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ゴキヅル(合器蔓)
 ゴキヅル(合器蔓)は、ウリ科ゴキヅル属の蔓性1年草です。日本、朝鮮、中国、東アジアに分布します。日本では、本州、四国、九州に分布する在来種です。地域によっては、絶滅危惧I類、絶滅危惧II類、準絶滅危惧種に指定されています。名の由来は、果実が蓋付きの椀である合器(ごうき)のようである事から。中国名は、盒子草(hé zi cǎo)。

 ウリ科(Cucurbitaceae Juss. (1789))は、15連、約95属942種1)以上が分布します。日本には、5属10種が自生分布し、栽培種及び帰化種は10属11種があります。ゴキヅル属(Actinostemma Griff. (1841)) は、日本、朝鮮、中国、インドシナに3種があります。

 日当たりの良い水辺や湿った草地で自生します。蔓性で、葉腋から糸状の巻きひげを出し、他の物に絡みついて覆い被さるように繁殖します。茎は細く、稜があります。上部の茎は径約1mm、巻きひげは、径約0.1mm。巻きひげは托葉の変形と考えられています。茎の稜や萼片、花柄、葉脈、葉縁、葉柄に白色の短毛が密生します。葉は互生します。濃緑色で、長さ5〜10cm、幅2.5〜7cmの三角状披針形、広心形、狭長心形と形状に変異の幅があり、鋭頭。

 花期は、7月から11月頃。総状花序を出し、葉腋から糸状の花柄の先に白色の花をつけます。萼と花冠は同じ形で5全裂します。裂片は披針形で先端は細く尖り、尾状に伸びて放射状に広がります。萼片と花被片の中央に縦筋があります。顎片と花被片が交互に重なり並ぶので10枚の花びらに見えます。花径は約7mm。

 雌雄異花同株。雄花は、5個の雄しべがあります。雌花は、5個の退化雄しべと1個の雌しべがあり、子房は緑色。雌花と雄花の見分けは容易で、花冠裏側の基部に子房があるかどうかで判別できます。雄花は花柄が顎につながりますが、雌花は花柄が子房につながり、その上に顎があります。果期には、雄花、雌花とも顎と花冠を落とします。

 果実は、蓋果2)です。長さ約20mm、幅約12mmのドングリに似た長楕円形の果実で、下垂します。上部(付け根部分)が緑色で疣状突起があり、下部は淡緑色。熟すと果実中央付近が横に割れて上部は残り、下部の蓋にあたる果皮と2個の種子を落とします。まれに3個の種子があります。種子は、黒褐色のしわがある扁平卵形で長さ11~13mm、幅8~9mm。落下後は水に浮きます。種子繁殖します。染色体数は、2n=66。

 ゴキヅルの種子及び地上部には、サポニン成分中にトリテルペノイド配糖体(Triterpenoid glycosides, Dammarane型、Baccharane型、Oleanane型)が含まれ3)、種子には、オレアノール酸(Oleanolic Acid)とギプソゲニン配糖体(Gypsogenin glycosides)が含まれます4)。中国では利尿剤等として用いられてきました。

1)Phylogenetic relationships in the order Cucurbitales and a new classification of the gourd family (Cucurbitaceae). Hanno Schaefer & Susanne S. Renner (TAXON Volume 60, Number 1, February 2011: pp122-138)
2)蓋果(がいか、pyxidium):蒴果の一種で、熟すと果皮が横に裂開する果実。上部が蓋のように取れて種子を放出し、下部が椀状に残る。オオバコやスベリヒユなどがある。
3)ウリ科植物ゴキヅルActinostemma lobatum MAXIM.の成分研究 地上部に含まれるトリテルペノイド配糖体の構造. 藤岡 稔大(福岡大薬)、他. release date:2017.08.18
4)Studies on the Constituents of Actinostemma lobatum MAXIM. VI. Structures of Lobatosides I, J and K, Oleanolic Acid and Gypsogenin Glycosides Isolated from the Seed : Chemical and Pharmaceutical Bulletin Vol. 40 (1992) No. 5 P 1105-1109 : Toshihiro FUJIOKA,etc. 2008

Japanese common name : Goki-duru
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Actinostemma tenerum Griff.

