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ジギタリス(Digitalis)
 ジギタリス(Digitalis)は、オオバコ科ジギタリス属の多年草です。ヨーロッパ原産で、日本へは1879(明治12)年に薬用と園芸目的に移入されました。名の由来は、管状の花冠を手袋の指に見立てたもので、digitusは指を意味します。別名のキツネノテブクロ(狐の手袋)も同様で、英名のFox-gloveからの直訳。妖精が休息場を動き回るキツネに困って、足音を消す為にジギタリスを履かせたという伝承によります。fairies'glove(妖精の手袋)の転訛と言われています。因みにDigitalisは、デジタル(digital)の語源です。

 APG分類体系では、オオバコ科(Plantaginaceae Juss. (1789))で、約90属1700種があるとされています。エングラー分類体系では、ゴマノハグサ科(Scrophulariaceae Juss. (1789))で、極寒地を除いた地域に約222属4450種があります。ジギタリス属(Digitalis L. 1753)は、ヨーロッパやアジアに19種が分布します。

 毒成分を含む毒草です。ステロイド配糖体の一種であるジギトキシン(digitoxin)やギトキシン(gitoxin)を含有し、心収縮力増強作用がある劇物です。ジギタリスの薬効は、民間療法師から受け継いだウイリアム・ウィザーリング(William Withering, 1741-1799)が近代医学に初めて導入したものです。強心利尿薬として使われてきました。日本薬局方に初版から収載され、現在は削除されています。1979(昭和54)年に薬用としての栽培は中止されました。

 園芸用途で親しまれていますが、民間薬としての利用は厳禁です。誤食による死亡事故が昭和39年から平成2年までの間に2例報告されています。推定致死量は2g。コンフリーやボリジと誤認するのが原因です。類似種として強い力価を持つ、ケジギタリス(Digitalis lanata Ehrh.)があります。

 茎は分枝せずに直立して50~150cmになります。根出葉は叢生し長い柄があり、長さ2~15cm。茎に付く葉は互生します。葉は卵状長楕円形で長さ10~30cm、鋸歯があります。葉裏は綿毛が密生して葉脈が網目状に突出します。

 花期は5月から7月頃。茎の先に30~60cmの総状花序を付けます。花冠は合弁花の鐘形で紅紫色。花冠の長さは30~75mmで、花径は2~4cm。花穂の片側に偏り下向きに咲きます。下唇に蜜標である暗紫色の斑点模様があります。下から順に咲きます。萼片は5深裂。雄しべは4本、内2本が長い2強雄ずい。両生花で雌性先熟、虫媒花です。果期は8~9月。果実は蒴果です。長さ1.5cm程の卵形。染色体数は、2n=48,56。

Japanese common name : Gigitarisu
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Digitalis purpurea L.

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撮影地:静岡市葵区富厚里 2010.06.02


ジギタリス(Digitalis)
別名:キツネノテブクロ(狐の手袋)/※ジキタリスは誤読
オオバコ科ジギタリス属
学名:Digitalis purpurea L.
花期5~7月 多年草 草丈:50~150cm 花径:2~4cm 花冠長:30~75mm

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【学名解説】
Digitalis : digitus(指)/ジギタリス(キツネノテブクロ)属
purpurea : purpureus(紫色の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.07.25
葵区富厚里(ダイラボウ線) 2010.06.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

10 August 2006
Last modified: 10 June 2010
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by pianix | 2006-08-10 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)