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ナルコユリ(鳴子百合)
 ナルコユリ(鳴子百合)は、キジカクシ科アマドコロ属の多年草です。中国・朝鮮・日本に分布し、国内では全国に分布します。名の由来は、花の形状を鳥を追い払う農機具の鳴子に見立てたもの。

 キジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))は、約150属2500種が分布します。旧分類ユリ科(Liliaceae Juss. 1789)は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。アマドコロ属(Polygonatum P.Miller, 1754)は、北半球の温帯に約40種が分布しています。

 山野の林内に自生します。根茎は塊状で、節が多くあります。これはアマドコロ属に共通することで属名Polygonatum(多い節)の由来となっています。アマドコロに比べて節間が短めです。根茎を乾燥させたをものを生薬の1)黄精(おうせい)と称して滋養強壮薬に用います。茎の上部は湾曲し、草丈50~80cmになります。茎は丸く、稜はありません。稜があるのは類似種のミヤマナルコユリ(深山鳴子百合)、アマドコロ(甘野老)です。

 葉は互生します。長さ8~15cm、幅1~2.5cmの披針形で、無毛、全縁。葉裏は白色を帯びます。花期は5月から6月頃で、葉腋から枝分かれした細い花柄を出し、緑白色の花1~5個を下垂させます。花柄には苞がありません。花被片は6枚で筒状に合着し、先端は緑色で、浅く6裂します。雄しべは6本で、花糸の下部は花筒に合着します。ミヤマナルコユリは雄しべに白色軟毛がありますが、本種の場合は無毛です。葯は黄色。子房上位。果実は液果です。直径7~10mmの球形で、熟すと黒紫色になります。染色体数は、2n=18,20。

1)黄精は、中国産のカギクルマバナルコユリ(Polygonatum sibiricum Red.)の乾燥根茎であり、日本ではナルコユリを代用とします。岩手県では飴に黄精を配合した銘菓があります。

Japanese common name : Naruko-yuri
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Polygonatum falcatum A.Gray

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左:若い葉は中央に白色の縦筋がある 右:果実は液果で、熟すと黒紫色になる

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左:細い花柄の先に緑白色の花1~5個を下垂させる 右:花糸の下部は花筒に合着。
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子房上位。


ナルコユリ(鳴子百合)
キジカクシ科アマドコロ属
学名:Polygonatum falcatum A.Gray
花期:5月~6月 多年草 草丈:50~80cm 花被片長:2cm内外

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【学名解説】
Polygonatum : polys(多)+gonu(膝・節)/アマドコロ属
falcatum : falcatus(鎌状の)
A.Gray : Asa Gray (1810-1888)
---
Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)
P.Miller : Philip Miller (1691-1771)

撮影地:静岡県静岡市
千代山(Alt.226m) 2007.06.04 - 2007.06.11
安倍城跡(Alt.435m) 2008.06.04, 2012.05.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

18 August 2007, 31 May 2012, 14 March 2014
Last modified: 8 August 2016
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by pianix | 2007-08-18 00:00 | | Trackback | Comments(2)
キチジョウソウ(吉祥草)
 キチジョウソウ(吉祥草)は、キジカクシ科キチジョウソウ属の多年草です。日本や中国(南部~東南部)に分布します。国内では、関東地方以西から四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、吉事があると開花すると言う伝説から。吉祥は、よい前兆とか、めでたいきざしの事。稀に花を咲かせるような錯覚を起こさせるのは、葉に埋もれて花を咲かせるので目に付きにくいというのが一因かもしれません。吉祥草は漢名。英名は、Pink Reineckea。

 APG植物分類体系ではキジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))で、約300種が分布します。旧分類のユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。キチジョウソウ属(Reineckea Kunth, 1844)は1属1種。

 暖地の半陰地になる林内に自生します。根茎は地面を這って伸び、群落を作る事があります。葉は根生し、常緑で束生します。明るい色をした緑色で3~5本の平行脈があります。広線形で長さ10~30cm、幅0.5~2cm。花茎は帯紅色で8~12cmになり、3~8cmの穂状花序に淡紅紫色の花を付けます。花被片は6個で、長さ8~12mm。花被片内側は白色。花径は約1cm。上半部は反り返り、雄しべや花柱を突出させます。下半部は合着して筒状となります。

