅は3~8mm。萼は筒状で、萼片は萼の長さの半分以上裂けます。

 花期は4月から10月頃。花茎を長く伸ばして、先に2~3個の花を付けます。花径10~15mmの蝶形花で、黄色。花弁は、上部にある旗弁 (standard petal)、左右にある翼弁 (wing petals)、下に2つある竜骨弁 (keel petals) の計5枚からなります。2個の竜骨弁は筒状になり、雄しべと雌しべを包みます。雄性先熟です。染色体数は、2n=12。

 果実は長さ20~35mmの豆果で、細長い円柱形をしています。熟すと2裂して黒色の種子を出します。種子は、堅い種皮に覆われています。マメ科の特徴である根粒菌は、Mesorhizobium loti(ミヤコグサ根粒菌)。本種はゲノムサイズ(約4億5千万塩基対)が小さくライフサイクルが短い(2ヶ月)事からマメ科のモデル植物として扱われています。

 類似種として、在来種で開花後に黄赤色になるニシキミヤコグサ(錦都草)Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel f. versicolor Makino 、帰化種のセイヨウミヤコグサ(西洋都草)Lotus corniculatus L. var. corniculatus(染色体数:2n=24)があります、。種や挿し芽で簡単に増殖できます。

Japanese common name : Miyako-gusa
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Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel

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左:萼の部分。萼や茎に毛が無い。右:セイヨウミヤコグサは毛がある

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右:豆果。左はセイヨウミヤコグサ。初めは緑で、熟すと黒色化する。
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セイヨウミヤコグサ(西洋都草)
Lotus corniculatus L. var. corniculatus


ミヤコグサ(都草)
別名:エボシグサ(烏帽子草)
マメ科ミヤコグサ属
学名:Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel
花期:4月~10月 多年草 草丈:15~35cm 花径:10~15mm

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【学名解説】
Lotus : ギリシャ古語の植物名/ミヤコグサ属
corniculatus : 角のある・小角状の
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)
japonica : 日本の[japonicus(男性)/japonica(女性)/japonicum(中性)]
Regel : Eduard August von Regel (1815-1892)
---
ニシキミヤコグサ(錦都草)Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel f. versicolor Makino
japonicus: 日本の[japonicus(男性)/japonica(女性)/japonicum(中性)]
f. : forma(品種)
versicolor : 斑入りの、変色の、種々の色のある
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
---
セイヨウミヤコグサ(西洋都草)
英名:Birdsfoot trefoil
学名:Lotus corniculatus L. var. corniculatus
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撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.10, 2006.06.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 June 2006
Last modified: 02 November 2016
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by pianix | 2006-06-28 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ヒロオビトンボエダシャク(広帯蜻蛉枝尺蛾)
 ヒロオビトンボエダシャク(広帯蜻蛉枝尺蛾)は、シャクガ科エダシャク亜科の蛾です。海外では中国・朝鮮に、国内では北海道から九州までに分布する昼行性の蛾です。名の由来は、腹の形状が蜻蛉に似て節模様があり、その帯模様の幅が広い事によります。

 日本には5000種以上の蛾がいると言われています。シャクガ科(Geometridae Leach, 1815)の幼虫は、体を曲げ伸ばして進む、いわゆる尺取り虫で、そこからシャクガの名前が付いています。日本には600種以上がいるといわれています。写真は、オニグルミの葉に止まっているところ。

 翅は4枚で、黒色の地色に白色の斑紋があります。前翅と後翅は似た模様になっています。腹部はオレンジ色の地肌に黒紋が不規則にあります。トンボエダシャクの場合は黒紋は長方形です。触角の先端は、蝶と異なり棍棒状にはなりません。成虫は、クリやヒメジョオンの蜜を吸います。卵・幼虫・蛹を経て成虫になる、完全変態をします。終齢の幼虫は40mm内外で、薄黄色の地色に黄色の節があり、節毎に黒色の縦縞があります。

