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ハリアサガオ(針朝顔)
 ハリアサガオ(針朝顔)は、ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。熱帯アメリカ原産の帰化植物で、江戸時代には中国経由で渡来していたと言われています。日本では、関東以西で栽培される観賞用栽培種ですが、逸出して野生化する事があります。名の由来は、茎に刺状突起があるアサガオである事から。中国名は、丁香茄(dīng xiang qié)、天茄子(tiān qié zi)、天茄(tiān qié)。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は、熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、熱帯から亜熱帯に約500種が分布します。

 蔓性で、他の物に巻き付き2~10mになります。茎や葉柄には、肉質で軟質の刺状突起が多数付きます。これが本種の特徴ですが、柔らかいので触っても痛くはありません。葉は互生します。葉柄は、4~12cm。葉は長さ5~7cmの心形。深裂した変異形状もあります。

 花期は、8月から10月頃。夜開性で午後から開花する一日花です。3~6cmの花柄の先に、漏斗状で淡赤紫色の合弁花を数個つけます。花径は約5cmで、花冠中心部は濃色。雄しべ5本、雌しべ1本の両性花。萼片は5枚。

 果実は、蒴果です。西洋独楽型で先端に突起があり、萼が反り返ります。若い果実は食用とされる事があり、救荒植物としても知られています。子房室は3室で、各室に普通2個の種子があります。乾燥果実は、径約17mm。種子は黒褐色で、長さ約6~7mm、短い綿毛が付きます。染色体数は、2n=30。

参考文献:
Flora of China : Ipomoea turbinata Lagasca, Gen. Pl. 10. 1816, FOC Vol. 16 Page 310

Japanese common name : Hari-asagao
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Ipomoea turbinata Lag.

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蕾の先端は尖る。茎に刺状突起がある。

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長い柄の先に漏斗状の花を付ける。径3~5cm。

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果実は蒴果。葉は心形で互生するが、深裂する変異形状もある。
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果実と種子


ハリアサガオ(針朝顔)
別名:アカバナヨルガオ(赤花夜顔)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea turbinata Lag.
synonym : Ipomoea muricata (L.) Jacq.
花期:8月~10月 1年草(国内) 蔓性:2~10m 花径:3~5cm

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【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
turbinata : turbinatus (西洋ゴマ形の、倒円錐形の)
Lag. : Mariano Lagasca y Segura (1776-1839)
---
synonym : (シノニム) 同意語、異名
muricata : muricatus(硬尖面の)
L. : Carl Linnaeus (1707-1778)
Jacq. : Nicolaus(Nicolaas) Joseph von Jacquin (1727-1817)

撮影地:静岡県静岡市
帆掛山(押切コース) 2016.11.07
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 19 January 2017
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by pianix | 2017-01-19 00:00 | | Trackback | Comments(0)
モミジルコウ(紅葉縷紅)
 モミジルコウ(紅葉縷紅)は、ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。原産地はアメリカ。園芸交配種です。名の由来は、モミジのような掌状に細裂する葉を付けるルコウソウ(縷紅草)である事から。縷は、細い糸の事で、紅色の花を付けるので縷紅草であり、葉の切れ込みからモミジを冠したもの。英名は、Cardinal climber。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、熱帯から亜熱帯に約500種が分布します。

 茎は蔓となって他の物に絡み合って立ち上がり、2~4m程になります。。巻き方は、上から見て反時計回りの右巻。葉は互生します。楕円形の葉は掌状に深裂し、長さ4~6cm、裂片は披針形。葉は小さなモミジ葉状で、秋に紅葉します。

 花期は7~10月頃。葉腋から長い柄を出し、径約2~3cmの五角形花を付けます。鮮紅色の漏斗状で、花筒の長さは約4cm。花冠先端は反り返ります。雄しべ5本、雌しべ1本。葯色は白色。虫媒花。果実は蒴果です。楕円球形で、径約8mm。種子は長さ4~5mm。