 雄花と両性花があります。雄しべは6個。花序の上側につく雄花は、雌しべが退化して雄しべだけがあります。花序の下側につく両生花の花柱は、雄しべよりも長く突き出ます。子房上位。果実は液果です。6~9mmの球形で、熟すと赤くなります。性質は強健、繁殖力は旺盛です。観葉植物としての植栽は多いですが、自生は少ないかもしれません。

Japanese common name : Kitijou-sou
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Reineckea carnea (Andrews) Kunth

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左:全体:上に雄花、下に長い花柱を持つ両生花が付く 右:赤く熟した果実


キチジョウソウ(吉祥草)
キジカクシ科キチジョウソウ属
学名:Reineckea carnea (Andrews) Kunth
花期:8月~10月 多年草 草丈:10~30cm(花茎8~12cm) 花径:1cm

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【学名解説】
Reineckea : Johann Heinrich Julius Reinecke (1798-1871)に因む/キチジョウソウ属
carnea : carneus(肉色の・肉紅色の)
Andrews : Henry Charles Andrews (fl. 1794-1830)
Kunth : Carl Sigismund Kunth (1788-1850)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川上流 2006.10.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

4 November 2006
Last modified: 10 November 2016
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by pianix | 2006-11-04 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヒメヤブラン(姫藪蘭)
 ヒメヤブラン(姫藪蘭)は、キジカクシ科(旧分類ユリ科)ヤブラン属の多年草です。日本や中国が原産で、国内では北海道から沖縄にかけての全土に分布する在来種です。名の由来は、小さな藪に生える蘭から。ヤブラン(薮蘭)より小型なのはコヤブラン(小藪蘭)で、それよりも小型である事から。英名は、Monkey grass。

 キジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))は、約150属2500種が分布します。旧分類ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ヤブラン属(Liriope Loureiro, 1790)は、東アジアに6種、日本に3種が分布します。3種の内訳は、葉幅が10mm程のヤブラン(薮蘭)、葉幅が4~7mmで小型版と言えるコヤブラン(小藪蘭)、より小型で葉幅が1.5~3mmのヒメヤブラン(姫藪蘭)です。

 根茎は短く、匐枝を横に伸ばして増殖します。葉は根生し、線形で長さ10~20cm、幅は1.5~3mm、鋸歯はありません。花茎は葉よりも短い10~15cmで、茎先に花を付けます。

 花期は7月から9月。花は総状に付き、径5~6mmの淡紫色で、花被片は楕円形で6個あります。平開して斜め上向きに咲きます。果実は蒴果ですが、成熟する前に薄い果皮が脱落します。従って、裸出した種子そのものです。これはヤブラン属とジャノヒゲ属に共通する特徴です。径4~5mmの球形で、熟すと紫黒色になります。染色体数は、2n=36。

 花色が白い品種は、シロバナヒメヤブラン(白花姫藪蘭)Liriope minor (Maxim.) Makino f. albiflora (Murai) Okuyama です。

Japanese common name : Hime-yaburan
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Liriope minor (Maxim.) Makino

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▲ 左:種子(4~5mm)の内部 右:花径は5~6mm
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▲ 葉は細く線形でで、幅1.5~3mm


ヒメヤブラン(姫藪蘭)
キジカクシ科ヤブラン属
学名:Liriope minor (Maxim.) Makino
花期:7月~9月 多年草 草丈:10~15cm 花径:5~6mm 実径:4~5mm

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【学名解説】
Liriope : ギリシャ神話の女神の名/ヤブラン属
minor : minus(より小さい)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz(1827-1891)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
---
f. : forma(品種)
albiflora : albiflorus(白花の)
Murai : 村井三郎 Saburo Murai (fl. 1962-)
Okuyama : 奥山春季 Shunki Okuyama (1909-1998)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.10.09
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

