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キアシナガバチ(黄脚長蜂)
キアシナガバチ(黄脚長蜂)は、スズメバチ科アシナガバチ属の蜂です。日本全国に分布します。名の由来は、黒地に黄色の体色であり、全体的に黄色味が強い色彩をしているアシナガバチである事から。

 スズメバチの仲間です。アシナガバチ亜科は、世界に26属、日本には3属2)11種が分布します。キアシナガバチは、低山地性で、山や樹木が多い周辺に多く分布します。体長は、21~26mm。スズメバチほどではないものの、アシナガバチとしては攻撃性が強く、毒が強いので注意を要します。

 セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)1)に大きさ・形とも似ています。セグロアシナガバチとの区別点は、前伸腹節に黄色斑紋の2縦線がある事です。(沖縄以外では、頭部から縦線2、横線2,縦線2がキイロアシナガバチで、縦線2、横線2のみはセグロアシナガバチ。)

 4月頃から、家屋軒下・枝などのやや高めの場所に、釣り鐘状の巣を作ります。巣は10~15cmの大きさで、樹皮繊維を利用した紙質で、強靱です。働き蜂は、約50匹程がいます。家の屋根裏などに集団越冬することもあります。

 翅を持ち上げている時は威嚇のポーズですから、近寄らないようにしたほうが懸命です。当然の事ながら、巣を刺激すれば攻撃されます。肉食で肉団子を作ります。青虫や毛虫を餌とするので益虫とも言えますが、夏場の除草や剪定作業では特に注意を要します。

 10月から11月にかけては、新女王蜂や雄蜂が集団でいる事が多くなります。従って、この時期まで油断はできません。蜜蜂と違い、何度でも刺してきます。見つけたら後ろに静かに下がるようにします。横の動きに敏感、縦の動きに鈍感との性質があるからです。

1)セグロアシナガバチ(背黒足長蜂)Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887
2)アシナガバチ属(Polistes Latreille, 1802)、ホソアシナガバチ属(Parapolybia)、チビアシナガバチ属(Ropalidia Guérin-Méneville, 1831)

参考:フタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂) キイロスズメバチ(黄色雀蜂) ニホンミツバチ(日本蜜蜂)

Japanese common name : Ki-ashinaga-bati
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Polistes rothneyi iwatai van der Vecht, 1968

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胸部の黒い部分に、縦2本、横2本、縦2本の黄色線がある。写真は♂。


キアシナガバチ(黄脚長蜂)
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科アシナガバチ亜科アシナガバチ属
学名:Polistes rothneyi iwatai van der Vecht, 1968
(Polistes rothneyi Cameron, 1900)

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体長:21~26mm
出現期:4月~10月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄

撮影地:静岡県静岡市
西ヶ谷運動場 2005.11.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

21 June 2008, 24 July 2014
Last modified: 31 May 2017
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by pianix | 2008-06-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)
セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)
 セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)は、スズメバチ科アシナガバチ亜科アシナガバチ属の蜂です。キアシナガバチに良く似ていて、アシナガバチの仲間では日本で最大です。北海道を除く日本各地に生息しています。名の由来は、背中部分が黒くて脚が長い事から。英名は、Tree Wasp。

 スズメバチ科は、約26属900種があり、日本には3属11種が生息しています。身近で代表的なのは、
セグロアシナガバチ(Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887)
キアシナガバチ
(Polistes rothneyi iwatai van der Vecht, 1968)
フタモンアシナガバチ(Polistes chinensis antennalis Perez, 1905)
の3種です。

 スズメバチと比べると細身で、体長は20~26mm。黒地に黄褐色の斑紋があります。類似種でほぼ同じ体長のキアシナガバチとの違いは、胸の後半部(腹部第1節)に2列に並んだ縦筋の斑紋が無い事です。翅は4枚で、前翅は大きく後翅は小さく、前翅は縦二つに折りたたむ事ができます。幼虫を養う働き蜂は青虫や毛虫を捕獲し、大顎で噛み砕いて肉団子を作ります。働きバチの羽化は5月以降、オスバチと新女王バチは7月中旬に羽化します。完全変態をします。

 巣は釣鐘型で外皮が無く(スズメバチの巣は外皮がある)、巣房(honey comb)が露出しています。育房は300~400房あります。アシナガバチを英語でPaper waspというのは、この巣が紙質であるからです。巣は軒下に作られる事もあり、何かのきっかけで刺激すると刺されます。時にはアレルギー反応であるアナフィラキシーショック(Anaphylaxis shock)により死亡することもありますから注意が必要です。

