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ミズバショウ(水芭蕉)
 ミズバショウ(水芭蕉)は、サトイモ科ミズバショウ属の多年草です。アジア北東(カムチャッカ半島、サハリン)や日本に分布します。日本では、本州(兵庫県、中部以北)から北海道に分布します。名の由来は、葉がバショウ(芭蕉)に似て、水辺や湿地に咲く事から。

 サトイモ科(Araceae Juss. (1789))は、115属2000種以上が熱帯を中心に分布します。ミズバショウ属(Lysichiton Schott, 1857)は、世界に2種あり、北米と東アジアに1種ずつ分布します。

 湿地や湿原に自生します。径4~5cmで1mを越す太く長い根茎があり、ひげ根が多数あります。不溶性蓚酸塩1)を含み、全草が有毒です。根生葉を輪生させ、草丈は60~80cmになります。葉は、長さ40~80cm、幅15~30cmの長楕円形で、全縁。花後にも成長します。葉腋から、長さ10~30cmの花茎を出します。

 花期は4月から5月頃で、産地によって異なります。多肉花軸の周囲に柄のない花を均等に密生させる肉穂花序 (spadix)を立ち上げます。穂状花序(spike)を特殊化した形態で、無限花序の一つです。肉穂花序は、円柱状で長さ12cmぐらい。まわりを囲む花弁状の仏炎苞2)があり、長さ10~15cmの白色の卵形で、基部は筒状、上部は舟形です。

 両性花で、雌雄異熟。柱頭が先に熟す、雌性先熟です。花は、径3~4mmの六角状で、4個の淡緑色をした花被片と4個の雄しべ、1個の雌しべがあります。花粉は黄色。果実は液果で、緑色に熟します。子房は2室で、各室に種子2個をつけます。種子は褐色で、水面に浮き、長さ約4mm。染色体数は、2n=28。

 本種の他に、北米に分布し仏炎苞が黄色の、アメリカミズバショウ(アメリカ水芭蕉)Lysichiton americanum Hulten et St.John があります。

1)蓚酸塩(しゅうさんえん・oxalate):接触により皮膚炎症、誤食により、口腔炎症、嘔吐、重度の下痢、強直性痙攣(低カルシウム症)等を起す。
2)仏炎苞(spathe):肉穂花序(花軸に密集してつく小花)を囲むように発達した苞葉。形状が仏像の光背の炎形に似るため。

 ※高山の池に咲く水芭蕉は、地元JA静岡市水見色女性部が移植したもので、自生ではありません。1995(平成7)年に群馬県片品村から24株を譲り受けたものです。高山や高山の池については、静岡市役所 経済局 農林水産部 中山間地振興課 〒421-1212 静岡市葵区千代538-11 静岡市林業センター 電話054-294-8807 Fax054-278-3908 へお問い合せ下さい。
 ※高山(牛ヶ峰)のハイキングコースについては、静岡市観光交流文化局 スポーツ振興課 電話:054-221-1038へお問い合せ下さい。

参考:オランダカイウ(阿蘭陀海芋)

Japanese common name : Mizu-basyou
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Lysichiton camtschatcense (L.) Schott

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両性花で、雌雄異熟。
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2015.04.17

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左:花期 2015.04.17 <花は、径3~4mmの六角状> 右:花後 2008.05.07
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花期のミズバショウ
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1月のミズバショウ 2015.01.20

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左:水面が凍っている2月 2008.02.22 右:水が緩んだ3月 2008.03.06
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高山の池 2008.03.06

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左:4月 2008.04.04 右:5月 2008.05.07
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4月の高山の池 (窪地にできた小さな池です)


ミズバショウ(水芭蕉)
サトイモ科ミズバショウ属
学名:Lysichiton camtschatcense (L.) Schott
花期:4月~5月(~7月) 多年草 草丈:60~80cm 花径:3~4mm

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【学名解説】
Lysichiton : lysis(分離)+chiton(衣服)/ミズバショウ属
camtschatcense : カムチャッカの(camtschatcensis, camtschaticus)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Schott : Heinrich Wilhelm Schott (1794-1865)
---
ca. : circa(約、およそ)