11 October 2006
Last modified: 4 October 2015
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by pianix | 2006-10-11 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ヤブラン(薮蘭)
 ヤブラン(薮蘭)は、キジカクシ科(旧分類ユリ科)ヤブラン属の多年草です。日本および東アジアが原産で、国内では本州以西の温暖な地域に分布します。名の由来は、藪に生え、シュンラン(春蘭)に似た葉を持つ事から。蘭という名前が付いていますが、ラン科ではなくキジカクシ科です。英名は、Big blue lily-turf。

 キジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))は、約150属2500種が分布します。旧分類ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ヤブラン属(Liriope Loureiro (1790))は、東アジアに6種、日本に3種が分布します。

 日本の3種類は、葉幅が10mm程のヤブラン(薮蘭)、葉幅が4~7mmで小型版と言えるコヤブラン(小藪蘭)Liriope spicata Lour.、より小型で葉幅が2~3mmのヒメヤブラン(姫藪蘭)Liriope minor (Maxim.) Makinoです。園芸品種に、葉に斑が入ったフイリヤブラン(斑入り藪蘭)Liriope muscari cv. "Variegata"もあります。

 葉は根生し、長さ30~50cm、濃緑色で光沢があります。葉の幅は8~12mmで線形、先端は鈍頭です。花期は8月から10月で、8~12cmの総状花序に多数の小花を付けます。小花は径6~7mmで、淡紫色をした花被片が6枚あります。雄しべは6本。果実は6~7mmの球形をした蒴果でが、薄い果皮に覆われていて、熟す前に果皮は脱落します。従って、裸出した種子そのものとなります。初めは緑色で熟すと黒紫色になります。染色体数は、2n=72,108。

 ジャノヒゲ属のジャノヒゲ(蛇の髭)や園芸品種のタマリュウ(玉竜)等は、花は下向きに咲き、種子は濃青色ですが、ヤブラン属では、花は上向き、種子は黒色系となる事で判別できます。性質は、耐寒性・耐暑性・耐陰性が強く、繁殖力もある事から、園芸のグランドカバーとしても使われています。増殖は株分けや実生で行う事ができます。

参考:ヤブラン(藪蘭)の実

Japanese common name : yabu-ran
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Liriope muscari (Decaisne) L.H.Bailey

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左:総状花序に多数の小花を付ける。

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葉序 葉の幅は1cm前後。


ヤブラン(薮蘭)
別名:ヤマスゲ(山菅)
キジカクシ科ヤブラン属
学名:Liriope muscari ((Decne.) L.H.Bailey
Synonyms : Liriope platyphylla F.T.Wang et Tang
花期:8~10月 多年草 草丈:30~50cm 花径:6~7mm 果期:11月~1月

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【学名解説】
Liriope : ギリシャ神話の女神Leiriopeに因む/ヤブラン属
muscari : muscarius(ハエのような)
Decne. : Joseph Decaisne (1807-1882)
L.H.Bailey : Liberty Hyde Bailey (1858-1954)
---
platyphylla : platyphyllus(広い葉の)
F.T.Wang : Fa Tsuan Wang (1899-1985)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&に同じ)
Tang : Tsin Tang (1897-1984) (Sin Tang, Chin Tang)
---
cv. : cultivar(園芸品種)
Variegata : variegatus(斑入りの)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸 2006.08.14, 2006.08.16
安倍川支流/内牧川上流 , 2006.08.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

08 September 2006, 25 March 2014, 4 October 2015
Last modified: 20 November 2016
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by pianix | 2006-09-08 00:00 | | Trackback | Comments(0)
コバギボウシ(小葉擬宝珠)
 コバギボウシ(小葉擬宝珠)は、キジカクシ科ギボウシ属の多年草です。日本を主とする東アジアが原産で、国内では北海道から九州に分布する在来種です。名の由来は、蕾の形が橋や寺社の欄干に付けられる飾りのギボシ(擬宝珠)に似ている事から。類似種のオオバギボウシ(大葉擬宝珠)と比べて葉が小型であるので小葉。

 キジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))は、約150属2500種が分布します。旧分類のユリ科(Liliaceae Juss. 1789)は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ギボウシ属(Hosta Trattinick, 1814)は、日本や中国など亜寒帯から温帯にかけての東アジアに20~40種あり、日本には10種以上が自生します。分類上の見解が分かれている属です。

 日当たりの良い湿地に生育します。根茎は横に這います。茎は30~40cmに直立します。葉は多数根生して斜上し、長さ10~15cmの葉柄があります。葉は長さ10~16cm、幅5~8cmの狭卵形から卵状長楕円形で、先端は突頭で基部は翼状、葉脈は平行脈で窪みます。灰緑色で光沢はありません。花茎の先に総状花序を付け、数個の花を下から順に咲かせます。

 花冠は淡紫色の筒状鐘形で、長さ4~5cm、花被内面に濃紫色の筋があり、横かやや下向きに咲きます。花被片は6枚で、花被の合着部には透明線があります。基部には緑色の船形の苞が1枚あります。雄しべは6本で、それよりも長い雌しべ1本があり内側に反り返ります。朝に開花し夕方には萎む一日花です。他花受粉をします。虫媒花で、媒介者は主としてマルハナバチ(丸花蜂)です。果実は痩果で、熟すと3裂します。黒褐色の種子には翼があり、風によって散布されます。若葉と蕾は食用になります。

 同じ属の類似種に、トウギボウシ=オオバギボウシ(大葉擬宝珠)Hosta sieboldiana (Lodd.) Engl. や、ミズギボウシ(水擬宝珠)Hosta longissima Honda ex F.Maek. があります。

Japanese common name : Koba-gibousi
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Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. sieboldii f. spathulata (Miq.) W.G.Schmid

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左:雄しべ6、長いのは雌しべ。    右:葉は長さ10~16cm。


コバギボウシ(小葉擬宝珠)
キジカクシ科ギボウシ属
学名:Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. sieboldii f. spathulata (Miq.) W.G.Schmid
synonym : Hosta albo-marginata (Hook.) Ohwi
花期:7月~8月 多年草 草丈:30~40cm 花冠長:4~5cm

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【学名解説】
Hosta : Nicolaus Thomas Host (1761~1834)に因む/ギボウシ属
sieboldii : Philipp Franz Balthasar von Siebold (1796-1866)への献名
Paxton : Joseph Paxton (1803-1865)
J.W.Ingram : John William Ingram (1924-?)
var. : varietas(変種)
f. : forma(品種)
spathulata : spathulatus(スプーン型の)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
W.G.Schmid : Wilhelm Gustav Gunther Schmid (1888-1949)
---
albo-marginata : albo-marginatus(白い縁取りのある)
Hook. : William Jackson Hooker (1785-1865)
Ohwi : Jisaburo Ohwi 大井 次三郎 (1905-1977)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km左岸土手 2006.07.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

First draft: 1 August 2006
Last modified: 7 July 2015
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by pianix | 2006-08-01 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ヤブラン(薮蘭)/実
 ヤブラン(薮蘭)は、キジカクシ科ヤブラン属の多年草です。日本および東アジア原産で、本州以西の温暖な地域に分布します。蘭という名前が付いていますが、ラン科ではなくキジカクシ科に属します。藪に生え、シュンラン(春蘭)に似た葉を持つとの意味です。

  キジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))は、約150属2500種が分布します。旧分類ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ヤブラン属(Liriope Loureiro (1790))は、東アジアに6種、日本に3種が分布します。

 日本の3種類は、葉幅が10mm程のヤブラン(薮蘭)、葉幅が4~7mmで小型版と言えるコヤブラン(小藪蘭)Liriope spicata Lour.、より小型で葉幅が2~3mmのヒメヤブラン(姫藪蘭)Liriope minor (Maxim.) Makinoです。園芸品種に、葉に斑が入ったフイリヤブラン(斑入り藪蘭)Liriope muscari (Decne.) L.H.Bailey f. variegata (L.H.Bailey) H.Haraもあります。