 交配母種は、ルコウソウ(縷紅草)マルバルコウ(丸葉縷紅)で、性質が強いため本州中部地方以西に帰化しています。

Japanese common name : Momizi-rukou
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Ipomoea x multifida (Raf.) Shinners

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左:反り返った花冠から飛び出した雄しべと雌しべ 右:葉は掌状に深裂


モミジルコウ(紅葉縷紅)
別名:モミジルコウソウ(紅葉縷紅草)、ハゴロモルコウソウ(羽衣縷紅草)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea x multifida (Raf.) Shinners
花期:7月~10月 1年草(蔓性) 蔓長:2~4m 花径:2~3cm

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【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
x : 二種間交配種
multifida : multifidus(多数に中裂した)
Raf. : Constantine Samuel Rafinesque-Schmaltz (1783-1840)
Shinners : Lloyd Herbert Shinners (1918-1971)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬学植物園 2006.09.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 September 2016
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by pianix | 2016-09-28 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
マメアサガオ(豆朝顔)
 マメアサガオ(豆朝顔)は、ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。北アメリカ原産。日本では1955年に東京で帰化が確認され、現在は関東以西に分布域を広げています。輸入雑穀に種子が混入していた事による非意図的移入と考えられます。農地では害草とされます。名の由来は、花が朝顔に似て、小型である事を豆に比喩したもの。和名の命名者は。淺井康宏(Yasuhiro Asai 1933-)氏。別名のヒラミホシアサガオ(平実星朝顔)は、果実がやや扁平で花冠が星形である事から。英名は、Small-flowered white morning-glory。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、熱帯から亜熱帯に約500種が分布します。

 土手や河川敷、荒れ地等で自生します。根は淡黄色。茎は4稜で赤味を帯び、蔓性で、分岐しながら地を這い、巻き付いて長く伸びます。蔓の巻き方は、上から見て反時計回り、右巻き(dextrorse)*。葉は、互生します。心臓形や長卵形の全縁、あるいは2裂、3裂葉があり、長さ5~10cm、幅4~8cmで先は尖る。葉腋からイボ状突起がある花柄を出します。

 花期は8月から10月頃。花冠は白色から淡紅色。径1.5cmから2cmの漏斗型筒状花で、先端は5裂して尖ります。雄しべは5個で、葯色は紫色、花粉は白色。

 果実は蒴果です。やや扁平の球形で、毛があり、径約1cm。熟すと2つに割れ、黒色で、長さ約6mmの種子を、4(3~6)個出します。染色体数は、2n=30。

*学術用語集植物学編増訂版(1990)の定義による。

Japanese common name : Mame-asagao
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Ipomoea lacunosa L.

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花径は約15mm。茎は4稜があり、赤味を帯びる。花柄は緑色でイボ状突起がある

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左:葉表 《葉は互生。長卵形や心臓形の全縁、あるいは3裂》 右:葉裏
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心臓形と2裂葉が混在する個体

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扁平な果実
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種子

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マメアサガオ(豆朝顔)
別名:ヒラミホシアサガオ(平実星朝顔)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea lacunosa L.
花期:8月~10月 1年草 蔓性(2~5m) 花径:15~20mm

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【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
lacunosa : lacunosus(孔、又は凹みを持った)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2012.10.07, 2012.10.08, 2016.09.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

17 September 2016
Last modified: 6 October 2016
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by pianix | 2016-09-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ハマヒルガオ(浜昼顔)
 ハマヒルガオ(浜昼顔)は、ヒルガオ科ヒルガオ属の多年草です。世界に広く分布します。日本では、全国の浜辺に自生する在来種です。名の由来は、浜に生えるヒルガオ(昼顔)から。昼顔は、アサガオ(朝顔)に対して日中も咲いている事から。英名は、Sea bindweed、sea bells、等。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。ヒルガオ属 (Convolvulus L. (1753))は、熱帯から温帯に約25種が分布し、日本には4種1)が自生します。

