<   2007年 05月 ( 6 )   > この月の画像一覧
マルバウツギ(丸葉空木)
 マルバウツギ(丸葉空木)は、アジサイ科ウツギ属の落葉低木です。日本固有種で、関東以西の本州、四国、九州に分布します。名の由来は、葉がウツギよりも丸みのある形状で、茎が中空である事から。英名は、Fuzzy deutzia。

 アジサイ科(Hydrangeaceae Dumortier, 1829)は、北半球の温帯から亜熱帯に16属約190種が分布します。この分類はAPG及びクロンキスト(1988)分類体系によるもので、新エングラー体系ではユキノシタ科(Saxifragaceae Juss. (1789))になります。ウツギ属(Deutzia Thunberg, 1781)は、東アジアとアメリカに約60種、東アジアからヒマラヤに約50種、メキシコに2種があり、日本には7種が分布します。

 日当たりの良い山地に生えます。樹高は30~150cm、樹皮は灰褐色で幹は中空です。枝は紫褐色で細く、分枝します。葉は対生します。柄があり、基部は円形、卵形から卵状楕円形で鋸歯があり、長さ4~7cm。両面に星状毛が密生し、ざらつきがあります。花序の下にある葉は柄が無く茎を抱きます。徒長枝の葉柄は極短くあります。秋に紅葉します。

 花期は5月頃で、枝先に長さ5cm程の円錐花序をつけます。花序全体に星状毛が密生します。花は白色で、花径10~15mm、上向きに咲き平開します。萼片5、花弁5枚の離弁花です。花盤は橙色で目立ちます。雄しべは10個で花糸に翼があり、基部が太く先は細くなります。葯色は黄色。雌しべ花柱は3裂します。両性花です。果実は蒴果です。径3mmの椀形で、花柱が残り、星状毛が密生します。熟すと茶色になり、裂けて種子を出します。染色体数は、2n=26。

Japanese common name : Maruba-utugi
e0038990_1150223.jpg
Deutzia scabra Thunb.

e0038990_11501836.jpge0038990_11503038.jpg
左:花序 右:橙色の花盤が目立つ

e0038990_115045100.jpge0038990_11505719.jpg
左:葉裏には星状毛が密生し脈上で開出毛が目立つ 右:葉表
e0038990_11512120.jpg
花序下の葉は柄が無く茎を抱く


マルバウツギ(丸葉空木)
アジサイ科ウツギ属
学名:Deutzia scabra Thunb.
花期:5月 落葉低木 樹高:30~150cm 花径:10~15mm 果期:9~10月

e0038990_2122812.gif

【学名解説】
Deutzia : Johan van der Deutz (1743-1788)に因む/ウツギ属
scabra : scaber(凸凹がある・ざら付いた)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
Hydrangeaceae : Hydrangea|hydro(水)+angeion(容器)/アジサイ科
Dumort. : Barthelemy Charles Joseph Dumortier (1797-1878)
Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から12.25km 左岸土手 2007.05.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 30 May 2007
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2007-05-30 00:00 | | Trackback | Comments(2)
コゴメウツギ(小米空木)
 コゴメウツギ(小米空木)は、バラ科コゴメウツギ属の落葉低木です。朝鮮半島や中国、日本に分布します。国内では北海道から九州にかけて分布する在来種です。名の由来は、小さい蕾を小米に見立てたもの。小米は砕けた米粒の事。ウツギは茎が中空である事から。英名は、Lace shrub。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、南極を除く、ほぼ全ての大陸に約107属3100種が分布します。コゴメウツギ属(Neillia D. Don, 1825) は東アジアに5種、日本には2種が自生します。旧属名は、Stephanandra Siebold & Zuccarini, 1843。

 山間部に叢生します。樹高は1~2m。樹皮は灰褐色で、縦に細い裂目があり、中空1)です。枝は細く髄があり、良く分枝します。葉は互生します。長さ20~60mm、幅15~35mmの三角状広卵形で、先端は尾状に伸びた鋭尖頭、重鋸歯があり葉縁は羽状に裂けます。葉は黄緑色で葉裏は白味を帯び両面に散毛があります。

