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ツノトンボ(角蜻蛉)
 ツノトンボ(角蜻蛉)は、夏休みになると問い合わせが多くなる昆虫です。「蝶のような長い触覚を持った変なトンボを発見したけど、これは何か」と言うものです。一見するとトンボのようで、よく見ると長い触覚に違和感を覚えてトンボとは違うと気が付きます。トンボの触角は極短いからです。「触覚のあるトンボ」は、結論から言えば、トンボではありません。ウスバカゲロウの仲間です。日本や朝鮮半島、台湾に分布します。日本では本州から九州に分布します。5月から9月頃、平野部から丘陵地の草地に現れます。

 体は細長く、体長は3cm前後、翅を広げて7cm程です。雄は赤褐色で尾に2つの鋏状の付属物があります。雌は雄より太く、黄色の模様が並んでいて付属物はありません。触覚が長く3cm程あり、先端には膨らんだ球桿(きゅうかん)があります。翅は2枚2対、計4枚あり、透明、翅脈は網目状です。この翅はトンボと見分ける大切な部分です。トンボの形態的特徴である結節が無いからです。結節とは、翅の中央付近の前縁部にある節の事です。トンボのように上手な飛び方ではありません。少し飛んですぐに止まります。

 トンボの場合は不完全変態(卵・幼虫・成虫)で、蛹の時期はありません。ツノトンボは蛹の時期があり、完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)します。卵は木や草の茎に産み付けられます。幼虫はアリジゴク(蟻地獄)【ウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉)の幼虫】に似ていますが巣は作りません。肉食性で、物陰に隠れて小昆虫を補食します。(保護者様へ:お子さんには分かりやすい言葉で説明してやって下さい)

 このツノトンボの仲間に、本州や四国、九州に分布する、オオツノトンボ(大角蜻蛉) Protidricerus japonicus (MacLachlan, 1891)、本州や九州に分布し後翅に黄色の筋模様がある、キバネツノトンボ(黄羽根角蜻蛉) Ascalaphus ramburi MacLachlan, 1875、沖縄に分布するオキナワツノトンボ(沖縄角蜻蛉)Suphalomitus okinawensis (Okamoto, 1910)がいます。

※  ※  ※

 トンボの仲間は、大きく分類すると蜻蛉目(トンボ目)になります。ところが、ツノトンボは脈翅目(アミメカゲロウ目・Neuroptera)に分けられます。脈翅目には3亜目があります。つまり、広翅亜目(ヘビトンボ亜目・Megaloptera)、駱駝虫亜目(ラクダムシ亜目・Raphidiodea)、扁翅亜目(アミメカゲロウ亜目・Raphidiodea)です。ツノトンボは、扁翅亜目です。扁翅亜目には17科約4000種があり、日本には約116種がいます。より詳細に分類すると、ウスバカゲロウ上科(Myrmeleonoidea)の内のツノトンボ科(Ascalaphidae)となります。

Japanese common name : Tuno-tonbo
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Hybris subjacens (Walker, 1853)

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♀ 雌は雄より太く、黄色の模様が並んでいて鋏状付属物はありません


ツノトンボ(角蜻蛉)
アミメカゲロウ目(脈翅目)ツノトンボ科Hybris属
学名:Hybris subjacens (Walker, 1853)

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体長:約30mm/開張:約70mm
出現期:5月~9月
分布:本州・四国・九州
写真は♀

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.75km 右岸河川敷 2006.07.27
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 31 July 2006
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by pianix | 2006-07-31 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)
 ペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)は、キク科ムカシヨモギ属の多年草です。中央アメリカが原産で、アフリカやヨーロッパ、アジアに分布します。日本には園芸用途で移入されたもので、逸出して1949年に京都、1952年に金沢で野生化が確認された帰化植物です。現在では、関東以西に分布しています。

 名の由来は、葉が薄くペラペラしてヨメナ(嫁菜)に似ている事から。金沢で採取された時の名前はペラペラヒメジョオン(ぺらぺら姫女菀)でしたが、京都のほうが早かった為に命名の優先権1)によって決められました。別名のゲンペイコギク(源平小菊)は、花色を源氏の白旗と平家の赤旗に見立てたもの。ムキュウギク(無休菊)は、花期が長いため。英名は、Mexican fleabane。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))2)は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。ムカシヨモギ属(Erigeron L. (1753))は、温帯から寒帯に約250種あり、日本には数種が分布します。

