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早春の野草・その7
 コハコベ(小繁縷)は、道路脇にも生えています。山間部には一面にコハコベが生えている場所があります。茎色は赤紫色です。花弁は10枚のように見えますが、1枚が深く切れ込んでいる為で、実際は5枚です。花弁は萼片と、ほぼ同じ長さになります。名の由来は、ミドリハコベと比べて小型であることから付けられたと思われます。帰化植物です。

Japanese common name : Ko-hakobe
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Stellaria media (L.) Vill.

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上:茎色は赤紫色 左:花冠 右:果実は卵形の蒴果で6裂する(240x320/12kB)

コハコベ(小繁縷)
ナデシコ科ハコベ属
学名:Stellaria media (L.) Vill.
花期:3月~9月 1年草 草丈:10~20cm 花径:5~7mm

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【学名解説】
Stellaria : stella(星)/ハコベ属
media : medius(中間の・中間種の)|複数形media|中性名詞medium
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Vill. : Dominique Villars (1745-1814)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.01.26
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]



 ミドリハコベ(緑繁縷)は、茎色や全体が緑色であることから付けられた名と推測されます。花が緑色である訳ではありません。一般には、ハコベ(繁縷)と呼ばれています。茎には片側一列に並ぶ列毛があります。花弁は萼片より少し短めになります。花柱は、コハコベ、ミドリハコベとも3本です。また、花後に下を向いた花柄は、熟すと上を向きます。在来種(史前帰化植物)です。

Japanese common name : Midori-hakobe
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Stellaria neglecta Weihe
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茎は緑色、片側一列に並ぶ列毛がある

ミドリハコベ(緑繁縷)
ナデシコ科ハコベ属
学名:Stellaria neglecta Weihe
花期:3月~9月 越年草 草丈:10~30cm 花径:6~7mm

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【学名解説】
Stellaria : stella(星)/ハコベ属
neglecta : neglectus(顕著でない・見逃しやすい・つまらぬ)
Weihe : Carl Ernst August Weihe (1779-1834)

撮影地:静岡県静岡市
駿河区谷田 2007.02.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 9 February 2007
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by pianix | 2007-02-09 00:00 | | Trackback(1) | Comments(2)
シロバナマンテマ(白花マンテマ)
 シロバナマンテマ(白花マンテマ)は、ナデシコ科マンテマ属の越年草です。ヨーロッパが原産で、日本には江戸時代の弘化年間(1844~1848)に園芸用途で渡来したとされています。逸出して北海道から九州に広がった帰化種です。名の由来は、白い花を付けるマンテマから。移入された時のマンテマンの名が省略されたもの、あるいは学名のmaritimaやAgrostemmaが変化したものとの説があり、詳細は不明です。

 ナデシコ科(Caryophyllaceae Juss.,1789)は、熱帯から寒帯まで約75属1200種が分布、マンテマ属(Silene L. (1753))は北半球に約200~700種があります。

 茎は分枝して毛があり、草丈は30~50cm。葉は対生します。柄は無く全縁、両面に短毛があります。下につく葉はヘラ形で鈍頭、上の葉は広被針形で鋭頭です。花期は5月から7月頃。茎先を2から3に分岐させ、花序の片側に偏って5弁花をつけます。花色は白色から淡紅色まであります。花柄は無く、花径は10~15mmの離弁花です。中央に2裂した鱗片が5つあります。雌雄同株で、花柱は3本。萼筒は円筒形で赤い10脈があります。茎や萼筒には長毛と腺毛があり、粘着します。果実は蒴果です。

参考:マンテマ

Japanese common name : shirobana-mantema
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Silene gallica L. var. gallica

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シロバナマンテマ(白花マンテマ)
ナデシコ科マンテマ属
学名:Silene gallica L. var. gallica
花期:5月~7月 越年草 草丈:30~50cm 花径:10~15mm

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【学名解説】
Silene : sialon(唾液)|ギリシャ神話のシレネス(Silenes)に因む/マンテマ属
gallica : gallicus(フランスの古名ゴール地方の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0km 大浜海岸 2006.06.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 7 July 2006
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by pianix | 2006-07-07 00:00 | 海辺の植物 | Trackback | Comments(0)
オランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)
 オランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)は、ナデシコ科ミミナグサ属の1年草(越年草)です。ヨーロッパが原産で、北アフリカ・アジア・オセアニア・南北アメリカにも分布します。国内では、1910年頃に横浜で牧野富太郎博士によって確認された帰化植物です。非意図的移入とされています。本州から沖縄にかけて分布します。