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蔓は巻きひげで立ち上がる。花冠は顎5花被片5で放射状に開く。

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<雄花>                <雌花>

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<雌花> 花冠の中央が緑色の子房。花冠裏側の子房は疣状突起がある

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葉は互生し、角状披針形、あるいは広心形や狭長心形で、形状には変異がある

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葉裏の葉脈は浮き出る

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茎の稜や萼片、花柄、葉脈、葉縁、葉柄に白色の短毛が密生

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果実は蓋果。熟すと果実中央付近が横に割れる。種子が2個入っている。
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種子表面にはしわがある。長さ約13mm。落下して水に浮く。


ゴキヅル(合器蔓)
別名:モミジバゴキヅル(紅葉葉合器蔓)、ツタバゴキヅル(蔦葉合器蔓)
ウリ科ゴキヅル属
学名:Actinostemma tenerum Griff.
synonym : Actinostemma lobatum (Maxim.) Maxim. ex Franch. et Sav. var. racemosum (Maxim.) Makino
花期:7月~11月 1年草 草丈:蔓性(約2m) 花径:約7mm 果実長:約20mm

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【学名解説】
Actinostemma : akti(放射線)+stamma(冠)/ゴキヅル属
tenerum : 細い
Griff. : William Griffith (1810-1845)
---
synonym : 同物異名
lobatum : lobatus(浅裂した)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Sav. : Paul Amedee Ludovic Savatier (1830-1891)
var. : varietas(変種)
racemosum : racemosus(総状花序をつけた)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
麻機遊水地第3工区 2017.09.23, 09.24, 09.25, 09.29, 10.04
麻機遊水地第4工区 2017.09.29, 10.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 9 October 2017
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by pianix | 2017-10-09 18:00 | 水辺の植物 | Trackback | Comments(0)
ホオノキ(朴の木)
 ホオノキ(朴の木)は、モクレン科モクレン属の落葉高木です。北海道、本州、四国、九州に分布する日本固有種です。近縁種は、中国、朝鮮半島に分布します。名の由来は、包むとの意味からと言われています。中国名は、日本厚朴(rì bĕn hòu piáo)。英名は、Japanese Umbrella Tree。

 モクレン科(Magnoliaceae Juss. (1789))は、アジア、アフリカの温帯および亜熱帯に13属240種が分布します。属名のマグノリア(Magnolia L. (1753))は、フランスのモンペリエ植物園園長マニョール(Pierre Magnol)の名に因むもので、アジアとアメリカ大陸に約90種があります。日本にはモクレン属6種、オダマキ属1種が自生します。

 全国の山地に自生します。大きなものでは、高さ約30m、径約1.5mになります。樹皮は灰白色。他感作用(アレロパシー1))があり2)、周囲に他の植物は生育しにくくなります。葉は互生します。枝先に螺旋状に集まります。葉柄は長さ2~4cm。葉身は倒卵形で、全縁、長さ30~45cm、幅10~25cm。葉裏は軟毛があり白灰色。

 花期は、5月~6月。枝先に上向きに花をつけます。花は杯形で径20cm。離弁花です。花被片は9~12個あり、外側3枚は顎状となり短く、内側は花弁状。乳白色で強い芳香があります。香りは虫の誘引の為と言われています。虫媒花です。甲虫類(ハナアブやハナムグリ)が訪花します。

 両性花です。花床の上部に雌しべ、下部に雄しべが密生します。雄しべ花糸は約2cmで赤色、葯は黄白色。雌性先熟です。花弁が少し開いた時が雄しべ成熟期(雄性期)、平開した時が雌しべ成熟期(雌性期)で、その後、雄しべと花弁を脱落させます。個々の花は時期をずらして開花します。