 茎は根元で分枝し、匍匐して広がり、斜上します。草丈は、20~50cm。葉の形状は上下で異なります。下の葉は柄があり2~5cmの倒披針形で3~5に中裂します。上部の葉は線形から披針形で、柄が無く全縁です。枝先に1個の小花の集合花である、頭状花を付けます。周囲を囲む舌状花は白色で、時間の経過と共に紅紫色に変化します。中心にある筒状花は黄色で多数あります。虫媒花です。果実は痩果。種子は1mm程で、長短の冠毛があり風で飛ばされます。染色体数は、2n=36。

★  ★  ★

 撮影場所は、安倍川から分岐して与一を流れ、秋山川に合流して安倍川に戻る地域です。川幅4~5mの小さな流れで、川の側面を覆う石垣に野生していました。ある人から花の名前を知りたいと問われて出かけましたが、その時は花がありませんでした。1ヶ月ほど後に、また咲き始めたと言われて再度出かけました。川を清掃をしている近所のボランティア男性1名がいました。話を伺うと、綺麗な川だったが、下水の影響で汚れてしまったと嘆いていました。

 近くの家の方を紹介されて話を伺ったところ、同じ話をされました。昔は洗濯ができたようですが、水が綺麗になった現在でも魚はいないとの事。但し、ペラペラヨメナは「草か花か」と聞かれた時は困惑しました。草本で花をつけますから答えようがありません。よくよく考えると、草は雑草、花は園芸種を言っているのだと推測できました。しかしこれも園芸種であり、野生化した雑草でもあるので、説明に苦慮しました。

1) 国際植物命名規約で優先権があるのは学名で、和名には制約がない。
2) Compositae Giseke, 1792は保留名。

Japanese common name : Perapera-yomena
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Erigeron karvinskianus DC.

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ペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)
別名:ゲンペイコギク(源平小菊)/ムキュウギク(無休菊)
キク科ムカシヨモギ属
学名:Erigeron karvinskianus DC.
花期:5月~11月 多年草 草丈:20~50cm 花径:10~20mm

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【学名解説】
Erigeron : eri(早い)+geron(老人)/ムカシヨモギ属
karvinskianus : Wilhelm Friedrich Karwinski von Karwin (1780-1855)の
DC. : Augustin Pyramus de Candolle (1778-1841)

撮影地:静岡県静岡市
静岡市葵区与一 2006.07.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 July 2006
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by pianix | 2006-07-27 00:00 | | Trackback | Comments(2)
オオセンナリ(大千成)
 オオセンナリ(大千成)は、ナス科オオセンナリ属の1年草です。南アメリカのペルーが原産で、日本へは江戸時代末期に園芸用途で渡来しました。1964年に福岡県北九州市で野生化が確認された帰化植物です。名の由来は、ホオズキ属のセンナリホオズキ(千成酸漿)Physalis pubescens L.と比べて大型との意味から。千成りとは、たくさん群がって実が生る事。英名は、Apple of Peruで「ペルーの林檎」ですが、果実は有毒1)で食べられません。

 ナス科(Solanaceae Juss. (1789))は、世界に90属約2300種が分布します。オオセンナリ属(Nicandra Adanson, 1763)は1属1種で、南アメリカのチリとペルーに分布します。

 茎には稜があり、分枝して30~100cmになります。葉は互生します。柄があり、長さ5~10cmの長楕円形あるいは卵形で、先端が尖り、荒い鋸歯があります。花期は7月から9月頃。葉腋から、葉と対生の位置に長い柄を持った花を付けます。淡青紫色の浅く5裂した5角形の鐘形で、花冠径は3~5cm。萼は筒状で、基部に5個の尾状突起があり、側面に5個の翼があります。

 果実は液果です。長さ約25mmの袋状になった肥大した萼に包まれ、袋は熟すと割れます。液果表面には茶褐色の斑点があります。種子は1.5~2mmの扁平した円形で多数あります。染色体数は、n=10, 2n=19,21。

 全草を生薬「假酸漿(カサンショウ)」として止咳、清熱、去痰、解毒に用います。

1)ニカンドレノン(Nicandrenone, C28H34O6)

【参考文献】
0.NALBANDOV, R.T.YAMAMOTO and G.S.FRAENKEL(1964) Nicandrenone, a new compound with insecticidal properties, isolated from Nicandra Physalodes. Jour. Agric. Food Chem. 12:55-59.

