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オオセンナリ(大千成)
 オオセンナリ(大千成)は、ナス科オオセンナリ属の1年草です。南アメリカのペルーが原産で、日本へは江戸時代末期に園芸用途で渡来しました。1964年に福岡県北九州市で野生化が確認された帰化植物です。名の由来は、ホオズキ属のセンナリホオズキ(千成酸漿)Physalis pubescens L.と比べて大型との意味から。千成りとは、たくさん群がって実が生る事。英名は、Apple of Peruで「ペルーの林檎」ですが、果実は有毒1)で食べられません。

 ナス科(Solanaceae Juss. (1789))は、世界に90属約2300種が分布します。オオセンナリ属(Nicandra Adanson, 1763)は1属1種で、南アメリカのチリとペルーに分布します。

 茎には稜があり、分枝して30~100cmになります。葉は互生します。柄があり、長さ5~10cmの長楕円形あるいは卵形で、先端が尖り、荒い鋸歯があります。花期は7月から9月頃。葉腋から、葉と対生の位置に長い柄を持った花を付けます。淡青紫色の浅く5裂した5角形の鐘形で、花冠径は3~5cm。萼は筒状で、基部に5個の尾状突起があり、側面に5個の翼があります。

 果実は液果です。長さ約25mmの袋状になった肥大した萼に包まれ、袋は熟すと割れます。液果表面には茶褐色の斑点があります。種子は1.5~2mmの扁平した円形で多数あります。染色体数は、n=10, 2n=19,21。

 全草を生薬「假酸漿(カサンショウ)」として止咳、清熱、去痰、解毒に用います。

1)ニカンドレノン(Nicandrenone, C28H34O6)

【参考文献】
0.NALBANDOV, R.T.YAMAMOTO and G.S.FRAENKEL(1964) Nicandrenone, a new compound with insecticidal properties, isolated from Nicandra Physalodes. Jour. Agric. Food Chem. 12:55-59.

殺虫力をもつ新植物成分ニカンドレノン
農技研 平野千里 日本応用動物昆虫学会誌 第8巻 第2号 1964-06-25,122p.

Japanese common name : Oo-sen'nari
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Nicandra physaloides (L.) Gaertn.

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萼は筒状、基部に5個の尾状突起、側面に5個の翼がある。葉は互生する。
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イチモンジセセリが訪花していた。

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果実は液果。肥大した萼に包まれている。2006.10.19


オオセンナリ(大千成)
ナス科オオセンナリ属
学名:Nicandra physaloides (L.) Gaertn.
花期:7月~9月 1年草 草丈:30~100cm 花径:3~5cm

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【学名解説】
Nicandra : ギリシャの詩人Nikandros(197-130 BC.) に因む/オオセンナリ属
physaloides : ホオズキ属(Physalis)のような|Physalis:physa(水泡・気泡)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Gaertn. : Joseph Gaertner (1732-1791)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.07.25, 2006.10.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 26 July 2006
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by pianix | 2006-07-26 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(4)
ハシリドコロ(走野老)
 ハシリドコロ(走野老)は、ナス科ハシリドコロ属の多年草です。日本と韓国、中国が原産で、国内では、本州・四国・九州に分布する在来種です。標高500~1600m程度の沢沿いの落葉樹林内や斜面に自生します。「野老」は、トコロと読み、ヤマノイモ科のオニドコロ(鬼野老)を指します。根茎の髭根を老人の髭に見立てた当て字です。名の由来は、オニドコロの根に似ていて、有毒であり誤食すると錯乱状態に陥り苦しみから走り回る事から。

 ナス科(Solanaceae Adans., 1763)は、世界中に90属約2300種が分布します。日本には6属14種があります。ハシリドコロ属(Scopolia N.J. Jacquin, 1764)は、世界に変種を含めて約11種があります。

 ヤマトリカブトと並ぶ猛毒植物として知られています。地下茎は太く、湾曲します。薄紫色をしたロート根です。日本薬局方のロートエキス(Scopolia Extract)や硫酸アトロピンの原料(鎮痛薬や目薬)になります。茎は無毛で、草丈30~60cmになります。基部に鱗片葉があります。葉は互生します。長い柄があり、長さ10~20cm、幅3~7cmの楕円状卵形で、先端は尖ります。鋸歯はありませんが、下部の葉は荒い鋸歯が見られることがあります。

