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カタバミ(傍食)
 カタバミ(傍食)は、カタバミ科カタバミ属の多年草です。史前帰化植物と言われ、日本全国に分布します。カタバミ属で日本に自生(野生種)しているのは、カタバミ(傍食)、ミヤマカタバミ(深山傍食)、白花のコミヤマカタバミ(小深山傍食)等です。以前は酢漿草(さくしょうそう)、鳩酸草と漢字表記されましたが、現在では傍食に落ち着いてきました。酢漿草は、蓚酸(oxalic acid)を含むことに由来しています。

 カタバミ科(Oxalidaceae R.Br. (1818))は、8属約930種が分布します。カタバミ属(Oxalis L. (1753))は約850種があり、日本には6種が自生します。

 槍状の果実が熟すと、少しの刺激で種をはじき飛ばして拡散させます。繁殖力が旺盛で、農家や園芸を楽しむ人たちの悩める野草の一つになっています。花びらは5枚で、黄色です。葉も花も、夕方には閉じる日周運動をします。名の由来は、この日周運動によって閉じられた葉の様子から。染色体数は2n=24,48。

 葉は倒心形で、全縁です。葉を図案化して家紋として採用されて来ました。傍食紋と言い、その数は100種類を越え、桐紋の次に多い種類です。これは繁殖力の強さを武家社会が好んだためと思われますが、実際は平安時代から存在し、大名の他、公家にも多い事から真偽不明です。はっきりしているのは、カタバミが大変身近であった事で、その現れと言えます。「丸に片喰」「丸に剣片喰」の紋が代表的なものです。

 在来カタバミは1変種、3品種があります。ケカタバミ(毛片喰)が変種です。葉が赤紫色を帯びるアカカタバミ(赤傍食)は品種です。花びらが黄色で、立ち上がって咲くものは帰化種のオッタチカタバミ(御立片喰)です。ムラサキカタバミ(紫傍食)や、ハナカタバミ(花傍食)は帰化植物(帰化種)です。

・ケカタバミ(毛片喰)Oxalis corniculata L. var. trichocaulon H.Lev.
・オッタチカタバミ(おっ立ち片喰)Oxalis dillenii Jacq.

参考:ハナカタバミ(花片喰) ムラサキカタバミ(紫傍喰)

Japanese common name : Katabami
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Oxalis corniculata L.

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黄色の5弁花。萼片は5個。

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左:雄しべは短長5本、花柱も5本 右:外種皮に包まれた種子。
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アカカタバミ(赤片喰)
Oxalis corniculata L. f. rubrifolia (Makino) H.Hara


カタバミ(傍食)
カタバミ科カタバミ属
学名:Oxalis corniculata L.
花期:5月~9月 多年草 草丈:2~10cm 花径:8mm 実期:6~10月

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【学名解説】
Oxalis : oxys(酸っぱい)/カタバミ属
corniculata : 小角のある
L. : Carl von Linne(1707-1778)
---
f. : forma(品種)
rubrifolia : rubrifolius(赤い葉の)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷 2005.11.02
安倍川/河口から8.00km 左岸河川敷 2007.04.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

20 December 2005
Last modified: 15 November 2016
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by pianix | 2005-12-20 00:00 | | Trackback(1) | Comments(1)
ハナカタバミ(花片喰)
 ハナカタバミ(花片喰)は、カタバミ科カタバミ属の多年草です。南アフリカ・ケープ地方原産の帰化植物で、江戸時代の天保年間に渡来したと言われてる、カタバミの園芸種です。暖地では路地植ができ、野生もします。関東以南で越冬可能です。ハナカタバミの花は大型で、そこから花の大きいカタバミの意味で名付けられました。中国名は、大花酢浆草(dà huā zuò jiāng cǎo)。

 カタバミ科(Oxalidaceae R.Br. (1818))は、8属約930種が分布します。カタバミ属(Oxalis L. (1753))は約850種があり、日本には6種が自生し、数種の帰化種があります。

 カタバミの属名はOxalis(オキサリス)で、酸っぱい事を表しています。これは葉に酸性成分の蓚酸(しゅうさん=oxalic acid)が含まれているためです。蓚酸の「蓚」は、中国名でスイバ(酢葉)の事です。そこから蓚酸と名付けられました。蓚酸を多量に採るとカルシウムと結合して不溶性の蓚酸カルシウムを作り出すため、尿路結石の原因となる事があります。カタバミの別名は、スイグサ、スイモノグサ、スグサで、この酸味を表しています。中国では酢漿草と書き表しますが、これはカタバミの当て字として使われています。

