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ショウジョウカ(猩猩花)
 ショウジョウカ(猩猩花)は、アオイ科イチビ属の常緑低木です。グアテマラ、ウルグアイ原産の栽培種です。多くの品種があり、世界の広くで栽培されています。名の由来は、花を中国の伝説上の動物である猩々の赤ら顔に例えたもの。中国名は金铃花で、日本にはオミナエシ科オミナエシ属に同名のキンレイカ(金鈴花)があります。

 アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は、約240属3700種。旧分類では約75属1500種が分布します。イチビ属(Abutilon Mill. (1754))は、アジアからヨーロッパにかけての温帯から熱帯に約100種があります。日本には3属があり、2種が自生します。

 水はけの良い明るいところを好みます。幹は灰褐色で、横長の疣状突起があり、高さ2~3mになります。葉は互生します。葉柄は3~5cm。掌状形に3~5中裂し、長さ5~15cm。葉に黄班が入るものがあります。

 花期は6月から11月。温暖な地域では四季咲きとなります。越冬気温は3~5℃。葉腋から長い花柄を出し、橙色の花をつけます。萼は筒状で緑色、星状毛があり、先が5裂します。5枚の花弁は交互に重なり合い、暗赤色で血管のような脈状模様が入ります。花冠は鐘状形で径2~4cm。花弁長は、4~5cm。下向きに咲き、雄しべと雌しべが花冠から突き出ます。雄しべは合着して筒状となり、葯色は黄色。その先端に5本の雌しべ花柱が伸び、柱頭は赤色。果実は、蒴果です。

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 里山を歩くと家庭菜園としての農耕地が点在しているのが目に付きます。野菜を作られている方が多いのですが、傍らにきれいな花が咲いている時があります。そのような場合は、必ずと言って良いほど女性の方が作業をされています。作業する農地に彩りを与えるための、女性の細やかな心遣いなのでしょう。掲載した木が植えられている山の農地は、男性の姿しか見たことがありません。草花と異なり、樹木は男性の趣味かもしれません。はたして女性が植えた物なのかどうか、興味があります。

Japanese common name : Syouzyou-ka
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Abutilon pictum (Gillies ex Hook.) Walp.

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葉腋から長い花柄を出し、橙色の花をつける。

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花冠は鐘状形。雄しべは合着して筒状、先端に5本の雌しべがつく。

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萼には星状毛がある

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左:花後は花冠ごと落下する。花柱最下部に子房 右:花柱を取り除いた子房

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左:子房は白毛に覆われている 右:子房断面 胚珠

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左:成熟した果実断面 右:種子

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葉は掌状形で3~5中裂する。幹は灰褐色。


ショウジョウカ(猩猩花)
旧別名:アブチロン・ストリアツム
アオイ科イチビ属
学名:Abutilon pictum (Gillies ex Hook.) Walp.
synonym : Abutilon striatum Dicks. ex Lindl.
花期:6月~11月 常緑低木 樹高:2~3m 花冠径:約4cm

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【学名解説】
Abutilon : a(否定)+ bous(牡牛)+tilos(下痢)/イチビ属
pictum : pictus(有色の、色彩ある)
Gillies : John Gillies (1792-1834)
ex : ~による
Hook. : William Jackson Hooker (1785-1865)
Walp. : Wilhelm Gerhard Walpers (1816-1853)
---
synonym : (シノニム)同物異名
striatum : striatus(線条のある、線溝のある)
Dicks. : James (Jacobus) J. Dickson (1738-1822)
Lindl. : John Lindley (1799-1865)

撮影地:静岡県静岡市
賤機山(昭府町) 2017.11.23, 2017.12.06, 2017.12.28, 2018.01.15, 2018.02.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