 名の由来は、在来種のミミナグサ(耳菜草)1)に対する外来種であり、舶来との意味で使われたオランダを冠したもの。「耳」は、向かい合う葉が鼠の耳に似ている事からで、「菜」は食用であったからです。英名は、Mouse-eared chickweed。

 ナデシコ科(Caryophyllaceae Juss. (1789))は、熱帯から寒帯まで約75属2000種が分布します。ミミナグサ属(Cerastium L. (1753))は世界に60種があり、日本に5種が自生しています。

 茎は根本で分枝して叢生します。紫褐色を帯びる事があり、灰黄色の粘着性のある毛で被われています。草丈は10~60cmになります。葉は対生します。茎葉は淡緑色です。葉柄が無く、長さ7~20mmの長楕円形で全縁、先端が尖り、軟毛と腺毛があります。

 花期は3月から6月。茎先に集散花序を付けます。5mm程の短い花柄を出し白色の花が密集します。一般的に、花柄は萼片より短いと表現されます。在来種のミミナグサは茎が紫褐色を帯び、花柄が10mm程と長く、花はまばらに付きます。花径7~8mmで、花弁は5枚あり、先端は浅く2裂します。萼片は緑色で5枚。雄しべは10本。花柱は5裂します。果実は蒴果です。円筒形で、先が裂けて黄色の種子を散布します。染色体数は、2n=72。

★  ★  ★

 野草を観察していた私に、老婦人が花を手にして尋ねてきました。「これはハコベかしら」「残念ながらオランダミミナグサですね」。老婦人は初めて耳にする花の名前を忘れないようにと、何度もオランダミミナグサと繰り返しつぶやき、残念そうな様子は全くなく喜んでいました。花と名前が一致した瞬間というのは、それが何であれ嬉しいものだという印象を受けました。おばあちゃん、来年もオランダミミナグサを見ようね。

 1) Cerastium fontanum Baumg. subsp. vulgare (Hartm.) Greuter et Burdet var. angustifolium (Franch.) H.Hara

Japanese common name : Oranda-miminagusa
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Cerastium glomeratum Thuill.
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対生する葉が鼠の耳に似ていて、花弁先端は浅く2裂する。


オランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)
別名:アオミミナグサ(青耳菜草)
ナデシコ科ミミナグサ属
学名:Cerastium glomeratum Thuill.
花期:3月~6月 1年草(越年草) 草丈:15~25cm 花径:7~8mm

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【学名解説】
Cerastium : cerastes(角状の)|蒴果形状から/ミミナグサ属
glomeratum : glomeratus(集まった・球状になった)
Thuill. : Jean Louis Thuillier(1757-1822)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.25km右岸河川敷 2006.04.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

11 August 2012
Last modified: 13 April 2017
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by pianix | 2006-06-06 00:00 | | Trackback | Comments(0)
コハコベ(小繁縷)
 コハコベ(小繁縷)は、ナデシコ科ハコベ属の1年草です。ミドリハコベ(緑繁縷)より小型で、ごく普通に見られるハコベの仲間です。世界の温帯を中心とした広範囲に分布し、日本では全国に分布します。明治以降に帰化したと言われている帰化植物です。名の由来は、不明で諸説があります。「繁縷=はんろう」の意味は、ミドリハコベの項を参照して下さい。

 ナデシコ科(Caryophyllaceae Juss. (1789))は、熱帯から寒帯まで約75属2000種が分布し、ハコベ属(Stellaria L. (1753))は約100種があります。

 茎色は赤紫色です。地を這い途中で立ち上がります。葉は全縁(鋸歯がない)の濃緑色で対生します。長さ10~20mmの範囲です。花柱は3本で、雄しべは3本を基本として1~7本の範囲にあります。花弁は5枚ですが、深く切れ込み10枚のように見えます。花弁と萼片の長さは同じ位か、花弁がやや短めです。種子の半球状突起は目立たず尖りません。ミドリハコベの種子は円錐状の高い突起が見られます。秋に発芽し春に開花しますが、その期間はミドリハコベよりも短期間であるようです。染色体数は、2n=40,42,44。

 春の七草のひとつです。万葉集に山上憶良が歌った秋の七草は、鑑賞に供する植物です。春の七草は食用植物を記していますが、よく知られているほとんどは万葉集や古事記には記載されていません。ハコベが初めて史書に登場するのは平安時代で、日本最古の本草書と言われる『本草和名』に波久倍良(はくべら)と記載されています。食用あるいは薬用としての用途に利用されて来ました。ハコベの青汁と塩を混ぜてつくった「ハコベ塩」を歯磨き粉として用いた記載があります。現在では鳥の餌としての利用が多いようです。

