タグ:カエル目(無尾目) ( 3 ) タグの人気記事
アズマヒキガエル(東蟇蛙)
 アズマヒキガエル(東蟇蛙)は、カエル目(無尾目)ヒキガエル科ヒキガエル属のカエルです。本州近畿以西に分布する、ニホンヒキガエル(日本蟇蛙)の亜種で、日本固有亜種です。名の由来は、東日本に棲息するヒキガエルから。蟇や蛙は諸説あり、はっきりしません。英名は、Eastern-Japanese Common Toad。

 ヒキガエル科(Bufonidae Gray, 1825)は、世界に50属約590種が分布します。ヒキガエル属(Bufo Garsault, 1764)は、オーストラリアを除く全世界に約31属366種が分布します。日本には、5種(4種1亜種)1)が分布します。

 ニホンヒキガエルは近畿地方以西に、アズマヒキガエルは東日本に分布しますが、移入などによって混在する場合もあります。生息域は、平地から山地までに及び、垂直分布は0mから2500m程と言われています。日本で普段目にする中では大型の蛙です。体長は5cmから15cm程。体色は茶褐色から赤褐色で、イボ状突起が目立ちます。目の後方にある耳腺が隆起しています。ここから神経毒のブホトキシン(bufotoxin : C40H60N4O10)を分泌します。イボからも白色の有毒粘液を分泌します。

 動作は遅く、堂々としているように見えます。近寄ってもほとんど動じません。触れるものなら触ってみろと言わんばかりの態度です。風格があるとも言えますが、身体が重たくて飛跳ねる事ができないだけなのでしょう。昆虫やミミズなどを捕食する肉食性です。寿命は10年程と言われています。産卵期は2月から7月頃で、止水域の水辺に産卵します。卵塊は非常に長い紐状です。鳴声は、クックックッ。ヤマカガシなどに捕食される事があります。染色体数は、2n=22。

1)日本に分布するヒキガエルは、次の5種(4種1亜種)が知られています。
ニホンヒキガエル(日本蟇蛙)Bufo japonicus japonicus Temminck & Schlegel, 1838
アズマヒキガエル(東蟇蛙)Bufo japonicus formosus Temminck & Schlegel, 1838
ナガレヒキガエル(流蟇蛙)Bufo torrenticola Matsui, 1976
ミヤコヒキガエル(都蟇蛙)Bufo gargarizans miyakonis Okada, 1931
オオヒキガエル(大蟇蛙)Bufo marinus (Linnaeus, 1758):特定外来生物

★ ★ ★

 動きが鈍い事から撮影にはもってこいの対象なのですが、ほとんどが下山直前に出くわすので、ゆっくりとつきあっている時間がありません。またそのような時に限って持っているカメラは安価な物だったりします。重たいカメラは捨てて来たくなるので軽い物を選ぶからです。ここで使用したのは、壊れたり盗まれたりしても後悔が少ない海外旅行用に買った、家内のカメラでした(笑)。ヒキガエルは、他のカエルよりも見る機会は少なめです。

参考資料:日本産爬虫両生類標準和名(2014年11月9日改訂)

Japanese common name : Azuma-hikigaeru
e0038990_22402840.jpg
Bufo japonicus formosus Boulenger, 1883
e0038990_22404553.jpg
動作は遅く、堂々としているように見える

e0038990_2241550.jpge0038990_22411998.jpg
左:右後方 右:左後方 2014.10.30 高山(牛ヶ峰 Alt.717m)
e0038990_18471670.jpg
e0038990_1849570.jpg
2012.10.29 安倍城跡(Alt.435.2m)


アズマヒキガエル(東蟇蛙)
別名:ガマガエル(蝦蟇蛙)/ガマ(蝦蟇)
カエル目(無尾目)ヒキガエル科ヒキガエル属
学名:Bufo japonicus formosus Temminck & Schlegel, 1838

e0038990_2122812.gife0038990_10353896.gif

分布:本州近畿以北
体長:5~16cm(地域個体差がある)
繁殖期:2月から7月
食餌:小型昆虫、ミミズ,クモなど(肉食性)
寿命:約10年

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰) 2014.10.30  
安倍城跡 2012.10.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 21 December 2014
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2015-01-28 00:00 | その他の生物 | Trackback | Comments(0)
タゴガエル(田子蛙)
 タゴガエル(田子蛙)は、アカガエル科アカガエル属の蛙です。本州、四国、九州に分布する、日本固有種です。名の由来は、命名者の岡田彌一郎(Yaitiro Okada 1892-1976)氏が動物学者の田子勝彌(Katsuya Tago 1877-1943)氏に献名した種小名[tagoi]にちなむ。英名は、Tago's Brown Frog。

