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オトコエシ(男郎花)
 オトコエシ(男郎花)は、オミナエシ科オミナエシ属の多年草です。中国や台湾、朝鮮半島、日本に分布します。日本では、北海道、本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、はっきりしません。オミナエシ(女郎花)に対して葉や茎が大きく強健に見える事から男をあてたとの説が一般的です。エシは、メシ(飯)の転訛と言われていて、オミナエシの黄色花を粟、オトコエシの白花を米に例えたと言われています。漢名は白花敗醬ですが、中国では別種です。

 APG1)体系では、スイカズラ科(Caprifoliaceae Juss. (1789))で、約16属500種が分布します。クロンキスト体系2)とエングラー体系3)では、オミナエシ科(Valerianaceae Batsch (1802))で、約8属があり、日本には3属10種が分布します。オミナエシ属(Patrinia Juss. (1789))は、東アジアと中央アジアに15種が分布し、日本には6種があります。

 山野に自生します。根出葉はロゼット状で羽状深裂します。根元から匐枝を出して繁殖します。夏期に花茎を直立させ、草丈は60cmから100cmになります。茎下部には柔毛があります。葉は対生します。茎下部の葉は3~5に羽状深裂し、長さ3~15cm、裂片は卵状長楕円形で鋸歯があります。茎上部では分裂せず被針形。

 花期は、8月から10月頃。茎上部で枝分れして散房状花序を付けます。花は白色、基部が筒状の合弁花で、先端が5裂し、径4~5mm。雄しべ4本、雌しべ1本があります。果実は痩果です。径約5mmの円形をした翼(小苞)があります。3室中の1室に種子ができます。種子は約2.5mmの倒卵形で、やや扁平。風で舞散る風媒花です。染色体数は、2n=4x=44。

1)APGは、被子植物系統グループ (Angiosperm Phylogeny Group)で、ゲノム解析による分類体系を構築する研究者団体。分子系統説による分類で、現在の主流。国立科学博物館維管束植物標本室は、2012年に新エングラー体系からAPGIII分類体系に配列替えが行われた。
2)クロンキスト体系(Cronquist system)は、Arthur John Cronquist (1919-1992)提唱による分類体系で、ストロビロイド説による分類。
3)エングラー体系(Engler's system)は、Heinrich Gustav Adolf Engler (1844-1930)提唱による分類体系。新エングラー体系(New Engler's system)は、エングラー体系を元に、Hans Melchior(1894-1984)らが提唱した分類体系で、構造複雑化説による分類。

Japanese common name : Otoko-esi
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Patrinia villosa (Thunb.) Juss.

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オトコエシ(男郎花)
別名:チメクサ[知女久佐]/トチナ[土知菜]
スイカズラ科オミナエシ属
学名:Patrinia villosa (Thunb.) Juss.
花期:8月~10月 多年草 草丈:80~100cm 花径:4~5mm

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【学名解説】
Patrinia : Eugene Louis Melchior Patrin (1742-1815)に因む/オミナエシ属
villosa : villosus(長い柔毛をもつ)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰)Alt. 717m 2014.09.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 26 April 2015
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by pianix | 2016-01-19 20:00 | | Trackback | Comments(0)
オミナエシ(女郎花)
 オミナエシ(女郎花)は、オミナエシ科オミナエシ属の多年草です。日本、中国、朝鮮、シベリア東部が原産で、国内の北海道・本州・四国・九州に分布する在来種です。名の由来は、オトコエシ(男郎花)と比べて女性的である事から。オミナは女。詳細は不明です。エシは飯であり、黄色の小さな花を古代に女性が食していた粟飯に例え、オミナメシ(女飯)が転訛したものとの説があります。この女郎花の漢字表記は、平安時代の901~923年(延喜年間)の頃から始まったとされています。秋の七草の一つ。英名は、Dahurian patrinia。

 APG体系では、スイカズラ科(Caprifoliaceae Juss. (1789))で、約16属500種が分布します。クロンキスト体系とエングラー体系では、オミナエシ科(Valerianaceae Batsch (1802))で、約8属があり、日本には3属10種が分布します。オミナエシ属(Patrinia Juss. (1789))は、東アジアと中央アジアに15種が分布し、日本には6種があります。

 根茎は横に這い増殖します。根生葉は長柄がある卵状披針形。茎葉は対生し、羽状に深く分裂します。茎は上部で枝分かれして、高さ60~100cmになります。茎に付く毛はまばらです。やや円錐状の散房花序を出し、黄色の小花多数を付けます。小花は、筒部が短い漏斗形の合弁花で、花冠は5裂し、径3~5mm。雄しべ4本、雌しべ1本があります。染色体数は、2n=22。

 子房は3室に分かれ、内1室のみが結実し、残り2室は結実しません。果実は痩果です。長楕円形で長さ3~4mm、幅2mm。ロゼット葉で越冬します。

Japanese common name : Omina-eshi
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Patrinia scabiosifolia Fisch. ex Trevir.

