タグ:バラ科 ( 22 ) タグの人気記事
カワヅザクラ(河津桜)
 桜開花宣言が行われてしばらくすると見頃が訪れます。気象庁による開花宣言の基準は、各地の気象台や測候所で行われ、ソメイヨシノの標本木(標準木・基準木)に5~6輪の花が開いた状態を言います。全国で89カ所があるようです。花芽の80%以上が咲いた状態を「満開」としています。一般的には、梅を追うように桜前線が北上し、東北地方で桜が梅に追いつきます。

 カワヅザクラ(河津桜)は、バラ科サクラ属の落葉高木です。早咲き品種で、ソメイヨシノよりも早く開花します。この原木は、静岡県賀茂郡河津町田中の飯田氏邸にあります。早咲きのオオシマザクラ(大島桜)とヒカンザクラ(緋寒桜)との自然交雑品ではないかと言われています。1974年に新種と判明して命名され、翌年1975年に河津町の木に指定されています。毎年2月10日から3月10日にかけて河津桜まつりが開催されます。関東以西に分布します。花弁の縁が赤味がある濃色で、花色は桃色ないし淡紅色です。花は葉に先だって咲きます。

Japanese common name : Kawazu-zakura
e0038990_21385734.jpg
Cerasus × lannesiana Carrière 'Kawazu-zakura'


カワヅザクラ(河津桜)
バラ科サクラ属
学名:Cerasus × lannesiana Carrière 'Kawazu-zakura'
synonym : Cerasus lannesiana Carrière, 1872 ‘Kawazu-zakura’
synonym : Prunus lannesiana Wils. cv. Kawazu-zakura
花期:2月~3月 落葉高木 樹高:3~10m 花径:25~35mm

e0038990_21323673.gif

【学名解説】
Cerasus : 産地であるトルコのKerasos(現在のGiresun)地方名/サクラ属
x : 二種間交配種
lannesiana : Lannesianus(園芸家ラネスの)
Carrière : Elie Abel Carrière (1818-1896)
---
Prunus : plum(スモモ)のラテン古名/スモモ属
Wils. : Ernest Henry Wilson (1876-1930)
cv. : cultivana varietas(園芸品種)
Kawazu-zakura : 河津桜

撮影地:静岡県静岡市
葵区西ヶ谷(植栽) 2006.03.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

27 March 2006
Last modified: 17 February 2015
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-03-27 00:00 | | Trackback | Comments(2)
シダレザクラ(枝垂桜)
 我が家の年寄りから、何事かと思うような呼び止められ方をされました。近くでシダレザクラが咲いたという地方紙の記事を開いて話し始めました。あまりにも熱心に話すので、見に行きたいのかと尋ねると、その様子。私は花好きと勘違いされているようです。年寄りの希望は叶えてあげるべきだと思っています。毎年が見納めなのです。本人も、そう思っていると思います。私だって、そう遠くない未来に遺影写真になる運命です。

 詳しい番地が分かりませんでした。出かけた先で通行人に尋ねたら、詳しい道順を教えてくれました。途中の分岐点には「新聞の桜」と書かれた案内板がありました。すぐに見事なシダレザクラが見えてきました。静岡市葵区福田ヶ谷に住む大塚さんというお宅の庭にあるシダレザクラです。何と、見物客にミカンを配って回る家人の気前の良さ。押し寄せる人たちに丁寧に説明をしていました。翌日、再度伺って取材をしました。樹齢は30年、淡紅色で、品種詳細は分からず、山梨県身延町にあるお寺の桜と同じであろうとの事でした。多分、桜の名所で名高い身延山久遠寺であると思われます。

 シダレザクラ(枝垂桜)はバラ科サクラ属の落葉高木です。標準和名は、イトザクラ(糸桜)。原産国は日本で、朝鮮原産の野生種であるエドヒガンの変種と言われ、早咲き性です。本州以南に分布します。シダレザクラは、枝が下方に長く垂れ下がる枝垂れ性のものを言います。枝垂れ性品種は、植物ホルモンの一種であるジベレリン(Gibberellin)1)の欠乏により発現すると言われています。枝は横に広がり、小枝は細く垂れます。葉は互生し、狭楕円形で鋸歯があります。花は淡紅色で花弁は5枚。25~30mm程で、葉に先立ち咲きます。