 アカガエル科(Ranidae Rafinesque, 1814)は、南極及びオーストラリア以外に分布し、日本には23種が分布しています。アカガエル属(Rana Linnaeus, 1758)は、日本には日本固有種14種、帰化種1種が分布し、絶滅危惧種8種が含まれます。

 カエルは両生綱です。この仲間は、成長の過程で水中から陸上へ移ります。尾が残る有尾目と尾が無くなる無尾目に別れます。カエルは、成体時に尾を失う無尾目です。成長に従って、魚類型から陸上動物型に変態します。甲状腺ホルモン(thyroxine)が変態を促す(Gudernash 1912)事が知られています。幼生はエラ呼吸を、成体は尾が消えて肺呼吸をします。幼生時に丸かった頭は成体になると尖ります。

 口は上下に大きく広がり、下顎の先端に丸められた舌があります。舌は瞬時に伸ばす事ができて小動物を捕獲します。目には瞼があり、目を保護する瞬膜があります。目の後方には鼓膜が露出した黒色の耳があります。表皮に粘液腺があり、乾燥から皮膚を保護します。2心房1心室の心臓、2つの肺があります。

 タゴガエルは山地に棲息し、渓流沿いに多くがいます。ヤマアカガエル(山赤蛙)に酷似しています。体色は赤褐色から暗褐色、灰黒色で個体差があります。体長は成体で30~58mm程。背中には2本の隆起線である背側線(背側線粒上隆条)があり、鼓膜の背側で外側に曲がります。この形状はヤマアカガエルと同様で、ニホンアカガエル(日本赤蛙)の場合は直線です。のど元に暗色の細かい斑点があります。四肢があり、前脚に短い4本、後脚に5本の指があり、ヤマアカガエルよりも小さな水掻きが付いています。指先には小さな吸盤があります。繁殖期の鳴声は低く、グゥー、グゥーと独特の声です。穴の中や岩の下で鳴くので、声は聞えても見つけ出すのは困難です。

 繁殖期は1~2月、4~5月。伏流水の岩隅に30~100個程の卵塊を産卵します。粘り気のある塊状で、卵の直径は約3mm。卵に精子がかけられ受精します。卵は白色で、透明なゼリー状の膜に覆われています。2週間ほどで孵化します。孵化した後の幼体は白っぽい体色で、尾があり、エラ呼吸をする、いわゆるオタマジャクシ(お玉杓子)です。お多賀杓子が語源と考えられています。この時期は雑食性です。変態の過程は、約40日後に後脚、その後に前肢が出ます。約70日後に尾が短くなり始め、陸へ上がります。変温性で水底冬眠をします。成体体重は22g前後。寿命は4年程。染色体数は、2n=26。

 仲間に亜種で隠岐島に棲息する、オキタゴガエル(隠岐田子蛙)Rana tagoi okiensis Daito, 1969 [準絶滅危惧]、屋久島に棲息する、ヤクシマタゴガエル(屋久島田子蛙)Rana tagoi yakushimensis Nakatani et Okada, 1966 [準絶滅危惧]、近年に発見された、ナガレタゴガエル(流田子蛙)Rana sakuraii Matsui et Matsui, 1990 がいます。長野県根羽村で2002年に発見され染色体数が2n=28の、ネバタゴガエル(根羽田子蛙)Rana neba Ryuzaki, Hasegawa et Kuramoto, 20141) は、鳴声がワンと聞える事から話題になりました。

 良く似た仲間に、日本固有種で山地棲息のヤマアカガエル(山赤蛙)Rana ornativentris Werner, 1903、在来種で平地棲息のニホンアカガエル(日本赤蛙)Rana japonica Boulenger, 1879、がいます。

1)A new brown frog of the genus Rana from Japan (Anura: Ranidae) revealed by cytological and bioacoustic studies. Masashi Ryuzaki*3, Yoshinori Hasegawa*2, Mitsuru Kuramoto*1, 2014. Alytes, 2014 VOLUME 31: 49-58
*1Mitsuru Kuramoto 倉本満(福岡教育大)
*2Yoshinori Hasegawa 長谷川嘉則(カズサDNA研究所)
*3Masashi Ryuzaki (-2013) 龍崎正士(北里大)
※参考資料:日本産爬虫両生類標準和名(2015年5月28日改訂)