 葉腋から花柄を出し、花を下垂させます。浅く5裂した筒状の鐘形で、長さは2~3cm。花冠の外側は暗紅紫色で、内側は黄緑色です。雄しべは5本。果実は蒴果の一種の蓋果(がいか|pyxis)です。球形をしていて、成熟すると果皮が横に裂開して多数の種子を飛ばします。

 中毒事例報告のある有毒植物で、嘔吐・下痢・血便・瞳孔散大・視力障害・痙攣・興奮・狂躁・幻覚等の症状が現れます。大量摂取により重篤となり、昏睡して死に至る場合もあります。主成分はヒオスチアミン(hyoscyamine)、アトロピン(atropine)です。アトロピン経口推定致死量は、小児で10-20mg。マウス(経口)LD50:548mg/kg。

Japanese common name : Hasiri-Dokoro
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Scopolia japonica Maxim.
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楕円状卵形の葉が互生する


ハシリドコロ(走野老)
ナス科ハシリドコロ属
学名:Scopolia japonica Maxim.
花期:4月~5月 多年草 草丈:30~60cm 花冠長:2~3cm

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【学名解説】
Scopolia : Giovanni Antonio Scopoli (1723-1788)の名に因む/ハシリドコロ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.04.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 18 May 2006
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by pianix | 2006-05-18 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
タバコ(煙草)
 タバコ(煙草)は、ナス科タバコ属の多年草です。南熱帯アメリカが原産で、日本では1年草として扱われます。名の由来は、ポルトガルから日本へ渡来した時のtabacoから。煙草は中国名で、当字。英名は、Tobacco。

 ナス科(Solanaceae Juss. (1789))は、世界に90属、約2300種が分布します。タバコ属(Nicotiana L. (1753))は、世界に66種類(野生種64種・栽培種2種)が分布しています。内訳は、南北アメリカ大陸45種、オセアニア20種、アフリカ(ナミビア)1種です。フランスの駐ポルトガル大使ジャン・ニコ(Jean Nicot (1530-1600))がフランスに持ち帰った事に因み、属名Nicotianaが付けられました。

 タバコの有効成分ニコチン(Nicotine)の名もこれに由来します。ニコチンはC10H14N2の構造式を持ち、幼児の致死量は15mg、大人の経口致死量は50~60mgとされています。殺虫剤として使用されることから毒物である事が分かります。当初は医薬品として利用されました。日本には1586年(天正14年)以後に入ったと言われています。栽培は1605年(慶長10年)に長崎で始まりました。

 花期は、7月から8月頃。花は、茎の先端部分に群生します。ピンク色の漏斗形をしている管状合弁花で、先端が星形に5裂します。萼片も5裂します。雄しべ5本、雌しべ1本があります。通常、花が出るとすぐに摘花されます。花への栄養を葉に回すためです。

 葉は、先端の鋭い大きな卵形で互生します。下から「下葉・中葉・合葉・本葉・上葉」と呼ばれ、各数枚ずつ計約20枚が付きます。ニコチン含有量は下部が少なく上に行くほど増えます。表面には毛茸(もうじ)と呼ばれる産毛が生えています。長さ約70cm、幅約30cmの大きさまで成長します。

 種子は、約0.7mm×0.5mmの回転楕円体で、重量50μg(マイクログラム)程です。1gの20万分の1と言う微細さです。種子対植物体重量の比は1,500万倍に達します。染色体数は、2n=48。

 紙巻き煙草の原料とされるのは、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum L.)=写真=と、ニコチアナ・ルスチカ(Nicotiana rustica L.)の栽培種2種類のみです。ニコチアナ・タバカムには、バーレー種・黄色種・在来種の各品種があります。タバコの専売制度が廃止(1985年)された以後、タバコ属の園芸種(alata種)が解禁となり市場に出回るようになりました。

Japanese common name : Tabako
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Nicotiana tabacum L.