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰 Alt. 716.7m)/高山の池(Alt. ca. 580m)/移植
2008.02.22, 2008.03.06, 2008.04.04, 2008.05.07
2015.01.20, 2015.04.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

29 April 2015
Last modified: 29 June 2015
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by pianix | 2015-06-29 00:00 | | Trackback | Comments(0)
スルガテンナンショウ(駿河天南星)
 スルガテンナンショウ(駿河天南星)は、サトイモ科テンナンショウ属の多年草で、日本原産の在来種です。国内分布は、中部地方の太平洋側山地で、東海地方特産です。マムシグサ(蝮草)の仲間で、ムロウテンナンショウ(室生天南星)の亜種です。名の由来は、旧国名の駿河(静岡県)で見出されたテンナンショウであることから。天南星1)は漢名で、白色星を意味し、白色の球茎を見立てたものと言われています。英名は、Jack in the pulpit。

 サトイモ科(Araceae Juss. 1789)は、115属2000種以上が熱帯を中心に分布します。テンナンショウ属(Arisaema C.F.P. von Martius, 1831)は、東アジア、東南アジア、北米、メキシコ、アフリカ東部などの熱帯や温帯に約150種、日本には約30種が分布します。テンナンショウ属は12節に分類されます(Murata 1992)。

 山の林内に生えます。地下部に球茎があります。茎は直立し、高さは最小で15cm、普通は50cm程です。細い茎の回りを、1~2枚の葉鞘からなる偽茎が取り巻いています。偽茎にはマムシ(蝮)のような紫褐色のまだら模様があります。筒状の苞葉頂部から葉と花序を展開します。葉は2個つき、小葉は鳥足状複葉2)です。葉に斑が入る場合もあります。

 花期は3月から4月頃。仏炎苞3)は淡緑色で白い筋が先端に向かって走り、前方に折れ曲がって舌状の舷部となり附属体を覆います。仏炎苞の内側には乳状突起があります。ホソバテンナンショウ(細葉天南星)に外観が似ています。それらの附属体は棍棒状あるいは棒状ですが、本種の附属体は先端が膨らみ前方に傾斜するのが大きく異なる部分です。附属体の下に附属体の柄があり、花は附属体の柄の下にあります。肉穂花序で、花軸に密着してつきます。

 雌雄異株で、環境によって性転換します。性は地下にある球茎の重さによって決まります。テンナンショウの場合、球茎が4g以下が無性、21gまでが雄、それ以上は雌。球茎にはシュウ酸カルシウムが含まれていて有毒です。雄花と雌花の花被はありません。虫媒花で、媒体の多くはハエ類です。仏炎苞の形状によって虫を内部に閉じ込め、受粉確率を高めていると考えられています。雄性の仏炎苞には下部に開口部があり脱出できますが、雌性の仏炎苞では閉じこめられます。秋に仏炎苞が枯れて、朱赤色の果実(液果)が現れます。

1)竜骨座(Carina)のα星・カノープス(Canopus)
2)鳥足状複葉=とりあしじょうふくよう(pedately compound leaf):葉身が2個以上に全裂した小葉があり、柄が鳥の足のように分かれている
3)仏炎苞(spathe):肉穂花序(花軸に密集してつく小花)を囲むように発達した苞葉。形状が仏像の光背の炎形に似るため。

参考:ウラシマソウ(浦島草)

Japanese common name : Suruga-ten'nansyou
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Arisaema yamatense (Nakai) Nakai subsp. sugimotoi (Nakai) H.Ohashi et J.Murata

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左:(1) マムシ模様の偽茎が立ち上がる。 右:(2) 葉が開く前。
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▲上から見た鳥足状複葉

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左:附属体は先端が膨らみ傾斜する。 右:仏炎苞合わせ目の一部が開いている雄株。

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左:雌株   右:雄株
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斑が入る葉もある