殺虫力をもつ新植物成分ニカンドレノン
農技研 平野千里 日本応用動物昆虫学会誌 第8巻 第2号 1964-06-25,122p.

Japanese common name : Oo-sen'nari
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Nicandra physaloides (L.) Gaertn.

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萼は筒状、基部に5個の尾状突起、側面に5個の翼がある。葉は互生する。
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イチモンジセセリが訪花していた。

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果実は液果。肥大した萼に包まれている。2006.10.19


オオセンナリ(大千成)
ナス科オオセンナリ属
学名:Nicandra physaloides (L.) Gaertn.
花期:7月~9月 1年草 草丈:30~100cm 花径:3~5cm

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【学名解説】
Nicandra : ギリシャの詩人Nikandros(197-130 BC.) に因む/オオセンナリ属
physaloides : ホオズキ属(Physalis)のような|Physalis:physa(水泡・気泡)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Gaertn. : Joseph Gaertner (1732-1791)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.07.25, 2006.10.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 26 July 2006
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by pianix | 2006-07-26 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(4)
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)
 イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)は、シソ科イブキジャコウソウ属の落葉矮小低木です。日本・中国・モンゴル・ヒマラヤが原産です。国内では北海道から九州に分布する在来種です。名の由来は、滋賀県と岐阜県の県境にある伊吹山に多く分布し、ジャコウ(麝香)のような芳香がある事から。麝香は、ジャコウジカ(麝香鹿)の雄の麝香腺分泌物の事。名前に草と付きながら実際は木本。日本のタイムとも呼ばれます。英名は、和名と同じくIbuki-Zyako-So。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。イブキジャコウソウ属(Thymus L. (1753))は、ヨーロッパ・アジア・アフリカなどに約350種(古い図鑑では35種)が分布し、日本には本種1種のみが自生します。

 日当たりの良い高山の岩礫地から海岸までに生育します。茎は細く木質化し、地を這い、分枝して節から根を出し群落を作ります。葉は対生します。卵形あるいは狭卵形で、長さ5~10mm、幅2~6mm。全縁で、短い柄があり、基部はくさび形、先端は鈍頭。葉の両面には腺点があります。

 花期は6月から7月頃で、枝先に穂状花序を付けます。花冠は淡紅色の唇形花で、長さは5~8mm、幅8mm内外。花色は低地ほど淡くなります。稀に白花があります。下唇は3裂します。萼に長い毛があり、類似種のタチジャコウソウと異なる部分です。雄しべは4本で、内2本が長くなって花冠から出ます。雌しべに先立ち熟す、雄しべ先熟です。繁殖は通常、挿し木や株分けで行います。染色体数は、2n=24。

Japanese common name : Ibuki-zyakou-sou
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Thymus quinquecostatus Celak.


イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)
シソ科イブキジャコウソウ属
学名:Thymus quinquecostatus Celak.
synonym : Thymus serpyllum L. subsp. quinquecostatus (Celak.) Kitam.
synonym : Thymus serpyllum L. var. ibukiensis Kudo
花期:6月~7月 落葉矮小低木 樹高:5~15cm 花冠長:5~8mm

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【学名解説】
Thymus : thyo(香)|thyme(力)|thymo(神聖な)/イブキジャコウソウ属
quinquecostatus : 五本の主脈ある
Celak. : Ladislav Josef Celakovsky (1834-1902)
---
serpyllum : serpens(蛇のような・這っている・匍匐性の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
subsp. : subspecies(亜種)
quinquecostatus : 五本の主脈がある
Celak. : Ladislav Josef Celakovsky (1834-1902)
Kitam. : 北村四郎 Shirō Kitamura (1906-2002)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0.25km 左岸土手 2006.07.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

