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静岡市風力発電施設
 競歩の練習で安倍川土手を使用していた時期がありました。往復20kmの距離を週1度の割合で楽しんでいました。折り返し点は、安倍川河口です。富士山や海が見えます。浜辺まで出ると、天気さえ良ければ東に伊豆半島、西に御前崎の岬が見えます。この区間をしばらく使用しないでいたら、いつの間にか風力発電設備が作られていました。青い空に低音の風切り音を唸らせながらプロペラが回っていました。風と波の音だけだった浜辺でしたから、この唸り音には驚きました。

 電気の使用量が上がるたびに発電施設は作られてきました。水力発電、火力発電、原子力発電など形態は様々です。風力発電は風を利用するので、発電原材料は無料で公害も出さないと期待されています。しかし、風が吹かなければ発電できず、ある程度の自然任せ的な部分は否めません。最近問題になっているのは、バードストライクです。鳥が衝突して死亡する事故を言います。猛禽類などの渡り鳥がプロペラに衝突してしまう理由は、接近すると風車が見えなくなる事に原因があると言われています。風車の先端部分は200km/hに達する事があるからです。これを避ける為に、羽根を着色する、ライトアップするなどが検討されています。事故例報告の件数は少ないものの、絶滅危惧種がいる地域では問題となります。渡り鳥のルートに位置する設備では頭を悩ます事になります。鳥が接近したら、レーダーを設置するか遠隔装置によって設備を停止する方法も検討されています。発電効率の点で不利になりますが、風力発電が持つ宿命なのかもしれません。

 静岡市に設置された風力発電装置は、ドイツのリパワーシステムズ社製で、MD-70という型番です。風力発電装置は、タワーに設置されます。タワーの高さは、羽根の中央部までが65mで、羽根の最高到達点は100mです。羽根はブレードと呼ばれ、3枚あります。ブレード1枚の長さは35mで、直径は70mです。アップウインド方式で、常に風に正対するように向きを変えます。ブレードの中央部は、ハブと呼ばれ、ブレードの角度を変えるモーターが3台付属しています。これは風速によって最適な回転を得られるようにする仕組みになっています。ブレードの後方に発電機があり、ナセルと呼ばれます。ナセルは回転増幅器であるギアが組み込まれていて、1500kW/hの発電が可能です。ナセルには風向計と風力計が設置されています。タワーの下部には変圧装置があり、プラントパッケージと呼ばれます。予想発電量は、年間で約250万kW/hです。これは、一般家庭の電力量700世帯分に相当します。実際には、発電量の全量が中島浄化センターの電力の一部(年間消費電力の約20%弱)として使われています。

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REpower MD70
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安倍川河口0km地点から。下に見える葉は、キョウチクトウ(夾竹桃)。 2005.09.14
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ナセルにあるマークは静岡市市章 2007.03.12
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静岡市中島浄化センター(下水処理場) 2005.04.21


風力発電施設(愛称:風電君)
機種:REpower社 MD70/ドイツ製

定格:巻線形誘導発電機 出力1500kw
定格風速:13m/s 発電最小風速:3.5m/s 停止風速:25m/s以上
ブレード:プロペラ形3枚 直径:70m 回転数:10.6~19.0回/毎分
タワー:モノポール鋼管タワー 地上高:65m(プロペラ中央部)/100m(最高到達点)
年間推定発電量:256万kWh
設置場所:静岡市駿河区中島1711番地の1(中島浄化センター敷地内)
設置:2004(平成16)年3月 設置者:静岡市 総事業費:約3億5000万円
見学申し込み:静岡市コールセンター 054-200-4894/静岡市環境政策課 054-221-1357

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から100m左岸、及び浜辺 2005.04.21, 2005.09.14, 2007.03.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

29 December 2006
Last modified: 12 March 2007
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by pianix | 2006-12-29 00:00 | 風景 | Trackback | Comments(2)
ヤマトリカブト(山鳥兜)
 ヤマトリカブト(山鳥兜)は、キンポウゲ科トリカブト属の疑似1年草1)です。日本が原産で、本州の関東地方西部と中部地方東部の限られた地域に分布する日本固有種です。トリカブトの名の由来は、花の形状が舞楽の被り物である鳥兜に似ている事から。古来の烏帽子(えぼし)や鶏の鶏冠によるとも言われています。トリカブトの英名は、aconite monkshood(修道士の頭巾)。中国名は鳥頭(乌头、wū tóu)、附子(fùzǐ)。ヤマトリカブトは、中国産生薬の鳥頭に対する日本産のトリカブトの意味。山に生えるトリカブトとの説もあります。