 静岡地方気象台で、2006年3月17日にソメイヨシノの開花が発表されました。観測史上2番目の早咲きで、本州では一番乗りとの事です。

1)Gibberellin(C19H22O6)の発見者:藪田貞治郎 Yabuta Teijiro (1888-1977)

Japanese common name : Ito-zakura (Shidare-zakura)
e0038990_2142441.jpg
Cerasus itosakura (Siebold) H.Ohba et S.Akiyama var. itosakura f. itosakura
e0038990_2143113.jpg


シダレザクラ(枝垂桜)
標準和名:イトザクラ(糸桜)
バラ科サクラ属
学名:Cerasus itosakura (Siebold) H.Ohba et S.Akiyama var. itosakura f. itosakura
synonym : Prunus pendula Maxim. f. pendula
synonym : Prunus subhirtella var. pendula (GRIN)
synonym : Cerasus spachiana Lavalee ex H.Otto var. spachiana f. spachiana (Y-List)
花期:3月~4月 落葉高木 樹高:~25m 花径:25~30mm 果期:6月

e0038990_21323673.gif

【学名解説】
Cerasus : 産地であるトルコのKerasos(現在のGiresun)地方名/サクラ属
itosakura : 和名イトザクラ
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
H.Ohba : 大場秀章 - Hideaki Ohba (born 1943)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
S.Akiyama : 秋山忍 Shinobu Akyama (1957- )
var. : varietas(変種)
f. : forma(品種)
---
Prunus : plum(スモモ)のラテン古名/スモモ属
pendula : pendulus(下垂の・傾下して付いた)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)

GRIN : Germplasm Resources Information Network

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷(植栽) 2006.03.20
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

20 March 2006
Last modified: 6 September 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-03-20 00:00 | | Trackback(2) | Comments(0)
ユキヤナギ(雪柳)
 ユキヤナギ(雪柳)は、バラ科シモツケ属の落葉低木です。原産地が中国から日本にかけてとされています。中国東部、日本の関東以西から九州にかけて分布します。自生地は川沿いです。ただし、日本のものは帰化植物とする説もあります。

 ヤナギと名が付いていますがヤナギ科ではなくバラ科です。バラ科(Rosaceae Juss. (1789)) は、シモツケ亜科・バラ亜科・サクラ亜科・ナシ亜科の4亜科に分けられ、シモツケ亜科はこれらの内で最も原始的な一群であると考えられています。シモツケ属(Spiraea L. (1753))は、北半球の温帯から亜寒帯にかけての高山帯に約120種が分布し、日本には10種が自生します。

 名の由来は、小さな白花を雪に見立て、葉が柳のようである事から。別名はコゴメバナ(小米花)ですが、コゴメヤナギ(小米柳)と混同する事例が多くあります。コゴメバナは、蕾を米に見立てたものです。英名は、thunbergs spirea。

 株立ち状の分岐した細い茎は弓状に曲がります。樹皮は暗灰色。葉には短い柄があり互生します。狭皮針形の長さ2~3cm程で、細かな単鋸歯があります。花は新葉と共に開き散形花序を形成します。白色の花弁が5個あり、花径は約8mmで平開します。萼片は5個。雄しべは約20本、中央に花柱が5個あり、基部に黄色の蜜腺があります。

 性質が強健であることから、庭や公園に植栽される事が多いようです。放任すると花後に種子が散り自然実生ができます。早生や晩生の園芸品種も出回っています。

Japanese common name : Yuki-yanagi
e0038990_15432986.jpg
Spiraea thunbergii Siebold ex Blume
e0038990_15434832.jpg


ユキヤナギ(雪柳)
別名:コゴメバナ(小米花)
バラ科シモツケ属
学名:Spiraea thunbergii Siebold ex Blume
花期:3~4月 落葉低木 樹高:100~150cm 花径:8~10mm

e0038990_12135938.gif

【学名解説】
Spiraea : speira(螺旋)/シモツケ属
thunbergii : Carl Peter Thunberg (1743-1828)に因む
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&に同じ)
Blume : Carl Ludwig von Blume (1796-1862)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川河/口から8.5km 左岸土手(植栽) 2006.03.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 14 March 2006
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-03-14 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ハナモモ(花桃)
 モモ(桃)は、バラ科モモ属の落葉高木です。中国が原産で、日本への渡来はかなり古く、弥生遺跡からの出土があります。古事記や日本書紀に登場するモモは、現在のモモであるかは不明です。日本には古来からヤマモモ(山桃)があり、中国からのモモはケモモ(毛桃)と言われていたようです。旧分類のサクラ属は6亜属に分けられ、サクラ亜属・ウワミズサクラ亜属・モモ亜属・スモモ亜属・ウメ亜属・ニワウメ亜属となります。モモは、サクラ属モモ亜属になります。

