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早春の野草・その6
 シロバナタンポポが気になって、昨年咲いていた場所へ出かけてみました。土手斜面にたくさん咲いているタンポポを観察していると、土手を通りかかった中年女性が声をかけてきました。「花を見てんの?」「はい」「何? 植物の研究者?」「いいえ、違います。趣味で……」「だって、そういう顔に見えるよ」。いったい、どういう顔が植物学者なんだ?と疑問に思いながら観察を続けました。トウカイタンポポが圧倒的に多くて、シロバナタンポポは中ぐらい、カントウタンポポは少なめ、セイヨウタンポポはついに見つけられませんでした。

 ■カントウタンポポ(関東蒲公英)は、関東から東海地方東部に分布する在来種です。総苞外片は反り返えらず、総苞外片が総苞内片の1/2程の長さになります。染色体数は、2n=2x=16。2倍体で、両性生殖します。

Japanese common name : Kantou-tanpopo
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Taraxacum platycarpum Dahlst.
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総苞外片は総苞内片の約1/2の長さ

カントウタンポポ(関東蒲公英)
別名:アズマタンポポ(東蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum platycarpum Dahlst.
花期:3月~6月 多年草 草丈:10~25cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon(苦い草)の変形/タンポポ属
platycarpum : platycarpus(平ったい果の・大きな果実の)
Dahlst. : Hugo Gustav Adolf Dahlstedt (1856-1934)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川(河口から6.5km左岸) 支流・辰起川 2007.02.06



 ■シロバナタンポポ(白花蒲公英)は、西日本に多い在来種です。総苞外片が僅かに反り返ります。染色体数は、2n=5x=40。5倍体で、単為生殖します。

Japanese common name : Sirobana-tanpopo
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Taraxacum albidum Dahlst.

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左:頭花 右:総苞外片は僅かに反り返る

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左:頭花は舌状花の集まり 右:種子は痩果で茶色

シロバナタンポポ(白花蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum albidum Dahlst.
花期:2月~5月 多年草 草丈:10~30cm 花径:35~45mm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon(苦い草)の変形/タンポポ属
albidum : albidus(淡白色の)
Dahlst. : Hugo Gustav Adolf Dahlstedt (1856-1934)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川(河口から6.5km左岸) 支流・辰起川 2007.02.06

Last modified: 7 February 2007
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by pianix | 2007-02-07 00:00 | | Trackback | Comments(4)
早春の野草・その3
 安倍川(静岡市)の河川敷では、在来種のタンポポが優勢です。外来種のセイヨウタンポポはあまり多くはありません。花期にタンポポの群落が現れると、あたりが明るい様相に一変します。しかしながら、タンポポと一口に言っても、多くの種類があります。世界に約400種、日本に約22種あると言われています。ありふれたタンポポに見えますが、判別が大変難しいものの一つです。正確に特定しようとしたら染色体数等の分析が必要となります。なお、タンポポの頭花は舌状花の集合体です。

 ■トウカイタンポポ(東海蒲公英)は、在来種です。外総苞片が反り返らず、外総苞片の先端に著しい角状突起があります。外総苞片が内総苞片の2/3以上あるのが特徴です。染色体数は2n=2x=16。2倍体で、両性生殖します。

Japanese common name : Toukai-tanpopo
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Taraxacum platycarpum Dahlst. var. longeappendiculatum (Nakai) Morita
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(480x640/45kB)


トウカイタンポポ(東海蒲公英)
別名:ヒロハタンポポ(広葉蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum platycarpum Dahlst. var. longeappendiculatum (Nakai) Morita
synonym : Taraxacum longeappendiculatum Nakai
花期:2月~5月 多年草 草丈:10~30cm 花径:35~45mm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon(苦い草)の変形/タンポポ属
platycarpum : platycarpus(平ったい果の・大きな果実の)
Dahlst. : Hugo Gustav Adolf Dahlstedt (1856-1934)
var. : varietas(変種)
longeappendiculatum : longe(長い)+appendiculatus(附属物のある)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.75km 右岸河川敷 2007.01.15



 ■セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)は外来種です。生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。外総苞片が反り返ります。染色体数は2n=3x=24。3倍体で無性生殖を行いますが、遺伝の攪乱によって複雑になっています。果実が赤味を帯びているものをアカミタンポポ(赤実蒲公英) Taraxacum laevigatum DC. と言います。

Japanese common name : Seiyou-tanpopo
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Taraxacum officinale Weber ex F.H.Wigg.
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(480x640/64kB)

セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum officinale Weber ex F.H.Wigg.
花期:4月~6月/9月~11月 多年草 草丈:30~40cm 花径:35~50mm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon | talkh chakok(苦い草)の変形/タンポポ属
officinale : officinalis(薬用の・薬効のある)
Weber : Georg Heinrich Weber (1752-1828)
ex : ~による
F.H.Wigg. : Friedrich Heinrich Wiggers (1746-1811)

撮影地:静岡県静岡市
葵区羽鳥 2007.01.25



 ■次のタンポポは、交雑種と思われます。葉緑体DNAが在来種の場合の雑種は、3倍体雑種(2n=3x=24)、4倍体雑種(2n=4x=32)、雄核単為生殖雑種(2n=3x=24)があります。

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Taraxacum spp.