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管状合弁花で、先端が星形に5裂する <2006.12.21> 萼裂片は5個

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雄しべ5,雌しべ1 <2005.12.21> 葉は卵形で互生し、約20枚がつく


タバコ(煙草)
ナス科タバコ属
学名:Nicotiana tabacum L.
花期:7月~8月 多年草(日本では1年草) 草丈:120cm

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【学名解説】
Nicotiana : Jean Nicot (1530-1600)フランスの外交官に因む/タバコ属
tabacum : tabaca(タバコ)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2005.12.02, 2005.12.21, 2006.12.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 22 January 2006
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by pianix | 2006-01-22 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)
 キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)は、ナス科キダチチョウセンアサガオ属の常緑低木です。朝鮮とつけられていますが、原産地は南アメリカです。外国産で木本の朝顔に似た、という意味合いの名前です。

 ナス科(Solanaceae Juss. (1789))は、世界に90属約2300種が分布します。旧属名はチョウセンアサガオ属(Datura L. (1753))で、現在はキダチチョウセンアサガオ属(Brugmansia Persoon, 1805)に転属されました。しかし、以前の属名でダツラ(ダチュラ)と呼ばれる事もあります。南アメリカに約5種が分布します。

 チョウセンアサガオ属の花は上向きに、キダチチョウセンアサガオ属は下向きにラッパ状の香りある花を咲かせます。ヨウシュチョウセンアサガオ(洋種朝鮮朝顔)よりも大型で、成長すると4mに達するものもあります。花色は白で、時間経過と共に色合いが変わっていきます。挿し木で増やす事ができます。園芸種として、黄色花品種のJamaican yellow、桃色のEquador Pinkなどがあります。果実には棘状の突起はありません。

 チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔)と同様に毒1)がありますから、扱った後の手洗いを忘れないようにする必要があります。

1)トロパンアルカロイドと呼ばれるアトロピン(Atropine)、スコポラミン(Scopolamine)、ヒヨスチアミン (Hyoscyamine)等が含まれ、中毒症状(目眩、四肢弛緩、嘔吐、瞳孔散大、痙攣、呼吸困難)を起こす。ヒヨスチアミンは、ナス科のヒヨス(天仙子/菲沃斯)Hyoscyamus niger L. からの命名。

参考:ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)-1 ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)-2

Japanese common name : Kidati-chousen-asagao
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Brugmansia suaveolens (Humb. et Bonpl. ex Willd.) Sweet

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左:若い葉 右:茎

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高さ200~300cmになる木本。葉は互生し長さ15~20cmで鋸歯がある。

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花冠の先端は4~5裂して尾状に尖り、長さ25~30cm。5個の雄しべと長い雌しべ。


キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)
別名:オオバナチョウセンアサガオ(大花朝鮮朝顔)/カシワバチョウセンアサガオ(柏葉朝鮮朝顔)
流通名:エンジェルズトランペット(Angel's trumpet)/天使のラッパ
ナス科キダチチョウセンアサガオ属
学名:Brugmansia suaveolens (Humb. et Bonpl. ex Willd.) Sweet
花期:6月~9月 常緑低木 樹高:200~300cm 花冠長:25~30cm 花径:10~20cm

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【学名解説】
Brugmansia : Sebald Justinus Brugmans (1763-1819)/オランダの植物学者に因む
suaveolens : (suāve+olēns)快い+匂い/芳香のある
Humb : Alexander von Humboldt (1769-1859)
et : 及び(命名者が2名の時など・&に同じ)
Bonpl. : Aime Jacques Alexandre Bonpland (1773-1858)
ex : ~より (代わりに発表)
Willd. : Carl Ludwig von Willdenow (1765-1812)
Sweet : Robert Sweet (1783-1835)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14.25km 左岸(植栽) 2005.11.02
葵区内牧(内牧川) 2015.09.28
駿河区小坂(農道) 2015.10.09
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

June 22, 2008
Last modified: 12 October 2015
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by pianix | 2005-11-05 00:00 | | Trackback(1) | Comments(3)
ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)-2
 ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)は、ナス科チョウセンアサガオ属の多年草です。朝鮮と名が付いているものの、朝鮮とは関係ありません。朝鮮半島から渡ってきた程度の意味合いで付けられたものと思われます。チョウセンアサガオ属は、生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。英名は、Downy thorn apple。

