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キンモンガ(金紋蛾)
 キンモンガ(金紋蛾)は、アゲハモドキガ科に分類される昼行性の蛾です。本州・四国・九州に分布します。昼行性の蛾は、蝶のような色彩を持つものが少なくありません。開張32~39mmで、黒地に黄色の紋があることから名が付けられています。しかし、黒地に白色や淡黄色の紋を持つものもあります。白色紋の種は銀紋蛾とでも呼びたくなりますが変異の範疇です。翅の後ろ端には各1カ所、計4カ所の白帯があります。

 幼虫は体長20mm前後で、リョウブ(令法)1)の葉を食草とします。成虫は花の蜜を吸汁します。葉の上に翅を広げて止まっている事が多いようです。完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)をします。近似種に、希少種のフジキオビ(Schistomitra funeralis Butler, 1881)があります。

★  ★  ★

 昆虫を研究する学会は多数ありますが、その内の一つに、蝶や蛾を扱う日本鱗翅(りんし)学会があります。この会長さんである高橋さんが行った蝶の生息調査が新聞に掲載されていました。静岡市葵区にお住まいの方です。南アルプスなどに生息する蝶の古里を確認する為にシベリア奥地で調査をして成果を上げてきました。氷河期や温暖化を経て蝶の分布が変化していく様子を解明しています。近隣にこのような方がいらっしゃるのは心強い限りです。なお、国立・国定公園特別地域内では、捕獲等を規制されている蝶がありますから、そのような場所では充分な注意が必要です。

1)Clethra barbinervis Siebold et Zucc.

Japanese common name : Kinmon-ga
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Psychostrophia melanargia Butler, 1877
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キンモンガ(金紋蛾)
学名:Psychostrophia melanargia Butler, 1877
チョウ目(鱗翅目)アゲハモドキガ科

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体長:(開張)32~39mm/(前翅長)18~20mm
出現期:6月~8月(年2回)
分布:本州・四国・九州
食草:リョウブ科

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川上流 2006.08.18
林道佳山線 2016.09.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 31 August 2006
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by pianix | 2006-08-31 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ダイコンソウ(大根草)
 ダイコンソウ(大根草)は、バラ科ダイコンソウ属の多年草です。日本や中国が原産です。国内では全土に分布する在来種です。名の由来は、根生葉が大根の葉に似ている事から。ダイコンの名が付いていますが、ダイコン(アブラナ科)の仲間ではなく、バラ科です。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、南極を除く、ほぼ全ての大陸に約107属3100種が分布します。ダイコンソウ属(Geum L. (1753))は、北半球の温帯から亜寒帯に約50種があり、日本には5種が自生します。

 茎や葉には軟毛が密生します。草丈は25~60cm。根生葉は長さ10~20cmの奇数羽状複葉で、鋸歯があります。頂小葉は広卵形で長さ3~6cm、側小葉は倒卵形で鈍鋸歯があります。茎葉は3裂します。

 花期は7月から8月頃で、分枝した茎頂に、径1~2cmで黄色の5弁花を付けます。雄しべと雌しべは多数あります。雌しべの花柱は5~6mmで関節があり、S字形に捻れます。花後に花柱の関節から先が脱落し、鉤状に曲がります。果実は痩果が集まった集合果で、径15mm程の球形。動物に付着して散布されます。染色体数は、2n=42。

 近似種に、本州中部以北に分布するオオダイコンソウ(大大根草)Geum aleppicum Jacq.があり、この集合果は20~25mmの楕円形をしています。

Japanese common name : Daikon-sou
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Geum japonicum Thunb.

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左:緑色の雌しべ 右:萼

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左:S字型に捻れた花柱の痩果 右:奇数羽状複葉の根生葉。長さ10~20cm


ダイコンソウ(大根草)
バラ科ダイコンソウ属
学名:Geum japonicum Thunb.
花期:7~8月 多年草 草丈:25~60cm 花径:1~2cm

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【学名解説】
Geum : geuo(美味)/ダイコンソウ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
Juss. : Adrien Henri Laurent de Jussieu (1797-1853)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川上流 2006.08.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