 近似種に、トンボエダシャク(蜻蛉枝尺蛾)Cystidia stratonice stratonice (Stoll, 1782)や、ウメエダシャク(梅枝尺蛾)Cystidia couaggaria couaggaria (Guenee, 1858)がいます。

Japanese common name : Hiroobi-tonbo-edasyaku
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Cystidia truncangulata Wehrli, 1933


ヒロオビトンボエダシャク(広帯蜻蛉枝尺蛾)
チョウ目(鱗翅目)シャクガ科エダシャク亜科
学名:Cystidia truncangulata Wehrli, 1933

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体長:(開張)48~58mm
出現期:6月~8月
分布:北海道・本州・四国・九州
食草:ニシキギ科(ツルウメモドキ・マユミ)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10.50km 右岸河川敷 2006.06.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 June 2006
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by pianix | 2006-06-27 00:00 | | Trackback(1) | Comments(4)
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)
 ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草です。北アメリカが原産で、南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリアに分布します。日本へは1920年代(大正時代)に園芸用途で輸入されました。逸出して野生化している帰化植物で、全国に分布します。名の由来は、昼にも咲くツキミソウ(月見草)の意味から。

 アカバナ科(Onagraceae Juss. (1789))は、特に北米・南米に多く、17属約670種が分布します。日本には4属29種があります。マツヨイグサ属(Oenothera L. (1753))は約200種が知られ、日本には在来の自生種はありません。

 ツキミソウはメキシコ原産の2年草で、夜に咲き、朝には萎んでしまう1日花です。それに対し、ヒルザキツキミソウは多年草であり、昼に咲き、数日間咲いています。ヒルザキツキミソウの花色は白色で、桃色に変色していきますが、咲き始めから桃色であるものをモモイロヒルザキツキミソウ(桃色昼咲月見草)として区別します。白花が基本種で、桃色は変種です。

 匍匐茎を横に広げて増殖します。白色の短毛が密生した茎は分枝し、草丈は30~60cmになります。葉は互生します。長さ5~7cmの線状披針形で浅い鋸歯があり、縁は波打ち、短い葉柄があります。

 茎の上部の葉腋に花を付けます。基部が筒状(10~15mm)になった白色の合弁花冠で、花冠径は4~5cm、花弁4枚の先端がへこみます。両性花です。雄しべは8本でT字に粘度が高い黄色の葯(6~16mm)が付き、雌しべは柱頭の先端が4裂し、白色の十字型になっています。これはマツヨイグサ属の特徴です。子房下位で、子房は花冠からかなり離れた茎の近くにあります。花冠が落ち、子房が残って果実になります。性質は強健。繁殖は種子あるいは株分けによります。

Japanese common name : Hiruzaki-tukimisou
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Oenothera speciosa Nutt.
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モモイロヒルザキツキミソウ(桃色昼咲月見草)
Oenothera speciosa Nutt. var. childsii (L.H.Bailey) Munz
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雄しべ8本、雌しべは柱頭の先端が4裂する。


ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)
アカバナ科マツヨイグサ属
学名:Oenothera speciosa Nutt.
花期:5月~7月 多年草 草丈:30~60cm 花径:4~5cm

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【学名解説】
Oenothera : oinos(酒)+ther(野獣)/マツヨイグサ属
speciosa : speciosu(美しい・華やかな)
Nutt. : Thomas Nuttall (1786-1859)
---
L.H.Bailey : Liberty Hyde Bailey (1858-1954)
Munz : Philip Alexander Munz (1892-1974)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.5km 右岸河川敷 2006.05.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 June 2006
Last modified: 04 December 2014
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by pianix | 2006-06-26 00:00 | | Trackback | Comments(2)
タチイヌノフグリ(立犬の陰嚢)
 タチイヌノフグリ(立犬の陰嚢)は、オオバコ科クワガタソウ属の越年草です。ヨーロッパ原産で、北アフリカ、アジア、オーストラリア、南北アメリカ等の寒帯から温帯にかけて分布します。日本へは明治初期に渡来したと言われています。1870年頃、東京で野生が確認された帰化植物で、非意図的移入とされています。