 花期は、5月から6月頃。枝先や葉腋から花柄を出し総状花序をつけます。花は白色でヘラ形の花弁5枚があり径4~5mm。萼は花弁より短い卵形の白色で5枚があり、花弁と合わせて10枚に見えます。日が経つと黄白色になります。

 旧属名は、雄しべが雌しべの周囲に輪状に並ぶ事が属名の由来となっています。stephanos(冠)+andron(雄しべ)で、周囲に雄しべが囲むとの意味合いです。雄しべは10個で葯の色は黄色。雌しべが中央に1個の両性花です。果実は袋果です。球形で径2~3mm。種子は1~2個あり約1mmです。染色体数は、2n=18 (Yoshikane Iwatsubo and Naohiro Naruhashi, 1992)。

1)中空茎の植物は、木本、草本に関わらず多くが存在しています。また、初めは髄が詰っていて、時間経過と共に柔らかい髄の細胞質が壊れて消失し、中空になる場合があります。コゴメウツギの場合は、古くてある程度の太さの茎が中空になります。葉を付けた枝には髄が詰っています。

Japanese common name : Kogome-utugi
e0038990_2121729.jpg
Neillia incisa (Thunb.) S.H.Oh

e0038990_2121343.jpge0038990_21214985.jpg
左:花(径4~5mm)と蕾 右:雄しべ10本が雌しべを取り囲む

e0038990_21225872.jpge0038990_21231041.jpg
左:一見すると花弁が10枚のように見える 右:蕾
e0038990_21235252.jpg
裏側から見た萼の様子。長い方が花弁で短いのは萼
e0038990_21242939.jpg
茎標本
【詳細説明】 左から外径(内径) : 11.6mm(6.4mm)。10.5mm(5.3mm)。8mm(2.7mm)、2.42mm(1.8mm)。左は完全に空洞で多数の蟻が入っていた。左から2番目はオレンジ色に変色した髄が詰っていた。左から3番目は細い空洞。左から4番目は葉が付く枝で白色の髄が詰っている。ラベル表記は、旧属名。


コゴメウツギ(小米空木)
バラ科コゴメウツギ属
学名:Neillia incisa (Thunb.) S.H.Oh
synonym : Stephanandra incisa (Thunb.) Zabel
花期:5月~6月 落葉低木 樹高:1~2m 花径:4~5mm 果期:9~10月

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Neillia : Patrick Neill (1776-1851)氏の/コゴメウツギ属
incisa : incisus(鋭く裂けた)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
S.H.Oh : Sang-Hun Oh (?- )
---
Stephanandra : stephanos(冠)+andron(雄しべ)/コゴメウツギ属
Zabel : Hermann Zabel (1832-1912)

撮影地:静岡県静岡市
千代山(Sendai-Yama) 2007.04.30
安倍城跡(Alt. 435m) 2014.05.26
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 May 2007, 27 May 2014
Last modified: 17 December 2015
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2007-05-26 00:00 | | Trackback | Comments(0)
カール・フォン・リンネ(Carl von Linné)
 山道を登って行くと人影が見えました。緩やかな散歩コースとは言え、ほとんど人に会う事のない道です。近づくと、うずくまって植物の採取箱である胴乱(どうらん)に何かを収めているところででした。実に丁寧繊細に扱っています。挨拶をして「専門家の方ですか」と尋ねてみました。初老の紳士は、困惑した様子で「違います」と言いながら、採取した植物を撫でるかのようにして胴乱に仕舞い終えました。どう見ても専門家の手つきですし、ブリキの胴乱を持っている事自体が驚きです。因みに私はポリ袋と茶封筒を胴乱代わりに使っています。標本を作る方は植物を挟み込む野冊(やさつ)を携行します。胴乱も野冊も本格的な道具です。

e0038990_20333562.jpg

 更に話を聞くと、この胴乱は2台目との事。採取して植物精密画を描くのだそうです。1台目は学生時代に購入したと言います。どこの大学かと聞いたら返答があったので、専攻も聞いてみました。「分類学です」との返答に、私は「やっぱり専門家だったんだ」と予想が当たった事を心の中で喜びました。そこで、「今年はリンネさんの生誕300年ですね」と話題を振ると、相手の方も警戒心を解いてくれた様子でした。「ほら、そこ」と言われた指の先を見ると、全く気が付かなかった珍しい植物がありました。
       ▲胴乱
e0038990_2054464.jpg