30 August 2006
Last modified: 14 March 2014
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by pianix | 2006-08-30 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾)
 ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾)は、イラガ科イラガ亜科アオイラガ属の蛾です。中国からインドが原産です。日本には1920年頃に侵入したと言われ、1960年以降に帰化し、1980年頃から増え始めた外来昆虫です。関東以西に分布します。

 緑色で前翅の縁に褐色の帯(黒褐色斑)があります。類似種のアオイラガ(青毒棘蛾)より褐色の帯部分が広くなっています。成虫の体長は14~16mm。イラガ科(Limacodidae Duponchel, 1845)は、国内には約20種類がいるとされ、植物防疫法による検疫有害動物に指定されています。

 幼虫や繭には毒毛があり、刺されると激痛が起き皮膚炎を発症します。有毒毛虫です。幼虫は緑色で背中に筋模様があり、放射状に伸びた毛束(肉状突起)を付けます。後胸に一対の突起があり、そこに橙色の棘があります。アオイラガと似ていますが、アオイラガの棘は黒色です。完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)をします。孵化後の初期段階では集団で葉を食害します。繭で越冬します。繭は褐色で12mm前後の扁平な楕円球状です。

Japanese common name : Hiroheri-ao-iraga
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Parasa lepida (Cramer, 1777)


ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾)
チョウ目(鱗翅目)イラガ科イラガ亜科アオイラガ属
学名:Parasa lepida (Cramer, 1777)

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体長:14~16mm/(開張)約30mm
出現期:4月~10月(年2回)
分布:本州(関東以西)・四国・九州・沖縄
食草:サクラ、カシ、モミジ等(広食性)

撮影地:静岡県静岡市
自宅/採取は清水区高橋 2006.08.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 29 August 2006
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by pianix | 2006-08-29 00:00 | | Trackback | Comments(2)
オオイヌタデ(大犬蓼)
 オオイヌタデ(大犬蓼)は、タデ科イヌタデ属の1年草です。日本や北半球の温帯から暖帯に分布します。国内では北海道から九州までの全土に分布します。新帰化植物(江戸時代末期から現代の間に帰化したもの)と言われています。名の由来は、イヌタデ(犬蓼)よりも大型である事から。イヌタデは食用にならないタデの意味。食用となるのはヤナギタデ(柳蓼)。英名は、Curlytop knotweed。

 タデ科(Polygonaceae Juss. (1789))は北半球に約40属800種があります。タデ科の特徴は、葉柄の基部の托葉が茎を包む形の托葉鞘(たくようしょう)となる事です。イヌタデ属(Persicaria (L.) P.Miller, 1754)は北半球に約100種あり、日本には約30種があります。旧属名はPolygonumで、polys(多い)+ gonu(節)の意味を持ち、節が関節のように膨れる事に因みます。

 赤味を帯びた茎は分枝しながら80~200cmになります。茎の太さは1cm前後。節は膨らみ托葉鞘(ochrea)となります。托葉鞘とは、茎に取り巻き融合して鞘状になった葉の事です。托葉鞘は約2cm、筒形の膜質で無毛です。無毛である事は、オオイヌタデとサナエタデ(早苗蓼)共通の特徴です。葉は互生します。先が尖った披針形で、長さは15~25cmです。側脈は20~30対あり、葉裏面には綿毛があります。

 花期は6月から11月頃。花序は3~7cmの穂状で、淡紅色か白色の小花を多数付け、開花時には先が垂れ下がります。小花の花弁に見えるのは3mm程の萼片で、花被は4~5裂します。種子繁殖します。畑地では堆肥に混入した種子による侵入が多く、強害雑草となります。堆肥発酵温度60度で種子は死滅します。果実は痩果で、種子は黒褐色の扁平楕円形です。染色体数は、2n=22,24。

Japanese common name : Oo-inutade
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Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. lapathifolia
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オオイヌタデの托葉鞘。無毛が特徴。


オオイヌタデ(大犬蓼)
別名:カワタデ(川蓼)/タデクサ(蓼草)
タデ科イヌタデ属
学名:Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. lapathifolia
synonym : Persicaria lapathifolia (L.) S.F.Gray
花期:6月~11月 1年草 草丈:80~200cm 花径:2~6mm 花序長:3~7cm