 キンポウゲ科(Ranunculaceae Juss. (1789))は、北半球の温帯を中心に58属約2500種が分布します。トリカブト属(Aconitum L. (1753))は、北半球の寒帯から温帯に亜種を含めて約300種類が分布します。日本にはトリカブト属30種、変種22種の52種があると言われています。分類が難しい種の一つです。

 山地の林下や林縁に生えます。塊根2)(かいこん)は表皮が茶色でニンジンに似た紡錘形です。前年の根に新しい根が出て古い根は枯れます。この母根を漢方ではウズ(鳥頭)と言い、子根をブシ(附子)と言います。母根が1年で枯れるので、疑似1年草と分類されます。林縁では斜上し、明るいところでは直立し、高さ60~200cmになります。葉は互生します。長さ幅とも6~20cmの掌状で、3~5中裂します。葉の裂片は、披針形から卵状披針形となり,欠刻状鋸歯があります。

 花期は、8月から10月頃。茎頂の葉腋から散房花序を出します。花は、青紫色や薄紫色で長さ3~4.5cm。花序に多数を付け、上から順に咲かせます。花弁に見えるのは萼片で、上に付く鳥の頭に似た僧帽形の頂萼片1個、側面にある側萼片は倒卵形で2個、下側にある下萼片は楕円形で2個の計5個から構成されています。花弁は頂萼片内に2個あり、イの字形の筒状で、後部に巻いた距を持ち蜜を出します。花弁から長く伸びた基部に雄しべの集団が付きます。両生花で、雄しべは多数あり、雌しべは3個。花柄に微細な屈毛(曲がった毛)が密生します。果実は袋果です。細長い筒状で先端に角状突起があり、長さ約2.5cm。種子は長さ約3.5mmで、多数入っています。

 全草が有毒ですが、塊根は特に猛毒です。成分はアルカロイド毒の、aconitine(アコニチン), mesaconitine(メサコニチン), aconine, hypaconitine, jesaconitine, lipoaconitine, lipomesaconitine, benzoylaconine, higenamine, coryneine等。トリカブトはよく知られていて、知っていて食べる人はいませんが、ニリンソウ(二輪草)と間違えた誤食死亡事例があります。ヒトの致死量は3~5mgと言われています。舌の痺れ・流唾・嘔吐、酩酊状態、不整脈・昏睡、心停止の経過をたどります。根を致死量まで生食するとなると親指程の大きさとなり、苦味が強い事もあって食べるのは困難です。解毒剤はありません。フグ(河豚)毒に次いで強い毒と言われています。漢方で用いられるものは、毒性の低い種類からさらに減毒して作った、生薬のエンブシ(塩附子)、ホウブシ(炮附子)、ソウウズ(草鳥頭)で、鎮痛・強心・興奮・利尿に処方されます。

 トリカブト属には本種の他、近畿地方の日本海側山地に分布し葉が5裂するイブキトリカブト(伊吹鳥兜)、西日本に分布し葉が3全裂するタンナトリカブト(丹那鳥兜)、東北地方から中部地方に分布し花柄に屈毛があるツクバトリカブト(筑波鳥兜)、北日本に分布し葉が5~7裂して世界で2番目に強毒であるオクトリカブト(奥鳥兜)、北海道に分布する世界で最も強毒のエゾトリカブト(蝦夷鳥兜)があります。また、鳥兜の別名であるブシ(附子)の名が付く種類の、サンヨウブシ(山陽附子)、カワチブシ(河内附子)、カラフトブシ(樺太附子)があります。日本には1種だけ蔓性の、ハナカズラ(花鬘)があります。園芸店で販売されている物は、中国産のハナトリカブト(花鳥兜)や、ヨーロッパ産のヨウシュトリカブト(洋種鳥兜)=アコニット(aconite)です。

1)1年草は、種子から発芽し年内に枯れて世代を終える植物の事。多年草は、地下部と地上部、又は地下部が多年に渡って生きる植物。疑似1年草は、母根が1年で枯れ、新しい地下茎を作る植物。
2)塊根(塊状根|tuberous root):根が塊状に肥大したもの。貯蔵根(strage root)の一つで、主根や胚軸が肥大した多肉根(succulent root)と、不定根が不定型に肥大した塊状根(tuberous root)がある。

Japanese common name : Yama-torikabuto
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Aconitum japonicum Thunb. subsp. japonicum