★  ★  ★

 私の好きなフタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂)君が、肉団子を作っている所に遭遇しました。挨拶をしながら写真を撮らせてもらいましたが、何やら気持ち悪い状態だったので、早々に引き上げました。家に帰って写真を見ると顔が黄色。ギョッとしました。私の嫌いなセグロアシナガバチ君ではないですか。人違いならぬ蜂違いでした。何もしなければ刺さない蜂とは言え、刺されたら痛いのは確か。

Japanese common name : Seguro-asinaga-bati
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Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887

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セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科アシナガバチ亜科アシナガバチ属
学名:Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887
synonym : Polistes jadwigae Dalla Torre, 1904

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体長:20~26mm
出現期:4月~10月
分布:本州・四国・九州・沖縄

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km左岸河川敷 2006.07.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

14 August 2006
Last modified: 24 August 2013
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by pianix | 2006-08-14 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ニホンミツバチ(日本蜜蜂)
 ニホンミツバチ(日本蜜蜂)は、ミツバチ科ミツバチ属の昆虫です。名前から分かるとおり日本の在来種で、日本全国に分布します。ミツバチは、ミツバチ科(Apidae Latreille, 1802)ミツバチ属(Apis Linnaeus, 1758)の総称で、高度な社会性を持つ昆虫の1種です。ミツバチ属は世界に9種、日本には2種2亜種が生息しています。ニホンミツバチは、トウヨウミツバチ(東洋蜜蜂)の亜種です。系統遺伝学的関係では韓国のトウヨウミツバチと同じグループで、ニホンミツバチに遺伝的多型がほとんどなかった事が報告1)されています。

 現在、日本で養蜂に使用されているのは2種類で、ニホンミツバチとセイヨウミツバチです。特定植物の受粉用にはマルハナバチ(丸花蜂/マルハナバチ属)が使用されます。ニホンミツバチが群れで蜜を採取する年間量は2~3kgで、対してセイヨウミツバチは10~15kgです。繁殖力の強さもあって、1877年に導入された以後は急速にセイヨウミツバチによる養蜂に切り替わっていきました。ニホンミツバチの欠点は、蜜の採取量の他に、ストレスを受けると巣を放棄する性質がある事です。養蜂家にとっては取り扱いにくいところです。ニホンミツバチの群れは約1万匹で、セイヨウミツバチは約2万匹と言われています。巣は、木や地中に作ります。Karl Ritter von Frisch(1886-1982)によって、蜜の在りかを仲間に知らせるダンスが確認されました。

 ニホンミツバチは、東南アジアに分布するオオスズメバチ(大雀蜂)に巣を攻撃されます。その対抗手段として200匹ほどの集団でオオスズメバチを包み込み、熱を発して蒸し殺す事があります。温度耐性は、ニホンミツバチが48度なのに対しオオスズメバチは46度です。セイヨウミツバチは、分布していた地域にオオスズメバチがいなかったため対抗手段を取得できず、野生化できない原因となっています。

 ニホンミツバチの体色は暗茶褐色で、セイヨウミツバチより黒く見えます。腹部に縞模様がありますが、セイヨウミツバチのようにオレンジ色ではありません。働き蜂の体色変化は季節により二型あり、34℃以上で黄色、それ以下では黒色となります2) 。よって、8月から10月にかけては黄色型が多くなります。女王蜂は、初春から晩秋まで産卵を続けます。最多期は2千個/日になります。寿命は通常3年程です。働き蜂は分業し、秋に生まれた種は寿命200日程、繁忙期では35日程と言われています。働き蜂のほとんどは雌です。群れの1割ほどを占める雄蜂の寿命は90日程で、秋には働き蜂に駆逐されます。染色体数は、雌蜂が2n=32、雄蜂がn=16。


 蜂蜜の古い記述として、『それゆえ、わたしは降(くだ)って行き、エジプト人の手から彼らを救い出し、この国から、広々としたすばらしい土地、乳と蜜の流れる土地、カナン人、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の住む所へ彼らを導き上る。』(出エジプト記3章8節・新共同訳)があります。当時、蜜は生活に潤いをもたらす貴重な食物であった事が知られます。

1) Deowanish, S.,J. Nakamura, M. Matsuka and K. Kimura 1996.
mtDNA variation among subspecies of Apis cerana using restriction fragment polymorphism. Apidologie 27:407-413
2)ニホンミツバチの飼育法と生態・吉田忠晴 玉川大学出版部(ISBN4-472-40081-2)

参考:フタモンアシナガバチ(二紋足長蜂)キアシナガバチ(黄足長蜂)キイロスズメバチ(黄色雀蜂)

Japanese common name : Nihon-mitubati
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Apis cerana japonica Radoszkowski, 1887
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吸蜜している花はツワブキ(石蕗)


ニホンミツバチ(日本蜜蜂)
ハチ目(膜翅目)ミツバチ科ミツバチ属
学名:Apis cerana japonica Radoszkowski, 1887

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体長:(働きバチ)13mm前後
出現期:3月~11月
分布:北海道・本州・四国・九州