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【学名解説】
Persicaria : persica(モモ)に似ている/イヌタデ属
lapathifolia : Lapathum属+efolia(のような葉の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Delarbre :Antoine Delarbre (1724-1813)
var. : varietas(変種)
---
S.F.Gray : Samuel Frederick Gray (1766-1828)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から5.75km 右岸河川敷 2006.08.15, 2006.08.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 August 2006
Last modified: 27 October 2014
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by pianix | 2006-08-28 00:00 | | Trackback | Comments(4)
アカマダラメイガ(赤斑螟蛾)
 アカマダラメイガ(赤斑螟蛾)は、メイガ科マダラメイガ亜科の小型の蛾です。日本・シベリア・朝鮮・中国・台湾・インド・ヨーロッパの広範囲に分布します。日本では全国に分布します。名の由来は、赤い配色を持ったマダラメイガから。螟は植物の茎に穴を開けて食害する虫の事。

 メイガ科(Pyralidae Latreille, 1809)は世界に10000種以上、日本には約650種があると言われています。成虫は、翅が狭い種で、害虫として扱われる場合が多いようです。完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)をします。

 体長は22~28mmで、幼虫はメドハギ(蓍萩)をはじめ、ミヤコグサ(都草)、シロツメクサ(白詰草)等のマメ科植物を食べます。触角は長く糸状です。翅は4枚あります。赤くなっているのは前翅の縁です。グリーンの目が、とぼけた雰囲気を出して可愛いと感じる人もいます。類似種に、穀物や菓子の保管物を加害するノシメマダラメイガ(熨斗目斑螟蛾)の幼虫があり、台所で発生する害虫として知られていることから、イメージは悪いかもしれません。

 日本には鱗翅目(チョウ目)は5000種以上あると言われています。その内、蝶は約280種で残り全部が蛾になります。それで、チョウ目ではなく、ガ目とも言われます。昼に行動するのが蝶で、蛾は夜であるとのイメージがあります。そして蛾は4枚の翅に付いた鱗粉や毛が多く、嫌われる原因ともなっています。しかし、昼に行動する蛾もあり、蝶のような形態をしています。気温が上がる昼に行動する場合、鱗粉や毛を多く付ける事は得策でないからです。日本では蝶と蛾を区別していますが、これは明治以降の教育によるところが大きいと思われます。

Japanese common name : Aka-madara-mei-ga
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Oncocera semirubella (Scopoli, 1763)


アカマダラメイガ(赤斑螟蛾)
チョウ目(鱗翅目)メイガ科マダラメイガ亜科
学名:Oncocera semirubella (Scopoli, 1763)

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体長:(開張)22~28mm
分布:北海道・本州・四国・九州
出現期:6月~8月
食草:マメ科(メドハギ)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10.50km 左岸河川敷 2006.05.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 18 August 2006
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by pianix | 2006-08-18 00:00 | | Trackback | Comments(4)
ノカンゾウ(野萓草)
 ノカンゾウ(野萓草)は、ススキノキ科ワスレグサ属の多年草です。日本・中国・朝鮮半島・サハリンが原産です。国内では全国に分布する在来種です。八重咲きのヤブカンゾウ(藪萓草)より若干小型の一重咲き種です。名の由来は、漢名であるカンソウ(萓草)の音読みの転訛が元となり、自生地が野山である事からです。

 APG体系では、ススキノキ科(Xanthorrhoeaceae Dumort. (1829))で、約34属1200種が分布します。旧分類のユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ワスレグサ属(Hemerocallis L. (1753)) は、ユーラシアの温帯に約20種あり、日本には約5種が自生します。

 根は紡錘(ぼうすい)状に膨らみ、匐枝を出して増殖します。葉は2列に根生し、基部が抱き合う跨状(こじょう)となります。長さ40cm~70cm、幅10~15mmの広線形です。多年草ですが地上部は枯れます。花茎は70~90cmで、Y字形に分岐して花序を付け、下から順に花を咲かせます。

 花期は7月から9月頃。花径は7~8cmで、花色は橙赤色から赤褐色。赤味の強いものをベニカンゾウ(紅萓草)と呼ぶ事があります。花被片は6枚で、中央に黄色の筋があり、上向きに咲きます。筒状に合着した花筒は3~4cmで、ヤブカンゾウの2cm程度と比べ長くなります。この特徴が旧種小名のlongituba(長い管の)として採用されていました。雄しべは6本、長く伸びた雌しべが1本あります。属名のHemerocallis「一日美しい」が表すように、朝開いて夕には萎む一日花です。染色体数は2n=22。