撮影地:静岡県静岡市
駿河区谷田 2006.12.21

Last modified: 30 January 2007
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by pianix | 2007-01-30 00:00 | | Trackback | Comments(2)
カントウタンポポ(関東蒲公英)
 タンポポの数を調べてみました。実施日は2006年2月21日。調査地は、安倍川河口から6.50km東岸近辺から東へ延びる小川の土手、車両の通行が禁止されている250m程度の区域です。観察は目視により、頭花数を数えました。総数は86で、内訳は在来種86、外来種0でした。在来種の内訳は、カントウタンポポ34、トウカイタンポポ33、シロバナタンポポ19です。

カントウタンポポ(関東蒲公英) Taraxacum platycarpum Dahlst.
oooooooooooooooooooooooooooooooooo[34]

トウカイタンポポ(東海蒲公英) Taraxacum platycarpum Dahlst. var. longeappendiculatum (Nakai) Morita
ooooooooooooooooooooooooooooooooo[33]

シロバナタンポポ(白花蒲公英) Taraxacum albidum Dahlst.
ooooooooooooooooooo[19]

 タンポポ属は日本で22種が自生します。カントウタンポポ(関東蒲公英)は、関東地方と東海地方東部に分布する在来種です。葉は根生し倒披針形で羽状に深く切れ込みます。総苞外片は反り返りません。総苞外片が内片の長さの1/2程になります。花弁は黄色で、径20~30mm程です。小花数は60前後です。

 染色体は二倍体(2n=2x=16)です。有性生殖であり、他家受粉を行います。強い自家不和合性(自分の花粉では種子を生産しない)があります。従って、同種が群れて咲く必要性があります。虫媒花であり、媒介動物はハナアブやハチです。花色に黄色や白が多いのは、ハナアブが見えやすい色である為と言われています。20度以上になると発芽しない夏期高温休眠性があり、夏は休眠し、地上部は枯れます。発芽後、2~3年を経て開花に至ります。在来種は水分や栄養の多い土を必要とします。

参考:セイヨウタンポポ(西洋蒲公英) シロバナタンポポ(白花蒲公英) トウカイタンポポ(東海蒲公英)

Japanese common name : Kantou-tanpopo
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Taraxacum platycarpum Dahlst.
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カントウタンポポ(関東蒲公英)
別名:アズマタンポポ(東蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum platycarpum Dahlst.
synonym : Taraxacum sendaicum Kitam.
花期:3月~6月 多年草 草丈:10~25cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon(苦い草)の変形/タンポポ属
platycarpum : platycarpus(平ったい果の・大きな果実の)
Dahlst. : Hugo Gustav Adolf Dahlstedt (1856-1934)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.50km 左岸土手 2006.02.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 21 February 2006
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by pianix | 2006-02-21 00:00 | | Trackback | Comments(3)
トウカイタンポポ(東海蒲公英)
 トウカイタンポポ(東海蒲公英)は、キク科タンポポ属の多年草です。千葉県以西の東海地方の太平洋沿岸側に分布する在来種です。名の由来は、生育地方名を冠したタンポポ。別名のヒロハタンポポ(広葉蒲公英)は、葉幅が広い事に由来します。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。タンポポ属(Taraxacum F.H. Wiggers, 1780)は世界に約400種類、細分して約2000種ほどあり、日本には約22種が野生しています。それらは大きく在来種と外来種に分けられます。

 トウカイタンポポは総苞外片が内片の長さの2/3程あり、カントウタンポポ(関東蒲公英)の1/2位よりも長めです。カントウタンポポの突起は小型ですが、トウカイタンポポは著しい突起があります。セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)のように総苞外片は反り返らず、密着しています。染色体は二倍体(2n=2x=16)で、有性生殖を行います(在来平地性二倍体種)。虫媒によって他家受粉を行う必要があるので、繁殖には豊かな自然環境が必要です。自家受粉はしない仕組みになっています(自家不和合性)。セイヨウタンポポと異なり、種子は秋に芽生えます。