 暖地の海岸砂浜に自生します。地下茎を砂地に長く延ばし、群落を作ります。茎は蔓性で這います。葉は互生します。基部が心形の腎円形で、長さ2~4cm、幅3~5cm。革質で光沢があり、葉脈が目立ち、内側にやや反って丸まります。透明な細胞膜のクチクラ(Cuticula)層があり、表面を保護します。乾燥に強い構造です。

 花期は、5月から6月頃。葉腋から長い花柄を出し、花を付けます。包葉は1~1.5cmの卵形で2枚あり、5枚の萼片を囲みます。属名のCalystegiaは、calyx(萼)+ stege(蓋)で、この特徴を表しています。花冠は淡紅色の漏斗形の合弁花で、花径は4~5cm。花冠の先端は浅く5つに裂け星形となります。花冠底と5隅は白色で花冠先端まで伸びます。雄しべ5本、雌しべ1本で柱頭は2分岐します。花柱基部に5つの蜜壺があります。夕方には萎む一日花です。

 果実は蒴果です。苞と萼に包まれた球形で、長さ1.5~2cm。内部に空室があり水に浮きます。種子は黒色で4個あり、長さ約5~8mm。繁殖は実生の他、地下茎でも行われます。染色体数は、2n=22。

 品種として、シロバナハマヒルガオ(白花浜昼顔)Calystegia soldanella (L.) R.Br. f. albiflora H.Hara 、花色の濃いベニバナハマヒルガオ(紅花浜昼顔)Calystegia soldanella (L.) R.Br. f. rubriflora Asai があります。

1)ハマヒルガオ(浜昼顔)、コヒルガオ(小昼顔)、ヒルガオ(昼顔)、ヒロハヒルガオ(広葉昼顔)。

Japanese common name : Hama-hirugao
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Calystegia soldanella (L.) R.Br.

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蕾は花冠をねじりながら伸びてくる。

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左:ハマヒルガオの群落 右:小さな葉はテリハノイバラで生育地が競合している。

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左:2枚の抱葉が5枚の萼を囲む。右:葉は肉厚で葉脈が目立つ腎円形。
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花柱基部に5つの蜜壺がある。柱頭は2分岐する。蟻が介在。

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左:花の終わりは花冠が縮れながら萎む。 右:花冠が枯れた後、成熟した蒴果となる。
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2010.05.18
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2016.04.26 背景の細長い葉は、コウボウムギ(弘法麦)
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2016.04.26 大浜海岸


ハマヒルガオ(浜昼顔)
ヒルガオ科ヒルガオ属
学名:Calystegia soldanella (L.) R.Br.
花期:5月~6月 多年草 匍匐性 草丈:5~20cm 花冠径:4~5cm

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【学名解説】
Calystegia : calyx(萼)+ stege(蓋)/ヒルガオ属
soldanella : 小さい貨幣/イワカガミダマシ属(Soldanella)の転用
L. : Carl von Linne (1707-1778)
R.Br. : Robert Brown (1773-1858)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口左岸浜辺 2010.05.18, 2016.04.19 2016.04.26
大浜海岸 2016.04.26
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 28 April 2016
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by pianix | 2016-04-28 00:00 | 海辺の植物 | Trackback | Comments(0)
ネナシカズラ(根無葛)
 ネナシカズラ(根無葛)は、ヒルガオ科ネナシカズラ属の1年草の寄生植物です。日本、中国、韓国、ベトナムに分布し、アメリカ南部に帰化しています。国内では、全国に分布する在来種です。名の由来は、根が無く伸びる蔓性の植物である事から。カズラ(葛)は蔓性植物の総称。英名は、Japanese dodder。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は、熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。ネナシカズラの仲間は、寄生生活をし、胚は無子葉で螺旋状に巻く等の特殊性がある事から、ネナシカズラ科として独立させる事もあります。ネナシカズラ属(Cuscuta L. (1753))は、世界に約170種があり、日本には4種(ネナシカズラ、ハマネナシカズラ1)、クシロネナシカズラ2)、マメダオシ3))が自生します。