 類似種として、海岸に咲く常緑種のハマカンゾウ(浜萓草)Hemerocallis fulva L. var. littorea (Makino) M. Hottaがあります。浜・藪・野を冠した3種のカンゾウが一般的で、母種とされるシナカンゾウ(志那萓草)Hemerocallis fulva L. var. fulvaは日本には自生せず栽培されるのみです。

Japanese common name : No-kanzou
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Hemerocallis fulva L. var. disticha (Donn ex Ker Gawl.) M.Hotta
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果実 2006.09.05


ノカンゾウ(野萓草)
別名:ベニカンゾウ(紅萓草)
ススキノキ科ワスレグサ属
学名:Hemerocallis fulva L. var. disticha (Donn ex Ker Gawl.) M.Hotta
synonym : Hemerocallis fulva L. var. longituba (Miq.) Maxim.
花期:7月~9月 多年草 草丈:70~90cm 花径:7~8cm

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【学名解説】
Hemerocallis : hemera(一日)+callos(美)/ワスレグサ属
fulva : fulvus(茶褐色の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)
disticha : di(2つの)+stichos(列)/二列の
Donn : James Donn (1758-1813)
ex : ~による
Ker Gawl. : John Bellenden Ker Gawler (1764-1842)
M.Hotta : 堀田 満 Mitsuru Hotta (1937-)
---
longituba : longitubus(長い管の)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から7.00km右岸河川敷 2006.08.15 / 09.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

17 August 2006, 5 July 2013, 3 April 2015
Last modified: 29 June 2016
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by pianix | 2006-08-17 00:00 | | Trackback(1) | Comments(6)
クマゼミ(熊蝉)
 クマゼミ(熊蝉)は、セミ科クマゼミ属の昆虫です。日本、中国、台湾に分布します。日本では、関東地方以西に分布します。エゾゼミ(蝦夷蝉)と並ぶ日本最大のセミです。名の由来は、体が大きく黒色である事から熊に例えたもの。

 生息域の北上が言われていて、その原因は地球の温暖化、あるいは樹木移植時の土壌に紛れ込んでいるためとの説がありますが、詳しくは分かっていません。最近はクマゼミによる光ケーブル損傷事故が相次いでいるようです。晴天の午前中に盛大に鳴きます。これは体内温度の影響によるものと言われています。シャア・シャアと大合唱をします。他のセミと比べて、頭部の幅が広くずんぐりした大型のセミです。翅は透明で、前翅の縁は緑色です。

 クマゼミは、クマゼミ属(Cryptotympana Stål, 1861)です。クマゼミ属はセミ科(Cicadidae Batsch, 1789)の仲間で、セミ科は半翅目(Hemiptera Linnaeus, 1758)という大きなグループの仲間です。半翅目はカメムシ目の事です。つまり、カメムシの仲間という事になります。

 セミ科の特徴は幾つかあります。頭部は幅が広い三角形で、左右に複眼があり、複眼の間に単眼が3つあります。触覚は短く毛状です。頭の下から後方にまで伸びる針状の口があり、成虫は樹液を吸汁しまます。幼虫は地中の植物の根から汁を吸います。前翅は後翅よりも大きく、雄は大きな声で鳴き、雌を呼び集めます。セミは、世界で約1600種、日本には35種がいるとされています。

 雌の腹部には卵巣があります。産卵管を樹に差し込み、数個ずつ産卵しながら移動します。枝や樹皮に産み付けられた卵は翌年に孵化し、幼虫は木から下りて土中に潜り、5齢まで過ごします。幼虫でいる期間は詳しく解明されていません。おおよそ5~6年と言われています。幼虫から蛹を経ないで直接成虫になる不完全変態をします。幼虫は日没前に地上に出て羽化の準備をします。

 成虫が好む木はセンダン(栴檀)ですが、鳴く時は木を選びません。雄の腹部には、薄い膜でできた発信膜があります。発信膜の内側にV字型の筋肉があり振動させます。雄の腹の中は空洞で、発信膜の震動を共鳴させて音を増幅させます。発音器官である腹弁は橙色です。成虫は2週間から4週間生きると考えられています。