 紡錘形の白い塊茎を持ち繁殖します。葉は3出複葉で根生します。小葉は、3枚の丸みのあるハート形(倒卵形)で、全縁、幅4~5cm。花期は、7月から10月頃。葉腋から細かい毛がある花柄を出し、散形花序に8~12個の花をつけます。花径は3~5cm。濃い紅色の広倒卵形の5弁花で、縁が重なり合って平開します。中心部と葯の色は黄色です。日光が当たらないと花は充分に開かないのは、カタバミ全般に共通します。果実は、蒴果です。円柱状で、外縫線で5裂に胞背裂開して種子をはじき飛ばします。

 似ているベニカタバミ(紅片喰)は、ブラジル原産で、花の中心部が同色で濃くなります。変種が幾つかあり、白色の花や斑入りの葉を持つものもあります。カタバミの印象は悪いようで、それを避けるためにオキザリス・ボーウィの名も使われています。でも、学名を言っているだけで何ら変わりません。

参考:カタバミ(傍食) ムラサキカタバミ(紫傍喰)

Japanese common name : Hana-katabami
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Oxalis bowiei Herb.


ハナカタバミ(花片喰)
別名:オキサリス・ボーウィ(Oxalis bowiei)
カタバミ科カタバミ属
学名:Oxalis bowiei Herb.
synonym : Oxalis purpurata Jacq. var. bowiei (Herb.) Sond.
synonym : Oxalis bowieana Lodd.
花期:7月~10月 多年草(耐寒性球根) 草丈:10~30cm 花径:3~5cm

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【学名解説】
Oxalis : oxys(酸っぱい)/カタバミ属
bowiei : James Bowie(1789-1869)氏の
Herb. : William Herbert (1778-1847)
---
synonym : (シノニム)同物異名
purpurata : purpuratus(紅紫色の)
Jacq. : Nikolaus Joseph von Jacquin (1727-1817)
Sond. : Otto Wilhelm Sonder (1812-1881)
---
bowieana : James Bowie(1789-1869)の
Lodd. : Conrad Loddiges (1738-1826)

撮影地:静岡県静岡市
葵区安倍口 2005.10.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

31 August 2013, 18 August 2015
Last modified: 9 October 2016
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by pianix | 2005-12-19 00:00 | | Trackback | Comments(1)
ムラサキカタバミ(紫傍喰)
 ムラサキカタバミ(紫傍喰)は、カタバミ科カタバミ属の多年草です。南アメリカ原産の帰化植物で、文久年間(1861-1863)に観賞用として持ち込まれたようです。関東以西で野生化しています。花色は淡い紅紫色。花弁は5枚あり、濃紅紫色の筋が入ります。中心部の色は淡黄緑色で、雄しべの葯は白色です。似ている花のイモカタバミの場合は黄色で、中心部が濃い紅紫色である事から区別できます。葉は、3枚のハート形(倒心形)で、10~20cm程の柄があります。種子はできず、鱗茎を増やして繁殖します。染色体数は、2n=14,28。生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。

☆  ☆  ☆

 ムラサキカタバミは、私の好きな花の一つですが、昨年よりも見る機会が減りました。礼節を持った気品のある若いお姫様と見えます。寒さの中でも凛としている姿が印象的です。私の場合、花屋で美しい花を見たとしても、あまり心を動かされません。花には興味が薄く、花をプレゼントされて喜ぶ女性のような感覚はありません。ところが、野の花になると話は変わります。誰の手も借りずに花を咲かせ、次の世代に引き継ごうとする生命力を感じます。その姿を美しいと思い、いとおしく感じます。しかし、見方を変えれば、勝手に生えて太々しいまでの強さであり、ゆえに、これらの野の花は嫌われ者であるようです。

参考:カタバミ(傍食) ハナカタバミ(花片喰)

Japanese common name : Murasaki-katabami
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Oxalis debilis Kunth subsp. corymbosa (DC.) Lourteig


ムラサキカタバミ(紫傍喰)
別名:キキョウカタバミ(桔梗片喰)
カタバミ科カタバミ属
学名:Oxalis debilis Kunth subsp. corymbosa (DC.) Lourteig
synonym : Oxalis corymbosa DC.
花期:5~7月 多年草 草丈:5~15cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Oxalis : oxys(酸っぱい)/カタバミ属
debilis : 弱小な
Kunth : Carl Sigismund Kunth (1788-1850)
subsp. : subspecies(亜種)
corymbosa : corymbosus(散房花のある)
DC. : Augustin Pyramus de Candolle (1778-1841)
Lourteig : Alicia Lourteig (1913-2003)
---
corymbosa : corymbosus(散房花序のある)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷 2004.12.07
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

18 December 2005, 14 June 2008
Last modified: 18 August 2015
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by pianix | 2005-12-18 00:00 | | Trackback(1) | Comments(5)