 種子の発芽後は、空気中の化学物質の臭いを頼りに宿主を見つけ蔓を伸ばします。他の植物(宿主|寄主)4)に巻き付き、寄生根を差し込んで養分を吸収し始めると主根は枯れていきます。寄生根(parasitic root)の形態には、ハマウツボ型(Orobanche type)、ヤドリギ型(Viscum type)、シオガマギク型(Pedicularis type)があり、この吸盤状の寄生根を、ネナシカズラ型(Cuscuta type)と分類します。

 寄生植物には、光合成を行い炭水化物を合成する事ができる「半寄生植物」と、光合成を行わない「全寄生植物」とがあります。ネナシカズラは全寄生植物で、宿主の栄養を頼りに成長します。宿主が枯れれば栄養を絶たれて死滅します。

 日当たりのよい山野(垂直分布は低地から1000m位まで)に自生します。茎は黄緑色で紫色の斑点があり、径0.5~2.5mm。葉は退化した鱗片状で先端が3裂し、互生します。花期は8月から10月頃で、0.8~2cmの短い穂状花序を出し、白色の小鐘形筒状花を付けます。花冠は長さ約4mmで、先端が5裂します。

 雄しべは5個で長さ約1mm、花柱は1個で柱頭は2裂し、長さ約1.5mm。因みにアメリカネナシカズラ5)、ハマネナシカズラ、マメダオシは花柱が2個あります。萼は5裂片が重なり合い長さ1~1.5mm、点状の突起があります。

 果実は蒴果です。卵形で径4~5mm。熟すと上部の蓋が取れて種子を散布します。種子は黒色で2.5~3mm。種子を煎じたものをトシシ(莵絲子)と言い、強壮薬として使われます。種子で越冬します。染色体数は、2n=28,56。

1) ハマネナシカズラ(浜根無葛)Cuscuta chinensis Lam. 
2) クシロネナシカズラ(釧路根無蔓)Cuscuta europaea L.
3) マメダオシ(豆倒し)Cuscuta australis R.Br.
4) 宿主(しゅくしゅ)・寄主(きしゅ)(host):寄生生物が寄生する相手の生物
5) アメリカネナシカズラ(亜米利加根無葛)Cuscuta campestris Yuncker

Japanese common name : Nenasi-kazura
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Cuscuta japonica Choisy

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左:花冠の先端が5裂した筒状花。 右:花冠側面。

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左:果実は蒴果で4~5mm。 右:茎。

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花冠径は約4mm。雄しべ5、花柱1個で柱頭は2裂する。


ネナシカズラ(根無葛)
学名:Cuscuta japonica Choisy
ヒルガオ科ネナシカズラ属
花期:8月~10月 1年草(寄生植物) 草丈:蔓性 花冠径:4mm

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【学名解説】
Cuscuta : kassyein(絡み付く、巻き込まれる)/ネナシカズラ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Choisy : Jacques Denys (Denis) Choisy (1799-1859)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km右岸 2006.10.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

11 November 2006
Last modified: 22 September 2015
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by pianix | 2006-11-11 00:00 | | Trackback | Comments(3)
ルコウソウ(縷紅草)
 ルコウソウ(縷紅草)は、ヒルガオ科サツマイモ属の多年草です。熱帯アメリカが原産で、日本へは江戸時代初期の1634(寛永11)年に園芸用途で移入されたと考えられている帰化植物です。名の由来は、糸のように細い葉を持ち、赤い花を付ける事から。縷は、細い糸の事。英名は、Cypress vine。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae A.L. de Juss. (1789))は、熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、500種程があります。旧分類のルコウソウ属(Quamoclit Moench, 1794)は、熱帯アメリカやインドに約10種があります。

 蔓性で長さ100~400cmになります。花色と茎色の遺伝子は連鎖します。葉は互生します。羽状に深く裂け、裂片は糸状です。花期は8月から10月で、葉腋から長い花柄を出し、先端に1~2個の花を付けます。花冠は2~3cmで、星形に5裂する高杯形です。花色は、濃紅色・桃色・白色があります。雄しべ5本、雌しべ1本。子房は4室。果実は蒴果で、種子は4個。染色体数は2n=30。

 類似種のマルバルコウ(丸葉縷紅)は、本州中部地方以西に帰化しています。また、ルコウソウとマルバルコウの交雑種である、モミジルコウ(紅葉縷紅)Ipomoea x multifida (Raf.) Shinners があります。

Japanese common name : Rukou-sou
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Ipomoea quamoclit L.


