ムラサキニガナ(紫苦菜)
 ムラサキニガナ(紫苦菜)は、キク科ムラサキニガナ属の多年草です。日本、中国、台湾、ベトナムに分布します。日本では、本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、花が紫色で苦い白乳液を含む事から。中国名は、假福王草(jiǎ fú wáng cǎo)。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, (1792)は、「合成された」との意味から。ムラサキニガナ属(Paraprenanthes Chang ex C.Shih (1988))は、アジアの温帯から熱帯に分布します。旧分類のアキノノゲシ属(Lactuca L. (1753))は、世界に約100種を数え、紀元前4500年のエジプトの墳墓の壁画に描かれているほど古くから知られています。

 山地の林縁に自生します。茎は細く中空で、直立し無毛。上部で花茎を多数出します。草丈は60~120cm。傷つけると白乳液が出ます。葉は互生します。茎下部の葉は不規則に羽状分裂し、長さ約20cm。上部は披針形となり小型。葉裏は白色を帯びます。

 花期は、6月から8月頃。花茎先端に円錐花序を出します。頭花は舌状花の集合体で、径約1cmの紫色。下向きに多数つきます。舌状花は8~11個で、花被片先端に5個の鋸歯があります。花被は筒状の先で平開します。柱頭は2分岐して丸まります。総苞は長さ約1cmで、総苞内片と小萼状の短い総苞外片があります。果実は痩果です。種子は黒色で長さ3~4mm、先端に長さ約4mmの白色の冠毛が付きます。染色体数は、2n=18。

 近縁種に、腺毛がある変種の、ケムラサキニガナ(毛紫苦菜)Lactuca sororia Miq. var. pilipes (Migo) Kitam. [異分類]や、白花品種の、シロバナムラサキニガナ(白花紫苦菜)Lactuca sororia Miq. f. albescens Honda [異分類]があります。北海道にはアキノノゲシ属で雰囲気が異なる、エゾムラサキニガナ(蝦夷苦菜)Lactuca sibirica (L.) Benth. ex Maxim. があります。

Japanese common name : Murasaki-nigana
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Paraprenanthes sororia (Miq.) C.Shih

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左:花は下垂する。 右:蕾

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左:淡い紫色の頭花。 右:花被先端には鋸歯がある(ケムラサキニガナ)。

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左:茎下部の葉は不規則に羽状分裂する。 右:蕾と痩果が混在する事が多い。


ムラサキニガナ(紫苦菜)
キク科ムラサキニガナ属
学名:Paraprenanthes sororia (Miq.) C.Shih
synonym : Lactuca sororia Miq.
花期:6月~8月 多年草 草丈:60~120cm 花冠径:約1cm

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【学名解説】
Paraprenanthes : Parapara(異なった)+prenes(下垂した)+anthe(花)/ムラサキニガナ属
sororia : sororius(塊になった)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
C.Shih : Chu Shih (1934- )
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Lactuca : チシャ(萵苣)の古名。葉や茎から乳(lac)を出すことから/アキノノゲシ属

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡(Alt.435m) 2011.08.12, 2014.07.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 2 February 2017
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# by pianix | 2017-02-02 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ゴマダラチョウ(胡麻斑蝶)
 ゴマダラチョウ(胡麻斑蝶)は、タテハチョウ科ゴマダラチョウ属の蝶です。東アジアに分布します。日本では、北海道の一部から九州までに分布します。名の由来は、黒色の翅に白紋が散在する胡麻状まだら模様の蝶である事から。胡麻斑の名が付くものに、昆虫ではゴマダラカミキリ(胡麻斑天牛)があり、同じ漢字でも読みが異なるゴマフアザラシ(胡麻斑海豹)があります。英名は、Siren Butterfly。ちなみに、Sirenはギリシャ神話の美声の魔女。