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左:果実は液果の集合果2007.10.05 右:冬に赤く熟した果実が脱落 2006.11.28


スルガテンナンショウ(駿河天南星)
サトイモ科テンナンショウ属
学名:Arisaema yamatense (Nakai) Nakai subsp. sugimotoi (Nakai) H.Ohashi et J.Murata
花期:3月~4月 多年草 草丈:20~100cm 雌雄異株

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【学名解説】
Arisaema : Arum(植物名)の一種(aris)+haima(血)/テンナンショウ属
yamatense : ヤマトの
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)
subsp. : subspecies(亜種)
sugimotoi : 杉本順一 Junichi Sugimoto (1901-?) 杉本氏の
H.Ohashi : 大橋広好 Hiroyoshi Ohashi (1936- )
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&に同じ)
J.Murata : 邑田仁 Jin Murata (1952- )
---
Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)
C.F.P. von Martius : Carl (Karl) Friedrich Philipp von Martius (1794-1868)

撮影地:静岡県静岡市
千代山(Sendai-Yama, Alt.226m) 2007.03.07
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

First draft: 4 April 2007
Last modified: 8 April 2014
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by pianix | 2007-04-04 00:00 | | Trackback(1) | Comments(2)
カラスビシャク(烏柄杓)
 カラスビシャク(烏柄杓)は、サトイモ科ハンゲ属の多年草です。中国、朝鮮半島、日本が原産で、国内では全土に分布する在来種です。名の由来は、仏炎苞の形を柄杓に見立てたもの。別名のハンゲ(半夏)は中国名で、漢方生薬の名にもなっています。半夏は、半夏生という暦日である七十二候雑節の頃(夏至から数えて11日目で、7月2日頃)に花が咲く事から。

 サトイモ科(Araceae Juss. (1789))は115属2000種以上が熱帯を中心に分布します。ハンゲ属(Pinellia Tenore, 1839)は、アジアの暖帯から温帯に7種があり、日本には2種が自生します。

 畑地や田んぼに自生します。塊茎は白色で1cm程。生薬の半夏(日本薬局方)として使われます。葉は根生し、3小葉をつけます。葉柄は長さ10~20cm。小葉は楕円形から長楕円形で先端は尖り、長さ5~11cm。小葉や葉柄の下部に珠芽を付けます。20~40cmに花茎を伸ばします。花期は5月から8月頃。緑色か帯紫色で長さ5~6cmの仏炎苞を単生させ、肉穂花序に花を密生させます。舷部(筒部の上部にある舌のように伸びる部分)の内部は短毛が密生します。花序の付属体(穂の先端から糸状に伸びる部分)は仏炎苞の外に出ます。果実は、液果です。珠芽や子球で増え、繁殖力が強い畑地の害草です。

 類似種に、深く3裂した大きな葉があるオオハンゲ(大半夏)Pinellia tripartita (Bl.) Schottがあります。因みに、名が似ているハンゲショウ(半夏生)は、ドクダミ科ハンゲショウ属で形が異なります。

★  ★  ★

 非常に暗い曇りの日に、カラスビシャクを見つけました。河川敷で見るのは初めてですが、もしかしたら単に見落としていただけなのかもしれません。1株しかありませんでした。晴れた日に撮影に来ようと考え引き上げました。数日おいて出かけると、姿が見えません。何日か注意して探し回ったのですが、見つけられませんでした。試し撮りしておいた写真は、他の草と混在して、はっきりしないものでした。

Japanese common name : Karasu-bisyaku
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Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb.