 葉は根生し、長さ30~50cm、濃緑色で光沢があります。葉の幅は約10mmで、先端は鈍頭です。伸ばした花茎に穂状花序を付けます。花は径6~7mm程で、淡紫色をした花被片が6枚あります。果実は6~7mmの球形をしている蒴果で、薄い果皮に覆われていて、初めは緑色で熟すと黒紫色になり、果皮が脱落して種子がむき出しの状態になります。

 ジャノヒゲ属のジャノヒゲ(蛇の髭)や園芸品種のタマリュウ(玉竜)等は、花は下向き、種子は濃青色ですが、ヤブラン属では、花は上向き、種子は黒色系となる事で判別できます。性質は耐寒性、耐暑性、耐陰性が強く繁殖力もあります。グランドカバーとしての用途に適しています。増殖は株分けや実生で行う事ができます。

参考:ヤブラン(薮蘭)の花

Japanese common name : Yabu-ran
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Liriope muscari (Decne.) L.H.Bailey


ヤブラン(薮蘭)
別名:ヤマスゲ(山菅)
キジカクシ科ヤブラン属
学名:Liriope muscari (Decne.) L.H.Bailey
synonym : Liriope platyphylla F.T.Wang et T.Tang
花期:8~10月 多年草 草丈:30~50cm 花径:4mm 果期:11月~1月

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【学名解説】
Liriope : ギリシャ神話の女神の名Leiriopeに因む/ヤブラン属
muscari : muscarius(蝿のような)
Decne. : Joseph Decaisne (1807-1882)
L.H.Bailey : Liberty Hyde Bailey (1858-1954)
---
platyphylla : platyphyllus(広い葉の)
F.T.Wang : Fa Tsuan Wang (1899-1985)
et : 及び(命名者が2名の時など・&に同じ)
T.Tan : Tsin Tang (1897-1984)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川源流 2006.02.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

20 February 2006, 5 June 2015
Last modified: 6 September 2016
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タマリュウ(玉竜)
 タマリュウ(玉竜)は、キジカクシ科(旧分類ユリ科)ジャノヒゲ属の多年草です。日本や中国を原産とし、国内では北海道西部から九州までに分布するジャノヒゲ(蛇の髭)の園芸用矮性品種です。タマリュウはギョクリュウとも呼ばれます。耐寒性があり、日陰でも生育する事から、主にグランドカバーとして使われます。ジャノヒゲに比べて小型である以外は性質が同じで、取扱も準じます。従って、ジャノヒゲ(蛇の髭)を参照下さい。

 キジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))は、約150属2500種が分布します。旧分類ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ジャノヒゲ属(Ophiopogon Ker-Gawler (1807))は、世界に約65種があり、日本には4種1)が分布します。

 繁殖は種子でもできますが、株分けが一般的です。夏と冬を避け、3月から4月頃、9月から10月頃に株を小分けにして植え替えます。種子を保存する時は乾燥に注意して3月か4月頃までに蒔きます。植え替え時に準じて置肥(固形)をします。成長が遅い事を考慮して、間隔をあまり開けずに植え込みます。

1)日本に分布するジャノヒゲ属の4種
ノシラン(熨斗蘭)Ophiopogon jaburan (Siebold) Lodd.
ヨナグニノシラン(与那国熨斗蘭)Ophiopogon reversus C.C.Huang 
ジャノヒゲ(蛇の髭)Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl.
オオバジャノヒゲ(大葉蛇の髭)Ophiopogon planiscapus Nakai
※ヨナグニノシラン(与那国熨斗蘭)は、絶滅危惧IA類(CR)。オオバジャノヒゲ(大葉蛇の髭)は、日本固有種。

参考:ジャノヒゲ(蛇の髭)ヤブラン(薮蘭)ヒメヤブラン(姫藪蘭)

Japanese common name : Tamaryuu
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Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker-Gawl. f. nanus hort. 'Nanus'


タマリュウ(玉竜)
別名:チャボジャノヒゲ(矮鶏蛇の髭)/チャボリュウノヒゲ(矮鶏龍の髭)
キジカクシ科ジャノヒゲ属
学名:Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker-Gawl. f. nanus hort. 'Nanus'
花期:7月~8月 多年草 草丈:5~8cm 果期:12月~1月