 但し、飢餓に直面した人間は毒のある野草に手を出し衰弱死することもあるので、食料の少なくなる冬はなおさら、どんなものでも食料としてきたと充分に憶測できます。万葉集に「明日よりは春菜摘まむと標めし野に昨日も今日も雪は降りつつ」、原文「従明日者 春菜将採跡 標之野尓 昨日毛今日母 雪波布利管」(巻八・一四二七)との山部赤人の歌があります。行事として、雪の降る寒い日に手をかじかませながら摘んでいる姿が思い起こされます。春菜とか若菜は、食用にされる蔬菜の総称ですが、さてハコベは入っていたのでしょうか。

参考:ウシハコベ(牛繁縷) ミドリハコベ(緑繁縷)

apanese common name : Ko-hakobe
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Stellaria media (L.) Vill.
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茎色は赤紫色で、片側に列毛がある


コハコベ(小繁縷)
別名:ハコベラ
ナデシコ科ハコベ属
学名:Stellaria media (L.) Vill.
花期:3月~9月 1年草 草丈:10~20cm 花径:5~7mm

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【学名解説】
Stellaria : stella(星)/ハコベ属
media : medius(中間の・中間種の)|複数形media|中性名詞medium
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Vill. : Dominique Villars (1745-1814)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.75km 右岸河川敷 2006.02.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 22 February 2006
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by pianix | 2006-02-22 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ミドリハコベ(緑繁縷)
 ハコベ(繁縷)は、ナデシコ科ハコベ属の越年草です。ユーラシア大陸の広い地域を原産地とし、日本では全国に分布する、史前帰化植物です。古名はハクベラ(波久倍良)で、やがてハコベラ(繁縷)となり、現在のハコベ(繁縷)に転訛されたと言われています。英名はChickweedで、鶏の雑草との意味です。

 ナデシコ科(Caryophyllaceae Juss. (1789))は、熱帯から寒帯まで約75属2000種が分布し、ハコベ属(Stellaria L. (1753))は約100種があります。

 一般的にハコベは、ミドリハコベ(緑繁縷)とコハコベ(小繁縷)を指し、春の七草1)とされています。コハコベは大正時代に渡来したものと言う説もあり、ミドリハコベとの交雑種も出始めています。ありふれたものほど判別が難しく、頭を悩ます事になります。

 茎には、片側一列に列毛と呼ばれる微細な柔らかい毛が生えています。地を這い、途中で茎を持ち上げます。ミドリハコベは茎色が緑色です。コハコベと、類似種のウシハコベ(ウシハコベ属)は赤紫色を帯びます。葉は深緑色で、全縁の卵形です。先端は尖り、対生します。

 花弁は5枚です。10枚に見えるのは深く2つに裂けているためです。萼片も5枚です。よく間違えるのがオランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)で、こちらは花弁の裂け方が浅く、先端だけ2裂します。花の中央の盛り上がった子房から噴水状に出ている花柱は、ミドリハコベ、コハコベとも3本です。ウシハコベは5本あります。雄しべに違いが見られ、コハコベは1~7本、ミドリハコベは4~10本、ウシハコベは10本です。

 コハコベの花弁は萼片と、ほぼ同じ長さで、ミドリハコベは、少し短くなります。また、雄しべ先端に付く葯が赤みを帯びている事がありますが、これは花粉を出していない状態で、花粉を出すと黄色みを帯びます。果実は卵形の、さく果(熟すると下部から裂けて種子が散布される果実)で、6裂して、自発的散布を行います。種子には尖った突起があります。やや酸性の土壌を好みます。染色体数は、2n=56。

 1)春の七草:セリ(芹)、ナズナ(薺)、オギョウ(御形)=ハハコグサ(母子草)、ハクベラ(波久倍良)=ハコベ(繁縷)、ホトケノザ(仏座)=タビラコ(田平子)、スズナ(菘)=カブ(蕪)、スズシロ(蘿蔔)=ダイコン(大根) 「河海抄」

参考:ウシハコベ(牛繁縷)コハコベ(小繁縷) 早春の野草・その7

Japanese common name : Midori-hakobe
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Stellaria neglecta Weihe
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茎に付く列毛は通常片側だけですが、この個体ではミヤマハコベ (深山繁縷)のように両側に付いていました。