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左:茎葉は対生し羽状に裂ける 右:花冠は漏斗形の合弁花で5裂し、径3~5mm


オミナエシ(女郎花)
別名:オミナメシ(女郎花/女飯)/アワバナ(粟花)
スイカズラ科オミナエシ属
学名:Patrinia scabiosifolia Fisch. ex Trevir.
花期:7月~9月 多年草 草丈:60~100cm 花径:3~4mm

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【学名解説】
Patrinia : Eugene Louis Melchior Patrin (1742-1815)に因む/オミナエシ属
scabiosaefolia : scabiosaefolius(マツムシソウ属Scabiosaのような葉の)
Fisch. : Friedrich Ernst Ludwig von Fischer (1782-1854)
ex : ~による
Trevir. : Ludolf Christian Treviranus (1779-1864)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.09.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 September 2006
Last modified: 04 December 2014
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by pianix | 2006-09-26 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
スイカズラ(吸葛)
 スイカズラ(吸葛)は、スイカズラ科スイカズラ属の蔓性低木です。日本・韓国・中国が原産で、アメリカやヨーロッパにも帰化しています。国内では北海道南部・本州・四国・九州に分布する在来種です。名の由来は、花筒の蜜を吸うと甘いや、花弁の形が吸っている唇に似るから、化膿部の吸い出しに用いられた事から、と諸説あります。蜜を吸う事に由来すると言うのが一般的な解釈で、葛は蔓性植物の総称です。別名のキンギンカ(金銀花)は、花色の変化を金と銀色に例えたものです。ニンドウ(忍冬)は、耐寒性があり冬でも葉が残る事からです。生薬名としての呼び名でもあり、花や蕾は金銀花、茎や葉を忍冬と区別します。英名は、japanese honeysuckle。

 スイカズラ科(Caprifoliaceae Juss. (1789))は、北半球に18属500種が分布します。スイカズラ属(Lonicera L. (1753))は、北半球に約180種が分布し、日本には21種が自生します。

 茎は蔓性で、他の植物などに巻き付いて伸びます。巻き方向は左右両方です。巻き付く物がないと地を這います。樹皮は灰褐色で、若枝には毛が密生します。葉は対生します。長さ25~80mm、幅7~30mmの長楕円形で全縁、先は鈍頭。両面有毛で、表面は緑色、裏面は淡白緑色で、4~5対の側脈があります。季節による変異があり、春には羽状に深裂するものが出ます。

 花期は5月から6月頃。枝の葉腋から短枝を出し、2唇形の筒状花を2個並んでつけます。長さ3~4cmで、花冠の外面には軟毛があります。先端から半分が唇状となり、上弁1、下弁2に分かれます。花弁は反り返り、上弁の先端は浅く4裂します。初めは白色で、受粉後に黄変します。萼は子房と合着します。雄しべは5本、花柱は1本あります。染色体数は、2n=18。

 主な花粉媒介動物(ポリネーター|pollinator)はスズメガとマルハナバチです。果実は液果で、径5~7mmの広楕円形。熟すと黒褐色になります。帰化先の欧米ではクズ(葛)と同様に、蔓性の対抗植物が少ない事から、森林や畑で野生化し有害植物となっています。

Japanese common name : Sui-kazura
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Lonicera japonica Thunb.

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スイカズラ(吸葛)
別名:キンギンカ(金銀花)
スイカズラ科スイカズラ属
学名:Lonicera japonica Thunb.
花期:5月~6月 蔓性低木 樹高:2~3m 花径:3~4cm 果期:9~12月

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【学名解説】
Lonicera : Adam Lonitzer (1528-1586)のラテン名Lonicerusに因む/スイカズラ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.5km 右岸河川敷 2006.05.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 8 June 2006
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by pianix | 2006-06-08 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ハコネウツギ(箱根空木)
 ハコネウツギ(箱根空木)は、スイカズラ科タニウツギ属の落葉低木です。日本原産の在来種で、北海道南部から九州にかけての沿岸部に分布が見られます。その内で特に静岡県に多いとされています。本来の自生分布地の特定は困難のようです。名の由来は、産地と思われていた箱根を冠するウツギ(空木)から。実際には箱根の地名は誤認命名によるものです。ウツギの名は、茎が中空である事から。ちなみに、ウツギはユキノシタ科で、本種はスイカズラ科です。