 果期は、9~11月。果実は長楕円形の集合袋果(etaerio of follicles)です。100~150個の袋果3)がつきます。長さ10~15cmで、熟すと赤褐色となり、裂開して艶のある赤色の仮種皮4)に包まれた長さ約1cmの種子を出します。仮種皮の下には肉質内層があります。白い糸状の珠柄5)で袋果と種子がつながります。

 個々の袋果には、0~2個の種子があります。個体の他の花粉により自家受粉を起こす事があり、自家受粉果より他家受粉果のほうが2種子袋果の割合が高い6)との報告があります。種子は黒色。集合果は最終的に茶褐色になり落下します。染色体数は、2n=38。

 葉は抗菌作用7)があるため、食べ物の包材として利用されます。飛騨高山の郷土料理である朴葉味噌をはじめ、朴葉餅、朴葉寿司にも使われます。材は軽く柔らかで歪みや変形が少ないので、まな板、刀の鞘、版木、マッチの軸、鉛筆材、下駄の歯等に利用されます。

 日局「厚朴」8)は、本種の樹皮を乾燥させたもので、整腸、健胃、収斂、利尿、去痰作用があります。成分は、精油、アルカロイド (マグノクラリン、マグノフロリン等) 、ジフェニール化合物 (マグノロール、ホーノキオール等)。果実を「朴の実」と称し、民間薬(風邪、嘔吐、疝気)として使われていました。中国産と区別するために日本産を和厚朴、中国産を唐厚朴と言う場合があります。

1)アレロパシー(Allelopathy):植物が放出する天然の化学物質(生理活性物質)が他の生物に、阻害的あるいは促進的(共栄的)な作用を及ぼすこと。Hans Molisch (1856-1937)が晩年に提唱した用語。
2)森林におけるアレロパシー(1996) 小島康夫 北海道大学
3)袋果(たいか)follicle:裂開果の一種で、一枚の心皮子房が成熟して袋状になった果実。内縫線あるいは外縫線に沿って裂開する。
4)仮種皮(かしゅひ)aril:種子の表面を覆う付属物。胚珠や胎座の一部が発達したもの。種衣(しゅい)。
5)珠柄(しゅへい)funiculus:種子になる部分の胚珠を子房の胎座に付着させている柄。
6)健全なホオノキ種子の選び方、他殖種子をより多く採る方法 中村和子・石田清 森林総合研究所北海道支所 研究リポート No.35(1996)
7)ホオノキの葉成分の各種病原微生物に対する抗菌効果 環境感染 巻:23 号:Supplement ページ:311 2008 武井泰・永井慎・上平公子
・抗菌成分:eudesmol,magnolol,honokiol - Antifungal Constituents in the Bark of Magnolia obovata Thunb.Mitsunori MORI, Masakazu AOYAMA, Shuichi DOI
・ホオノキ葉の精油成分:α- and β-pinene, camphene, limonene, bornyl acetate, caryophyllene, caryophyllene epoxide, and chavicol. - YAKUGAKU ZASSHI Vol. 96 (1976) No. 2 P 218-222
8)第十七改正日本薬局方 「本品はホオノキMagnolia obovata Thunberg (Magnolia hypoleuca Siebold et Zuccarini), Magnolia officinalis Rehder et Wilson 又はMagnolia officinalis Rehder et Wilson var. biloba Rehder et Wilson (Magnoliaceae)の樹皮である。本品は定量するとき、マグノロール0.8%以上を含む」

Japanese common name : Hoo-no-ki
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Magnolia obovata Thunb.

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左:蕾。すでに受粉を終えたものもある 右:雄しべ成熟期の始まり

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左:雄しべが脱落する 右:赤色は雄しべ花糸

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左:雄しべが落ち、花冠も枯れる 右:果実のみになる

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左:熟して赤くなった集合果 右:枝先に大きな葉を輪生状に互生する

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左:樹皮は灰白色 右:全体


ホオノキ(朴の木)
モクレン科モクレン属
学名:Magnolia obovata Thunb.
synonym : Magnolia hypoleuca Siebold et Zucc.
花期:5月~6月 落葉高木 樹高:15~30m 花径:15~20cm 果期:9~11月