 名の由来は、茎が立ち上がるイヌノフグリ(犬の陰嚢)の意味から。しかし、在来種であるイヌノフグリの花色は薄桃色で、本種は帰化植物のオオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)に近い青紫の花色となります。英名は、Corn speedwell。

 オオバコ科(Plantaginaceae Juss. (1789))は、約90属1700種があります。ゴマノハグサ科から再編されました。旧ゴマノハグサ科(Scrophulariaceae Juss. (1789))は、熱帯から寒帯に約220属3000種がある双子葉植物・合弁花類です。クワガタソウ属(Veronica L. (1753))は、北半球に約300種が分布します。日本には、約13種があります。

 茎は根本で分枝して叢生し、直立して草丈を10~25cmに伸ばします。短毛があります。葉は、下部で対生、上部で互生します。大部分は無柄で鈍い鋸歯があり、下部の葉は広卵形、上部で長卵形となり、小さい包葉となります。両面に短毛があります。

 花期は,4月から6月頃。花は葉腋に単生します。合弁花で花柄が無く、花冠径は3~4mm。8~10mmあるオオイヌノフグリよりずっと小型で隠れるように咲くので目立ちません。また、晴れた日の数時間しか開きません。花冠は青紫色で、深く4裂します。 花の大きさは、オオイヌノフグリ>イヌノフグリ>タチイヌノフグリで、タチイヌノフグリには花柄が無い事が最大の特徴です。

 雄しべ2本、雌しべ1本の両性花で自家受粉します。果実は蒴果です。柄が無く、扁平で倒心形の腺毛がある3~4mmの実がペアに付きます。これが名称の元になっています。0.8mm程の種子が20個内外あります。染色体数は、2n=16。

Japanese common name : Tachi-inuno-fuguri
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Veronica arvensis L.
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花冠径は3~4mm。雄しべ2本、雌しべ1本の両性花。
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花は葉腋に単生し埋れるように咲く

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左:全体の様子 右:果実は蒴果


タチイヌノフグリ(立犬の陰嚢)
オオバコ科クワガタソウ属
学名:Veronica arvensis L.
花期:4月~6月 越年草 草丈:10~25cm 花径:3~4mm

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【学名解説】
Veronica : Vettonicaの転訛|聖Veronicaに因む/クワガタソウ属
arvensis : 可耕地の・原野生の・畠地生の
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸土手 2006.05.24
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2007.03.06, 2007.04.14
安倍城跡(Alt. 435m) 2010.04.03
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

24 June 2006, 7 April 2010
Last modified: 24 September 2015
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by pianix | 2006-06-24 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ミクリ(実栗)
 ミクリ(実栗)は、ミクリ科ミクリ属の多年草です。アジアに広く分布します。国内では、北海道から九州に分布する在来種です。名の由来は、実が栗に似ている事から。英名は、Bur reed。ミクリ科(Sparganiaceae Hanin, 1811)は、ミクリ属(Sparganium L. (1753))の1属のみがあり、温帯から寒帯に20種、日本には8種があります。

 抽水植物です。水辺に生育する植物は水生植物(Aquatic Plant)と言われ、淡水域に生育する植物の総称です。水生維管束植物は世界に約1000種、日本に約100種あると言われています。抽水植物は、根が水底の土中にあり、一定期間、葉や茎の一部が水面に出る植物を言います。水質の浄化機能、生物の繁殖・生育に役立つとされています。他に、葉を水面に浮かせる浮葉植物、水底に根を張らずに浮く浮漂植物、全てが水中にある沈水性植物があり、湿地や湿原に生育するものも含まれます。

 水底の土中に匍匐する地下茎があり、分枝して地上茎を直立させます。茎は40~150cmになり、枝分かれします。葉は根生し2列に互生します。沈水葉と気中葉があります。線形で幅8~20mm、鋸歯は無く、先端は円頭です。葉裏中央に稜があり、基部は葉鞘となり茎を抱きます。海綿質で断面は三綾形です。