 果物を採る為のモモはミモモ(実桃)、観賞用のモモはハナモモ(花桃)と言われます。日本で園芸品種としてのハナモモが作り出され、20品種程があります。江戸時代(徳川中期)に始まり、果樹品種改良は、中国や欧米からの品種を元にして明治になってから始まりました。その品種は、白鳳・甘天津、ネクタリンに興津・秀峰、蟠桃(扁平果実)に、八重咲蟠桃などがあります。矮性種にボナンザとゴールデングローリーがあります。

 ハナモモの品種は、枝垂れ系・箒性(縦に枝が伸びる)系・矮性系の3つの系統に分けられます。白色と桃色を基本色とする若干の花色があり、開花期と花弁の変化がある程度です。その全ては八重咲きで、小さな実を付けます。白花早咲きのカンパク(寒白)、桃色八重咲きで切り花用のヤグチ(矢口)、濃桃色のキクモモ(菊桃)、エダタレモモ(枝垂れ桃)、紅白を咲き分けるキメラ(chimera) 状態のゲンペイモモ(源平桃)などがあります。キメラ生物とは、複数の種の細胞が混在する生物の事です。

 花弁は、通常5枚で、八重咲きは10枚以上。花柄は非常に短く、枝から直接付く状態になります。葉は、花に先だって展開します。互生し、長楕円状披針形で、粗い鋸歯があります。花の径は3~5cmで、雄しべは多数付きます。自家受粉します。種子をトウニン(桃仁)として生薬に用います。青酸配糖体アミグダリン(amygdalin)を含みます。

 桃の節句の起源は平安時代で、当時は五つの節句(人日・上巳・端午・七夕・重陽)がありました。その内の上巳(じょうし)の節句は、薬草による厄除けと健康祈願の行事です。後に、紙で作った着せ替え人形遊びと融合し、女の子の厄除けと健康を願うお祝いの日となります。室町時代に旧暦3月3日に定着し、桃の節句となりました。明治に旧暦の日付をそのまま置き換えて現在に至っています。

e0038990_1040523.jpg
Amygdalus persica L. ‘寒白’
 

ハナモモ(花桃)
バラ科モモ属
学名:Amygdalus persica L.
synonym : Prunus persica (L.) Batsch
花期:3月~4月 落葉高木 樹高:120~700cm 花径:3~5cm 果期:7~9月

e0038990_21323673.gif

【学名解説】
Amygdalus : アーモンド/モモ属
persica : persicus(ペルシャの)|原産地俗説の名残による
L. : Carl von Linne (1707-1778)
---
Prunus : plum(スモモ)のラテン古名/サクラ属
Batsch : August Johann Georg Karl Batsch (1761-1802)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.25km 東岸河川敷 2006.03.03
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

3 March 2006
Last modified: 7 March 2015
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-03-03 00:00 | | Trackback(2) | Comments(2)
ボケ(木瓜)
 ボケ(木瓜)は、バラ科ボケ属の落葉低木です。中国が原産地と言われ、日本へは平安時代頃に伝来したと言われています。当時は薬用植物としての扱いであったようです。「木瓜」は、果実の状態を表しています。長さ10cm、直径7cm程の瓜のような形をした果実を付ける為です。ボクカまたはモクケ(モッケ)と称されたものがボケに変化したと考えられます。「本草和名」には、和名「毛介(モケ)」と記載されています。英名は、Japanese quince(日本のマルメロ)。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、世界に約100属3000種が分布すると言われ、日本には36属、約160種が自生します。6亜科に分類され、日本には4亜科1)があります。ボケはナシ亜科(Maloideae)です。ボケ属(Chaenomeles J.Lindley, 1821)は東アジアに4種が分布します。

 園芸として盛んになったのは江戸時代からで、品種作出は大正時代からと言われています。栽培は北海道から九州までの地域で行われています。耐寒性があるため、欧米でも貴重な花木とされ、幾つかの品種が生み出されています。我が国には、日本原産のクサボケ(草木瓜・Choenomeles japonica (Thunb.) Lindl. ex Spach)があり、ボケとクサボケの交雑品種も多く生み出されています。約200品種があり、登録されている品種は約50種です。

