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タゴガエル(田子蛙)
 タゴガエル(田子蛙)は、アカガエル科アカガエル属の蛙です。本州、四国、九州に分布する、日本固有種です。名の由来は、命名者の岡田彌一郎(Yaitiro Okada 1892-1976)氏が動物学者の田子勝彌(Katsuya Tago 1877-1943)氏に献名した種小名[tagoi]にちなむ。英名は、Tago's Brown Frog。

 アカガエル科(Ranidae Rafinesque, 1814)は、南極及びオーストラリア以外に分布し、日本には23種が分布しています。アカガエル属(Rana Linnaeus, 1758)は、日本には日本固有種14種、帰化種1種が分布し、絶滅危惧種8種が含まれます。

 カエルは両生綱です。この仲間は、成長の過程で水中から陸上へ移ります。尾が残る有尾目と尾が無くなる無尾目に別れます。カエルは、成体時に尾を失う無尾目です。成長に従って、魚類型から陸上動物型に変態します。甲状腺ホルモン(thyroxine)が変態を促す(Gudernash 1912)事が知られています。幼生はエラ呼吸を、成体は尾が消えて肺呼吸をします。幼生時に丸かった頭は成体になると尖ります。

 口は上下に大きく広がり、下顎の先端に丸められた舌があります。舌は瞬時に伸ばす事ができて小動物を捕獲します。目には瞼があり、目を保護する瞬膜があります。目の後方には鼓膜が露出した黒色の耳があります。表皮に粘液腺があり、乾燥から皮膚を保護します。2心房1心室の心臓、2つの肺があります。

 タゴガエルは山地に棲息し、渓流沿いに多くがいます。ヤマアカガエル(山赤蛙)に酷似しています。体色は赤褐色から暗褐色、灰黒色で個体差があります。体長は成体で30~58mm程。背中には2本の隆起線である背側線(背側線粒上隆条)があり、鼓膜の背側で外側に曲がります。この形状はヤマアカガエルと同様で、ニホンアカガエル(日本赤蛙)の場合は直線です。のど元に暗色の細かい斑点があります。四肢があり、前脚に短い4本、後脚に5本の指があり、ヤマアカガエルよりも小さな水掻きが付いています。指先には小さな吸盤があります。繁殖期の鳴声は低く、グゥー、グゥーと独特の声です。穴の中や岩の下で鳴くので、声は聞えても見つけ出すのは困難です。

 繁殖期は1~2月、4~5月。伏流水の岩隅に30~100個程の卵塊を産卵します。粘り気のある塊状で、卵の直径は約3mm。卵に精子がかけられ受精します。卵は白色で、透明なゼリー状の膜に覆われています。2週間ほどで孵化します。孵化した後の幼体は白っぽい体色で、尾があり、エラ呼吸をする、いわゆるオタマジャクシ(お玉杓子)です。お多賀杓子が語源と考えられています。この時期は雑食性です。変態の過程は、約40日後に後脚、その後に前肢が出ます。約70日後に尾が短くなり始め、陸へ上がります。変温性で水底冬眠をします。成体体重は22g前後。寿命は4年程。染色体数は、2n=26。

 仲間に亜種で隠岐島に棲息する、オキタゴガエル(隠岐田子蛙)Rana tagoi okiensis Daito, 1969 [準絶滅危惧]、屋久島に棲息する、ヤクシマタゴガエル(屋久島田子蛙)Rana tagoi yakushimensis Nakatani et Okada, 1966 [準絶滅危惧]、近年に発見された、ナガレタゴガエル(流田子蛙)Rana sakuraii Matsui et Matsui, 1990 がいます。長野県根羽村で2002年に発見され染色体数が2n=28の、ネバタゴガエル(根羽田子蛙)Rana neba Ryuzaki, Hasegawa et Kuramoto, 20141) は、鳴声がワンと聞える事から話題になりました。

 良く似た仲間に、日本固有種で山地棲息のヤマアカガエル(山赤蛙)Rana ornativentris Werner, 1903、在来種で平地棲息のニホンアカガエル(日本赤蛙)Rana japonica Boulenger, 1879、がいます。

1)A new brown frog of the genus Rana from Japan (Anura: Ranidae) revealed by cytological and bioacoustic studies. Masashi Ryuzaki*3, Yoshinori Hasegawa*2, Mitsuru Kuramoto*1, 2014. Alytes, 2014 VOLUME 31: 49-58
*1Mitsuru Kuramoto 倉本満(福岡教育大)
*2Yoshinori Hasegawa 長谷川嘉則(カズサDNA研究所)
*3Masashi Ryuzaki (-2013) 龍崎正士(北里大)
※参考資料:日本産爬虫両生類標準和名(2015年5月28日改訂)

Japanese common name : Tago-gaeru
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Rana tagoi tagoi Okada, 1928
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背中の背側線は鼓膜を境に内側に曲がる。 2007.10.31
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撮影地:静岡市葵区牛妻/不動の滝 2007.10.31

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左:穴の中が暗いのでライトを使用。のど元にある暗色の細かい斑点が特徴。右:背中。
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撮影地:安倍城跡(内牧ルート) 2008.08.29
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撮影地:牛ヶ峰(高山)谷沢ルート 2008.09.03
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軍手の手のひらに乗る亜成体 牛ヶ峰(高山)谷沢ルート 2008.11.07
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軍手の手のひらに乗る亜成体 牛ヶ峰(高山)谷沢ルート 2008.11.07
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軍手の指先に乗る亜成体 牛ヶ峰(高山)谷沢ルート 2008.11.07
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亜成体 小さいから怖くない。しかし1mは軽く跳ね飛ぶ。 2012.10.26
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亜成体 正面から見ると変な顔。撮影地:安倍城跡(西ヶ谷ルート) 2012.10.26


タゴガエル(田子蛙)
カエル目(無尾目)アカガエル科アカガエル属
学名:Rana tagoi tagoi Okada, 1928

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分布:本州・四国・九州
体長:30~58mm
繁殖期:1~2月、4月~5月
食餌:昆虫、クモ、ミミズ等

撮影地:静岡県静岡市
牛妻不動の滝 2007.10.31
安倍城跡(Alt.435m) 2008.08.29, 2012.10.26
牛ヶ峰(高山 Alt.717m) 2008.09.03, 2008.11.07
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

25 Augustl 2013, 4 April 2015
Last modified: 17 June 2016
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by pianix | 2013-08-25 00:00 | その他の生物 | Trackback | Comments(0)