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【学名解説】
Ophiopogon : ophio(蛇)+pogon(髭)/ジャノヒゲ属
japonicus : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Ker-Gawl. : John Bellenden Ker Gawler (1764-1842)
f. : forma(品種)
nanus : 小さい・低い
hort. : hortorum(庭園の)

撮影地:静岡県静岡市
静岡市駿河区谷田(植栽) 2006.02.09
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

12 February 2006
Last modified: 03 April 2014
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ジャノヒゲ(蛇の髭)
 ジャノヒゲ(蛇の髭)は、キジカクシ科(旧分類ユリ科)ジャノヒゲ属の多年草です。東アジアと日本が原産で、北海道の一部と本州から九州まで、海外では中国に分布します。名の由来は、葉の形状を伝説上の動物である龍の髭に見立てたもの。属名には、ジャノヒゲをラテン語に訳したものが使われ、種小名は日本の意味です。

 キジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))は、約150属2500種が分布します。旧分類ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ジャノヒゲ属(Ophiopogon Ker-Gawler (1807))は、世界に約65種があり、日本には4種1)が分布します。

 葉の幅は3mm程で細長く、長さは30cm以下、非常に細かい鋸歯があります。花期は7月から8月頃。花穂を10cm位に伸ばし、総状花序に白色、あるいは淡紫色の花を、下向きに付けます。種子は1cm以下の大きさで、当初は緑色で、12月頃からコバルト色に変化します。胚珠が膨らんで、子房の壁を破って露出したもので、果実ではなく種子そのものです。染色体数は、2n=70(山下、田村)。

 根茎から走出枝で繁殖し、紡錘形に肥大する部分(塊根)があります。この膨大部を日本薬局方の生薬バクモンドウ(麦門冬)と言い、鎮咳・去痰薬、あるいは滋養強壮として使われます。

 ジャノヒゲ属とヤブラン属の違いは、花と種子によって判別します。ジャノヒゲ属では、花は下向き、種子は濃青色。ヤブラン属では、花は上向き、種子は黒色系です。類似種にオオバジャノヒゲ(大葉蛇の鬚)があり、ジャノヒゲよりも葉幅が広く、花は白色です。

 変種に、カブダチジャノヒゲ(株立蛇の髭)Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl. var. caespitosus Okuyama、ナガバジャノヒゲ(長葉蛇の髭)Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl. var. umbrosus Maxim. があります。園芸品種に、葉が短いギョクリュウ(玉竜)があり、流通名のタマリュウで知られています。

1)日本に分布するジャノヒゲ属の4種
ノシラン(熨斗蘭)Ophiopogon jaburan (Siebold) Lodd.
ヨナグニノシラン(与那国熨斗蘭)Ophiopogon reversus C.C.Huang 
ジャノヒゲ(蛇の髭)Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl.
オオバジャノヒゲ(大葉蛇の髭)Ophiopogon planiscapus Nakai
※ヨナグニノシラン(与那国熨斗蘭)は、絶滅危惧IA類(CR)。オオバジャノヒゲ(大葉蛇の髭)は、日本固有種。

参考タマリュウ(玉竜)ヤブラン(薮蘭)ヒメヤブラン(姫藪蘭)

Japanese common name : Jano-hige
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Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker-Gawl.

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総状花序に白色、あるいは淡紫色の花を、下向きに付ける。


ジャノヒゲ(蛇の髭)
別名:リュウノヒゲ(龍の髭)
キジカクシ科ジャノヒゲ属
学名:Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker-Gawl.
花期:7月~8月 多年草 草丈:10~20cm 果期:12月~1月 種子径:7mm

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【学名解説】
Ophiopogon : ophio(蛇)+pogon(髭)/ジャノヒゲ属
japonicus : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Ker-Gawl. : John Bellenden Ker Gawler (1764-1842)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川河口から14.75km(静岡市葵区足久保) 2006.01.17
満観峰(Alt. 470m) 2015.06.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

