コシオガマ(小塩竈)
 コシオガマ(小塩竈)は、ハマウツボ科コシオガマ属の1年草です。日本、中国、朝鮮半島に分布します。日本では、北海道から九州に分布する在来種です。名の由来は、小型でシオガマギク(塩竃菊)に似る事から。塩竈は塩を作る竈。歌舞伎の台詞「浜で美しいのは塩竃」を「葉まで美しい」に掛け合わせた言葉と言われています。

 ハマウツボ科(Orobanchaceae Vent. (1799))は、アジアやヨーロッパに約70属が分布します。コシオガマ属(Phtheirospermum Bunge ex Fischer & C.A.Mey. (1835))は、東アジアに5種があり、日本には1種が分布します。

 低山の日当たりの良い草地に自生します。根はあまり発達せず、他の植物の根から養分を奪う、半寄生植物です。茎には粘着性がある腺毛があり、全体的にべたつきます。直立して枝分かれして、草丈は20~70cmになります。葉は、対生します。長さ3~5cm、幅20~35mmの三角状卵形で、羽状深裂します。裂片は不規則に裂け、鋸歯があります。葉柄は、4~10mm。

 花期は9月から10月。枝先の葉腋に花を単生します。花冠は淡紅紫色。三角状筒形の唇形で、先端は上唇と下唇に2裂し、長さ約2cm。上唇は反り返り先端は2浅裂し、下唇は横に広がり先端は3浅裂します。花冠には下唇には白毛があります。萼は鐘形で5裂し、裂片は長楕円形。鋸歯と腺毛があります。雄しべは4本。葯は白色。果実は蒴果です。卵形で長さ約1cm。種子は楕円形で網目模様があり、約1mm。染色体数は、2n=16。

☆  ☆  ☆

※天気の良い日を選び、再撮影に行きました。残念ながら咲いていた場所には大量の盛り土が運び込まれ、埋まってしまい姿形が見えませんでした。林道の景観が良い場所でしたが、工事のための作業場所のようでした。

Japanese common name :Ko-siogama
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Phtheirospermum japonicum (Thunb.) Kanitz
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葉は、対生し、三角状卵形。羽状深裂し、裂片は不規則に裂け、鋸歯がある。


コシオガマ(小塩竈)
ゴマノハグサ科コシオガマ属
学名:Phtheirospermum japonicum (Thunb.) Kanitz
花期:9月~10月 1年草(半寄生植物) 草丈:20~70cm 花冠長:約2cm

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【学名解説】
Phtheirospermum : phtheir(シラミ)+sperma(種子)/コシオガマ属
japonicum : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Kanitz : August (Agoston, Agost) Kanitz (1843-1896)
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Vent. : Étienne Pierre Ventenat (1757-1808)
Bunge : Alexander Andrejewitsch (Aleksandr Andreevic, Aleksandrovic) von Bunge (1803-1890)
Fisch. : Friedrich Ernst Ludwig von (Fedor Bogdanovic) Fischer (1782-1854)
C.A.Mey. : Carl Anton (Andreevič) von Meyer (1795-1855)

撮影地:静岡県静岡市
林道高山線(Alt. ca.551m) 2016.10.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 29 December 2016
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# by pianix | 2016-12-29 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ホコリタケ(埃茸)
 ホコリタケ(埃茸)は、ハラタケ目ハラタケ科ホコリタケ属のキノコです。世界各地に分布します。日本では、全国に分布する在来種です。名の由来は、胞子が埃のように放出される事から。英名は、Common Puff Ball。中国名は、网纹马勃。生薬名は、バボツ(馬勃)。

 ハラタケ科(Agaricaceae Chevall. (1826)) は、85属1340種が分布すると言われています。ホコリタケ属(Lycoperdon Pers. (1794) : Pers.)は、日本では十数種の記載があるものの研究が待たれる分野です。

 夏から秋に、林下や草地に発生します。子実体は擬宝珠形で、頭部の下にスポンジ状で胞子が含まれない無性基部があり、径2~6cm、高さ3~6cm。幼菌は白色ですが、灰褐色へと変色します。外皮は頭頂部に三角錐状の刺状突起があり、側面以下は粒状物が付きます。これらは次第に色が濃くなり、剥離して網目紋を表します。

 頭部内部は、初め肉質の白色で、やがて綿状黒褐色の胞子塊になります。成熟すると、頭頂部に小孔が開き、雨や風、動物等の刺激振動で胞子を噴出させて散布します。胞子は、径約4μm。胞子紋は、胞子紋は黄褐色。風、動物等の刺激振動で胞子を噴出させて散布します。胞子は、径約4μm。胞子紋は、胞子紋は黄褐色。

 類似種として、朽ち木に発生するタヌキノチャブクロ(狸の茶袋)Lycoperdon pyriforme Schaeff. があります。

☆  ☆  ☆

 ホコリタケは、私の好きなキノコの一つです。結構頻繁に目にします。誰もがやるように、ツンツンと突いて胞子を噴出させるのが楽しく、思わず童心に返ってしまいます。そんな事していじめたら可哀想ではないかと思われるかもしれませんが、このキノコの立場で考えると、願ったり叶ったりではと思います。踏みつけられて潰れたとしても、胞子をばらまくのが子実体の役目ですから、ありがとうねと言われるかもしれません(喋ったら怖い)。もっとも、大量に胞子を出すので、突いて直ぐに逃げたりもします。

Japanese common name : Hokori-take
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Lycoperdon perlatum Pers.

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幼菌は白色
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三角錐状の刺状突起がある。無いものは、タヌキノチャブクロの可能性がある

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熟すと刺状突起は剥離して無くなり、網目紋となる
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頭頂部に穴が開き、刺激を受ける事で胞子が放出される
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胞子を出し切って潰れた老菌


ホコリタケ(埃茸)
別名:狐の茶袋
ハラタケ科ホコリタケ属
学名:Lycoperdon perlatum Pers.
子実体発生期:夏~秋 腐生菌 頭部径:2~6cm 高さ:3~6cm

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【学名解説】
Lycoperdon : lykos (オオカミ)+perdon(放屁)/ホコリタケ属
perlatum : perlatus(非常に広い)
Pers. : Christiaan Hendrik Persoon (1761-1836)

撮影地:静岡県静岡市
駿河区大谷・静岡大学構内 2007.11.18
安倍城跡 2008.04.15, 2008.05.20, 2008.11.26, 2012.03.28, 2012.10.26
高山(牛ヶ峰)2016.10.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 22 December 2016
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# by pianix | 2016-12-22 00:00 | 菌類 | Trackback | Comments(0)