参考:ツクツクボウシ(寒蜩) アブラゼミ(油蝉) セミの仲間

Japanese common name : Kuma-zemi
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Cryptotympana facialis (Walker, 1858)
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クマゼミ(熊蝉)
カメムシ目(半翅目)セミ科クマゼミ属
学名:Cryptotympana facialis (Walker, 1858)

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体長:(翅端まで)60~68mm [♂60~64mm/♀63~68mm]
出現期:7月~9月
分布:本州(関東以南)、四国、九州、沖縄

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2006.08.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 16 August 2006
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by pianix | 2006-08-16 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヘクソカズラ(屁糞蔓)
 ヘクソカズラ(屁糞蔓)は、アカネ科ヘクソカズラ属の多年草です。東南アジア、東アジアが原産で、国内では全国に分布する在来種です。名の由来は、全草に悪臭がある事から。ただし、潰さない限り臭いは分かりません。この臭いの元はメルカプタン(Mercaptans)です。万葉集で詠まれている名称はクソカズラ。別名のヤイトバナ(灸花)は、花冠中央部の紅紫色をヤイト(灸)の跡に見立て、サオトメバナ(早乙女花)は、早乙女の笠に見立てた名です。

アカネ科(Rubiaceae Juss. (1789))は、熱帯から亜熱帯に約500属6000種以上があり、日本には約30属60種があります。ヘクソカズラ属(Paederia L. (1767))は、アジアとアメリカの亜熱帯から温帯地方に約20種があります。

 茎は蔓性で、基部は木質化します。他の植物に左巻き(反時計回り)で絡まって伸びます。葉は対生します。楕円形か狭卵形で、長さ4~10cm、幅1~7cm。葉柄の根元に托葉が合着した三角形の鱗片(葉間托葉)があります。

 花期は、7月から9月頃。葉腋から集散花序を出します。花は、先が浅く5裂して平開した細長い鐘形の合弁花で、長さは1cm前後。花冠は灰白色で、中央部(喉)と内部は紅紫色です。内部には2本の長い紐状の花柱と短い雄しべ4~5本があり、毛が多くあります。萼の内側に花外蜜腺があります。

 果実は核果です。径5~6mmの球形で、熟すと光沢がある黄褐色になり、2個の核に種子が1個づつ入っています。生の果実を潰したものは、民間薬として古来から虫刺されや霜焼けの薬として使われてきました。

Japanese common name : He-kuso-kazura
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Paederia foetida L.

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花冠内部。底にある毛は子房を守る為と言われています。Y字形に見えるのは花柱。


ヘクソカズラ(屁糞蔓)
別名:ヤイトバナ(灸花)/サオトメバナ(早乙女花)
アカネ科ヘクソカズラ属
学名:Paederia foetida L.
synonym : Paederia scandens (Lour.) Merr.
花期:7月~9月 多年草 草丈:蔓性 花径:4~5mm 果期:10月

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【学名解説】
Paederia : paidor(悪臭)/ヘクソカズラ属
foetida : foetidus(臭い、悪臭を放つ)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
---
synonym : (シノニム) 同意語、異名
scandens : よじ登る性質の
Lour. : Joao de Loureiro (1717-1791)
Merr. : Elmer Drew Merrill (1876-1956)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.07.28, 2006.08.10
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

15 August 2006
Last modified: 7 August 2015 (Scientific name update)
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by pianix | 2006-08-15 00:00 | | Trackback(2) | Comments(4)
セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)
 セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)は、スズメバチ科アシナガバチ亜科アシナガバチ属の蜂です。キアシナガバチに良く似ていて、アシナガバチの仲間では日本で最大です。北海道を除く日本各地に生息しています。名の由来は、背中部分が黒くて脚が長い事から。英名は、Tree Wasp。

 スズメバチ科は、約26属900種があり、日本には3属11種が生息しています。身近で代表的なのは、
セグロアシナガバチ(Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887)
キアシナガバチ
(Polistes rothneyi iwatai van der Vecht, 1968)
フタモンアシナガバチ(Polistes chinensis antennalis Perez, 1905)
の3種です。