 葉は互生します。長さ3~7cm程の長楕円形で、光沢があります。細かい鋸歯があり、先は尖ります。葉の付け根には扇形の托葉があり、短枝は鋭い棘になります。花期は3月から4月で、基本種は花径2~3cmの5弁花を多数付けます。品種により、一重・八重があります。雌雄同株です。花後に洋梨形の果実ができます。果柄は、ほとんどありません。染色体数は、2n=34。

 園芸品種として、クサボケ育成種で二季咲きの「長寿梅」、冬咲き一重大輪の「寒木瓜」、春咲き3色同一株の「東洋錦」、ボケ品種で黒みが入った一重大輪の「黒光」、一重大輪で緋赤色の「緋の御旗」、八重大輪で鮮紅色に白斑入りの「昭和錦」、八重大輪で白花の「大八州(おおやしま)」、ボケとクサボケ間種で一重大輪の「谷間の雪」等があります。外国品種としては、サーモンピンク色の「ピンク・レディー」、葯が黄色で花弁が緋赤色の「クリムソン・アンド・ゴールド」等があります。

 カリンも同じボケ属です。カリンと同様に、ボケの果実を使ってボケ酒が作られます。繁殖は通常、挿し木によります。

1)バラ亜科(Rosoideae)、サクラ亜科(Prunoideae)、ナシ亜科(Maloideae)、シモツケ亜科(Spiraeoideae)の4つの亜科。

Japanese common name : Boke
e0038990_14392596.jpg
Chaenomeles speciosa (Sweet) Nakai


ボケ(木瓜)
別名:カラボケ(唐木瓜)
バラ科ボケ属
学名:Chaenomeles speciosa (Sweet) Nakai
花期:3月~4月 落葉低木 樹高:1~3m 花径:2~3cm 果期:7~8月

e0038990_21323673.gif

【学名解説】
Chaenomeles : chaino(開ける)+melon(リンゴ)|裂けた林檎/ボケ属
speciosa : speciosus(美しい、華やかな)
Sweet : Robert Sweet (1783-1835)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)

撮影地:静岡県静岡市
葵区伊呂波町(植栽) 2006.02.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

25 February 2006
Last modified: 24 March 2014
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-02-25 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ウメ(梅)
 ウメ(梅)は、バラ科アンズ属(サクラ属)の落葉高木です。中国原産で、四川省、湖北省に原生分布が見られます。日本では全国に分布します。日本へは遣唐使が持ち帰った、中国の僧が持ち込んだ、あるいは日本原産とも考えられていますが、はっきりしません。ウメの名は、万葉集に登場する事から、古い時代からあった事は確かです。

 名の由来は、中国名の鳥梅を「ウメイ」と音読みし、それが変化したと言われています。ウメは中国の国花です。梅を県木としているのは、茨城県・大阪府・和歌山県・福岡県・大分県です。英名はJapanese apricot。「松竹梅」と言われるように、春を知らせる花として縁起物に加えられています。万葉集に登場するウメの歌は118首で、サクラは44首です。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、ほぼ全ての大陸(南極を除く)に、107属3100種が分布します。アンズ属(Armeniaca J.P. de Tournefort)は北半球の温帯から熱帯にかけて約40種ほどが分布します。

 ウメは、3系9性分類に従えば、野梅(やばい)系・緋梅(ひばい)系・豊後(ぶんご)系に分けられます。約400種の登録園芸品種が存在し、内訳は花梅300種と実梅100種です。花梅は観賞用、実梅は実の採取用で、豊後系がそれにあたります。

 葉は互生し、長さ5~8cmの卵形で、先端は尖ります。落葉樹なので花期に葉はありません。萼は褐紫色で5裂します。花弁は通常5枚で、それ以上の八重咲き品種もあり、25mm程の大きさになります。花色は、白色・桃色・紅色があります。雄しべは40本程度。自家不和合の虫媒による他家受精を行います。

 果実は核果で、熟す前の青梅にはアミグダリン(amygdalin)という青酸配糖体が含まれていて、胃の酸で分解されるとシアン化水素(青酸ガス HCN)を発生し、中毒を起こします。致死量は成人で300個、子供で100個です。

