<   2007年 06月 ( 1 )   > この月の画像一覧
フタリシズカ(二人静)
 フタリシズカ(二人静)は、センリョウ科チャラン属の多年草です。中国、朝鮮半島、日本に分布し、国内では北海道から九州までに分布する在来種です。名の由来は、ヒトリシズカに対し2本の花穂が立つ事が多く、それを磯禅師の娘で源義経の愛妾である静御前(Ca.1165-1211)と亡霊が舞う姿に例えられたと言われています。

 センリョウ科 (Chloranthaceae R.Br. ex Sims, 1820) は、熱帯地方を中心に5属約60種が分布します。日本には1属4種があります。雄しべ1~3個と雌しべ1個の花被が無い花を付けます。チャラン属(Chloranthus Swartz)は、日本には3種1)があります。

 山地の林内に自生し、4月から6月頃に花をつけます。茎は無毛で、分枝せずに直立して、高さ30~60cmになります。下部の節に付く葉は広卵形で、膜質の鱗片状となり対生します。これを鱗片葉と言います。上部の節に付く葉は2~3対あり、間隔を開けて対生します。長さ6~9cm、幅4~9cmの楕円形から卵状楕円形で、細かな鋸歯があり、鋸歯先端は棘状となります。葉の先端は尖ります。ヒトリシズカのような光沢はありません。

 葉の展開後、茎頂に穂状花序をつけます。花穂の長さは2~5cmで、1~5本を直立させます。花は長さ2~3mmで白色、約1mmの花柄があります。花弁が無い無花被花です。雄しべ3個が子房を巻くようにつきます。雄しべは広卵形の幅が広い花糸で、葯は内側に付き褐色、両側2本は1個づつ、中央には2個があります。花粉は白色。茎の下部に閉鎖花をつけます。染色体数は、2n=30。果実は核果で径3mm程の広倒卵形。熟すと濃緑色となります。

1)日本のチャラン属3種
キビヒトリシズカ(吉備一人静)Chloranthus fortunei (A.Gray) Solms
ヒトリシズカ(一人静)Chloranthus japonicus Siebold
フタリシズカ(二人静)Chloranthus serratus (Thunb.) Roem. et Schult.

Japanese common name : Futari-shizuka
e0038990_2315355.jpg
Chloranthus serratus (Thunb.) Roem. et Schult.

e0038990_2315153.jpge0038990_23152646.jpg
左:花穂は通常2本が多い 右:5本でもゴニンシズカではない(笑)

e0038990_23153842.jpge0038990_23154720.jpg
左:無花被花で、雄しべ3個が巻いてつく 右:葉は対生で鋸歯がある


フタリシズカ(二人静)
センリョウ科チャラン属
学名:Chloranthus serratus (Thunb.) Roem. et Schult.
花期:4月~6月 多年草 草丈:30~60cm 花径:2~3mm 花穂長:2~5cm

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Chloranthus : chloros(黄緑)+anthos(花)/チャラン(茶蘭)属
serratus : 鋸歯がある
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Roem. : Johann Jacob Roemer (1763-1819)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&に同じ)
Schult. : Josef (Joseph) August Schultes (1773-1831)

撮影地:静岡県静岡市
千代山(Sendai-yama Alt.226m) 2007.05.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 26 June 2007
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2007-06-26 00:00 | | Trackback | Comments(0)