撮影地:静岡県静岡市
静岡市駿河区谷田 2005.12.01
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 January 2006
Last modified: 5 March 2016
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by pianix | 2006-01-26 00:00 | | Trackback | Comments(0)
キイロスズメバチ(黄色雀蜂)
 キイロスズメバチ(黄色雀蜂)は、スズメバチ科スズメバチ属の昆虫でハチの仲間です。英名は、Japanese homet、あるいはYellow wasp。日本で最大種のオオスズメバチと同属で、きわめて攻撃性が高く、危険な野生生物の一つに挙げられています。

 人が刺される被害で多いのは、スズメバチとアシナガバチの種類です。過去の被害データでは、キイロスズメバチ(45%)、コガタスズメバチ(30%)、モンスズメバチ(10%)、オオスズメバチ(8%)、ヒメスズメバチ(5%)、チャイロスズメバチ(1%)、ツマグロスズメバチ(1%)の割合です。つまり、蜂の刺症被害件数で一番多いのは、このキイロスズメバチです。毎年、何人もが被害を受け、今年(2005年)9月だけでも、1日に広島県安芸高田市、17日に福島県浪江町での死亡事例が報告されています。

 キイロスズメバチの巣は、樹木や屋根裏だけでなく、土中にも作る事があります。地域によって異なりますが、家屋に巣を作る事が多いようです。形は球形をしていて、5月頃から営巣を始め、大きなものは50cm程になります。夏場に巣の拡大を行う事があり、新しい営巣に取りかかります。働き蜂は6月頃から出現し、新女王蜂が誕生するのは9月から11月にかけてです。この繁殖期は気が立っているので凶暴になります。幼虫に与える餌は広範囲の昆虫類や蜘蛛です。成虫は樹液や花の蜜を採ります。

参考フタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂) キアシナガバチ(黄脚長蜂) ニホンミツバチ(日本蜜蜂)

Japanese common name : Kiiro-suzumebati
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Vespa simillima xanthoptera Cameron, 1903


キイロスズメバチ(黄色雀蜂)
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科スズメバチ属
学名:Vespa simillima xanthoptera Cameron, 1903
体長:17~29mm(♀27~29mm/♂25~27mm/働き蜂17~24mm)
出現期:4月~11月
分布:本州・四国・九州

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撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.25km 左岸河川敷 2004.11.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: March 16, 2009
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by pianix | 2005-11-24 00:00 | | Trackback | Comments(0)
フタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂)
 ハチの仲間で一番見かける事が多い、身近なフタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂)です。しかしながら、その美しさは他のハチに引けをとりません。腹部に黄色い2つの斑紋がある、比較的おとなしいハチです。オスは、顔面が黄色で、触覚の先がオレンジ色で曲がっています。

 春。フタモンアシナガバチのお母さん蜂が巣作りを始めます。巣の材料は枯れ木です。顎で噛み砕いた繊維をツバで混ぜたものを使います。触覚を使って均等に部屋を作ります。部屋ができる毎に卵を産み付けていきます。1週間で幼虫になります。先にできた中央の部屋から外に広げるので、中央の部屋から順次幼虫になります。幼虫の餌は、初めは蜜ですが、アオムシや毛虫の肉団子に変わっていきます。大きくなった幼虫は部屋に蓋をしてサナギになります。

 夏。20日ほどで出てきた成虫は働き蜂となり、お母さん蜂と共に幼虫の世話をします。夏の終わり頃、オス蜂が成虫となって出てきます。お母さん蜂は、そのころ死んでしまいます。

 秋。幼虫が全部育つと、働き蜂は死んでしまいます。オス蜂とメス蜂だけが残り、昼は飛び回りますが、夜になると巣に戻って来ます。秋の終わり頃、交尾を終えたオス蜂は死んでしまいます。メス蜂は、冬越しのために巣を離れていき、やがて巣は空っぽになります。

 春。フタモンアシナガバチのお母さん蜂が……。


参考:キアシナガバチ(黄脚長蜂) キイロスズメバチ(黄色雀蜂) ニホンミツバチ(日本蜜蜂)

Japanese common name : Futamon-ashinaga-bati
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Polistes chinensis antennalis Perez, 1905
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2006.04.18
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2006.04.18

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左:獲物を肉団子にして食事中 右:腹部側
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2005.05.11


フタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂)
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科アシナガバチ亜科アシナガバチ属
学名:Polistes chinensis antennalis Perez, 1905

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体長:17~19mm
活動期:3月~10月
分布:本州・四国・九州

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10.25km 右岸河川敷 2005.07.25
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2005.05.11, 2006.04.18
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 21 October 2005
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by pianix | 2005-10-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)