 羽状に浅く裂けた根生葉の間から花茎を伸ばします。花茎には軟毛があります。茎から出る乳汁はイヌリン(Inulin・多糖類の一種)です。頭状花を1つを付けます。花色は黄色で、舌状花(花弁が筒状となり上部が平らで舌のような形をした花)が多数付きます。朝に開花し夕方に閉じる動作を数日続けます。最近はセイヨウタンポポとの雑種である中間種が多くなってきています。

★ ★ ★

 「名もない雑草」とは文学的表現で使われますが、植物分類学的に言えば発見者が名を付けることになるので、興味深い研究対象に早変わりです。「世界に一つだけの花」という言葉は観念的な表現であることを承知の上で、ひねくれた言い方をすれば、絶滅危惧種です。そして、ありふれた野草の一つであるタンポポは、実は素人の研究の域を超える難しい問題をはらんでいます。このブログでは表面的な事柄しか扱っていません。もし興味がおありでしたら、是非ともたくさんの論文をお読みになり、深く観察して新たな局面を開く研究をして頂きたいと思います。

 植物分類学は、ディオスコリデス(Pedanius Dioscorides, c.40-90 AD)の著した薬草誌「De Materia Medica」が最初と言われています。現在の植物分類学が確定したのはリンネ(Carl von Linne, 1707-1778)によります。その流れは人類の初穂であるアダムから連綿と受け継がれています。『主なる神は、野のあらゆる獣、空のあらゆる鳥を土で形づくり、人のところへ持って来て、人がそれぞれをどう呼ぶか見ておられた。人が呼ぶと、それはすべて、生き物の名となった。人はあらゆる家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名を付けたが、自分に合う助ける者は見つけることができなかった。』創世記2章19~20節(新共同訳聖書)。

参考:セイヨウタンポポ(西洋蒲公英) シロバナタンポポ(白花蒲公英) カントウタンポポ(関東蒲公英) 

Japanese common name : Toukai-tanpopo
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Taraxacum platycarpum Dahlst. var. longeappendiculatum (Nakai) Morita
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種子
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トウカイタンポポ(東海蒲公英)
別名:ヒロハタンポポ(広葉蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum platycarpum Dahlst. var. longeappendiculatum (Nakai) Morita
synonym : Taraxacum longeappendiculatum Nakai
花期:2月~5月 多年草 草丈:10~30cm 花径:35~45mm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon(苦い草)の変形/タンポポ属
platycarpum : platycarpus(平ったい果の・大きな果実の)
Dahlst. : Hugo Gustav Adolf Dahlstedt (1856-1934)
var. : varietas(変種)
longeappendiculatum : longe(長い)+appendiculatus(附属物のある)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.02.07, 2016.04.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 09 February 2006
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by pianix | 2006-02-09 00:00 | | Trackback | Comments(0)
セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
 タンポポは大きく外来種と在来種に分けられます。外来種優勢と言われる中で、安倍川河川敷には在来種がたくさん咲きます。あるところで籾殻(もみがら)を敷き詰めた場所があり、タンポポが花を咲かせていました。外来種のセイヨウタンポポ(西洋蒲公英)ですが、その萼片が作り物のように整然としていたので鳥肌が立ちました。葉は、籾殻の中に埋まったままでした。

☆  ☆  ☆

 セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)は、キク科タンポポ属の多年草です。ヨーロッパ原産で、世界各地に進出している世界種(cosmopolitan species)です。明治時代に北海道の宣教師が野菜として栽培したものが逸出して野生化した、逸出帰化植物と言われています。北ヨーロッパでは春の貴重な野菜として栽培され、花が咲く前の葉を食用とします。日本では全国に分布します。生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種、日本には約70属360種が分布する巨大な分類群です。タンポポ属(Taraxacum F.H.Wiggers, 1780)は、日本に約22種、世界に400種程があります。

 和名の蒲公英は、タンポポとは読めません。漢名を充てたものだからです。ホコウエイと読む場合は、生薬名としてがほとんどです。名の由来は幾つかあります。綿毛が用具のタンポ(綿を布で包んだもの)に似ているからとか、頭花を鼓に見立てて叩く音に例えたとか数種あります。数が多いのは、どれも有力な根拠を持たないからです。

 総包は頭状花の基部にあり、全体を包むような構造物を指します。外側から順に、総包外片、角状突起、総包内片があります。一般的に、総包外片が反っているものをセイヨウタンポポとしています。実際には遺伝の攪乱があり、判別しにくいものが出現しています。花は黄色の舌状花が多数付く頭状花序で、下から子房、冠毛があり、雌しべには先が丸まった柱頭があります。種子には冠毛が付きます。大型の冠毛で、種子を広く散布するのに在来種より有利とされています。種子の色は灰褐色です。赤みを帯びるものはアカミタンポポ(赤実蒲公英)Taraxacum laevigatum DC.として区別されています。