25 July 2006
Last modified: 9 June 2014
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by pianix | 2006-07-25 00:00 | | Trackback | Comments(0)
アカスジカメムシ(赤筋椿象)
 アカスジカメムシ(赤筋椿象)は、カメムシ科の昆虫です。アカスジカメムシ亜科には4属7種があり、Graphosomaは1種があります。例年に比べ出会う機会が多くなった昆虫の1つです。北海道から沖縄にかけての広い範囲に分布しています。

 黒地に赤い筋が縦方向に走っている派手な色彩のカメムシです。腹側は赤地に黒色の多数の斑点模様があります。赤黒のどちらが地色なのかは悩むところです。この模様を美しいと思うか不気味と思うかは個人差があるかもしれません。一般的に派手な彩色は警戒色であって、他の者を寄せ付けない効果があります。

 体長は、10~12mm。一見すると、翅が他のカメムシと異なって見えます。それは三角形の大きな小楯板が発達しているので、1枚しかないように見えるからです。前翅と後翅は共に小楯板の下に隠れています。臭いの元を出す臭腺は、幼虫では背面に、成虫では腹面に開口します。

 幼虫から蛹を経ずに成虫になる、不完全変態をします。卵殻には点刻がなく, 明瞭で細かい網状構造があり多数の小刺があります(小林)1)。植食性で、セリ科の植物を吸汁し、ニンジンも食害します。植物防疫法施行規則にある「検疫有害動植物」の1つにも挙げられています。
★ ★ ★

 花には虫がつきものです。受粉には、風媒・水媒・動物媒(虫媒、鳥媒)等の媒体があります。受粉に関係していなくても、虫えい(虫瘤)を作り出すものもいます。昆虫と植物の関係は深く、無視できません。出会った虫は何をしているのだろうかという興味が私にはあります。ここに何度か虫が登場するのは、その為です。蜘蛛などは見たくもないし、見つけ次第逃げ出していた私ですが、その恐怖となる実体を見つめなければ不安さえも解消されないと考えて観察を始めました。私の植物観察テーマは、「何故生き続けるのか」という一風変わった哲学的なものです。まずは名前を覚える事から出発します。

 人の名前は、すぐに忘れてしまいます。加齢による物忘れはありますが、若い時からそうでした。しかし、楽譜などは覚えているので不思議です。苦手な名を覚える事に挑戦したきっかけは聖書にあります。マタイの福音書6章に、「6:26 空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。」とあり、「6:28 なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。」と続きます。そこで、鳥か野の花のどちらかをテーマに覚える事にしました。鳥は動きが速くて観察が難しいと考え、野の花にしました。(実は、これはとんでもない思い違いである事に後から気が付きました)。今まで意識しなかった単なる雑草に名前が付けられていて、生活がありました。そして生き延びる手段の中に虫が介在しているので、必然的に虫の名も知りたくなりました。

1) 日本応用動物昆虫学会誌 9(1), 34-41, 1965-03-25

Japanese common name : Akasuji-kamemusi
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Graphosoma rubrolineatum (Westwood, 1873)

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アカスジカメムシ(赤筋椿象)
カメムシ目(半翅目)カメムシ科
学名:Graphosoma rubrolineatum (Westwood, 1873)

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体長:10~12mm
出現期:6月~8月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
食草:セリ科(ヤブジラミ、シシウド、ハマウド)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.75km 右岸土手 2006.06.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 24 July 2006
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by pianix | 2006-07-24 00:00 | | Trackback | Comments(6)
ゴボウ(牛蒡)
 ゴボウ(牛蒡)は、キク科ゴボウ属の多年草です。ユーラシア大陸(欧州北部・シベリア・中国東北部)が原産です。古い時代に中国から薬草用途で渡来したと考えられられている帰化植物です。縄文時代の遺構から種子が出土しています。平安時代後期に蔬菜として食用され始めたと言われています。現在、食用に利用しているのは日本と、台湾に僅かあるのみです。西洋では葉をサラダとして使います。日本の主要産地は関東北部の茨城・埼玉・群馬です。

