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ノカンゾウ(野萓草)
 ノカンゾウ(野萓草)は、ススキノキ科ワスレグサ属の多年草です。日本・中国・朝鮮半島・サハリンが原産です。国内では全国に分布する在来種です。八重咲きのヤブカンゾウ(藪萓草)より若干小型の一重咲き種です。名の由来は、漢名であるカンソウ(萓草)の音読みの転訛が元となり、自生地が野山である事からです。

 APG体系では、ススキノキ科(Xanthorrhoeaceae Dumort. (1829))で、約34属1200種が分布します。旧分類のユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ワスレグサ属(Hemerocallis L. (1753)) は、ユーラシアの温帯に約20種あり、日本には約5種が自生します。

 根は紡錘(ぼうすい)状に膨らみ、匐枝を出して増殖します。葉は2列に根生し、基部が抱き合う跨状(こじょう)となります。長さ40cm~70cm、幅10~15mmの広線形です。多年草ですが地上部は枯れます。花茎は70~90cmで、Y字形に分岐して花序を付け、下から順に花を咲かせます。

 花期は7月から9月頃。花径は7~8cmで、花色は橙赤色から赤褐色。赤味の強いものをベニカンゾウ(紅萓草)と呼ぶ事があります。花被片は6枚で、中央に黄色の筋があり、上向きに咲きます。筒状に合着した花筒は3~4cmで、ヤブカンゾウの2cm程度と比べ長くなります。この特徴が旧種小名のlongituba(長い管の)として採用されていました。雄しべは6本、長く伸びた雌しべが1本あります。属名のHemerocallis「一日美しい」が表すように、朝開いて夕には萎む一日花です。染色体数は2n=22。

 類似種として、海岸に咲く常緑種のハマカンゾウ(浜萓草)Hemerocallis fulva L. var. littorea (Makino) M. Hottaがあります。浜・藪・野を冠した3種のカンゾウが一般的で、母種とされるシナカンゾウ(志那萓草)Hemerocallis fulva L. var. fulvaは日本には自生せず栽培されるのみです。

Japanese common name : No-kanzou
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Hemerocallis fulva L. var. disticha (Donn ex Ker Gawl.) M.Hotta
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果実 2006.09.05


ノカンゾウ(野萓草)
別名:ベニカンゾウ(紅萓草)
ススキノキ科ワスレグサ属
学名:Hemerocallis fulva L. var. disticha (Donn ex Ker Gawl.) M.Hotta
synonym : Hemerocallis fulva L. var. longituba (Miq.) Maxim.
花期:7月~9月 多年草 草丈:70~90cm 花径:7~8cm

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【学名解説】
Hemerocallis : hemera(一日)+callos(美)/ワスレグサ属
fulva : fulvus(茶褐色の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)
disticha : di(2つの)+stichos(列)/二列の
Donn : James Donn (1758-1813)
ex : ~による
Ker Gawl. : John Bellenden Ker Gawler (1764-1842)
M.Hotta : 堀田 満 Mitsuru Hotta (1937-)
---
longituba : longitubus(長い管の)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から7.00km右岸河川敷 2006.08.15 / 09.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

17 August 2006, 5 July 2013, 3 April 2015
Last modified: 29 June 2016
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by pianix | 2006-08-17 00:00 | | Trackback(1) | Comments(6)
ヤブカンゾウ(薮萓草)
 ヤブカンゾウ(薮萓草)は、ユリ科ワスレグサ属の多年草です。中国が原産で、古い時代に日本へ渡来した史前帰化植物と言われています。北海道から九州に至る全国に分布しています。名の由来は、漢名である「萓草」を音読したもの。カンゾウと名が付くものは幾つかあります。八重咲きのものがヤブカンゾウ、一重のものはノカンゾウ(野萓草)です。「藪」は「野」よりも人家の近くにある事を表します。別名のワスレグサ(忘れ草)は萓草の意訳で、花を見て憂いを忘れる中国の故事に因んだものです。英名は、Tawny daylily。

 基本種とされるホンカンゾウ(本萓草)1)、別名シナカンゾウ(志那萓草)は、日本には自生しません。ホンカンゾウの根を乾燥させたものが生薬カンゾウコン(萱草根)で、蕾を乾燥させたものがキンシンサイ(金針菜)として用いられます。ヤブカンゾウは代用として用いられる事があります。単にカンゾウと言った場合は、淡紫色の蝶形花を咲かせ生薬の甘草に使われるマメ科の別種を指します。

 ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ワスレグサ属(Hemerocallis L. (1753)) は、ユーラシアの温帯に約20種あり、日本には約5種が自生します。

 匍匐茎を出して繁殖します。葉は根生葉があり、花茎にはありません。長さ40~60cm、幅2.5~4cmの広線形です。葉の間から長さ50~100cmの花茎を出します。花期は6月から8月頃。花は、雄しべが花弁化した橙赤色の八重咲きです。花径は7~8cmで上向きに咲きます。一日花です。染色体数は、2n=3x=33の3倍体であって種子は結実しません。繁殖は栄養繁殖のみになり、従って人の往来のない人里離れた所では繁殖できません。根茎が川の氾濫によって流されたどり着くような場所には多く見られます。若芽と花は食用になります。

1)ホンカンゾウ(本萓草) : Hemerocallis fulva L. var. fulva

Japanese common name : Yabu-kanzou
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Hemerocallis fulva L. var. kwanso Regel