◎  ◎  ◎

 先日、梅園へ行きました。寒さの為に開花が遅れています。ほとんどが蕾ばかりです。梅園の外に1本の早咲きを見つけました。そこには、古枝を剪定している初老の男性がいました。その方のお気に入りの梅で、幼稚園児を配置した写真が写真展で入選したとの事でした。写真を撮る為の前準備として剪定しているのだそうです。話を伺っていると戦争の話になりました。空襲の話から、近い将来あるかもしれない徴兵制の話へと移っていきます。身勝手だが孫が兵に採られるような時代になって欲しくないと吐露していました。気が付くと、1時間も話を聞いていました。梅の木の下で戦争の話は合わないと思ったのですが、南條歌美作詞の「梅と兵隊」という歌がある事を後で知りました。当然の如く、彼はそれを念頭に話をしていたのでしょう。

Japanese common name : Ume
e0038990_1527983.jpg
Armeniaca mume (Siebold et Zucc.) de Vriese


ウメ(梅)
バラ科アンズ属
学名:Armeniaca mume (Siebold et Zucc.) de Vriese
synonym : Prunus mume Siebold. et Zucc.
花期:1月~3月 落葉高木 樹高:5~10m 花径:20~25mm 果期:6~7月

e0038990_21323673.gif

【学名解説】
Armeniaca : armeniacus(杏色の、赤みがかった黄色の)/アンズ属
mume : ウメ(日本名)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : 及び(命名者が2名の時など・&に同じ)
Zucc. : Joseph Gerhard Zuccarini (1797-1848)
de Vriese : Willem Hendrik de Vriese (1806-1862)
---
Prunus : plum(スモモ)のラテン古名/スモモ属

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14.25km 左岸土手 2006.02.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

13 February 2006
Last modified: 30 June 2014
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-02-13 00:00 | | Trackback(1) | Comments(6)
シャリンバイ(車輪梅)/実
 シャリンバイ(車輪梅)は、バラ科シャリンバイ属の常緑低木です。本州宮城県以西から沖縄に至る海岸沿いに自生します。名の由来は、枝が車軸状に出る事と、花が梅に似ている事からです。最近では、シャリンバイ(車輪梅)、マルバシャリンバイ(丸葉車輪梅)、タチシャリンバイ(立車輪梅)は、同種の変異内としてまとめます。一般的には、葉の形態で判別し、マルバシャリンバイは、楕円形で僅かに鋸歯があり、タチシャリンバイは、細長く縁全体に鋸歯があるとされています。

 葉は、長さ4~8cmの倒卵形で互生し、輪生状に付きます。肉厚で光沢があり、浅い鋸歯があります。花は、枝先に円錐花序を出し、白色の花弁が5枚あります。果実は上向きに付きます。球形で、熟すと黒紫色になります。白い粉を被るので葡萄の実のようにも見えます。種子が2個入っています。

 公園や、街路樹として植栽されている他、生け垣、道路の分離帯等にも多く見られます。私は、土手沿いに植えられているシャリンバイの果実の色が変化していく様子を10月頃から観察していました。また、方言を含めて何と呼ばれているのか興味があって多くの人に尋ねてみたのですが、残念ながら名前を知っている方は一人もいませんでした。

参考:シャリンバイ(花)

Japanese common name : Syarin-bai
e0038990_18432169.jpg
Rhaphiolepis indica (L.) Lindl. var. umbellata (Thunb.) H.Ohashi


シャリンバイ(車輪梅)
別名:マルバシャリンバイ(丸葉車輪梅)/タチシャリンバイ(立車輪梅)
バラ科シャリンバイ属
学名:Rhaphiolepis indica (L.) Lindl. var. umbellata (Thunb.) H.Ohashi
花期:5月~6月 常緑低木/小高木 花径:10~15mm 樹高:200~400cm 果期:10~11月 実径:1cm

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Rhaphiolepis : rhaphis(針)+lepis(鱗片)/シャリンバイ属
indica : インドの
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Lindl. : John Lindley (1799-1865)
var. : varietas(変種)
umbellata : umbellatus(散形花序の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
H.Ohashi : 大橋広好 Hiroyoshi Ohashi (1936- )
---
ex : ~より (代わりに発表)
Ker : John Bellenden Ker Gawler (1764-1842)
Murray : Johan Andreas Murray (1740-1791)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.25km 左岸土手(植栽) 2006.01.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 21 January 2006
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-01-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ビワ(枇杷)
 ビワ(枇杷)は、バラ科ビワ属の常緑高木です。中国および日本原産で、中国南部から日本中部以南に分布します。名の由来は、古楽器の琵琶に葉の形状が似る事から。和名は当初、「比波」「比巴」と記されていました。「枇杷」は漢名を流用したものです。英名はLoquat、仏名はNeflier du Japon(=日本カリン/果実はnefle du japon)、独名はJapanische Mispelです。