 スズメバチと比べると細身で、体長は20~26mm。黒地に黄褐色の斑紋があります。類似種でほぼ同じ体長のキアシナガバチとの違いは、胸の後半部(腹部第1節)に2列に並んだ縦筋の斑紋が無い事です。翅は4枚で、前翅は大きく後翅は小さく、前翅は縦二つに折りたたむ事ができます。幼虫を養う働き蜂は青虫や毛虫を捕獲し、大顎で噛み砕いて肉団子を作ります。働きバチの羽化は5月以降、オスバチと新女王バチは7月中旬に羽化します。完全変態をします。

 巣は釣鐘型で外皮が無く(スズメバチの巣は外皮がある)、巣房(honey comb)が露出しています。育房は300~400房あります。アシナガバチを英語でPaper waspというのは、この巣が紙質であるからです。巣は軒下に作られる事もあり、何かのきっかけで刺激すると刺されます。時にはアレルギー反応であるアナフィラキシーショック(Anaphylaxis shock)により死亡することもありますから注意が必要です。

★  ★  ★

 私の好きなフタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂)君が、肉団子を作っている所に遭遇しました。挨拶をしながら写真を撮らせてもらいましたが、何やら気持ち悪い状態だったので、早々に引き上げました。家に帰って写真を見ると顔が黄色。ギョッとしました。私の嫌いなセグロアシナガバチ君ではないですか。人違いならぬ蜂違いでした。何もしなければ刺さない蜂とは言え、刺されたら痛いのは確か。

Japanese common name : Seguro-asinaga-bati
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Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887

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セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科アシナガバチ亜科アシナガバチ属
学名:Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887
synonym : Polistes jadwigae Dalla Torre, 1904

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体長:20~26mm
出現期:4月~10月
分布:本州・四国・九州・沖縄

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km左岸河川敷 2006.07.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

14 August 2006
Last modified: 24 August 2013
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by pianix | 2006-08-14 00:00 | | Trackback | Comments(0)
コマツナギ(駒繋)
 コマツナギ(駒繋)は、マメ科コマツナギ属の落葉小低木です。日本と中国が原産で、国内では本州・四国・九州に分布する在来種です。名の由来は、馬を繋ぎ留められる程、根が丈夫であるからとか、葉が馬の好物で場所を離れないから、等と言われています。駒とは馬の事です。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があり、日本には70属198種、11亜種7変種17品種があり、41属100種が自生します。コマツナギ属(Indigofera L. (1753))は、熱帯から亜熱帯に約700種が分布します。Indigoferaは、藍色を持つの意味で、藍色の染料が採れる事からの命名です。

 根は地中深く張り側根も長く出ます。茎は叢生し40~100cmになります。葉は、奇数羽状複葉で互生し、小葉は7~13枚。長さ8~20mm、幅2~10mmの長楕円形で全縁。茎や葉には伏毛があり、葉は夜に閉じます。

 花期は7月から9月頃。葉腋から4~10cmの円錐花序を出します。小花は淡紅色で、長さ4~5mmの蝶形花です。花序の下から上に向かって順に咲きます。果実は長さ25~30mm、幅2.5~3mmの豆果です。熟すと黒色となり、裂開して黄褐色の種子3~8個を散布します。染色体数は2n=16。

Japanese common name : Koma-tunagi
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Indigofera pseudotinctoria Matsum.

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小花は淡紅色で、長さ4~5mmの蝶形花

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葉は奇数羽状複葉で互生し、伏毛があります


コマツナギ(駒繋)
マメ科コマツナギ属
学名:Indigofera pseudotinctoria Matsum.
花期:7月~9月 落葉小低木 樹高:40~100cm 花冠長:4~5mm

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【学名解説】
Indigofera : indigo(藍)+fero(有する)/コマツナギ属
pseudotinctoria : pseudo(偽の、疑似)+キアイ(木藍)*
Matsum. : 松村 任三 Jinzo Matsumura (1856-1928)
*タイワンコマツナギ(台湾駒繋)Indigofera tinctoria L.

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 右岸土手 2006.07.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

11 August 2006
Last modified: 2 March 2017
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by pianix | 2006-08-11 00:00 | | Trackback | Comments(0)