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【学名解説】
Magnolia : Pierre Magnol(1738-1815)に因む/モクレン属
obovata : obovatus(倒卵形の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
synonym : Magnolia hypoleuca Siebold et Zucc.
hypoleuca : hypoleucus(下面が白色の)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
---
コウボク(厚朴)
Magnolia officinalis Rehder et E.H.Wilson
officinalis : 薬用の
Rehder : Alfred Rehder (1863-1949)
E.H.Wilson : Ernest Henry Wilson (1876-1930)
---
オウヨウコウボク(凹葉厚朴)
Magnolia officinalis Rehder et E.H.Wilson var. biloba Rehder et E.H.Wilson
var. : varietas(変種)
biloba : bi(2つの)+lobus(耳たぶ)=bilobus(二浅裂の)

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡 (Alt.435m) 2012.05.16, 2013.06.04
ダイラボウ (Alt.561m) 2016.09.01, 2017.05.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 August 2017
Last modified: 29 August 2017
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by pianix | 2017-08-28 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ツメレンゲ(爪蓮華)
 ツメレンゲ(爪蓮華)は、ベンケイソウ科イワレンゲ属の多年草です。日本、中国、朝鮮半島に分布します。日本では、関東以西、四国、九州に分布する在来種です。準絶滅危惧(NT)に指定されています。名の由来は、多肉質の葉の尖った先端を爪に、円形に重なり合ったロゼットの葉序を蓮華座に例えたもの。中国名は、晚紅瓦松(wan hong wa song)。

 ベンケイソウ科(Crassulaceae J.St.-Hil. (1805))は、約33属1400種が分布します。イワレンゲ属(Orostachys Fisch. ex A.Berger, in Engl. et Prantl (1930))は、温帯域に約10種が分布します。

 日当たりの良い岩場などに自生します。密生して数段に重なった根出葉でロゼットを形成し、数年間を過ごします。葉は互生します。多肉質の披針形で先端に突起があり、長さ3~6cm、幅0.5~1.5cm。

 花期は、10月から11月。花茎を10~30cmに伸ばして穂状花序をつけます。葉状の包葉があります。花序下から順に咲きます。花径は5~10mm。雄しべ10個、雌しべ5個。葯色は紅色。

 開花して結実すると株が枯死する、一回結実性植物です。子株によって次の花を咲かせます。種子は微細。風媒花です。染色体数は、2n=24,48。

 クロツバメシジミ(黒燕小灰蝶)Tongeia fischeri (Eversmann, 1843) [絶滅危惧II類(VU)] 幼虫の食草としても知られています。※国内亜種は3種あります。

 類似種に、葯色が黄色のイワレンゲ(岩蓮華)Orostachys malacophylla (Pall.) Fisch. var. iwarenge (Makino) H.Ohba [絶滅危惧II類(VU)]、チャボツメレンゲ属の、チャボツメレンゲ(矮鶏爪蓮華)Meterostachys sikokianus (Makino) Nakai [絶滅危惧II類(VU)] があります。

☆  ☆  ☆

 東海自然歩道の峠越え(相沢~油山)を往復した帰り、沢沿いの岩場に咲いているのに気が付きました。このような時には必ず安価なデジカメしか持っていません。沢の岩場を下りて撮影しましたが、残念ながら予定が詰まっていてゆっくりする時間がありませんでした。次回に期待して帰りました。

Japanese common name : Tume-renge
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Orostachys japonica (Maxim.) A.Berger

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肉穂状花序は、10~30cm。花序下から順に咲く。

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花径は5~10mm。葉は互生。多肉質の披針形で先端に突起がある。


ツメレンゲ(爪蓮華)
別名:ヒロハツメレンゲ(広葉爪蓮華)、ヒロハイワレンゲ(広葉岩蓮華)
ベンケイソウ科イワレンゲ属
学名:Orostachys japonica (Maxim.) A.Berger
花期:10月~11月 多年草 草丈:10~30cm 花冠長:

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【学名解説】
Orostachys : oros(山)+stachys(穂)/イワレンゲ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Maxim. : Carl Johann (Ivanovič) Maximowicz (1827-1891)
A.Berger : Alwin Berger (1871-1931)
---
J.St.-Hil. : Jean Henri Jaume Saint-Hilaire (1772-1845)
Fisch. : Friedrich Ernst Ludwig von (Fedor Bogdanovic) Fischer (1782-1854)
Engl. : Heinrich Gustav Adolf Engler 1844-1930
Prantl : Karl Anton Eugen Prantl (1849-1893)

撮影地:静岡県静岡市
葵区相沢(東海自然歩道) 2014.11.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 12 January 2017
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by pianix | 2017-01-12 00:00 | | Trackback | Comments(0)
アケボノソウ(曙草)
 アケボノソウ(曙草)は、リンドウ科センブリ属の2年草です。日本、中国、ヒマラヤに分布します。日本では、北海道から九州に自生する在来種です。名の由来は、花被片にある模様を夜明けの空(曙)に見立てたものと言われています。中国名は、獐牙菜(zhāng yá cài)。

 リンドウ科(Gentianaceae Juss. (1789))は、世界に約80属1000種が分布し、日本には10属約30種が分布します。センブリ属(Swertia L. (1753))は、世界に約80種、日本には9種あります。

 山地の湿潤な場所に自生します。発芽後はロゼットで過ごし、2年目に茎を伸ばします。茎には4稜があり、分枝しながら高さ60~90cmになります。葉は、互生します。根生葉は長い柄があり楕円形、花期には無くなります。茎生葉に柄は無く、卵状で3本の葉脈が目立ち、全縁、無毛で、長さ5~16cm、幅2~5cm。

 花期は9月から10月。葉腋から分枝して集散状円錐花序を付けます。花冠は白色で、星形に5深裂し、鋭頭で、径約2cm。4~7深裂するものもあります。裂片は約10mmで、先端に紫色の点状斑点があり、中程に円形で黄緑色の蜜腺である腺体が2個横に並びます。蟻、蜂、蠅などが介在します。萼裂片は広倒披針形で長さ約5mm。果実は蒴果です。種子は長さ約1mmで瘤状突起があります。染色体数は、2n=18,24。

 紫色の斑点が無い品種の、ホシナシアケボノソウ(星無し曙草)Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke f. impunctata (Makino) Satake があります。ミヤマアケボノソウ(深山曙草)Swertia perennis L. subsp. cuspidata (Maxim.) H.Hara は、花色が紫色です。

Japanese common name : Akebono-sou
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Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke

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4裂した花冠。通常は5裂だが4~7裂もある。緑色の腺体は2個。雄しべは裂片と同数。

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左:3脈が目立つ葉。茎生葉は葉柄が無い。 右:蕾。葉腋から分枝して花柄を出す。


アケボノソウ(曙草)
リンドウ科センブリ属
学名:Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke
花期:9月~10月 2年草 草丈:60~90cm 花冠径:約2cm

【学名解説】
Swertia : Emanuel Sweert (1552-1612)に因む/センブリ属
bimaculata : bimaculatus(二斑点がある)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
Hook.f. : Joseph Dalton Hooker (1817-1911)
Thomson : Thomas Thomson (1817-1878)
ex : ~による
C.B.Clarke : Charles Baron Clarke (1832-1906)
---
f. : forma(品種)
impunctata : im(無い)+punctatus(斑点)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
Satake : 佐竹義輔 Yoshisuke Satake (1902-2000)
---
perennis : 多年生の
L. : Carl von Linne (1707-1778)
subsp. : subspecies(亜種)
cuspidata : cuspidatus(急に尖った)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
H.Hara : 原 寛 Hiroshi Hara (1911-1986)

