ご承知のように、蝶は止まる時に翅を閉じ、蛾は開いているということで、大凡の違いが分かります。特に気温が高いと翅裏を見せる事が多くなるようです。このヒメウラナミジャノメは名前の通り、翅の裏面に細かい波模様があります。よく見かける蝶です。
参考:ヒメジャノメ(姫蛇目蝶) Japanese common name : Hime-uranami-janome ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目) チョウ目ジャノメチョウ科 学名:Ypthima argus (Butler, 1866) 体長:(前翅長)18~24mm/(開張)38mm 出現期:年3~5回、3月~9月に発生 分布:北海道・本州・四国・九州 食草:チジミザサ、ススキ等、イネ科植物各種/幼虫はイネ科、カヤツリグサ科 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から6.25km 右岸河川敷 2005.07.15, 2006.09.08 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] Last modified: 22 July 2005 #
by pianix
| 2005-07-22 00:00
| 虫
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オニユリ(鬼百合)は、ユリ科ユリ属の多年草です。朝鮮半島が原産地で、古い時代に食用として移入されたと言われています。東アジアに分布します。日本では、北海道から九州に分布します。名の由来は、花被片の色と斑点、大きさから鬼と見立てられたと考えられています。中国名は、卷丹(juàn dān)。
ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ユリ属(Lilium L. (1753))は北半球の亜熱帯から亜寒帯に約100種類が分布します。15種類が日本に自生し、内7種類(ヤマユリ、サクユリ、ササユリ、オトメユリ、イワトユリ、ウケユリ、タモトユリ)は日本特産種です。ユリ属は、1925年に4亜属に分類されました。テッポウユリ亜属、ヤマユリ亜属、カノコユリ亜属です。その他に、これらを掛け合わせた種間雑種があります。これらの花は筒状で横向きに咲きます。 人里近くの平地に野生します。鱗茎は卵球形の黄白色で径5~8cm。収縮根1)を出します。草丈は1~2mで直立し、若い茎には白色の綿毛が密生します。葉は互生します。葉柄はありません。披針形で、長さ5~20cm、幅0.7~1.5cm。全縁、鋭頭。 葉腋に黒紫色の珠芽(鱗芽)を付けます。楕円形で、長さ約7〜10mm、幅約6mm。落下する前に白い根を出していることがあります。 花期は7月から8月。葉腋から花柄を出し、赤橙色で斑点がある筒形の花を多数付けます。花径は10~12cmで、斜め下向きに咲きます。花冠は6裂します。花被片は狭長楕円形で、外花片3、内花被片3の計6枚。赤橙色で、黒紫色の斑点が散在し、強く反り返ります。花被片基部に短毛がある蜜溝があります。 雄しべ6個。葯は丁字につき、花粉は暗紫色。雌しべ柱頭は粘着性があり花粉を付けやすくなっています。子房上位。果実は蒴果です。長さ約4cm。結実は希です。染色体数は、2n=2x=24, 3x=36。 鱗茎を、食用とするほか、蒸したものを第十七改正日本薬局方収載の漢方処方用薬ビャクゴウ(百合)として滋養、鎮咳に用います。これを配合した主な漢方薬に、辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)があります。 我が家から少し離れた土手に、オニユリ(鬼百合)の群生が見られます。この場所のオニユリは、草丈が低く、遠目ではヤブカンゾウのように見えます。 幾つかの場所で草丈のあるオニユリを見つけて、珠芽(むかご)採取をしてみました。ユリは鱗(りん)茎から鱗片を取り出すか、その上に付いている木子(きこ)で増やす事ができますが、珠芽で増やすのが一番簡単なようです。珠芽がつくのがオニユリ、つかないのがコオニユリ(小鬼百合)と見分ける事ができます。 大きなヒマワリと同じように、このオニユリが咲くと夏本番を感じさせられます。 脚注: 1)収縮根 (contractile root):牽引根 traction root)とも言う。地下茎から生じる不定根で、地下茎を地中に引き込む機能を持つ根。伸長、収縮を繰り返す為、表面に環状のしわが出る。 参考文献: [1]Takehiro Suzuki, Masumi Yamagishi : Aneuploids without Bulbils Segregated in F1 Hybrids Derived from Triploid Lilium lancifolium and Diploid L. leichtlinii Crosses, 2016 Volume 85 Issue 3 Pages 224-231 [2]尾崎良子, 尾崎行生, 比良松道, 大久保敬 : 対馬におけるオニユリの倍数性変異 Variation of Ploidy Levels of Lilium lancifolium Thunb. in Tsushima Islands, 園芸学会雑誌 2001 70巻 別冊2 Page179 Japanese common name : Oni-yuri オニユリ(鬼百合) 別名:テンガイユリ(天蓋百合) ユリ科ユリ属 学名:Lilium lancifolium Thunb. 花期:7月~8月 多年草 草丈:100~200cm 花径:10~12cm 【学名解説】 Lilium : li(白)+lium(花)/ユリ属 lancifolium : lancifolius=lancea(槍)+folium(葉)/披針形葉の Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828) --- コオニユリ(小鬼百合) Lilium leichtlinii Hook.f. f. pseudotigrinum (Carrière) H.Hara et Kitam. leichtlinii : Maximilian Leichtlin (1831-1910)氏の Hook.f. : Joseph Dalton Hooker (1817-1911) f. : forma(品種) pseudotigrinum : pseudo(偽の)+tigrinus(虎模様)/虎模様のような Carrière : Elie-Abel Carrière (1818-1896) H.Hara : 原寛 Hiroshi Hara (1911-1986) et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ) Kitam. : 北村四郎 - Shirō Kitamura (1906-2002) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から8.5km 左岸土手 2005.07.19 安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2005.07.15 帆掛山 2021.07.16 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 21 July 2005, 19 August 2021 Last modified: 20 August 2021 #
by pianix
| 2005-07-21 00:00
| 花
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by pianix カテゴリ
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「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 2月末日現在) 合計676,607人 (前年同月比 -5,483人) 男:329,454人 女:347,153人 世帯数324,388戸 (前年同月比 +1.770戸) 最新のコメント
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