 花期は6月から7月頃。球状花序で無柄、雌花序が下、雄花序が上につく、雌雄同株です。雌花の子房は花托の上に着座する子房上位花(hypogynous flower)で、径15~20mmの球果になります。果実は堅果です。菱状卵形の集合果で、外果皮は海綿質、肉果皮は堅く、裂開しません。染色体数は、2n=30。

 花序が枝分かれしないヤマトミクリ(大和実栗)Sparganium fallax Graebn.は絶滅危惧II類(VU)です。他に、オオミクリ(大実栗)Sparganium erectum L. var. macrocarpum (Makino) H.Haraや、絶滅危惧II類(VU)のヒメミクリ(姫実栗)Sparganium stenophyllum Maxim.等があります。

Japanese common name : Mikuri
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Sparganium erectum L.
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白い棘状の部分が雌花


ミクリ(実栗)
ミクリ科ミクリ属
学名:Sparganium erectum L.
花期:6月~7月 多年草(抽水植物) 草丈:40~150cm 花径:2cm 実径:15~20mm

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【学名解説】
Sparganium : sparganon(帯)の縮小形|sparganionに由来/ミクリ属
erectum : erectus(直立した)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川 2006.05.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 23 June 2006
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by pianix | 2006-06-23 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ナワシロイチゴ(苗代苺)
 ナワシロイチゴ(苗代苺)は、バラ科キイチゴ属の落葉小低木です。日本、朝鮮・中国等の東アジアに分布する小果樹類(Smallfruits)で、国内では北海道から沖縄まで分布する在来種です。名の由来は、苗代を用意する頃に花、あるいは実が熟す事から。別名のサツキイチゴ(五月苺)も同様。古くは野苺を伊知古と呼んでいました。英名は、Japanese raspberry。

 バラ科(Rosaceae Jussi. (1789))は、ほぼ全ての大陸(南極を除く)に、107属3100種が分布します。キイチゴ属(Rubus L. (1753))は、北半球の寒帯から温帯地方に多く、南半球の熱帯山岳地区、北極圏と太平洋の島々にも分布し、400~500種あります。日本には8亜属70種が自生します。耐寒性があるラズベリー(Raspberry)の近縁種です。

 茎は地を這い、接地した所々から根を出し、栄養繁殖します。茎には棘があります。1m以上に伸びることがあり、花茎を5~30cmに立ち上げます。葉は互生します。奇数羽状複葉で、花枝では3出複葉、徒長する枝では5出複葉になります。小葉は2~4cmの菱形状倒卵形で、1)欠刻状重鋸歯があり、葉先は円頭。葉裏は灰白色の綿毛が密生します。葉柄の長さは2~5cm、葉柄の付け根には線形で5mm程の托葉があります。

 花期は5月から6月頃。枝先や葉腋から花柄を枝分して集散花序を作ります。径15mm程の5枚の萼片があり、平開して反り返ります。花は、淡紅紫色で6~7mmの倒卵形の花弁5枚が上向きに立ち上がり、蕾状になります。この中に雄しべ多数があります。半開のままで平開しません。その後、花弁は落脱しますが萼片は残ります。果実は、直径約15mmの球形液果の集合果で濃赤色。食用となり、ジャムなどに利用されます。

1)欠刻重鋸歯(けっこく・じゅうきょし):葉脈の間の葉肉が欠けて切れ込みが生じ、大きな鋸歯にさらに小さな鋸歯が二重になっている葉の縁の状態

Japanese common name : Nawasiro-itigo
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Rubus parvifolius L.