 リンネは、博物学者・植物学者であるカール・フォン・リンネ(Carl von Linné 1707-1778)のことです。彼は1707年5月23日生まれですから、今年2007年は、生誕300年となります。スウェーデンで生まれ、ルター派の敬虔なキリスト教徒でした。ルンド大学で医学を学び、1741年にウプサラ大学医学部教授(薬学)となり、1742年に植物学に転向して植物園長となりました。1735年『自然の体系』(Systema Naturae)、1737年『植物の属』(Genera Plantarum)、1753年『植物の種』(Species Plantarum)を著しました。1778年1月10日に亡くなりました。
 

e0038990_20542017.jpg 『植物の種』では、それまでにない新しい分類方法を考案して用いました。ラテン語の属名と種小名で構成される二名法(binomial nomenclature)です。例えば、ツバキ(椿)は学名で、Camellia japonica L.です。最初の語が属名で、二つめが種小名を表します。この2語の組み合わせによって植物の全てを分類します。最後は命名者を表しています。L.はLinnéの略です。通常は一文字で表す事がありませんが、敬意を表して慣習として許されています。これらの功績から1757年に貴族の称号を与えられました。近代分類学の父と称されています。二名法は現在の国際植物命名規約に受け継がれています。
  Carl von Linné (1707-1778)

カール・フォン・リンネの主な著書
e0038990_21435698.jpge0038990_222830.jpge0038990_223246.jpg
▲「自然の体系」       ▲「植物の属」        ▲「植物の種」

Last modified: 23 May 2007
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2007-05-23 00:00 | 雑記 | Trackback | Comments(2)
イカリソウ(碇草)
 イカリソウ(碇草/錨草)は、メギ科イカリソウ属の多年草です。本州の太平洋側に分布します。名の由来は、花の形状が船舶のイカリ(碇)に似ることから。中国名は、淫羊藿(yínyánghuò)。英名は、Barrenwort、Bishop's hat、Fairy wings、Horny goatweed等。

 メギ科(Berberidaceae Juss. (1789))は、北半球の温帯を中心に約15属570種が分布します。日本には22種が自生します。イカリソウ属(Epimedium L. (1753))は、ヨーロッパからアジアにかけて約25種が分布します。日本には4種3亜種があると言われています。

 山地の明るい林床や斜面に自生します。塊状の地下茎があり木質化します。細長く硬い茎を数本叢生し、20~40cmに斜めに立ち上がります。1本の茎に長い葉柄を出し葉を付けます。葉は2~3回3出複葉です。複葉(compound leaf)は、全裂して2以上に分かれている葉の事です。その分かれた葉を小葉(leaflet)と呼びます。両側に出ている小葉が側小葉(lateral leaflet)で、先端にある小葉は頂小葉(terminal leaflet)です。この小葉が3枚付くものを3出複葉(ternate leaf)と呼びます。この3出複葉がさらに複葉となるものを再複葉(decompound leaf)と呼びます。3回繰り返されるものが3回3出複葉です。この名称は、葉の付き方の形式を複数組み合わせたものである事が分かります。小葉の長さは3~8cmで、基部が心形となり、ゆがんだ卵形をしています。葉の縁には小さな刺毛、葉裏には開出毛があります。

 花期は、4月から5月にかけて。茎の途中から長い花柄を出して総状花序を付けます。萼片は2重になり、外萼片と内萼片のそれぞれに4枚、計8枚があります。外萼片は開花前に脱落します。花の径は2cm内外。花色は紅紫色、淡紅紫色、桃色、淡桃色、白色等があります。花弁は4枚で基部に15~20mmの長い距があります。両性花で雄しべ4個、雌しべ1個があります。他の株の花粉が必要な自家不稔性で、他家受粉によって結実します。子房上位。染色体数は2n=12。果実は袋果です。長さは5mm~30mmで、裂開して5~8個の種子を出します。種子には白色の種枕(しゅちん・caruncle)があり、これを好む蟻などに運ばれ種子が散布されます。