 名の由来は、根が牛の尾に似ていて、葉が両側に開く意味を持つ「蒡」を充てた漢名を借用して音読みしたものと言われています。日本の古い時代には、キタキス(岐太岐須)やウマフフキ(宇末不々木)と呼ばれていたようです。英名は、edible burdock。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。ゴボウ属(Arctium L.)は、中国東北部からヨーロッパ・シベリアに6種が分布します。食用とされるのは1種のみで、日本には自生種はありません。

 主根は多肉質で、品種により長さ40~150cmになります。茎は分枝し、150cm程になります。根生葉は叢生し長い柄があります。心臓形で波打ち、長さは40cm内外、暗緑色で、葉裏に綿毛が密生します。花期は6月から7月頃。分枝した茎先に多くの頭花を付けます。頭花は径40~45mmの球形で、淡紫色(稀に白色)の筒状花の集合体です。総苞はイガ状の細い棘が広がり、先端が鉤状になっていて動物に取り付きます。

 生薬として、根を乾燥させたものをゴボウコン(牛旁根)、種子を乾燥させたものをアクジツ(悪実)あるいはゴボウシ(牛旁子)として用いられます。栽培されているゴボウは幾つかの品種があり、長根種と太根種に大別されます。

Japanese common name : Gobou
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Arctium lappa L.
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頭花は筒状花の集合体


ゴボウ(牛蒡)
キク科ゴボウ属
学名:Arctium lappa L.
花期:6月~7月 多年草 草丈:100~150cm 花径:40~45mm

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【学名解説】
Arctium : arktos(熊)/ゴボウ属
lappa : lavein(掴む・引っ掛ける)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.07.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 21 July 2006
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by pianix | 2006-07-21 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
クマノミズキ(熊野水木)
 クマノミズキ(熊野水木)は、ミズキ科ミズキ属の落葉高木です。日本・朝鮮・台湾・中国からヒマラヤにかけてが原産で、国内では本州・四国・九州に分布します。名の由来は、三重県熊野地方に多いミズキである事から。ミズキは、新芽の頃に枝を折ると樹液がしたたり落ちる事から。英名は、Large-leaf dogwood。

 ミズキ科(Cornaceae Bercht. et J.Presl (1825))は、北半球の温帯から熱帯に約14属100種が分布します。ミズキ属(Cornus L. (1753)) はアジア、アメリカの温帯に約60種が分布し、日本には5種が自生します。

 幹は直立します。樹皮は灰褐色で、浅い裂け目が縦に入ります。枝は放射状に斜上します。葉は対生します。長さ5~16cm、幅2~7cmの卵状長楕円形で全縁、先端は急鋭尖頭です。10~50mmの葉柄があり、基部は広いくさび形。葉表は緑色、葉裏は粉白色。落葉時は、淡黄色か紅色を帯びます。葉脈は6対程あり、側脈は曲線になります。

 花期は6月から7月頃。枝先に散房花序を付けます。花序の長さは8~15cm。花は4~5mmの4弁花で、白色。雄しべ4本、雌しべ1本の両生花です。果実は核果です。5~6mmの球形で、熟すと紫黒色になります。主に鳥が種子を散布します。向陽地で水分の多い所に点在し、群生はしません。繁殖は実生か挿し木によります。類似種のミズキは花期が一ヶ月程早く、葉は互生します。

Japanese common name : Kumano-mizuki
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Cornus macrophylla Wall.

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散房花序をつけ、花は白色の4弁花で、雄しべ4、雌しべ1。
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葉は対生し、長さ5~16cm、幅2~7cmの卵状長楕円形で全縁。


クマノミズキ(熊野水木)
ミズキ科ミズキ属
学名:Cornus macrophylla Wall.
synonym : Swida macrophylla (Wall.) Soj.
synonym : Cornus brachypoda C. A. Mey.
synonym : Thelycrania brachypoda (C.A.Mey.) Pojark.
花期:6~7月 落葉高木 樹高:10~15m 花径:4~5mm 果期:10月