撮影地:静岡県静岡市
林道高山線(Alt. ca.490m地点) 2016.10.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 5 January 2017
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by pianix | 2017-01-05 00:00 | | Trackback | Comments(0)
テイカカズラ(定家葛)
 テイカカズラ(定家葛)は、キョウチクトウ科テイカカズラ属の蔓性常緑低木です。日本や朝鮮半島、中国、インド、タイに分布します。日本では、本州から九州に分布する在来種です。九州の一部や沖縄には、オキナワテイカカズラ(沖縄定家葛)1)が分布します。名の由来は、藤原定家(1162-1241)の謡曲「定家」に因みます。英名は、Japanese star jasmine。

 キョウチクトウ科(Apocynaceae Juss. (1789))は、熱帯・温帯に分布し、215属2100種に及ぶ大きな植物群です。テイカカズラ属(Trachelospermum Lemaire (1851))は、東南アジアや北アメリカに約16種が分布します。

 低山の林床に自生します。地を這い、気根を出して岩や樹木に這い上ります。茎は太いところで4~5cm程になります。花が付く枝は径2~3mm。葉は対生します。広楕円形や長楕円形で長さ3~7cm、幅2~3cm、全縁で光沢のある革質。地上付近の葉は小さく暗緑色で葉脈沿いに斑紋があり、上部の葉は大きく明緑色で斑紋はありません。

 花期は5月から6月頃、一時期間を置いて9月頃まで続きます。枝先や葉腋から集散花序を出します。白色の筒状花で、花冠先端が5裂して平開します。裂片は徐々に捻れて反り返り、時計回りに旋回してスクリューのような形状になります。花径は2~3cm、筒部は長さ7~8mm。時間経過と共に白色から淡黄色に変色します。芳香があります。両性花。中央部は黄色。蜜壺の穴は5個あり中央に雌しべ、周囲の雄しべ5個は合着します。虫媒花で、口吻が長い蝶や蛾が媒介します。

 果実は袋果です。2本対になった径4~5mmの、先端が尖った細い円柱形で、湾曲したハの字状に下垂し、長さ15~30cm。熟すと縦に裂開して種子を出します。種子は長さ12~14mmの線形。先端に白色の種髪が付き、長さ約25mm。風媒花です。染色体数は、2n=20。

 全草が有毒です。成分は、アルクチイン(Arctiin, C27H34O11)、トラケロシド(Tracheloside, C27H34O12)等。茎に含まれる乳液で、かぶれる事があります。

 テイカカズラミサキフクレフシ(定家葛実先膨五倍子)ができることがあります。テイカカズラミタマバエ(定家葛実玉蠅)幼虫の寄生による虫瘤です。幼虫が出す刺激物でテイカカズラの実を変形させると言われています。20~30匹の幼虫が住んでいます。テイカカズラミタマバエ(Asteralobia sp.)は、ハエ目(双翅目)タマバエ科(Cecidomyiidae)のハエの一種で、幼虫は黄色で長さは2~3mm。成虫は蚊のような体型で、以前はタマカ(玉蚊)科とされてきました。双翅目の記載種は2014年で7658種。タマバエ科の既知数は、193種です。虫瘤は、虫営や英名のゴール(gall)と呼ばれます。

1)Trachelospermum gracilipes Hook.f. var. liukiuense (Hatus.) Kitam.

Japanese common name : Teika-kazura
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Trachelospermum asiaticum (Siebold et Zucc.) Nakai

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左:咲き始め 右:花冠裂片が丸まりプロペラ状になる
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筒部は長さ7~8mmで、訪れる虫は口吻が長いものに限定される

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白かった花冠は黄色に変色する
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樹木の上に覆い被さるテイカカズラ。2010.06.16 帆掛山

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湾曲し、ハの字型に下垂する果実。初め緑色で、陽が当たる側から赤褐色になる

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左:種子は線形で種髪が付く 右:テイカカズラミサキフクレフシ


テイカカズラ(定家葛)
別名:チョウセンテイカカズラ(朝鮮定家葛)、ケナシテイカカズラ(毛無定家葛)、ナガバテイカカズラ(長葉定家葛)
キョウチクトウ科テイカカズラ属
学名:Trachelospermum asiaticum (Siebold et Zucc.) Nakai
花期:5月~9月 常緑低木(蔓性) 花径:2~3cm 果期:10~11月