カラスビシャク(烏柄杓)
別名:ハンゲ(半夏)
サトイモ科ハンゲ属
学名:Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb.
花期:5月~8月 多年草 草丈:20~40cm 仏炎苞長:5~6cm

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【学名解説】
Pinellia : Gian Vincenzo Pinelli (1535-1601)に因む/ハンゲ属
ternata : ternatus(三出の・三数の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Breitenb. : Wilhelm Breitenbach (1856- )

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.08.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 15 September 2006
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by pianix | 2006-09-15 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ウラシマソウ(浦島草)
 ウラシマソウ(浦島草)は、サトイモ科テンナンショウ属の多年草です。北海道南部から九州にかけて分布する日本の固有種です。和名は、花序から伸びる付属体を昔話「浦島太郎」の釣り糸に、葉を腰蓑に見立てたものです。

 サトイモ科(Araceae Juss. (1789))は、115属2000種以上が熱帯を中心に分布します。テンナンショウ属(Arisaema C.F.P. von Martius (1831))は、東アジア、東南アジア、北米、メキシコ、アフリカ東部などの熱帯や温帯に約150種、日本には約30種が分布します。テンナンショウ属は12節に分類されます(Murata 1992)。

 扁球形の球根(球茎)に子球を着け、根を出します。この球根・新芽・実にはサポニン類似成分が含まれ有毒です。食べると嘔吐や腹痛皮膚炎を起こします。雌雄偽異株という性質を持ち、性転換を行います。栄養状態が悪く球根が発達しない状態では雄株となり、発達すると雌株になります。花粉だけを作る雄株と異なり、結実させるには良好な栄養状態が必要で、その為に成熟した個体が雌株に性転換する事になります。

 葉は根生します。複数枚あるように見えますが1枚です。鳥の足のように深裂する鳥足状複葉1)です。葉柄は10~40cmで偽茎です。倒披針形の小葉は11~15個あり、頂小葉の長さは10~25cmになります。葉は、花よりも高い位置につきます。

 花期は、3月から6月頃。10~20cmの花茎を伸ばし、暗紫色の仏焔苞2)を付けます。長さは10~18cm程です。仏炎苞の上部には褐色でフードのような舌状の舷部があります。仏炎苞の中に肉穂花序3)を付けます。そこから糸状の付属体が伸びて垂れ下がり、長さ30~50cmになります。ほとんどの場合、仏焔苞より上にある葉まで上がり、そこでもたれ掛り、先端を垂れ下げます。

 虫媒花です。雄花の総苞には虫の出口が下部に用意されていますが、雌花の総苞は出口がありません。花粉を付けた虫が長く留まるようにする構造です。食虫植物ではありません。秋に仏炎苞が枯れて赤色の果実が現れます。液果で、トウモロコシのような集合果です。鳥類による種子散布が行われると考えられています。栄養繁殖と種子繁殖が行われます。染色体数は、2n=28。

 類似種に、ナンゴクウラシマソウ(南国浦島草)Arisaema thunbergii Bl. subsp. thunbergii や、矮性のヒメウラシマソウ(姫浦島草)Arisaema kiushianum Makino があります。また、仏焔苞に長い付属体のないものはマムシグサ(蝮草)Arisaema serratum (Thunb.) Schott か、その仲間です。 参考→スルガテンナンショウ(駿河天南星)

1)鳥足状複葉(とりあしじょうふくよう):葉身が2個以上に全裂した小葉があり、柄が鳥の足のように分かれている葉(pedately compound leaf)
2)仏炎苞(ぶつえんほう):仏像が背負う火炎状の光背を例えた名称。肉穂花序を包む大形の苞葉(spathe)
3)肉穂花序(にくすいかじょ):太い肉質の中軸の周囲に無柄の小花が密生するもの(spadix)

Japanese common name : Urashima-sou
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Arisaema thunbergii Blume subsp. urashima (H.Hara) H.Ohashi et J.Murata
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鳥足状複葉 複数見えるのが小葉

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糸状付属体が伸びるのが特徴

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左:雄花総苞下部にある虫の出口(開口部) 右:果実は液果で、種子は直径3~6mm


ウラシマソウ(浦島草)
サトイモ科テンナンショウ属
学名:Arisaema thunbergii Blume subsp. urashima (H.Hara) H.Ohashi et J.Murata
花期:3月~6月 多年草(球根) 草丈:30~60cm 苞長:10~18cm 花序長:30~50cm