 タテハチョウ科(Nymphalidae Rafinesque, 1815)は南極を除く世界の大陸に約6,000種が分布し、日本には約52種が生息すると言われています。タテハチョウ科の特徴は、翅の斑紋が裏表で異なり、前脚が退化して短くなっている事です。後翅の中室は開き、触覚に鱗粉があります。ゴマダラチョウ属(Hestina Westwood, 1850)は、日本には本種とアカボシゴマダラ奄美大島亜種1)の2種があります。近年、人為的移入と考えられるアカボシゴマダラ名義タイプ亜種(大陸亜種)2)が拡大して、生態系被害防止外来種(緊急対策外来種)に指定されています。

 完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)をします。幼虫は頭部に一対の角を持ち、背中の突起は、2対3列あります。エノキ(榎)3)、寒冷地ではエゾエノキ(蝦夷榎)4)を食草とします。幼虫(4~5齢)で越冬します。越冬場所は、エノキの樹下で、枯れ葉の中です。時期が来ると樹を登って葉に取り付き、逆さにぶら下がる垂蛹型の蛹となり、羽化します。

 成虫は5月から8月頃に、雑木林の周辺に現れます。暖地では9月~10月にも現れる事があります。前翅長は、35~50mm、開張は60~85mm。翅は黒褐色の地に白斑と帯状の斑模様があります。退化した前肢、中肢、後肢の、それぞれ1対があります。クヌギ等の樹液や、腐果、獣糞を吸汁します。口吻は淡黄色。複眼は暗黄色で、瞳のような偽瞳孔があります。滑空するように飛翔します。エノキの葉に産卵します。

1)アカボシゴマダラ(赤星胡麻斑)奄美亜種
Hestina assimilis shirakii Shirozu, 1955 [準絶滅危惧(NT)]
2)アカボシゴマダラ(赤星胡麻斑)名義タイプ亜種(大陸亜種)
Hestina assimilis assimilis (Linnaeus, 1758) [生態系被害防止外来種(緊急対策外来種) 旧要注意外来生物]
3)エノキ(榎)Celtis sinensis Pers. [アサ科エノキ属]
4)エゾエノキ(蝦夷榎)Celtis jessoensis Koidz. [アサ科エノキ属]

参考:ヒカゲチョウ(日陰蝶)の給水

☆  ☆  ☆

 夏の盛り時期、キャンプ場にいました。付近を歩き回っていた時、何か変だと気付きました。トレッキングパンツに蝶が止まっているのです。例の如く、汗を吸いに来たのだと推測しました。気にしない事にして足早に歩きました。ところが、どんな動作をしても懸命にしがみついているようで、蝶は離れてくれません。蝶に好かれても嬉しくありません。付近にいる子供たちに引き渡そうかと思いましたが、蝶に何も興味がないようでした。何十分か経ったところで強引に引き剥がしました。何事もなかったかのように夏の空に飛び立って行きました。ここまで強引に張り付いていた蝶は初めてでしたので印象に残りました。

Japanese common name : Gomadara-tyou
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Hestina persimilis japonica (C.Felder et R.Felder, 1862)
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ズボンにしがみつくの、やめてくれない?
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汗を吸うのに忙しいようで、振り落とそうとしても離れてくれない
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葉の上で休憩 2007.09.27
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地表で給水 2009.07.22


ゴマダラチョウ(胡麻斑蝶)
チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科ゴマダラチョウ属
学名:Hestina persimilis japonica (C.Felder et R.Felder, 1862)
※日本本土亜種

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体長:(前翅長)35~50mm/(開張)60~85mm
出現期:5月~6月/7月~8月/(9月~10月)
分布:北海道・本州・四国・九州
食草:エノキ、エゾエノキ

【学名解説】
Hestia : ギリシア神話の炉の女神/ゴマダラチョウ属
persimilis : 非常に類似
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
C.Felder : Baron Cajetan von Felder (1814-1894)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
R.Felder : Rudolf Felder (1842-1871)

撮影地:静岡県静岡市
清水区西里 静岡市清水森林公園 黒川キャンプ場 2015.08.14
安倍川/河口から6.5km 河川敷 2007.09.27
賤機山 2009.07.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 26 January 2017
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# by pianix | 2017-01-26 00:00 | | Trackback | Comments(0)