 セイヨウタンポポとアカミタンポポは共に染色体が3倍体(2n=3x=24)の単為生殖(受粉無しに種子を作る)ですが、ごく稀に、1~2倍体を持つものが現れます。正常な花粉を作りだし、これが在来種と交雑する事になります。在来種に外来種の遺伝子を持つ種子を作らせる事から、盗賊種(Compilospecies)とも言います。

 多数の根出葉を出します。葉は倒披針形で、縁が深く羽状に切れ込みます。英語では、この様子を例えて、タンポポのことをDandelion(Dande=歯、lion=ライオン)と言います。長さは8~13cm程になります。茎は中空で、傷つけると乳液が出ます。根はローストして珈琲の代用品、花はワインの原材料、葉は野菜として利用されます。

参考:セイヨウタンポポ(西洋蒲公英) シロバナタンポポ(白花蒲公英) トウカイタンポポ(東海蒲公英)

Japanese common name : Seiyou-tanpopo
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Taraxacum officinale Weber ex F.H.Wigg.


セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum officinale Weber ex F.H.Wigg.
花期:4月~6月/9月~11月 多年草 草丈:30~40cm 花径:35~50mm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon | talkh chakok(苦い草)/タンポポ属
officinale : officinalis(薬用の・薬効のある)
Weber : Georg Heinrich Weber (1752-1828)
ex : ~による
F.H.Wigg. : Friedrich Heinrich Wiggers (1746-1811)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14.75km (足久保) 2006.01.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 8 February 2006
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by pianix | 2006-02-08 00:00 | | Trackback | Comments(5)
シロバナタンポポ(白花蒲公英)
 シロバナタンポポ(白花蒲公英)をしばらく探し歩いた時がありました。どこにも見あたらず諦めかけていたところ、何と我が家の近くに咲いているのを見つけました。春に咲くタンポポですが、静岡では秋の一時期にも咲く事があります。このシロバナタンポポは、あまりも近くで咲いているので灯台もと暗し状態になり、秋に芽生えた花を見つけるのが遅れました。そして数日後には消えて無くなりました。

☆  ☆  ☆

 シロバナタンポポは、キク科タンポポ属の多年草です。関東から九州に野生する在来種です。花色が白であることが最大の特徴で、中央部はキビシロタンポポ(吉備白蒲公英)のように黄色を帯びます。キビシロタンポポは、総苞片が反りかえりませんが、シロバナタンポポは、やや反りかえります。種子の色は褐色ですが、キビシロタンポポは、より濃い黒色になります。どちらも単為生殖である事は変わりません。シロバナタンポポは、カントウタンポポ(関東蒲公英)などより草丈があり、葉は寝ません。染色体数は、2n=5x=40。5倍体無融合生殖種です。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。タンポポ属(Taraxacum F.H. Wiggers, 1780)は世界に約400種類、細分して約2000種ほどあり、日本には約22種が野生しています。それらは大きく在来種と外来種に分けられます。

 その内で白花は3種類あります。シロバナタンポポ(白花蒲公英)Taraxacum albidum Dahlst.、キビシロタンポポ(吉備白蒲公英)Taraxacum hideoi Nakai ex H.Koidz.、オクウスギタンポポ(奥薄黄蒲公英)Taraxacum denudatum H.Koidz.です。在来種の染色体は2倍体であり、外来種は3倍体、白花種は5倍体です。染色体は二分割の半数体によって、雌雄の染色体が合体し、新しい生殖細胞を作り出します。これを両性生殖と言います。しかし染色体が奇数倍体の場合は、染色体を二分割できず、生殖細胞を作る事ができないため、自らの細胞から種を作る事になります。これを単為生殖と言います。つまりクローンです。この場合は、花粉の散布が必要ないため、媒介する虫などを必要としません。従って、都市部のような虫が少ない所では有利に働くと考えられています。

参考:セイヨウタンポポ(西洋蒲公英) シロバナタンポポ(白花蒲公英) トウカイタンポポ(東海蒲公英)

Japanese common name : Sirobana-tanpopo
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Taraxacum albidum Dahlst.
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シロバナタンポポ(白花蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum albidum Dahlst.
花期:2月~5月 多年草(単為生殖) 草丈:10~30cm 花径:35~45mm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon(苦い草)の変形/タンポポ属
albidum : albidus(淡白色の)
Dahlst. : Hugo Gustav Adolf Dahlstedt (1856-1934)

撮影地:静岡県静岡市葵区
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2005.12.09
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

27 December 2005
Last modified: June 14, 2008
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by pianix | 2005-12-27 00:00 | | Trackback | Comments(4)