19 January 2006
Last modified: 19 June 2015
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by pianix | 2006-01-19 00:00 | | Trackback | Comments(2)
アツバキミガヨラン(厚葉君ヶ代蘭)
 アツバキミガヨラン(厚葉君ヶ代蘭)は、キジカクシ科イトラン属の常緑低木です。蘭という名前が付きますがラン科ではありません。君ヶ代と付きますが、在来種ではなく、北アメリカ南部の南カロライナからフロリダあたりが原産地です。明治の中頃に渡来されたと言われています。一般には属名のユッカとして他種と一括りにされて流通しています。

 APG植物分類体系では、キジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))で、クロンキスト及びエングラー体系ではリュウゼツラン科(Agavaceae Dumort. (1829))に分類されます。イトラン属(Yucca L. (1753))は、49種が分布します。、

 花は、淡いクリーム色ですが、10月以降の花色は淡い紅紫色を帯びます。花は完全には開きません。雌しべは3本です。同属のキミガヨラン(君ヶ代蘭)は、葉が途中から曲がって下に垂れるのに対し、本種は葉が厚くまっすぐな剣状です。長さは80cm程で、上向きに尖った先端を向けているので、子供達が集まる公園などでは危険性があり注意を要します。また、先端恐怖症の人には嫌われる植物です。

 土を選ばず、栽培は容易で、耐寒性があるので越冬も可能です。花を咲かせた後、その重みで倒れる事が多く、そこから根を出して繁殖します。

Japanese common name : Atuba-kimigayo-ran
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Yucca gloriosa L.


アツバキミガヨラン(厚葉君ヶ代蘭)
別名:アメリカキミガヨラン(亜米利加君ヶ代蘭)/流通名:ユッカ(Yucca)
英名:Spanish dagger(スペインの小刀)
キジカクシ科イトラン属
学名:Yucca gloriosa L.
花期:5月~6月/10月~11月 常緑低木 樹高:50~250cm 花径:5~6cm

【学名解説】
Yucca : Haiti(西インド諸島)での名/イトラン属
gloriosa : gloriosus(立派な・華麗な)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0km 左岸浜辺(植栽) 2005.11.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

June 14, 2008
Last modified: 16 July 2015
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by pianix | 2005-12-26 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ヒメヤブラン(姫藪蘭)
 私の野草観察の拠点は、安倍川河川敷です。しかし、たまには違うところへ出かけてみるのも良いかもしれないとバイクで走りました。ところが、すぐに飽きてしまい、河川敷へ戻る事になりました。たとえばの話ですが、「グアム旅行1週間」と「安倍川河川敷どこでも送り迎え1ヶ月間」のどちらかを選べと言われれば、迷うことなく後者です。ちなみに、子供が小学生の時、遠足は我が家の前の河川敷でした。学校へ戻ることなく「ただいま~」と帰って来ていました。いつもの遊び場が遠足の目的地では、つまらなかったかもしれません。

 始めに見つけた花は、ヒメヤブランでした。小さく可愛らしい花です。ヤブラン(薮蘭)より小型なのはコヤブラン(小藪蘭)ですが、もっと小さいからヒメヤブラン(姫藪蘭)。明るい場所に群生して生える事が多いようです。背丈がないので埋もれるように花を咲かせています。緑色の実もつけ始めていました。

 詳細は、ヒメヤブラン(姫藪蘭)をご覧下さい。

参考:ジャノヒゲ(蛇の髭) タマリュウ(玉竜) ヤブラン(薮蘭)

Japanese common name : Hime-yaburan
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Liriope minor (Maxim.) Makino


ヒメヤブラン(姫藪蘭)
キジカクシ科ヤブラン属
学名:Liriope minor (Maxim.) Makino
花期:7月~9月 多年草 草丈:10~15cm 花径:5~6mm 実径:4~5mm
葉:長さ10~20cm/幅1.5~2mm

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【学名解説】
Liriope : ギリシャ神話の女神の名に因む/ヤブラン属
minor : minus(より小さい)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz(1827-1891)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10km 左岸土手 2005.09.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 14 September 2005
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by pianix | 2005-09-14 00:00 | | Trackback | Comments(2)