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ワタ(綿)
 加工品が多いと、原材料を勘違いする場合があります。例えば、西瓜や落花生の果実が木からぶら下がっていると思いこんでいる子供がいます。アジの開きが泳いでるとなると、その想像力には感服するものの、寂しい思いもします。布団の中身のワタも、植物由来であることを知らない子供が多いし、知っていても、どのような形で付いているのか見たことが無いという人も多いようです。

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 ワタ(綿)は、アオイ科ワタ属の1年草です。東南アジアが原産です。古くから栽培されてきた繊維作物で、インドのモヘンジョ・ダロ遺跡(紀元前2500~1500年頃)からも発見されているそうです。名の由来は、不明です。綿は中国名で、カイコ由来から変遷して木綿綿を差すようになりました。英名は、tree cotton、あるいはCotton Plant。

 アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は世界に121属1550種が分布、ワタ属(Gossypium L. (1753))は約40種があります。

 日本へは799年(延暦18年)に三河に漂着したインド人よって種がもたらされました(類聚国史による)。その後消滅してしまい、何度かの導入も失敗しています。気候風土が合わなかったと推測されます。

 文禄年間(1592~1595)に中国から入った種子により栽培が成功します。関東以西に広まり、明治20年までには2万4千トンの収穫がありました。その後は安価な輸入品に押され衰退し、商業栽培はほとんど無くなりました。2002年の綿実(食用油・乳牛の餌・油粕は有機肥料)輸入量は約15万トンであり、オーストリアからが96%を占めるに至っています。

 大別すると、アジアワタ(亜細亜綿)とリクチワタ(陸地綿=アプランドワタ)があります。アジアワタには、アジアワタ(Gossypium herbaceum L.)とインドワタ(Gossypium arboreum L.)があります。日本で栽培されてきたのはアジアワタの系統と考えられています。

 花後5週間ほどでできる果実は、卵形の蒴果(さくか)で、英語でコットンボール(Cotton Ball)と呼ばれます。初めは緑色で熟すと薄茶色になり、3~5片に割れて開きます。中から綿毛に包まれた20個以上の種子(綿実)が顔を出します。これを花に例えて綿花と言います。綿の花そのものではありません。綿毛は布団の綿や糸、織物として利用され、綿実の殻はキノコ栽培の培地としての利用があります。綿実には脂肪油約20%が含まれ食用油が精製されます。種子には催乳作用(女性の乳汁の分泌を増大させる作用)があります。ゴシポール(gossypol)という成分は有毒(食べると出血性胃腸障害を起こす・男性避妊薬)で、綿実油の精製ではこれを除去します。

 花は、淡黄色の花弁が5枚で、中心部が濃紅色をしています。オクラに似ています。一日花です。葉は3~5裂します。ワタの最適温度は20~28度の範囲で、生育期には多量の雨が必要となります。塩濃度の高い土壌でも生育する代わりに酸性を嫌う性質があります。種子で繁殖します。現在は綿毛が長いリクチワタ (陸地綿)(Gossypium hirsutum L.)の栽培が主流で、園芸用としても出回っています。

Japanese common name : Wata
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Gossypium herbaceum L.


ワタ(綿)
シロバナワタ(白花綿)
アオイ科ワタ属
学名:Gossypium herbaceum L.
花期:7月~9月 1年草(熱帯地方では多年草) 草丈:90~120cm 花径:5~6cm

【学名解説】
Gossypium : gossypion|gossum(腫れもの)/ワタ属
herbaceum : herbaceus(草本の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県立大学 薬用植物園 2005.12.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 7 February 2006
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by pianix | 2006-02-07 00:00 | | Trackback | Comments(2)