 花はラッパ状で、上向きに咲きます。キダチチョウセンアサガオ系が下向きに咲かせるのとは好対照です。花色は白が一般的ですが、黄・紫・青があるようです。葉は全縁(ギザギザが無い)で先がとがりますが、たまに大きな鋸歯が出るものがあります。

 華岡青洲(1760-1835)が1804年に、麻弗散(まふつさん)を精製して手術用の麻酔薬として用いた事で知られています。毒草は反面、薬草でもあるのです。しかし、素人が用いるのは危険で、濃度によっては致命的な事故につながります。

 何故、中毒事故が起きるのでしょうか。それは誤解によります。(1) 猛毒である事を知らなかった。(2) 食べても良い種類と勘違いした。ここで大切なのは、無理解が事故を誘発している事です。綺麗な花だからと喜ぶのは良いとして、その花の本性を知っておくべきです。特に屋外に野生しているものは注意を喚起すべきです。チョウセンアサガオの葉をちぎって遊ぶ子供がいるかもしれません。その手で目を擦ったりしたら大変な事(散瞳症状)になります。用心にはこした事はありません。

参考:ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)-1 キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)

Japanese common name : Ke-chousen-asagao
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Datura wrightii Regel


ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)
別名:アメリカチョウセンアサガオ(亜米利加朝鮮朝顔)
ナス科チョウセンアサガオ属
学名:Datura wrightii Regel
synonym : Datura inoxia Mill.
花期:5月~10月 多年草(非耐寒性) 草丈:80~100cm 花径:4~8cm 花冠長:7~10cm

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【学名解説】
Datura : dhatura(インドの古い地名)/チョウセンアサガオ属
wrightii : 英国の植物学者C.H.ライトCharles Henry Wright (1864-1941)の
Regel : Eduard August von Regel (1815-1892)
---
Mill. : Philip Miller (1691-1771)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷(植栽) 2005.10.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: June 22, 2008
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by pianix | 2005-11-03 00:00 | | Trackback | Comments(4)
ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)-1
 河川敷の一角に花壇を設けて、ご老人達が四季の花を植栽し楽しまれています。その中にケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)がありました。近くにいた人に話を聞きましたが、誰も、この花が猛毒である事を知りませんでした。育てやすい種類である事から園芸に広く栽培されています。また、繁殖力が強く野生化もしています。取り扱った後は手洗いをする等、厳重な注意が必要です。チョウセンアサガオ属は、生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。

 一般にチョウセンアサガオと呼ばれている主なものには、次の種類があります。

 チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔)Datura metel L.
 ヨウシュチョウセンアサガオ(洋種朝鮮朝顔)Datura stramonium L.
 ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)Datura wrightii Regel
 キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)Brugmansia suaveolens (Humb. et Bonpl. ex Willd.) Sweet

 ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)は、ナス科チョウセンアサガオ属の多年草です。実は球形で、トゲ状の突起があります。キダチチョウセンアサガオ系の実に突起はありません。中には黒に近い焦げ茶色の種が入っています。似た種にヨウシュチョウセンアサガオがありますが、こちらは細長い卵形で、種は黒色です。この種子は食べると中毒症状を起こします。過去、中学生が麻薬的な幻覚症状を持つと勘違いして食し、集団の中毒事故を起こした事例があります。

 全草が有毒です。毒成分としてアルカロイド類(ヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミンなど)が含まれ、特に種子にアトロピンの含有量が多く、口渇、散瞳、心悸亢進、尿閉、消化管運動の減少が起こるとされています。経口致死量は4~5gとされています。誤食は、根を牛蒡、蕾をオクラ、種子をゴマと間違える事によります。

参考:ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)-2 キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)

Japanese common name : Ke-chousen-asagao
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Datura wrightii Regel
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(2005.10.14)


ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)
別名:アメリカチョウセンアサガオ(亜米利加朝鮮朝顔)
ナス科チョウセンアサガオ属
学名:Datura wrightii Regel
花期:5月~10月 多年草(非耐寒性) 草丈:80~100cm 花径:4~8cm 花冠長:7~10cm
英名:Downy thorn apple