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【学名解説】
Arisaema : Arum(植物名)の一種(aris)+haima(血)/テンナンショウ属
thunbergii : Carl Peter Thunberg (1743-1828)に因む
Blume : Carl Ludwig von Blume (1796-1862)
subsp. : subspecies(亜種)
urashima : ウラシマソウの略(日本名)
H.Hara : 原 寛 Hara Hiroshi (1911-1986)
H.Ohashi : 大橋広好 Hiroyoshi Ohashi (1936- )
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
J.Murata : 邑田 仁 Jin Murata (1952-)
---
Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)
C.F.P. von Martius : Carl (Karl) Friedrich Philipp von Martius (1794-1868)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から12.50km 左岸土手及び丘稜地 2006.04.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

22 April 2006
Last modified: 8 April 2010
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by pianix | 2006-04-22 00:00 | | Trackback | Comments(0)
オランダカイウ(阿蘭陀海芋)
 護岸整備された小川に、オランダカイウが咲いていました。全てがコンクリートで固められているのではなく、幾つかの穴が開けられたデザインになっています。その穴から花を出し水辺に映し出しています。多分植栽されたものだと思いますが、護岸の機能だけを優先させた殺風景なものより遙かに優れた方法だと思います。また、周囲の長閑な雰囲気にも解け合っていました。アヒルが住み着いていて、撮影している私を怖がって大きな声を出して逃げ回るので、それは少し困りました。

 オランダカイウ(阿蘭陀海芋)は、サトイモ科オランダカイウ属の多年草です。聞いてもピンと来ない方もあるかもしれません。カラー(Calla)のほうが通りが良いかもしれません。本種の旧属名で、Callaはcalos(美)が語源と言われています。南アフリカが原産の帰化植物で、江戸時代末期に渡来したと言われています。名の由来は、オランダと付くのはオランダ商船が持ち込んだ為とか、単に海外からのという程の意味合いで、原産地を表すものではありません。海芋は外国産(海外)の芋の意味です。外国産ミズバショウ(水芭蕉)と考えたのかもしれません。英名は、Calla Lily。

 サトイモ科は105属2500種以上が熱帯を中心に分布し、オランダカイウ属は南アメリカに8種が分布します。日本では本州以西に分布し野生もしています。仏炎苞(ぶつえんほう)に囲まれる肉穂花序(にくすいかじょ)を持つのが特徴です。園芸品種として品種改良が続けられています。

 カイウは、湿地性種と畑地性種の2系統があり、湿地性の仏炎包は白色、畑地性は黄色や桃色をしています。オランダカイウは湿地性です。長い葉柄(ようへい)に大きな鏃形で肉厚の葉を付けます。肥大した地下茎を持ち、花茎(かけい)の先に白色の仏焔苞を付けます。仏焔苞とはラッパ状の総苞の事で、仏焔は仏像の後背にある炎を指します。今風に言うとクレープ状でしょうか。これが花弁のように見えます。中心の花を守る役割があるとされています。中心に肉穂花序を付けます。肉穂花序とは、軸の周囲に花が密集して付く形態を言います。上部が雄花、下部が雌花と分かれています。葉や茎に蓚酸カルシウム1)(CaC2O4)が含まれ、食べると嘔吐、炎症、皮膚炎を引き起こします。

1)「毒物及び劇物取締法」により劇物に指定されている。

Japanese common name : Oranda-kaiu
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Zantedeschia aethiopica (L.) Spreng.


オランダカイウ(阿蘭陀海芋)
別名:カラー(Calla)
サトイモ科オランダカイウ属
学名:Zantedeschia aethiopica (L.) Spreng.
花期:4月~7月 多年草(球根) 草丈:30~100cm 苞長:7~20cm

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【学名解説】
Zantedeschia : Giovanni Zantedeschi (1773-1846)に因む
aethiopica : aethiopicus(東アフリカ・エチオピアの)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Spreng. : Christian Konrad Sprengel (1750-1816)

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷(植栽) 2006.03.20
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 10 April 2006
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by pianix | 2006-04-10 00:00 | | Trackback | Comments(2)