ルコウソウ(縷紅草)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea quamoclit L.
synonym : Quamoclit pennata Bojer
花期:8月~10月 多年草 草丈:100~400cm(蔓性) 花径:約2~3cm

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【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
quamoclit : kuamos(豆)+klitos(低い)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
---
Quamoclit : kyamos(豆)+clitos(低い)/ルコウソウ属
pennata : pennatus(羽状の)
Bojer : Wenzel Bojer (1797-1856)
---
x : 二種間交配種
multifida : multifidus(多数に中裂した)
Raf. : Constantine Samuel Rafinesque-Schmaltz (1783-1840)
Shinners : Lloyd Herbert Shinners (1918-1971)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬学植物園 2006.09.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

21 September 2006
Last modified: 18 April 2014
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by pianix | 2006-09-21 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(2)
ヒルガオ(昼顔)
 ヒルガオ(昼顔)は、ヒルガオ科ヒルガオ属の越年草です。日本・中国・朝鮮が原産です。国内では北海道(少量)、本州、四国、九州に分布する史前帰化植物です。名の由来は、アサガオ(朝顔)との対比で昼に開花することによります。英名は、False bindweed。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。ヒルガオ属 (Convolvulus L. (1753))は、熱帯から温帯に約25種が分布し、日本には4種1)が自生します。

 白い地下茎を発達させて繁殖します。茎は左巻きの蔓性で、絡みついて伸び50~200cmになります。茎断片でも芽を出します。草刈りなどで分断される事によって、かえって増殖の勢いを付ける事がある強靱な性質があります。葉は互生し、葉柄は1~4cmあります。若い葉は鉾(ほこ)形で、成長すると矢尻形になります。長さは5~10cm。基部は心形で、葉の先端は鈍頭、縁は全縁です。

 花期は6月から8月頃。葉腋から2~5cmの花柄を出し、淡紅色の花冠を付けます。漏斗状の合弁花で、5枚の花被片が合着した形状をしています。花冠径は5~6cm。午前中に咲き、夜に萎む一日花です。花筒と萼を挟む、長さ20~25mmの2枚の苞葉があります。これはヒルガオ属の特徴で、学名に採用されています。雄しべは5本。雌しべは先端で2裂し、子房は2室あります。染色体数は、2n=22。両性花で自家不和合性があり、結実するのは稀です。

 類似種のコヒルガオ(小昼顔)Calystegia hederacea Wall. は、花柄の上部に縮れたヒレがあり、葉の形状が異なり、鉾形基部が張り出します。セイヨウヒルガオ(西洋昼顔)Convolvulus arvensis L. は属が異なり、花柄の途中に対生する小さな苞葉があります。

1)ハマヒルガオ(浜昼顔)、コヒルガオ(小昼顔)、ヒルガオ(昼顔)、ヒロハヒルガオ(広葉昼顔)

Japanese common name : Hiru-gao
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Calystegia pubescens Lindl. f. major (Makino) Yonek.

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左:萼を包む2枚の苞葉 右:矢尻形の細長い葉


ヒルガオ(昼顔)
ヒルガオ科ヒルガオ属
学名:Calystegia pubescens Lindl. f. major (Makino) Yonek.
synonym : Calystegia japonica Choisy
花期:6月~8月 多年草 草丈:蔓性 花冠径:5~6cm

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【学名解説】
Calystegia : calyx(萼)+stege(蓋)/ヒルガオ属
pubescens : 細軟毛がある
Lindl. : John Lindley (1799-1865)
f. : forma(品種)
major : majus(巨大な、より大きい)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
Yonek. : 米倉浩司 Koji Yonekura (1970- ) Tohoku University
---
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Choisy : Jacques Denys (Denis) Choisy (1799-1859)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0.5km 左岸土手 2006.07.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