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左:僧帽形の頂萼片に距の影が見える。 右:開花前

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花冠。長さは、3~4.5cm。花柄に微細な屈毛。

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左:雄しべ集団 右:萼が取れた状態/雌しべ3個

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左:葉表。 右:葉裏。

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果実は袋果で、種子は多数。

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萼片の一部を切り取り内部の花を露出。左:側面、右:正面。2007.11.08
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明るい場所では立ち上がって花を付ける事が多い。


ヤマトリカブト(山鳥兜)
別名:ハコネトリカブト(箱根鳥兜)
キンポウゲ科トリカブト属
学名:Aconitum japonicum Thunb. subsp. japonicum
synonym : Aconitum japonicum Thunb. var. montanum Nakai
花期:8月~10月 疑似1年草 草丈:60~200cm 花冠長:3~4.5cm

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【学名解説】
Aconitum : akoniton(投矢)/トリカブト属
japonicum : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
subsp. : subspecies(亜種)
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var. : varietas(変種)
montanum : montanus(山の・山地生の)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)

撮影地:静岡県静岡市
位置情報非公開 2006.11.28, 2007.11.08, 2008.09.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

05 December 2006, 09 October 2010, 09 October 2016
Last modified: 31 July 2017
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by pianix | 2006-12-05 00:00 | | Trackback | Comments(2)
イヌタデ(犬蓼)
 イヌタデ(犬蓼)は、タデ科イヌタデ属の1年草です。朝鮮・中国や千島・樺太に分布し、国内では北海道から沖縄までの全国に分布する在来種(史前帰化植物)です。名の由来は、ヤナギタデ(柳蓼)のような葉に辛み成分を持たず、香辛料として使えないので、役に立たない意味でのイヌ(犬)を付けたもの。通常、タデと言えばヤナギタデを指す事になります。別名のアカマンマ(赤まんま)は、花被を赤飯に見立てたもの。

 タデ科(Polygonaceae Juss. (1789))は北半球に約40属800種があります。タデ科の特徴は、葉柄の基部の托葉が茎を包む形の托葉鞘(たくようしょう)となる事です。イヌタデ属(Persicaria (L.) P. Miller, 1754)は北半球に約100種あり、日本には約30種があります。旧属名はPolygonumで、polys(多い)+ gonu(節)の意味を持ち、節が関節のように膨れる事に因みます。

 茎は赤味を帯びます。下部は地を這い、節から根を出し、高さ20~50cmになります。葉は互生します。長さ3~8cm、幅1~2.5cmの広披針形から披針形で、先端が尖ります。葉表の縁や裏面の葉脈上に毛があります。托葉鞘は筒形で長さ7~8mm、托葉鞘と同じ長さの剛毛が縁に付きます。

 花期は、7月から11月頃。茎の先に1~5cmの穂状花序を出し、紅色の花を多数付けます。稀に白花種があります。花弁に見えるのは萼が5裂したもので、花弁はありません。花被の長さは1.5~2mm。雄しべは通常8個、雌しべの柱頭は3裂します。果実は痩果です。花後の花被が痩果を包みます。種子は3稜形で、光沢がある黒色です。染色体数は、2n=40。

 類似種として、白花品種のシロバナイヌタデ(白花犬蓼)Persicaria longiseta (Bruijn) Kitag. f. albiflora (Honda) Masam. 、イヌタデよりも大きくなるオオイヌタデ(大犬蓼)Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. lapathifolia があります。

Japanese common name : Inu-tade
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Persicaria longiseta (Bruijn) Kitag.

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左:托葉鞘/10月 右:托葉鞘/12月

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左:光沢がある黒い種子が見える 右:花
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シロバナイヌタデ(白花犬蓼)
Persicaria longiseta (Bruijn) Kitag. f. albiflora (Honda) Masam.


イヌタデ(犬蓼)
別名:アカマンマ(赤まんま)
タデ科イヌタデ属
学名:Persicaria longiseta (Bruijn) Kitag.
花期:7月~11月 1年草 草丈:20~50cm 花径:2~3mm 花序長:1~5cm

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【学名解説】
Persicaria : persica(モモ)に似る/イヌタデ属
longiseta : longius(長い)+seta(刺毛)
Bruijn : Ary Johannesde Bruijn (1811-1895)
Kitag. : 北川政夫 Masao Kitagawa (1909-1995)
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f. : forma(品種)
albiflora : albiflorus(白花の)
Honda : 本田政次 Masaji Honda (1887-1984)
Masam. : 正宗厳敬 Genkei Masamune (1899-1993)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.10.12 / 12.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

4 December 2006, 07 April 2014
Last modified: 16 June 2014
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by pianix | 2006-12-04 00:00 | | Trackback | Comments(2)