Japanese common name : Tago-gaeru
e0038990_19344275.jpg
Rana tagoi tagoi Okada, 1928
e0038990_1935845.jpg
背中の背側線は鼓膜を境に内側に曲がる。 2007.10.31
e0038990_19352857.jpg
撮影地:静岡市葵区牛妻/不動の滝 2007.10.31

e0038990_947373.jpge0038990_9475574.jpg
左:穴の中が暗いのでライトを使用。のど元にある暗色の細かい斑点が特徴。右:背中。
e0038990_1845481.jpg
撮影地:安倍城跡(内牧ルート) 2008.08.29
e0038990_1816334.jpg
撮影地:牛ヶ峰(高山)谷沢ルート 2008.09.03
e0038990_182177.jpg
軍手の手のひらに乗る亜成体 牛ヶ峰(高山)谷沢ルート 2008.11.07
e0038990_18222433.jpg
軍手の手のひらに乗る亜成体 牛ヶ峰(高山)谷沢ルート 2008.11.07
e0038990_1822548.jpg
軍手の指先に乗る亜成体 牛ヶ峰(高山)谷沢ルート 2008.11.07
e0038990_1824484.jpg
亜成体 小さいから怖くない。しかし1mは軽く跳ね飛ぶ。 2012.10.26
e0038990_1839484.jpg
亜成体 正面から見ると変な顔。撮影地:安倍城跡(西ヶ谷ルート) 2012.10.26


タゴガエル(田子蛙)
カエル目(無尾目)アカガエル科アカガエル属
学名:Rana tagoi tagoi Okada, 1928

e0038990_2122812.gif

分布:本州・四国・九州
体長:30~58mm
繁殖期:1~2月、4月~5月
食餌:昆虫、クモ、ミミズ等

撮影地:静岡県静岡市
牛妻不動の滝 2007.10.31
安倍城跡(Alt.435m) 2008.08.29, 2012.10.26
牛ヶ峰(高山 Alt.717m) 2008.09.03, 2008.11.07
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

25 Augustl 2013, 4 April 2015
Last modified: 17 June 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2013-08-25 00:00 | その他の生物 | Trackback | Comments(0)
ヌマガエル(沼蛙)
 ヌマガエル(沼蛙)は、ヌマガエル科ヌマガエル属のカエルです。日本、台湾、中国、東南アジア全域、インドが原産です。日本では、本州中部以西、四国、九州、南西諸島に分布します。関東地方で1990年代に確認された国内外来生物で、非意図的侵入と考えられています。現在も北上し生息域を拡大しています。名の由来は、水田などの沼に多く生息する事から。英名はIndian rice frog。旧学名種小名のラテン語limnocharisは、limne(沼)+charis(飾る)の意味です。

 無尾目はカエル目の事です。熱帯および南北両温帯全域に約6,500種が分布します。日本に生息するカエルは、6科38種5亜種が分布すると言われています。ヌマガエル科(Dicroglossidae Anderson, 1871)は、世界に13属が分布し、2亜科で15属190種があります。アカガエル科亜科から独立させた科です。ヌマガエル属(Fejervarya Bolkay, 1915)は、世界に16種が分布します。

 南方系のカエルで、幼生の高温耐性は43度との報告があります。体長は29~54mmで、オスよりメスのほうが大きめです。目の後部にV字形の帯模様があります。背中は灰褐色のまだら模様で、小さなイボ状の皮膚隆起があります。腹は白色です。脚には黒褐色で横帯状の斑紋があります。口の周辺にも黒褐色の小班点があります。指に吸盤は無く地上生活をします。オスの鳴き声は「グエッ、グエッ」。

 産卵は5~7月に行われます。数10個の小卵塊を分散して生み、水面に浮かせます。計1,100から1,400個を産出します。卵は約1.2mmの黄褐色。6月下旬以降に変態します。幼生のオタマジャクシは体長30~40mmで尾に斑模様があります。成体の体重は15g程。染色体数は、2n=26。

参考文献:
1)日本中部の水田におけるヌマガエルの食性・平井 利明・松井 正文/Current Herpetology 20(2):97-103. (2001)
日本爬虫両棲類学会 日本産爬虫両生類標準和名 2015年5月28日改訂

Japanese common name : Numa-gaeru
e0038990_1144760.jpg
Fejervarya kawamurai Djong, Matsui, Kuramoto, Nishioka et Sumida, 2011
e0038990_115439.jpg


ヌマガエル(沼蛙)
無尾目ヌマガエル科ヌマガエル属
学名:Fejervarya kawamurai Djong, Matsui, Kuramoto, Nishioka et Sumida, 2011
synonym : Rana limnocharis Boie, 1835

e0038990_2163229.gif

体長:29~54mm
出現期:4月~10月
分布:本州・四国・九州・沖縄
餌種:肉食性(アリ1)[26.9%]等の小昆虫・クモ・ミミズ[36.2%]・ダンゴムシ)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14km 左岸河川敷 2006.09.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

07 September 2006
Last modified: 3 July 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-09-07 00:00 | その他の生物 | Trackback | Comments(0)