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スズメノカタビラ(雀の帷子)
 スズメノカタビラ(雀の帷子)は、イネ科イチゴツナギ属の1~2年草です。世界に広く分布し、日本でも全国で見られる史前帰化植物1)です。名の由来は、雀は小さいを表す接頭語で、帷子は裏地のない一重の着物の事であり、合わせて、小さな着物に見立てたもの。中国名は、早熟禾(zǎoshúhé)。

 イネ科(Poaceae Barnhart (1895))は、世界に約600属9500種以上が分布する規模の大きな科で、野生種は日本に700種程が知られています。イチゴツナギ属(Poa L. (1753))[ナガハグサ属]は世界で数100種があり、日本では約20種の野生化が確認されています。

 スズメノカタビラの仲間は、あらゆる所に進出していて、南極大陸でも確認2)されています。10~25cmの高さで株状になり、根は髭根で、浅くても抜きにくく、草取り作業では手こずらされます。葉は、長さ4~10cm、幅2~3mmの線形で先が尖ります。暖地では冬の間も花が咲きます。4~5cm程の円錐状の花序をつけ、3~5mmの小穂(しょうすい)に卵形で淡緑色の花(穎花)をつけます。護穎(ごえい)と内穎(ないえい)に包まれて雄しべ3個と雌しべがあります。風媒花。種子で繁殖します。染色体数は、2n=4x=28。

 畑では代表的な害草とされ、ゴルフ場では、その駆除に翻弄される程の繁殖力を持ちます。防除のために細菌を使ったりする研究が進められているほどです。もしこれが人に対して有用なものであれば、いとも簡単に手に入る事になるのですが、利用が見つからず残念な事です。類似種にナガハグサ(長葉草)があります。

 1)帰化植物は大別すると次のように分けられます。自然帰化植物、逸出帰化植物、仮住帰化植物、予備帰化植物、史前帰化植物です。自然帰化植物は、気が付かない内に侵入してきて帰化したもの。逸出帰化植物は人為的帰化植物とも言われ、有用植物が栽培状態から脱して野生化したもの。仮住帰化植物は、侵入後発芽に成功するものの気候風土になじまず短期間の内に消滅するもの。予備帰化植物は準帰化植物とも言われ、一部地域に帰化したものの広域には拡大していないもの。史前帰化植物は、有史以前に稲作技術に伴って伝播してきたもので、文献などの記録が無い植物群の事です。

 2) 南極の昭和基地、南25kmの岩場に生育が確認されたのは、オオスズメノカタビラ(大雀の帷子)Poa trivialis L です。1995年の第36次観測隊が発見し、2006年にも第47次観測隊が14本を確認。内3本は枯れていて、残り7本は成育中です。

Japanese common name : Suzume-no-Katabira
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Poa annua L.

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護穎(ごえい)と内穎(ないえい)に包まれて雄しべと雌しべがある


スズメノカタビラ(雀の帷子)
イネ科イチゴツナギ属
学名:Poa annua L.
花期:3月~11月 1~2年草 草丈:10~25cm 小穂:3~5mm

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【学名解説】
Poa : paein(草) に基づく/イチゴツナギ属(ナガハグサ属)
annua : annuus(一年生の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
内牧川(安倍川水系) 2006.02.02
葵区西ヶ谷 2014.04.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

4 February 2006
Last modified: 23 April 2014
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by pianix | 2006-02-04 00:00 | | Trackback | Comments(3)