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▲ 果実は集合果


ナワシロイチゴ(苗代苺)
別名:サツキイチゴ(五月苺)
バラ科キイチゴ属
学名:Rubus parvifolius L.
花期:5月~6月 落葉小低木 樹高:5~30cm(蔓性50~100cm) 花径:1.5cm 果期:6月

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【学名解説】
Rubus : ruber(赤)/キイチゴ属
parvifolius : 小形の葉の
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.50km 左岸河川敷 2006.06.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 22 June 2006
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by pianix | 2006-06-22 00:00 | | Trackback | Comments(2)
カノコガ(鹿子蛾)
 カノコガ(鹿子蛾)は、ヒトリガ科カノコガ亜科の蛾です。昼行性の蛾で、日本全国に分布し、成虫は花の蜜を吸汁します。幼虫はタンポポの枯れ葉を食草としているようです。キオビツチバチ(Scolia oculata (Matsumura, 1911))等に擬態していると言われています。名の由来は、翅の斑紋が子鹿の模様に似ているからだとされています。

 以前はカノコガ科(Ctenuchina W.Kirby, 1837)とされていましたが、現在ではヒトリガ科(Arctiinae Leach, 1815)のカノコガ亜科(Syntominae)に分類されています。チョウ目(鱗翅目)は、日本には約5000種以上あり、蝶と呼ばれるものは約280種類で、蛾は約4800種とされています。

 頭部は光沢のある黒色をしています。頭部・肢・触角全体に黒っぽい色です。触覚は糸状。翅には黒褐色の地に半透明の白い斑紋があります。胴体地色は黒色で、オレンジ色の帯び模様が胴体を一周する2本があります。それ以外に短い帯模様が腹部に4本あります。幼虫(毛虫)で越冬します。完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)します。

 本種は人の生活圏内で見られますが、生態に関しては不明なところが多く、研究が進められています。その1つとして、配偶行動にはフェロモンが関与する可能性が高い事が報告1)されています。

 ヒトリガ科カノコガ亜科Amata属には、次の種類がいます。
ツマキカノコ(褄黄鹿子)Amata flava aritai Inoue, 1965 [与那国島に分布]
カノコガ(鹿子蛾)Amata fortunei fortunei (Orza, 1869)
キハダカノコ(黄肌鹿子)Amata germana nigricauda (Miyake, 1907)

1)昼行性蛾類カノコガAmata fortuneiの飼育法と配偶行動 近藤勇介(岐阜大)・中 秀司(農環研)・安藤 哲(農工大)・土田浩治(岐阜大)

Japanese common name : Kanoko-ga
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Amata fortunei fortunei (Orza, 1869)
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カノコガ(鹿子蛾)
チョウ目(鱗翅目)ヒトリガ科(カノコガ亜科)カノコガ属
学名:Amata fortunei fortunei (Orza, 1869)

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体長:(前翅長)15~18mm/(開張)30~37mm
出現期:6月~9月(年2回)
分布:北海道・本州・四国・九州
食草:タンポポ・シロツメグサ・スギナ・ギシギシ

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.06.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 21 June 2006
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by pianix | 2006-06-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)
クチナシ(梔)
 クチナシ(梔)は、アカネ科クチナシ属の常緑低木です。中国、韓国、日本(鹿児島・高知)、インドシナの熱帯・亜熱帯地方の東アジアが原産です。日本では静岡県以西に自生します。名の由来は、筒状の果実が熟しても先端が開いたように見えない事から、口が無いの意味で付けられたと言われています。

 アカネ科(Rubiaceae Juss. 1789)は世界に約600属、10,000種以上が存在し、クチナシ属(Gardenia J.Ellis, 1761)は約250種があり、日本には1種の自生種があります。

 葉は対生し、楕円形で全縁です。光沢のある濃緑色をしています。6月から7月頃に、強い芳香がある白色の花を付けます。大きさは品種によって異なり5~10cm程。合弁花で先端は5~7裂します。萼も5~7個。雌しべは中央に突き出て、雄しべは花弁の間に沿って広がります。5~7本あります。開花後しばらくは白色ですが、やがて黄色味を帯びるようになります。染色体数は、2n=22。