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【学名解説】
Datura : dhatura(インドの古い地名)/チョウセンアサガオ属
wrightii : 英国の植物学者C.H.ライトCharles Henry Wright (1864-1941)氏の
Regel : Eduard August von Regel (1815-1892)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷(植栽) 2005.10.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

1 November 2005
Last modified: June 22, 2008
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by pianix | 2005-11-01 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ツノナス(角茄子)-2
 ツノナス(角茄子)は、ナス科ナス属の1年草です。どうでしょう、この角度から見るとキツネの顔に見えますか? 少し無理をしてもらってツノナス(角茄子)の実に、こちらを向いてもらいました。豚には見えませんよね。

 ナス科(Solanaceae Juss. (1789))は、世界に90属約200種が分布します。日本には、6属14種が分布します。ナス属(Solanum L. (1753))は、世界の温帯から熱帯に約1400種があり、日本には12種があります。

 このツノナスは、河川敷に設けられたグランドの一角にありました。地域のご老人達が楽しみのために植えたものかと思います。果実はアルカロイドを含み、中毒を起こすと言われていて食べられません。ですから、できれば「食べるな危険」の表示を掲げてもらえたら良いかと思います。河川敷へは子供達も遊びに来ます。何かの拍子に口に入れる事が無いように注意が必要かもしれません。勿論、食べなければ大丈夫で、触ったぐらいでは何ともありません。生け花用に売られています。観賞用ですから食べる事はないと思いますが、お子さんをお持ちの家庭では要注意かもしれません。

 ある方から唐辛子で一番辛いと言われるハバネロ種を頂きました。種をさわったのを忘れて、眠気がさした瞼を擦ったら、猛烈な痛みがして目を開ける事ができなくなってしまった事があります。それと同じようなものは幾つかあります。植物を触ったら手洗いを忘れないようにする事が必要です。このグランドの花壇で、命に関わる猛毒を持つ他の植物を見つけて驚きました。誰もが触れる事ができてしまう場所では、相当の注意を払って植栽すべきものと思います。

 それにしても、ツノナスの果実は可愛いです。おもちゃみたいです。

参考:ツノナス(角茄子)-1

Japanese common name : Tuno-nasu
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Solanum mammosum L.


ツノナス(角茄子)
別名:キツネナス(狐茄子)/流通名:フォックスフェース(fox face=和製英語)/英名:nipple-fruit
ナス科ナス属
学名:Solanum mammosum L.
花期:9月~11月 1年草/日本(非耐寒性低木) 樹高:100~140cm 花径:3cm 実長:5~8cm

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【学名解説】
Solanum : solamen(安静)/ナス属
mammosus : 乳頭状突起をもつ
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷(植栽) 2005.10.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: June 25, 2008
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by pianix | 2005-10-18 00:00 | | Trackback | Comments(10)
ツノナス(角茄子)-1
 ススキとセイタカアワダチソウを手にした御夫婦に出会いました。ツノナス(角茄子)を見て、これは何かなと問われました。実がキツネノ顔に似ているからフォックスフェース。奥さんが、「生け花で使うものかしら」と思い出したようです。手にしたススキは、月見のためとの事でした。おりしも10月17日は、部分月食で最大6.8%だけ欠けます。ご夫婦で月見と洒落込むのでしょう。

 実が黄色なのでナス科と言ってもピンと来ません。そこに角が出ている様子から角茄子。この実は食べられません。中毒を起こすと言われています。花は紫色で、ナス科の特徴を持った形をしています。しかし、あくまでも生け花の対象となるのは実のほうです。園芸店で購入する時、花はついていません。ですから、実を知っていても花を知らない人は多いかもしれません。

 米国バージニア、テキサス原産の低木ですが、日本では1年草として扱われています。1935年(昭和10年)に導入されました。

 ナス科(Solanaceae Juss. (1789))は、世界に90属約200種が分布します。日本には、6属14種が分布します。ナス属(Solanum L. (1753))は、世界の温帯から熱帯に約1400種があり、日本には12種があります。

参考:ツノナス(角茄子)-2

Japanese common name : Tuno-nasu
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Solanum mammosum L.