 スイカズラ科(Caprifoliaceae Juss. (1789))は、北半球の温帯を主に約17属500種が分布します。タニウツギ属(Weigela Thunberg, 1780)は、北アメリカ・中国・朝鮮半島・日本に12種が分布し、日本には10種が自生します。

 樹高は、2~4mになります。枝の樹皮は灰黒色。葉は対生します。単鋸歯がある楕円形あるいは倒卵形で先端は尖鋭形、長さ5~15cm、幅は3~6cmです。8~15mmの葉柄があり、基部は広いくさび形。表は深緑色で裏は青味を帯び、ほぼ無毛ですが葉裏の脈には毛があります。

 花期は5月から6月頃。枝先や葉腋に集散花序を出し、2~8輪の花をつけます。鐘形漏斗状の花冠で、先端が5裂した合弁花です。長さ25~42mm、幅は23~33mm。初めは白色ですが淡紅から紅紫色に変化します。萼片は5個あり、長さ8~20mm、幅0.8~2.2mmの線状。長さ7~13mmの雄しべが5本、長さ23~30mmの雌しべ1本があります。果実は長さ2~3cmの朔果で、1.5mm程の種子は卵形で狭い翼があります。

 タニウツギ属植物の花弁にはアントシアニン(anthocyanin)と、フラボノイド(flavonoid)が含まれます(Chang 1997)。ハコネウツギにおいては、アントシアニン量が開花後の花弁で経時的に著しく増加して花色の変化をおこします。送粉昆虫1)は赤花よりも白花を選択的に訪花します(下川, 悟史 2012)。つまり、受粉が済んだ確率が高い赤花よりも、受粉前の白花に昆虫を誘導する花色の変化は、昆虫にとっては能率的であり、花数が多いハコネウツギにも無駄が無い生存上の戦略であると言えます。

 品種(forma)として、白花で花色が変化しないシロバナハコネウツギ(白花箱根空木)Weigela coraeensis Thunb. f. alba (Voss) Rehder、初めから紅花を付けるベニバナハコネウツギ(紅花箱根空木)Weigela coraeensis Thunb. f. rubriflora Momiyamaがあります。
 ハコネウツギと酷似した、山地性のニシキウツギ(二色空木)Weigela decora (Nakai) Nakai があり、これにも品種として、シロバナニシキウツギ(白花二色空木)Weigela decora (Nakai) Nakai f. nivea Sugim. 、ベニバナニシキウツギ(紅花二色空木)Weigela decora (Nakai) Nakai f. unicolor (Nakai) H.Hara があります。また、変種のアマギニシキウツギ(天城二色空木)Weigela decora (Nakai) Nakai var. amagiensis (Nakai) H.Hara f. bicolor Sugim. や、交雑種のハコネニシキウツギ(箱根二色空木)Weigela x hakonensis Nakai もあります。

1)送粉昆虫は、主にコマルハナバチ(小丸花蜂)Bombus ardens (Smith, 1879)と、ジャコウアゲハ(麝香揚羽)Atrophaneura alcinous (Klug, 1836)。

参考文献:
タニウツギ属植物における花色変化の機構と生物学的意義の解明(下川, 悟史 2012)
Flora of Japan, Hakone-utsugi. H.Ohba

Japanese common name : Hakone-utugi
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Weigela coraeensis Thunb.
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白花が若く、時間が経つと赤花へと変化する。

☆  ☆  ☆

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シロバナハコネウツギ(白花箱根空木)
Weigela coraeensis Thunb. f. alba (Voss) Rehder

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左:咲き始め 花は赤くならずに終わる


ハコネウツギ(箱根空木)
スイカズラ科タニウツギ属
学名:Weigela coraeensis Thunb.
花期:5月~6月 落葉低木 樹高:2~5m 花径:2~3cm 果期:9~12月

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【学名解説】
Weigela : Christian Ehrenfried von Weigel (1748-1831)に因む/タニウツギ属
coraeensis : koreensis(朝鮮産の・高麗から来た)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
シロバナハコネウツギ(白花箱根空木)
f. : forma(品種)
alba : albus(白色の)
Voss: Andreas Voss (1857-1924)
Rehder : Alfred Rehder (1863-1949)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.50km 左岸土手(植栽) 2006.05.24
満観峰(Alt. 470m) 2015.05.21, 2015.06.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 May 2006, 17 May 2015
Last modified: 19 June 2015
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by pianix | 2006-05-26 00:00 | | Trackback(1) | Comments(4)