 母種は、ヤチマタイカリソウ(八衢碇草)Epimedium grandiflorum C.Morren var. grandiflorumで、本州から九州にかけて分布します。日本海側には、葉が常緑のトキワイカリソウ(常磐碇草)Epimedium sempervirens Nakai、淡黄色の花をつけるキバナイカリソウ(黄花碇草)Epimedium koreanum Nakaiがあります。

 生薬の淫羊霍(いんようかく)は、ホザキノイカリソウ(穂咲の碇草)Epimedium sagittatum (Siebold et Zucc.) Maxim.の全草を乾燥させたものです。中国原産です。有効成分はフラボノイド配糖体のIcariinで、強壮・強精剤として用いられます。

Japanese common name : Ikari-sou
e0038990_122297.jpg
Epimedium grandiflorum C.Morren. var. thunbergianum (Miq.) Nakai

e0038990_12222332.jpge0038990_12223550.jpg
左:花期の萼片は4枚。 右:葉の縁に刺毛がある
e0038990_12225366.jpg
▲ホザキノイカリソウ(穂咲の錨草)/撮影地:静岡県立大学薬草園 2006.04.06
Epimedium sagittatum (Siebold et Zucc.) Maxim.


イカリソウ(碇草)
メギ科イカリソウ属
学名:Epimedium grandiflorum C.Morren var. thunbergianum (Miq.) Nakai
花期:4月~5月 多年草 草丈:20~40cm 花径:約2cm

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Epimedium : 地名のMediaに由来するepimedion/イカリソウ属
grandiflorum : grandiflorus(大きい花の)
C.Morren : Charles Francois Antoine Morren (1807-1858)
var. : varietas(変種)
thunbergianum : Carl Peter Thunberg (1743-1828)氏の
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)
---
*Epimedium sagittatum (Siebold et Zucc.) Maxim.
sagittatum : sagittatus(やじり形の)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/千代山(Sendai-yama, Alt.226m) 2007.04.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 17 May 2007
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2007-05-17 00:00 | | Trackback | Comments(4)
ニホンカナヘビ(日本金蛇)
 ニホンカナヘビ(日本金蛇)は、カナヘビ科カナヘビ属の爬虫類で、トカゲの仲間です。日本固有種で、北海道から九州までの全国に分布します。名の由来は、日本固有のカナヘビから。カナヘビは、蛇状の長い尾を持ち体色が金属色なので金蛇、可愛いから愛蛇などの諸説があります。通常、略してカナヘビと呼ばれています。

 カナヘビ科(Lacertidae Oppel, 1811)は2亜科あり、約26属280種が分布します。カナヘビ属(Takydromus Daudin, 1802)は、約18種が分布し、日本には5種が分布します。

 低地から山地の草むらに生息します。全長は16~27cm程で、尾は全体の2/3を占めます。胴体のみは5~7cmです。全体に艶のない鱗に覆われています。背面の鱗は6列あり、6本の縦筋に見えます。腹面の鱗は8列あります。背面の体色は灰褐色、腹面は黄白色です。前肢と後肢の計四肢には5本の指があり、先端に鉤爪があります。舌は先が二つに分かれます。目と耳が目立ちます。

 昼行性で、昆虫や蜘蛛を補食します。変温動物なので日向に出て体を温めます。尾は切れやすく、捕まりそうになると自切して逃げ、その後再生します。繁殖は卵生で、5月から8月に複数回、浅い地中に1~8個の卵を産みます。ニホントカゲと異なり卵の保護は行われません。卵は白色で大きさは約10×6mm。1~2ヶ月で孵化します。幼体は黒褐色で体長5~6cm。地中で越冬します。

 日本に生息するカナヘビ属には次の種があります。( [個]は日本固有種)
サキシマカナヘビ(先島金蛇)Takydromus dorsalis Stejneger, 1904 [個]
ニホンカナヘビ(日本金蛇)Takydromus tachydromoides (Schlegel, 1838) [個]
アオカナヘビ(青金蛇)Takydromus smaragdinus (Boulenger, 1887) [個]
アムールカナヘビ(アムール金蛇)Takydromus amurensis (Peters, 1881)
ミヤコカナヘビ(宮古金蛇)Takydromus toyamai Takeda et Ota, 1996 [個]
※日本爬虫両棲類学会 日本産爬虫両生類標準和名(2015年5月28日改訂)の分類に従いました。この資料によると、Takydromusの和名はカナヘビ属であり、クサカナヘビ属の名称はつかわれていません。