ツノナス(角茄子)
流通名:フォックスフェース(fox face=和製英語)/英名:nipple fruit
ナス科ナス属
学名:Solanum mammosum L.
花期:9月~11月 1年草(非耐寒性低木) 樹高:100~140cm 花径:3cm 果長:5~8cm

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【学名解説】
Solanum : solamen(安静)/ナス属
mammosus : 乳頭状突起をもつ
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷(植栽) 2005.10.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 16 October 2005
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by pianix | 2005-10-16 00:00 | | Trackback | Comments(2)
イヌホオズキ(犬酸漿)
 この時期になると、どこでも見る事ができるイヌホオズキです。一目でナス科と分かる花の形状で、野草観察ではおなじみの花です。

 通り過ぎようとすると「撮影していきなさいよ」と聞こえる感じがします(本当に聞こえたら恐い)。思い直して戻り、撮影します。おなじみの花はカメラを向ける事が少ないので、時折この状況が繰り返されます。多分その中でも「この個体は美人だな」と感じるのが原因なのでしょう。

 どんな野草でも立派に生きています。それだけで美しいのに、心を捉える美しさを発している瞬間の野草があることは確かです。私は、華やかに着飾った花よりも、懸命に生きている花を美しいと感じます。

Japanese common name : Inu-houzuki
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Solanum nigrum L.


イヌホオズキ(犬酸漿)
別名:バカナス
ナス科ナス属
学名:Solanum nigrum L.
花期:8月~10月 1年草 草丈:20~60cm 花径:6~10mm 果径:6~7mm
有毒植物(アルカロイド)

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【学名解説】
Solanum : solamen(安静)/ナス属
nigrum : 黒い(niger・男性形|nigra・女性形|nigrum・中性形)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から7.5km 左岸河川敷 2005.08.31
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 5 September 2005
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by pianix | 2005-09-05 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ワルナスビ(悪茄子)
 ワルナスビ(悪茄子)は、ナス科ナス属の多年草です。北アメリカ原産の帰化種で、生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。

 ナス科(Solanaceae Juss. (1789))は、世界に90属約2500種が分布します。日本には、6属14種が分布します。ナス属(Solanum L. (1753))は、世界の温帯から熱帯に約1400種があり、日本には12種があります。

 一見すると、イヌホオズキ(犬酸漿)の大型版。安倍川河川敷で初めて見ました。競歩練習で通い慣れた河川敷の道端に咲いていました。と言う事は、新たに進出してきたのかもしれません。荒れ地にはあまり見ないようです。

 同じナス科のイヌホオズキよりも花は大きく、トゲだらけです。トゲが葉の中軸にまである、ミカン科の「カラスザンショウ」を思い出します。写真をよく見て頂くと、そのトゲが分かると思います。

 ワルナスビの名付け親は、植物学者牧野富太郎博士。花色は白色(シロバナワルナスビ)が多く、淡紫色もあります。果実は毒(solanin=ソラニン、saponin=サポニン)を含んでいます。北アメリカ原産で、盛大な繁殖力とトゲのために害草とされています。染色体数は、2n=24。

Japanese common name : Sirobana-waru-nasubi
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Solanum carolinense L. f. albiflorum (Kuntze) Benke

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シロバナワルナスビ(白花悪茄子)
別名:オニナスビ(鬼茄子)
ナス科ナス属
学名:Solanum carolinense L.f. albiflorum (Kuntze) Benke
花期:6月~10月 多年草 草丈:30~70cm 花径:20~30mm 果径:15mm

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【学名解説】
Solanum : solamen(安静)/ナス属
carolinense : carolinensis(北米カロライナの)
L. : Carl von Linne(1707-1778)
---
f. : forma(品種)
albiflorum : albiflorus(白花の)
Kuntze : Carl Ernst Otto Kuntze (1843-1907)
Benke : Herman Conrad Benke (1869-1946)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.25km 左岸河川敷 2005.09.01
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

1 September 2005, 9 September 2015
Last modified: 2 October 2015
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by pianix | 2005-09-01 00:00 | | Trackback | Comments(4)