ミドリハコベ(緑繁縷)
ナデシコ科ハコベ属
学名:Stellaria neglecta Weihe
花期:3月~9月 越年草 草丈:10~30cm 花径:6~7mm

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【学名解説】
Stellaria : stella(星)/ハコベ属
neglecta : neglectus(顕著でない・見逃しやすい・つまらぬ)
Weihe : Carl Ernst August Weihe (1779-1834)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.25km 右岸河川敷 2006.02.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

03 February 2006
Last modified: 19 March 2014
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by pianix | 2006-02-03 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ウシハコベ(牛繁縷)
 ウシハコベ(牛繁縷)は、ナデシコ科ハコベ属の多年草です。春の七草のハコベ(繁縷)に代表されるハコベ属は、雌しべが3本であるのに対し、このウシハコベ(牛繁縷)の雌しべ先端(柱頭)は5本です。温暖な地方では年間を通して見る事ができると言われますが、それでも一時期は姿を消す時があります。10月頃の芽生えに始まり、春に最盛期を迎えます。

 名の由来は、ハコベに似ているが大型である事から牛に例えて付けられました。逆に、小さなものは蚤が付けられ、例としてノミノフスマ(蚤の衾)がハコベ属にあります。他の科に、雀が付けられたスズメノヤリ(雀の槍)やスズメノカタビラ(雀の帷子)、スズメノエンドウ(雀野豌豆)などがあり、その上は烏が付けられ、カラスムギ(烏麦)、カラスノゴマ(烏の胡麻)、カラスノエンドウ(烏野豌豆)などと使われます。雀と烏の間にも適切な動物がいるはずですが、烏と雀の頭文字を取って、カスマグサ(かす間草)などと奇妙な名前を付けられたものもあります。しかし、ウシハコベは何故、牛まで一気に大きくなってしまうのか、少し理解しがたいところがあります。

 花は白色で、花弁は一見10枚に見えます。1枚の花弁が深く切れ込み2枚に見えるのが原因で、実際は5枚です。これはハコベ属に共通した造りといえます。葉は対生します。下部に葉柄がなく、上部に行くにつれ柄がなくなり茎を抱く形になります。茎は地を這い、途中から立ち上がります。

参考:ミドリハコベ(緑繁縷) コハコベ(小繁縷) 早春の野草・その7

Japanese common name : Usi-hakobe
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Stellaria aquatica (L.) Scop.
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雌しべは5本


ウシハコベ(牛繁縷)
ナデシコ科ハコベ属
学名:Stellaria aquatica (L.) Scop.
花期:4月~10月 多年草(越年草) 草丈:10~50cm 花径:8~10mm

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【学名解説】
Stellaria : stella(星)/ハコベ属
aquatica : aquaticus(水生の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Scop. : Giovanni Antonio Scopoli (1723-1788)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から7.75km 左岸河川敷 2005.11.15
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 23 December 2005
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by pianix | 2005-12-23 00:00 | | Trackback | Comments(2)
カワラナデシコ(河原撫子)
 カワラナデシコ(河原撫子)は、ナデシコ科ナデシコ属の多年草です。日本、中国、朝鮮半島。台湾に分布します。日本では本州、四国、九州、沖縄に分布します。秋の七草の一つです。

 ナデシコ科(Caryophyllaceae Juss. 1789)は、熱帯から寒帯まで約75属2000種が分布します。ナデシコ属(Dianthus L. (1753))は、約300種からなり、園芸品種としてのカーネーションもその一つです。日本に自生しているのはエゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)、ハマナデシコ(フジナデシコ)、カワラナデシコ(河原撫子)、タカネナデシコ(高嶺撫子)、日本固有種のシナノナデシコ(信濃撫子)と、ヒメハマナデシコ(姫浜撫子)があります。大和撫子は唐撫子(石竹)と区別する意味でつけられた名前です。

 カワラナデシコは万葉の時代から愛されてきた花で、名前の由来も、可愛い子供を撫でて慈しむとの意味からです。「奈泥之故我 花見流其等尓 乎登女良我 恵末比能尓保比 於母保由流可母」万葉集巻第十八、大伴家持 「なでしこが 花見るごとに 娘子(をとめ)らが 笑(ゑ)まひのにほひ 思ほゆるかも」