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【学名解説】
Cornus : cornu(角)に由来/ミズキ属
macrophylla:macrophyllus(大葉の)
Wall.:Nathaniel (also Nathan Wolf) Wallich (1786-1854)
---
Swida:ミズキ属
Soj.:Jiri Soják (1936- )

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から5.75km 左岸河川敷 2006.06.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

20 July 2006
Last modified: 30 April 2014
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by pianix | 2006-07-20 00:00 | | Trackback | Comments(0)
アキノタムラソウ(秋の田村草)
 アキノタムラソウ(秋の田村草)は、シソ科アキギリ属の多年草です。東アジアの温帯から暖帯に広く分布します。国内では本州から沖縄までに分布する在来種です。名の由来は、不明です。多紫草や丹紫草との説があります。学名の意味は、日本のサルビア。ちなみにタムラソウ(田村草)はキク科で、アザミに似た花を咲かせる別種です。

  シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。アキギリ属(Salvia L.)は、熱帯から温帯にかけて分布し500~900種以上があると言われています。日本には10種程が自生します。

 茎は4稜があり、断面は四角形。茎は分枝し、20~80cmに立ち上がります。葉は対生します。奇数羽状複葉で、茎に付く位置によって異なり、3出葉あるいは1~2回羽状複葉となります。小葉は3~7枚。長さ3~5cmの広卵形で、長い葉柄があり、鋸歯があります。 

 花期は7月~11月で、葉腋から伸びた茎に輪散花序を付けます。花冠は筒状の合弁花です。淡い青紫色の唇形花を段状に5個ずつ輪生します。輪生と言っても茎の回りに満遍なく取り囲む訳ではなく、日照方向に偏り扇状になります。花序の長さは20cm前後。花冠の長さは10~13mmで上唇と3裂した下唇があり、毛が密生します。

 雄しべ2本があり、内2本は退化しています。2裂した柱頭の雌しべ1本は花冠より僅かに長く、黄色の葯が花冠の上部に突き出ます。萼は長さ5~6mmで腺毛が多くあります。果実は子房が4分裂した分果(mericarp)で、2~4個の種子があります。大木の影に生育する事が多く、強い日差しは好まないようです。染色体数は、2n=16。

Japanese common name : Akino-tamurasou
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Salvia japonica Thunb.

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アキノタムラソウ(秋の田村草)
シソ科アキギリ属
学名:Salvia japonica Thunb.
花期:7月~11月 多年草 草丈:20~80cm 花冠長:10~13mm

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【学名解説】
Salvia : salvare(治療)/アキギリ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.75km右岸土手 2006.07.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

19 July 2006
Last modified: 07 October 2010
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by pianix | 2006-07-19 00:00 | | Trackback | Comments(0)
マルバハッカ(丸葉薄荷)
 マルバハッカ(丸葉薄荷)は、シソ科ハッカ属の多年草です。ヨーロッパの地中海地方沿岸が原産です。日本では栽培していたものが逸出して、1879(明治12)年に野生化が確認された帰化植物です。名の由来は、丸い葉を持つ薄荷である事から。英名は、Apple mint。林檎のような香りを持つ薄荷であることからの命名です。あるいは、和名と同じRound leaved mint。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。ハッカ属(Mentha L. (1753))は、北半球の温帯に約40種が分布し、日本には2種が自生します。

 地下茎があり繁殖します。茎は4稜(断面が四角)があり、細かな綿毛で覆われています。草丈は30~80cm。葉は十字対生します。葉柄が無く茎を抱きます。長さ2~5cmの広楕円形で、鋸歯があり、葉脈は窪んで網目状のシワがあります。葉裏は柔らかで細かな綿毛で覆われていて、香りの成分を出す腺点があります。林檎に似た甘い芳香で、主要成分は、ピペリテノンオキシド(Piperitenone oxide)です。

 花期は6月から7月頃。茎の先に3cm~6cmの穂状花序を出します。花冠は白色の合弁花です。唇弁形で長さは2mm前後。雄しべが花冠の2倍程に突き出ます。雄しべ4本の内の2本が長い2強雄ずいです。子房上位。染色体数は、2n=24。類似種のオランダハッカ(阿蘭陀薄荷)は、全体に無毛です。