 日本の野生種であるのか史前帰化植物なのかは、学説が別れています。一般的に、地層中の種子を調べ、それによって後世に渡ってきた外来種であるのかを判別します。どちらにしても、相当古くから存在していたのは間違えありません。現在の果樹としての品種は、江戸時代に中国から渡ってきたものと推測されています。それ以前の品種は果実が小さかったので食用としては不向きだったようです。江戸時代後期からの栽培によって国内での自然分布は、よく分からない状態になっています。

 葉は20cm程の大型で、枝先に互生します。葉柄は短く、長楕円形または倒皮針状長楕円形で、先は尖り、鋸歯がありますす。乾燥葉を生薬「枇杷葉」とし、中国やインドを始め我が国でも民間薬として鎮咳、去痰、健胃整腸、温灸、清涼剤として使われました。葉や種子には有用な含有成分があります。幹は硬く緻密な材質であることから、装飾用材・杖・印材等にも利用されます。

 花期は長く、11月から翌年までの冬期で、この時期に花を付けるものが少ない事から生花に使われる事もあります。バラ科らしからぬ雰囲気を持っています。茎の先端に総状花序を出し、1cm未満の芳香がある白色の花を咲かせます。花被片は5枚で、花柱は2~5個あります。自家結実します。果実は偽果で食用とする部分は花托が発達したものです。河川敷にあるビワは鳥がついばみ、種子を散布します。品種は「茂木(長崎県茂木産地が名の由来)」「田中(田中芳男の品種・晩生種)」が大多数で、他に「丸茂木」「大正枇杷」「楠」などがあります。

Japanese common name : Biwa
e0038990_18511128.jpg
Eriobotrya japonica (Thunb.) Lindl.


ビワ(枇杷)
バラ科ビワ属
学名:Eriobotrya japonica (Thunb.) Lindl.
花期:11月~12月 常緑高木 樹高:4~10m 花径:10mm 果期:5~6月

e0038990_12135938.gif

【学名解説】
Eriobotrya : erion(軟毛)+botrys(葡萄)/ビワ属
japonica : japonicus/japonicum(日本の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Lindl. : John Lindley (1799-1865)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0.5km 左岸河川敷 2006.01.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: June 10, 2008
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-01-15 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ノイバラ(野茨)
 ノイバラ(野茨)は、バラ科バラ属の落葉低木です。北海道の西南部から九州にかけての低地や山地に普通に見られます。2n=14の染色体をもつ野生種です。日本には11種と3変種の野生種が存在します。これを大別して、花柱(雄しべの軸)が離れているか合着しているかで区別される2節があります。園芸種のもととなった原種は8種のみで、中近東のロサ・フォエティダ、ロサ・ダマスケナ、ロサ・ガリカ、ヨーロッパのロサ・アルバ、ロサ・センチフォリア、中国のコウシンバラ、日本のノイバラ、テリハノイバラです。

 ノイバラはノバラ(野薔薇)であって、野にある薔薇という意味ですが、茨は棘のある低木を指します。棘のある植物を有棘植物と言い、その棘により衣服を引っ掻き破くばかりか、怪我をしてしまう事もあります。ストラスブールの大学生だった21歳のゲーテは、牧師の娘フリーデリーケに恋し、失恋しました。これをもとにしたと言われる「野薔薇」は寓意的ですが、折られる事に抵抗するバラの棘は、生存競争の戦略武器です。この棘は葉が変形してできたものです。キリストが処刑される時に被されたイバラ(ヘブライ語でアタード)は、クロウメモドキ科のトゲハマナツメ(Zizyphus spina-christi L.)との説があり、ノイバラとは関係なさそうです。

 葉は互生し、奇数羽状複葉で小葉は5~9枚、浅い鋸歯を持ち先が尖ります。葉に光沢があり地を這うのはテリハノイバラ(照葉野薔薇)です。花は5弁の白色。地方により変種が存在し、関東・近畿・四国にはフジイバラ(富士茨)、中部以西・四国・九州にミヤコイバラ(都茨)、四国・九州にツクシイバラ(筑紫茨)、近畿地方以西にヤブイバラ(藪茨)が分布します。秋に赤く熟した果実(偽果)を乾燥させたものを、生薬(日本薬局方)のエイジツ(営実)として用います。ローズヒップ・ティーとしての利用もあります。挿し木で繁殖でき、園芸種の台木としても使われます。

Japanese common name : No-ibara
e0038990_221805.jpg
Rosa multiflora Thunb.