 10月から11月頃に、赤黄色の長卵形で6~7の稜(角のある筋)を持つ果実をつけます。果実の筒部分は萼であって、萼筒と呼ばれます。園芸品種のオオヤエクチナシ(大八重梔)は、大輪で八重咲き、果実はできません。コクチナシ(小梔)はヒメクチナシ(姫梔)とも呼ばれ、花径5cm程の小振りです。

 生薬に用いるのは果実の種子で、日本薬局方・サンシシ(山梔子)として、鎮静・消炎・止血・解熱・利胆・肝臓病・黄疸に処方されます。また、外用として打撲・外傷・腰痛にも使われます。成分はイリドイド配糖体(gardenoside)です。但し、八重咲き種は結実しないため薬用には使われません。カロチノイド色素であるクロシン(crocin)を含み、繊維や食品の着色料(黄色)としても使われます。種子は5mm程の黒褐色又は黄赤色をした扁平の円形です。苦い味で、僅かな香りがあります。

参考:クチナシ(梔)/果実

Japanese common name : Kutinasi
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Gardenia jasminoides Ellis
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葉は対生し、楕円形で全縁


クチナシ(梔)
アカネ科クチナシ属
学名:Gardenia jasminoides Ellis
花期:6月~7月 常緑低木 樹高:1~2m 花径:5~10cm 果期:10~12月 実:3~4cm

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【学名解説】
Gardenia : Alexander Garden (1730-1792)に因む/クチナシ属
jasminoides : Jasminum(ソケイ属ジャスミン)+ides(似た)
Ellis : John Ellis (1710-1776)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から1.50km 左岸隣接地 2006.06.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 20 June 2006
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by pianix | 2006-06-20 00:00 | | Trackback | Comments(4)
テリハノイバラ(照葉野茨)
 テリハノイバラ(照葉野茨)は、バラ科バラ属の落葉低木です。朝鮮半島、中国、日本に分布します。日本では、福島県以南の本州・四国・九州・沖縄に分布します。名は、葉に光沢があるノイバラ(野茨)の意味。別名のハイイバラ(這茨)は、匍匐性である事から。イバラ(茨)は、棘のある低木の総称で、省略してバラとなったと言われています。「薔薇」は漢名で、ソウビと読まれていました。薔薇は茨城県の県花で、字の如く、茨で城を築いた事に由来します。英名は、Memorial Rose。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、ほぼ全ての大陸(南極を除く)に、107属3100種が分布します。バラ属(Rosa L. (1753))は、北半球の亜寒帯から熱帯山地に約200種の野生種があり、日本には11種と3変種の野生種が存在します。園芸品種は10000以上があります。

 茎は、匍匐性で地を這って伸び、枝分かれします。緑色あるいは赤褐色で無毛、鉤状の棘があります。葉は互生します。奇数羽状複葉で、小葉は2~4対で5~9枚あります。広倒卵形から倒卵状楕円形で長さ1~2cm。表面は濃緑色、裏面は淡緑色で両面とも光沢があり無毛です。鋸歯があり、葉先は鈍頭。葉柄の基部に托葉があります。

 花期は6月から7月頃で、枝先に1から数個、白色の5弁花を円錐花序につけます。花弁は先端がへこむ倒卵形。平開し、直径30~35mm。萼片は5個で卵形。雄しべは多数、花柱は白色の毛があります。

 果実は偽果です。偽果とは、花床や花軸など子房以外の部分が加わってできている果実の事で、子房だけが発達したものを真果と呼んで区別します。径6~8mmの卵球形で熟すと赤くなります。生薬エイジツ(営実)の代用として使われます。挿し木で容易に発根します。接ぎ木の台木として使われ、蔓性園芸薔薇の元になっています。

Japanese common name : Teriha-noibara
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Rosa luciae Rochebr. et Franch. ex Crèp.

