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イヌコウジュ(犬香薷)
 イヌコウジュ(犬香薷)は、シソ科イヌコウジュ属の1年草です。日本・朝鮮半島・中国に分布します。日本では全国に分布する在来種です。名の由来は、役に立たないとの意味で犬を冠した香薷。香薷は、香りが強く薬草となるもの全般を指し、その代表である漢方薬で解熱剤に使われるナギナタコウジュ(薙刀香薷)に似る事から。中国名は右薺寧。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。イヌコウジュ属(Mosla (Bentham) F. [Buchanan] Hamilton ex Maximowicz, 1875)は、東アジアの温帯から亜熱帯に広く分布します。

 茎は四角形で直立し、細毛があり紅紫色を帯びます。枝分かれしながら草丈30~60cmになります。葉は対生します。卵状披針形か長楕円形で、長さ2~4cm、幅1~2.5cm。6~13の浅い鋸歯があります。花期は9月から10月頃で、枝先に3~8cmの穂状の花序を付けます。花は筒状になった合弁花冠で淡紫色、上唇と下唇に分かれた、花冠長3~4mmの唇形花です。両生花で、雄しべは4個、下側2個は葯を失った仮雄しべです。萼は2~3mmですが、花後には4mm程になります。萼は5裂します。上唇は3裂、下唇は2裂します。上唇の裂片は尖ります。果実は、4分果の小堅果です。倒卵形で網目模様があり、1.2~1.3mmで茶色です。

 類似種に、同じイヌコウジュ属のヒメジソ(姫紫蘇)Mosla dianthera (Buch.-Ham. ex Roxb.) Maxim. があります。こちらは鋸歯が4~6対あり荒く、萼の上唇裂片が尖りません。他に、トウバナ(塔花)Clinopodium gracile (Benth.) Kuntze、ナギナタコウジュ(薙刀香薷)Elsholtzia ciliata (Thunb.) Hyl.、春に咲くミゾコウジュ(溝香薷)Salvia plebeia R.Br.があります。

Japanese common name : Inu-kouju
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Mosla scabra (Thunb.) C.Y.Wu et H.W.Li

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左:花冠と尖った萼裂片 右:全体。茎には4稜がある


イヌコウジュ(犬香薷)
シソ科イヌコウジュ属
学名:Mosla scabra (Thunb.) C.Y.Wu et H.W.Li
synonym : Mosla punctulata (J. F. Gmel.) Nakai
花期:9月~10月 1年草 草丈:30~60cm 花冠長:3~4mm

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【学名解説】
Mosla : インド語のマサラ(スパイスの意味)/イヌコウジュ属
scabra : scabrum(凸凹ある、ざら付いた、粗面の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
C.Y.Wu : Cheng Yih Wu (1916- )
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
H.W.Li : Hsi Wen Li (1931- )
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punctulata : punctulatus(細点がある)
J. F. Gmel. : Johann Friedrich Gmelin (1748-1804)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.09.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

30 September 2006
Last modified: 4 June 2014
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by pianix | 2006-09-30 00:00 | | Trackback | Comments(2)