参考:ヒガシニホントカゲ(東日本蜥蜴)

Japanese common name : Nihon-Kanahebi
e0038990_2342595.jpg
Takydromus tachydromoides (Schlegel, 1838)

e0038990_232231100.jpge0038990_2322488.jpg
左:目が可愛い? 右:鉤爪があり人の高さ程までは木を登れる

e0038990_23244411.jpge0038990_2325974.jpg
左:背面の様子 右:全体

e0038990_23262636.jpge0038990_23264728.jpg
牛ヶ峰(敷地ルート)2008.05.22 安倍城跡 2014.07.11


ニホンカナヘビ(日本金蛇)
有鱗目トカゲ亜目 カナヘビ科カナヘビ属
学名:Takydromus tachydromoides (Schlegel, 1838)

e0038990_2122812.gif

体長:16~27cm
活動期:4月~11月
繁殖期:5月~8月
分布:北海道・本州・四国・九州

撮影地:静岡県静岡市
千代山(Sendai-yama Alt.226m) 2007.04.30
高山(牛ヶ峰 Alt.717m) 2008.05.22
安倍城跡(Alt. 435m) 2014.07.11

10 June 2012
Last modified: 17 June 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2007-05-16 00:00 | その他の生物 | Trackback | Comments(7)
ヤマネコノメソウ(山猫の目草)
 ヤマネコノメソウ(山猫の目草)は、日本・朝鮮・中国にかけて分布する、ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草です。国内では、北海道から九州にかけて分布する在来種です。名の由来は、花後の裂開した果実が猫の瞳孔に似る事から。ヤマをつけてネコノメソウ(猫の目草)と区別します。

 ユキノシタ科(Saxifragaceae Juss. (1789))は、温帯から寒帯にかけて約17属500種があります。以前は約80属1200種が属する大きな科でしたが、近年に幾つかの科が分離され減少しました。ネコノメソウ属(Chrysosplenium L. (1753))は、世界に約55種、日本に14種が分布します。

 山地の林下に群生します。ネコノメソウと異なり走出枝はありません。花茎と葉柄には軟毛が散生します。茎葉は互生します。ネコノメソウは対生します。腎円形で長さ1~3cm。丸みを帯びた浅い鋸歯があります。花茎の先に花を付けます。萼は平開し、裂片4枚は黄緑色で基部が黄色がかります。花の径は5mm内外で、花弁はありません。雄しべは8個、あるいは4個で、葯の色は黄色です。

 果実は蒴果です。縦に裂けて開き、褐色で楕円形の種子を多数つけます。ネコの目のような形の皿に褐色の多数のゴマが乗っているように見えます。この種子は雨滴散布されます。花の後、花茎の基部に珠芽をつけます。秋頃に芽生えて根出葉で越冬します。染色体数は、2n=24。

参考:ニッコウネコノメ(日光猫目) ハナネコノメ(花猫の目) キバナハナネコノメ(黄花花猫の目)

Japanese common name : Yama-nekonome-sou
e0038990_1245252.jpg
Chrysosplenium japonicum (Maxim.) Makino

e0038990_12455111.jpge0038990_1246443.jpg
左:茎葉は腎円形で互生。全体的に軟質。 右:雄しべは8個か4個で、葯は黄色。 

e0038990_12462179.jpge0038990_12463795.jpg
左:果実は蒴果。2007.03.13 右:褐色で楕円形の種子が多数つく。2007.04.06

e0038990_12465398.jpge0038990_1247101.jpg
左:葉裏。茎には軟毛が散生する。 右:根

ヤマネコノメソウ(山猫の目草)
ユキノシタ科ネコノメソウ属
学名:Chrysosplenium japonicum (Maxim.) Makino
花期:3月~4月 多年草 草丈:10~20cm 花径:約5mm

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Chrysosplenium : chrysos(金の)+spleen(脾臓)/ネコノメソウ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Maxim.: Carl Johann Maximowicz (1827-1891)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
千代山 2007.03.01~04.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 3 May 2007
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2007-05-03 00:00 | | Trackback | Comments(2)