12 July 2006
Last modified: 13 July 2015
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by pianix | 2006-07-12 00:00 | | Trackback | Comments(2)
マルバルコウ(丸葉縷紅)
 マルバルコウ(丸葉縷紅)は、ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。熱帯アメリカ原産の蔓植物です。太い茎を持ち、左巻きの蔓で巻き付いて立ち上がります。同じ蔓植物のルコウソウ(縷紅草)の葉が細く羽状なのに対し、丸い葉を付ける事から名付けられました。「縷」とは細かいという意味なので、丸葉がつくと本来の意味と矛盾することになってしまいます。また、丸葉とはいえ、ハート形で、葉先は尖っています。7月から10月にかけて、朱色の小さなラッパ形の花を咲かせます。染色体数は、2n=18。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は、熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、500種程があります。旧分類のルコウソウ属(Quamoclit Moench, 1794)は、熱帯アメリカやインドに約10種があります。

 1850年頃に観賞用として渡来したと言われ、寛永年間から栽培の記録があります。現在は野生化し、本州中部以南に分布し、帰化しています。土手などの野生植物に絡まって咲いている事が多いのですが、畑に侵入すると作物の発生消長1)が起き、やっかいな害草扱いとなります。マルバルコウとルコウソウ(縷紅草)の交配種に、モミジルコウ(紅葉縷紅)Ipomoea x multifida (Raf.) Shinnersがあります。

1)発生消長(はっせいしょうちょう):受精から成体(発芽や孵化)の過程が衰えたり盛んになる事。
※植物防疫法により、条件下での輸入禁止及び移動禁止の規制がかかっています。

Japanese common name : Maruba-rukou
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Quamoclit coccinea L.

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マルバルコウ(丸葉縷紅)
別名:ウチワルコウソウ(団扇縷紅草)/ツタノハルコウ(蔦の葉縷紅)/マルバルコウソウ(丸葉縷紅草)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea coccinea L.
synonym : Quamoclit coccinea (L.) Moench
synonym : Quamoclit angulata (Roem. et Schult.) Bojer
花期:7月~10月 1年草 草丈:2~5m(蔓性) 花径:15~18mm

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【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
coccinea : coccineus(紅色の/緋紅色の)
L. : Carl von Linne(1707-1778)
---
Moench : Conrad Moench (1744-1805)
---
x : 二種間交配種
multifida : multifidus(多数に中裂した)
Raf. : Constantine Samuel Rafinesque-Schmaltz (1783-1840)
Shinners : Lloyd Herbert Shinners (1918-1971)
---
Quamoclit : kyamos(豆)+clitos(低い)/ルコウソウ属
angulata :angulatus(稜のある、角張った)
Roem. : Johann Jacob Roemer (1763-1819)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Schult. : Josef August Schultes (1773-1831)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14.25km 左岸土手 2005.11.02
安倍川/河口から8km 左岸河川敷 2016.09.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

June 21, 2008, 30 September 2015
Last modified: 6 October 2015
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by pianix | 2005-11-13 00:00 | | Trackback | Comments(4)
マルバアメリカアサガオ(丸葉亜米利加朝顔)
 安倍川堤防土手は、車の通行ができる場所と歩行者専用の区分があります。また、土手が途中で途切れたりしている箇所があります。バイクで野草撮影に出かけて、行った事がない小道へ入ると、そこから先は自転車だけが走れる土手につながっていました。バイクを置いて歩き始めると、その1km程先には見慣れた河川敷が広がっていました。

 土手沿いにコセンダングサが広がっています。その中に薄い空色をした朝顔が咲いていました。マルバアメリカアサガオ(丸葉亜米利加朝顔)でした。ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。アメリカアサガオの葉が丸みを帯びているものを差します。葉には細かな毛が生えています。花は小振りで3cm程ですが、実の大きさは一人前で、そのアンバランスを感じます。実の萼は大きく反り返り、荒毛が目立ちます。フェンスや標識などにも巻き付いています。染色体数は、2n=30。