Japanese common name : Maruba-hakka
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Mentha suaveolens Ehrh.
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葉は十字対生する。茎と葉裏には柔らかな綿毛が密生する。


マルバハッカ(丸葉薄荷)
英名:アップルミント(Apple mint)
シソ科ハッカ属
学名:Mentha suaveolens Ehrh.
synonym : Mentha rotundifolia (L.) Huds.
花期:6月~7月 多年草 草丈:30~80cm 花序長:3~6cm

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【学名解説】
Mentha : Menthe(ギリシャ神話の女神の名)/ハッカ属
suaveolens : 芳香のある
Ehrh. : Jakob Friedrich Ehrhart (1742-1795)
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rotundifolia : rotundifolius(円形葉の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Huds. : William Hudson (1730-1793)

撮影地:静岡県静岡市
藁科川(安倍川水系) 2.0km左岸 2006.07.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

18 July 2006
Last modified: 26 June 2014
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by pianix | 2006-07-18 00:00 | | Trackback | Comments(4)
イボタノキ(疣取木/水蝋樹)
 イボタノキ(疣取木/水蝋樹)は、モクセイ科イボタノキ属の落葉低木です。日本・朝鮮・中国が原産です。国内では、北海道・本州・四国・九州に分布する在来種です。名の由来は、樹皮にカイガラムシの一種であるイボタロウカタカイガラムシ1)(水蝋樹蝋硬貝殻虫)の雄虫が寄生し、イボタロウ(水蝋樹蝋)という蝋物質の分泌物を出すことから。ワックス用途で利用されます。疣取木は、イボを取る民間薬として蝋物質が使われた事から。英名は、Border privet。

 モクセイ科(Oleaceae Hoffmannsegg & Link, 1813-1820)は、北半球と南半球の温帯から熱帯にかけて27属約600種が知られていて、日本には、イボタノキ属、トネリコ属、ハシドイ属、モクセイ属、ヒトツバタゴ属、レンギョウ属の6属があります。イボタノキ属(Ligustrum C. Linnaeus, 1753)はヨーロッパ、北アフリカ、アジア、オーストラリアに約50種があり、日本には約10種が自生します。

 樹皮は灰白色で、新枝には細毛があり、分枝しながら樹高2~3mになります。葉は対生します。長楕円形で長さは20~50mm、幅は2~20mm。全縁で、先は鈍頭、基部はくさび形。葉柄は短く1~3mm。葉表は緑色で不明瞭な葉脈が4~5対あり、葉裏は灰緑色で中脈に毛があります。

 花期は5月から6月頃。枝先に長さ2~4cmの総状花序を出します。花は先が4裂した筒状漏斗形の合弁花です。花冠は白色で長さ7~9mm。雄しべ2本で、葯が花冠から若干突き出ます。雌しべは1本。果実は核果です。長さ6~7mmの楕円形で、熟すと紫黒色となります。種子が1個入っています。鳥などによって捕食され散布されます。

1)イボタロウカタカイガラムシ(水蝋樹蝋硬貝殻虫)
俗称:イボタロウムシ(水蝋樹蝋虫)
カメムシ目(半翅目)(Hemiptera)カタカイガラムシ科(Coccidae)
学名:Ericerus pela (Chavannes, 1848)
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄

Japanese common name : Ibotano-ki
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Ligustrum obtusifolium Siebold et Zucc.
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花と葉(2006.5.30)


イボタノキ(疣取木/水蝋樹)
モクセイ科イボタノキ属
学名:Ligustrum obtusifolium Siebold et Zucc.
花期:5月~6月 落葉低木 樹高:2~3m 花冠長:7~9mm 果期:10~11月

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【学名解説】
Ligustrum : ligare(縛る)/イボタノキ属
obtusifolium : obtusifolius(先が鈍形の葉を持った)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&に同じ)
Zucc. : Joseph Gerhard Zuccarini (1797-1848)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.24, 2006.05.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

13 July 2006
Last modified: 28 Septembe 2011
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by pianix | 2006-07-13 00:00 | | Trackback | Comments(0)