ノイバラ(野茨)
別名:ノバラ(野薔薇)
バラ科バラ属
学名:Rosa multiflora Thunb.
花期:5月~6月 落葉低木 樹高:1~2m 花径:2cm 果期:9~11月

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Rosa : ギリシャ語のrhodon(バラ)、ケルト語のrhodd(赤色)に由来/バラ属
multiflora : multiflorus(多花の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷 2006.01.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: June 11, 2008
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2006-01-10 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ヤブヘビイチゴ(薮蛇苺)
 ヤブヘビイチゴ(薮蛇苺)は、バラ科キジムシロ属の多年草です。主に東南アジアに分布し、日本では関東以西に分布する在来種です。半日陰の藪陰などに生育します。名の由来は不明です。蛇がいそうな藪に生育する事から蛇が食べる苺、匍匐茎が蛇のようだから等の説があり、ヘビイチゴと区別するために藪が付けられたと言われています。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、世界に107属3100種が分布します。キジムシロ属(Potentilla L. (1753))は、世界に約300種があり、日本には約20種程が分布します。

 ヘビイチゴ(蛇苺)とオヘビイチゴ(雄蛇苺)、ヤブヘビイチゴは共にキジムシロ属で、大変良く似ています。ヘビイチゴは日向に咲く事が多く、ヤブヘビイチゴのほうが大型です。どちらも1本の花茎に5弁の黄色の花を1個咲かせます。染色体数は、2n=12x=84。

 相違点としてあげられるものに果実があります。果実の赤い部分は果床と言い、その上にいくつものぶつぶつした痩果(種子)が付いています。ヤブヘビイチゴは、この痩果に艶があり、ヘビイチゴは光沢がない事で区別します。光沢がないのは痩果に瘤状小突起があるためです。この果実に毒はなく、食べられない事はありませんが、すかすかして美味しくないので、食用にはしません。

 花期の場合は、萼で区別します。萼は2列になっていて、副萼片(外側にある萼片)が花より大きく出ているものがヤブヘビイチゴです。この形態はキジムシロ属の特徴です。葉は3出複葉で、ヤブヘビイチゴは先端がやや尖っている形に対し、ヘビイチゴは扇形に近い形をしています。

 品種に、白実をつける、シロミノヤブヘビイチゴ(白実野藪蛇苺)Potentilla indica (Andrews) Th.Wolf f. albocaput (Naruh.) H.Ohashi があり、福井県で1991年に発見されました。福井県の県域絶滅危惧Ⅰ類に指定されています。
 ヘビイチゴの白実品種は、シロミノヘビイチゴ(白実野蛇苺)Potentilla hebiichigo f. leucocephala (Makino) Yonek. et H.Ohashi で、牧野富太郎博士が1930年に栃木県で発見したものです。
 ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの交雑種に、アイノコヘビイチゴ(あいのこ蛇苺)Potentilla × harakurosawae (Naruh. & M. Sugim.) H. Ohashi があり、果実は不稔です。

Japanese common name : Yabu-hebi-itigo
e0038990_1931337.jpg
Potentilla indica (Andrews) Th.Wolf
e0038990_1933462.jpg
艶がある痩果


ヤブヘビイチゴ(薮蛇苺)
バラ科キジムシロ属
学名:Potentilla indica (Andrews) Th.Wolf
synonym : Duchesnea indica (Andrews) Focke
花期:4月~6月 多年草 草丈:5~10cm 花径:16~24mm 果期:7月

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Potentilla : potens(強力)の縮小形、薬効を持つ/キジムシロ属
indica : indicus(インドの)
Andrews : Henry Charles Andrews (fl. 1794-1830)
Th.Wolf : (Franz) Theodor Wolf (1841-1921)
---
Duchesnea : Antane Nicolas Duchesne (1747-1827)に因む/ヘビイチゴ属
Focke : Wilhelm Olbers Focke (1834-1922)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川 2005.11.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

June 11, 2008
Last modified: 17 July 2015 (Scientific name update)
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2005-12-30 00:00 | | Trackback | Comments(1)