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ヤブカンゾウ(薮萓草)
別名:オニカンゾウ(鬼萓草)/ワスレグサ(忘れ草)
ユリ科ワスレグサ属
学名:Hemerocallis fulva L. var. kwanso Regel
花期:6月~8月 多年草 草丈:50~100cm 花径:7~8cm

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【学名解説】
Hemerocallis : hemera(一日)+callos(美)/ワスレグサ属
fulva : fulvus(茶褐色の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)
kwanso : カンゾウ(萱草の日本語読み)
Regel : Eduard August von Regel (1815-1892)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から12.50km左岸河川敷 2006.07.03 2006.07.27
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 5 July 2006
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by pianix | 2006-07-05 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ナガミヒナゲシ(長実雛芥子/長実雛罌栗)
 ナガミヒナゲシ(長実雛芥子/長実雛罌栗)は、ケシ科ケシ属の1年草(越年草)です。地中海沿岸を中心とするヨーロッパ原産で、南北アメリカ、アジア、北アフリカ、オセアニアに分布します。麦の栽培に伴い分布を拡大したと考えられています。日本では、観賞用として導入されたものが野生化し、1961年に東京で確認されました。現在では全国に分布する帰化種になっています。名の由来は、長い実を付ける小型のケシから。英名は、Long-headed poppy。

 ケシ科(Papaveraceae Adans. 1763)は、北半球の亜熱帯から温帯にかけて23属約210種が分布します。ケシ属(Papaver L. (1753))は世界で約100種あり、日本での自生種は1種類です。ナガミヒナゲシはケシ科ケシ属ですが、阿片を精製できないので法的規制はなく問題ありません。

 秋に芽生えロゼットを形成します。草丈は20~60cmになります。葉は互生し、羽状(1~2回羽状)に深裂します。細かな毛が両面に生えています。根生葉は20cm程の長さです。開花前の蕾は毛があり、うなだれていますが、開花時には直立して萼を落下させます。花弁は4枚。サーモンピンク色をしていてシワが多くあります。雄しべは多数。両生花で一日花です。

 果実は蒴果で、2~3cm程の楕円形をしていて上部に蓋を付けた形状をしています。無毛で、円盤形の柱頭に3~9本の筋を放射条につけます。果実が大きなものは筋の本数も増えます。熟すると藁色になり、円盤形の蓋が上に反りかえり、子房との間に隙間ができます。そこから1000個以上の網目状のシワがある小さな種子を風や動物によって散布します。染色体数は、2n=28, 42。

Japanese common name : Nagami-hinagesi
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Papaver dubium L.

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左:花弁の展開中 右:花弁の展開後
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柱頭の状態
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蓋が上がり種子を散布した果実

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網目状のシワがある種子。径約0.5x0.7mm


ナガミヒナゲシ(長実雛芥子/長実雛罌栗)
ケシ科ケシ属
学名:Papaver dubium L.
花期:5月~6月 1年草(越年草) 草丈:20~60cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Papaver : papa(粥)/ケシ属
dubium : dubius(疑わしい・不確実の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
葵区堤町 2006.04.07
葵区西ヶ谷 2014.05.16
賤機山 2017.05.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

11 April 2006, 22 May 2017
Last modified: 30 July 2017
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by pianix | 2006-04-11 00:00 | | Trackback | Comments(2)
キンモクセイ(金木犀)
 キンモクセイ(金木犀)の時期だという事を夕方になって思い出しました。道行く途中にも甘い香りが流れてきます。道沿いにキンモクセイが何本かありました。臭いで木の存在を知ることになります。私が見たいのは1本だけ。昨年も見た、土手沿いに咲くキンモクセイです。モクセイは静岡県の木に制定されています。

 キンモクセイは、モクセイ科モクセイ属の常緑小高木です。中国原産と言われていますが定かではありません。普通、モクセイと言えば白花のギンモクセイ(銀木犀)を指し、香りが強い橙黄色花のキンモクセイ(金木犀)はギンモクセイの変種とされています。これよりも薄い橙黄色の花をつけるウスギモクセイ(薄黄木犀)、ギンモクセイとヒイラギの雑種であるヒイラギモクセイ(柊木犀)があります。木犀は、これらの総称です。

 ウスギモクセイは実をつけますが、キンモクセイは実をつける事はなく、繁殖は挿木によります。4枚の花弁の合弁花で、雄しべが2本あります。

 「やあ、君。今年も咲いたね」と、しばらくキンモクセイと語らい、満足して帰宅する事ができました。

モクセイ(木犀)Osmanthus fragrans Lour
ギンモクセイ(銀木犀)Osmanthus fragrans Lour. var. fragrans
ウスギモクセイ(薄黄木犀)Osmanthus fragrans Lour. var. thunbergii Makino
ヒイラギモクセイ(柊木犀)Osmanthus × fortunei

Japanese common name : Kin-mokusei
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Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino f. aurantiacus (Makino) P.S.Green

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キンモクセイ(金木犀)
モクセイ科モクセイ属
学名:Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino f. aurantiacus (Makino) P.S.Green
花期:9月~10月 常緑小高木 樹高:3~6m 花径:5mm

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【学名解説】
Osmanthus:osme(香り)+ anthos(花)/モクセイ属
fragrans : 芳香のある
Lour. : Joao de Loureiro (1717-1791)
var. : varietas(変種)
aurantiacus : 橙黄色の
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
f. : forma(品種)
P.S.Green : Peter Shaw Green (1920-2009)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 右岸土手(植栽) 2005.10.06, 2007.10.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

08 October 2005
Last modified: 05 January 2015
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by pianix | 2005-10-08 00:00 | | Trackback(1) | Comments(3)