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ピンク種


テリハノイバラ(照葉野茨)
別名:ハイイバラ(這茨)
バラ科バラ属
学名:Rosa luciae Rochebr. et Franch. ex Crèp.
synonym : Rosa wichuraiana Crèp.
花期:6月~7月 落葉低木 樹高:15~50cm 花径:30~35mm 果期:10~11月

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【学名解説】
Rosa : ギリシャ語のrhodon(バラ)、ケルト語のrhodd(赤色)に由来/バラ属
Luciae : Paul Amedee Ludovic Savatier (1830-1891)の婦人、栽培家Luciaの
Rochebr. : Alphonse Tremeau de Rochebrune (1834-1912)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
ex : ~による
Crèp. : François Crépin (1830-1903)
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wichuraiana : Max Ernst Wichura (1817-1866)の

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.06.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

19 June 2006
Last modified: 24 April 2014
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by pianix | 2006-06-19 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヒペリクム・ヒドコート(Hypericum Hidcote)
 ヒペリクム・ヒドコート(Hypericum Hidcote)は、オトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉低木で、キンシバイ(金糸梅)の園芸品種です。キンシバイは中国が原産で、日本へは1760(宝暦10)年に渡来したとされています。ヨーロッパへは1862年に日本から移入されました。名の由来は、漢名の金絲梅を音読みしたもので、金(黄色)の雄しべがある梅に似た花との意味。園芸関係ではヒペルカム・ヒドコート(と呼んでいますが、実際の発音はヒペリクムです)。こちらは第二次大戦後に移入されたものと言われています。また、セイヨウキンシバイ(西洋金糸梅)の和名は、ヒペリクム・カリキヌム(Hypericum calycinum L.)に充てられています。

 オトギリソウ科(Guttiferae Juss. (1789))は、温帯から熱帯に約40属1000種があります。オトギリソウ属(Hypericum L. (1753))は、ユーラシアの温帯から亜熱帯にかけて約300種があります。

 葉は二列対生(distichous opposite)します。二列対生とは、対生葉序の一形態です。茎の節に葉が2個ずつ並んで付くものを対生と言います。上下の葉の各対が直角になり、茎先端から見ると十字に見えるものを十字対生(decussate opposite)と言い、上下の各対が重なって平面的に付くのを二列対生と言います。本種の場合は、その二列対生が少しずれています。時には、かなり十字対生に近いものまであります。類似種で花径3~4cmのキンシバイは2列対生、雄しべが長いビヨウヤナギ(未央柳/美容柳)は十字対生です。

 サイズは実測値です。括弧内のサイズは一般値によります。枝は紅紫色で、分枝します。葉序は8~13対あります。葉は長さ5cm、幅2cmで、卵状長楕円形で葉柄は無く、全縁、先端は鋭尖形です。花期は6月から7月頃で、やや艶がある黄色の5弁花を枝先に付けます。花径は6~6.5(6~8)cmで、キンシバイより大型。雄しべは長さ1cmで、5群に分かれ、約60個ずつあります。5群にはっきりと分かれていないものもあります。花柱は長さ18mmで、先端は5裂します。果実は朔果です。径1cm程で、熟すと先端が5裂して種子を出します。挿し木や株分けで繁殖させます。

※キンシバイ(金糸梅)は、Hypericum patulum Thunb.

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Hypericum patulum Thunb. cv. Hidcote
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5群に分かれた雄しべと5裂した花柱

ヒペリクム・ヒドコート(Hypericum Hidcote)
オトギリソウ科オトギリソウ属
学名:Hypericum patulum Thunb. cv. Hidcote
花期:6月~7月 半落葉低木 樹高:50~150cm 花径:6~8cm 果期:10月

【学名解説】
Hypericum : hypericonに因む|hypo(下に)+erice(草叢)/オトギリソウ属
patulum : patulus(やや開出した・散開の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
cv. : cultivana varietas(園芸品種)
Hidcote : Hidcote Manor Garden

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.50km 左岸土手(植栽) 206.05.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 17 June 2006
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by pianix | 2006-06-17 00:00 | | Trackback | Comments(2)