 北アメリカ原産の帰化植物で、戦後に輸入穀物に混入し、各地で野生化しました。茎は上から見て反時計回り(右巻き)*で絡みつきます。果期の萼片は大きく湾曲します。英名は、Entireleaf Morning Glory。Entireleafは、全縁の意味。

*学術用語集植物学編増訂版(1990)の定義による

Japanese common name : Maruba-amerika-asagao
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Ipomoea hederacea Jacq. var. integriuscula A.Gray

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茎は反時計回り(右巻、Z巻)


マルバアメリカアサガオ(丸葉亜米利加朝顔)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea hederacea Jacq. var. integriuscula A.Gray
花期:8月~10月 1年草 草丈:蔓性~100cm 花径:3cm

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【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
hederacea : hederaceus(キズタ属(Hedera)に似た)
Jacq. : Nicolaus Joseph Baron von Jacquin (1727-1817)
var. : varietas(変種)
integriuscula : integri~(接頭辞)全て+~usculus(接尾辞)似た
A.Gray : Asa Gray (1810-1888)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から16.25km 左岸河川敷 2005.11.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

June 22, 2008
Last modified: 21 September 2016
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by pianix | 2005-11-11 00:00 | | Trackback | Comments(0)
アメリカネナシカズラ(亜米利加根無蔦)
 根も葉もないのですが、根も葉もない話ではありません。(どっちなんだ) 寄生植物なので根も葉も無いのです。と言っても、寄生根を差し込んで養分を吸収します。じゃあ、根があるじゃないかと言う事になりますが、本当の根は無くなるのです。なんだかよく分からなくなりますが、「根無し葛」という名前なので、根は無い事になっています。要するに、土に根を張って生きる植物では無いという事。

 アメリカネナシカズラ(亜米利加根無蔦)は、ヒルガオ科ネナシカズラ属の1年草です。花は小さく、花柱は2本、雄しべは5本。植物を選ばず、盛大に絡みついて寄生している様は異様です。このアメリカネナシカズラは北アメリカが原産で、ヨーロッパ、アジア、ロシア、オーストラリアに分布します。生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。在来種であるネナシカズラ(根無葛)は、花柱が1本で柱頭が2裂します。

 根も葉もない話でした。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。ネナシカズラ属(Cuscuta L. (1753))は、世界に約170種があり、日本には4種が自生します。

 茎に豆のような膨らみが出る事があります。ネナシカズラツルコブフシ(根無葛蔓瘤五倍子)で、マダラケシツブゾウムシ(Smicronyx madaranus Kôno,1930)によるムシコブ(虫瘤)です。寄生植物なのに虫に寄生されるという悩ましい状態になります。虫瘤は、虫営や英名のゴール(gall)と呼ばれます。

Japanese common name : Amerika-nenasi-kazura
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Cuscuta campestris Yuncker
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花柱は2本、雄しべは5本

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緑色の豆のようなものは、ネナシカズラツルコブフシ(根無葛蔓瘤五倍子)


アメリカネナシカズラ(亜米利加根無蔦)
ヒルガオ科ネナシカズラ属
学名:Cuscuta campestris Yuncker
synonym : Cuscuta pentagona Engelm.
花期:6月~10月 1年草(寄生植物) 草丈:蔓性 花径:3mm 果径:2~3mm

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【学名解説】
Cuscuta : kassyein(絡み付く・巻き込まれる)/ネナシカズラ属
campestris : campestre(原野生の、草原、平野に産する)
Yuncker : Truman George Yuncker (1891-1964)
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pentagona : pentagonus(五角形の)
Engelm. : George Engelmann (1809-1884)

撮影地:静岡県静岡市葵区
安倍川/河口から9.75km 右岸河川敷 2005.06.24, 2006.10.07
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

5 July 2005, 22 September 2015
Last modified: 29 October 2016
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by pianix | 2005-07-05 00:00 | | Trackback | Comments(0)