※日本固有種のシナノナデシコ(信濃撫子)Dianthus shinanensis (Yatabe) Makino は、別名ミヤマナデシコ(深山撫子)で、カワラナデシコのように花弁先端が糸状に裂けません。ヒメハマナデシコ(姫浜撫子)Dianthus kiusianus Makino は、和歌山、愛媛、九州、南西諸島に分布し、絶滅危惧種となっています。

※秋の七草は、山上憶良が詠んだ次の二首によります。
秋野尓 咲有花乎 指折 可伎數者 七種花 万葉集 巻八 一五三七
「秋の野に 咲きたる花を 指折(およびを)り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花 万葉集 巻八 一五三八
「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花」
※ハギ、ススキ、クズ、カワラナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ

参考:ムシトリナデシコ(虫取撫子) ウシハコベ(牛繁縷) ミドリハコベ(緑繁縷)

Japanese common name : Kawara-nadesiko
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Dianthus superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) F.N.Williams


カワラナデシコ(河原撫子)
別名:ナデシコ(撫子)/ヤマトナデシコ(大和撫子)
ナデシコ科ナデシコ属
学名:Dianthus superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) F.N.Williams
花期:6月~9月 多年草 草丈:30~80cm 花径:3~4cm

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【学名解説】
Dianthus : Dios(ギリシャ神話の神θεos)+anthos(花)/ナデシコ属
superbus : 気高い、堂々とした、立派な、華美な、無類の
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)
longicalycinus : longi(長い)+calycinus(萼の残る)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
F.N.Williams : Frederic Newton Williams (1862-1923)

撮影地:静岡県静岡市
葵区賎機 2005.06.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 22 June 2005
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by pianix | 2005-06-22 00:00 | | Trackback | Comments(0)
マンテマ
 ほとんどの場合、出かけた先に花が見つかりません。仕方がないと諦めた時に見つかる場合があります。しかも、今年はじめてか、全く初めて対面する花なのです。よくよく考えると、1日に1花の割合で、そのような出会いをしているようです。

 出会えた時は嬉しいです。花が会いに来てくれるのならまだしも、こちらから出かけて行かなければ、出会いは起きません。何キロも歩いて、ようやく初対面の花に出会える、その瞬間が好きです。

 名の語源が不明確ですが、マンテマは、マルチマmaritima(maritimus : 海の)が語源と言われています。母種は、シロバナマンテマ(白花マンテマ)です。

Japanese common name : Mantema
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Silene gallica L. var. quinquevulnera (L.) W.D.J.Koch


マンテマ
ナデシコ科マンテマ属
学名:Silene gallica L. var. quinquevulnera (L.) W.D.J.Koch
花期:5月~6月 多年草 草丈:30~50cm 花径:5~10mm

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【学名解説】
Silene : Silenes(酒の神)、粘液性の分泌液を例えて[不明確]/マンテマ属
gallica : gallicus(フランスの古名ゴール地方の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)
quinquevulnera : quinquevulnerus(5つの傷跡のある)
W.D.J.Koch : Wilhelm Daniel Joseph Koch (1771-1849)

撮影地:静岡県静岡市
藁科川(安倍川水系) 河口から2.25km/右岸土手 2005.06.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

14 June 2005
Last modified: 28 March 2014
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by pianix | 2005-06-14 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ムシトリナデシコ(虫取撫子)
 濃いピンクが河川敷一面に広がった年がありました。ムシトリナデシコです。今年はどうなのか興味を持って観察しています。

 花の少し下を触ると粘りけがあるのが分かります。だからといって、これで虫を捕獲するわけではないようです。小さな虫は登れません。

 ナデシコ科(Caryophyllaceae Juss.,1789)は、熱帯から寒帯まで約75属1200種が分布、マンテマ属(Silene L. (1753))は、北半球に約200~700種があります。

【ナデシコ科】
カワラナデシコ(河原撫子) ウシハコベ(牛繁縷) ミドリハコベ(緑繁縷)

Japanese common name : Musitori-nadesiko
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Silene armeria L.


ムシトリナデシコ(虫取撫子)
別名:ハエトリナデシコ(蠅取撫子)/コマチソウ(小町草)
ナデシコ科マンテマ属
学名:Silene armeria L.
花期:5月~6月 越年草 草丈:20~50cm 花径:1cm

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【学名解説】
Silene : sialon(唾液)|ギリシャ神話のシレネス(Silenes)に因む/マンテマ属
armeria : Armenia(アルメニア地方)の
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2005.05.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 6 May 2005
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by pianix | 2005-06-06 00:00 | | Trackback(1) | Comments(0)