12 December 2017, 31 December 2017
Last modified: 11 February 2018
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by pianix | 2017-12-12 00:00 | | Trackback | Comments(0)
イチビ(*伊知比)
 イチビは、アオイ科イチビ属の1年草で、インド原産の帰化植物です。アジア、南ヨーロッパ、北アフリカ、オーストラリア、北アメリカに分布します。古くに中国から繊維作物として導入され、1905(明治38)年に定着が確認されています。標本では1865年のものが存在します。日本では、全国に分布します。生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。名の由来は、茎の芯を火口に使用した事から、打火が転訛したとの説があります。別名のキリアサ(桐麻)は、葉をキリに見立てたもの。中国名は、莔麻(méng má)。英名は、Velvetleafの他、多数あります。

 アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は、温帯から熱帯に、約75属1500種が分布します。イチビ属(Abutilon Mill. (1754))は、アジアからヨーロッパにかけての温帯から熱帯に約100種があります。日本には3属があり、2種が自生します。

 現在、日本には2系統のイチビが存在します。栽培されていたイチビが逸出して野生化したものと、近年入ってきた輸入穀物混入系統です。果実に違いが見られ、古くからあった栽培逸出系統は蒴果が黒くならず、輸入穀物混入系統は熟すと蒴果が黒くなり種子の生産量が多くなる性質があります。両系統は遺伝的に遠い関係にあるとされています。

 葉は互生し、長い柄があります。長さ7~10cmの心円形で鋸歯があり、両面に軟毛があります。英名のVelvetleafは、そのベルベットのような感触から名付けられたと思われます。独特の臭いがあります。葉腋から花茎を伸ばし先端に花を単生させます。花は黄色の5弁花で、直径15~20mm。夕には萎む一日花です。雄しべは筒状に合着します。子房は合着した雄しべに包まれています。両性花です。果実は分果で、10~15分果になり、1分果に直径3mmの種子が3~5個あります。染色体数は、2n=42。

 畑地の強害草です。近似種に、ニシキアオイ(錦葵)Anoda cristata D.F.K.Schltdl.があり、メキシコ原産で花色は紫色です。別名はミズイロアオイ。こちらもアメリカなどでの畑地強害草です。

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 去年、海に近い土手斜面でイチビが咲いているのを確認しました。近くの畑地から種子が飛んで来たものと考えられます。しかし、畑でイチビは確認されませんでした。しばらくして様子を見に行くと、刈り取られたのか所在が不明になりました。イチビの種子は土中で20年以上の寿命がありますから、今後も観察を続けたいと考えています。

Japanese common name : Itibi
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Abutilon theophrasti Medik.

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▲ 撮影地:安倍河口から0.50km/左岸土手 2005.09.14
左:果実 右:全体

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▲ 撮影地:静岡県立大学薬用植物園 2006.09.08
左:黒色化した果実がある 右:葉
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▲ 撮影地:藤枝市岡部町・朝比奈川 2010.08.22
黒色化した実


イチビ(*伊知比)
別名:ボウマ(ぼう麻)/キリアサ(桐麻)
アオイ科イチビ属
学名:Abutilon theophrasti Medik.
synonym : Abutilon avicennae Gaertn.
花期:7月~9月 1年草 草丈:100~250cm 花径:15~20mm

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【学名解説】
Abutilon : a(否定)+bous(牝牛)+tilos(下痢)/イチビ属
theophrasti : Theophrastus (372-287 BC)に因むTheophrasta属のような
Medik. : Friedrich Kasimir Medikus (1736-1808)
---
avicennae : Avicenna(980-1037)に因む
*Avicenna [Abu-Ali Al-Husain Ibn Abdullah Ibn Sina]
Gaertn. : Joseph Gaertner (1732-1791)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0.50km 左岸土手 2005.09.14
静岡県立大学薬用植物園 2006.09.08
藤枝市岡部町 2010.08.22
[Location : Shizuoka City, & Fujieda City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

13 September 2006, 08 September 2010
Last modified: 30 August 2016
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by pianix | 2006-09-13 00:00 | | Trackback | Comments(2)