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【学名解説】
Trachelospermum : trachelos(頚)+sperma(種子)/テイカカズラ属
asiaticum : asiaticus(アジアの)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)

撮影地:静岡県静岡市
山原山(Yanbara-yama, Alt. 448m) 2010.05.28
帆掛山(Alt. 304m) 2010.06.16, 2015.05.08
梶原山(Alt. 279m) 2016.10.31
安倍城跡(Alt. 435m) 2014.07.11 / 09.15, 2015.09.02, 2016.05.31
賤機山(Shizuhata-yama, Alt. 171m) 2016.05.23 / 06.01 / 08.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

20 September 2016
Last modified: 01 November 2016
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by pianix | 2016-10-05 00:00 | | Trackback | Comments(0)
マメアサガオ(豆朝顔)
 マメアサガオ(豆朝顔)は、ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。北アメリカ原産。日本では1955年に東京で帰化が確認され、現在は関東以西に分布域を広げています。輸入雑穀に種子が混入していた事による非意図的移入と考えられます。農地では害草とされます。名の由来は、花が朝顔に似て、小型である事を豆に比喩したもの。和名の命名者は。淺井康宏(Yasuhiro Asai 1933-)氏。別名のヒラミホシアサガオ(平実星朝顔)は、果実がやや扁平で花冠が星形である事から。英名は、Small-flowered white morning-glory。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、熱帯から亜熱帯に約500種が分布します。

 土手や河川敷、荒れ地等で自生します。根は淡黄色。茎は4稜で赤味を帯び、蔓性で、分岐しながら地を這い、巻き付いて長く伸びます。蔓の巻き方は、上から見て反時計回り、右巻き(dextrorse)*。葉は、互生します。心臓形や長卵形の全縁、あるいは2裂、3裂葉があり、長さ5~10cm、幅4~8cmで先は尖る。葉腋からイボ状突起がある花柄を出します。

 花期は8月から10月頃。花冠は白色から淡紅色。径1.5cmから2cmの漏斗型筒状花で、先端は5裂して尖ります。雄しべは5個で、葯色は紫色、花粉は白色。

 果実は蒴果です。やや扁平の球形で、毛があり、径約1cm。熟すと2つに割れ、黒色で、長さ約6mmの種子を、4(3~6)個出します。染色体数は、2n=30。

*学術用語集植物学編増訂版(1990)の定義による。

Japanese common name : Mame-asagao
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Ipomoea lacunosa L.

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花径は約15mm。茎は4稜があり、赤味を帯びる。花柄は緑色でイボ状突起がある

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左:葉表 《葉は互生。長卵形や心臓形の全縁、あるいは3裂》 右:葉裏
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心臓形と2裂葉が混在する個体

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扁平な果実
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種子

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マメアサガオ(豆朝顔)
別名:ヒラミホシアサガオ(平実星朝顔)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea lacunosa L.
花期:8月~10月 1年草 蔓性(2~5m) 花径:15~20mm

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【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
lacunosa : lacunosus(孔、又は凹みを持った)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2012.10.07, 2012.10.08, 2016.09.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

17 September 2016
Last modified: 6 October 2016
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by pianix | 2016-09-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)
モミジイチゴ(紅葉苺)
 モミジイチゴ(紅葉苺)は、バラ科キイチゴ属の落葉低木です。本州の中部地方以北から北海道に分布する日本固有種です。日本の東西で地域変異があり、西日本に母種のナガバモミジイチゴ(長葉紅葉苺)1)、東日本に変種としてのモミジイチゴが分布します。名の由来は、葉がモミジ2)に似ているキイチゴ(木苺)3)である事から。別名のキイチゴ(黄苺)は、黄色の実を付ける事によります。

 バラ科(Rosaceae Juss, 1789)は、南極を除く、ほぼ全ての大陸に約107属3100種が分布します。キイチゴ属(Rubus L. (1753))は、北半球の寒帯から温帯地方に多く、南半球の熱帯山岳地区、北極圏と太平洋の島々にも分布し、400~500種あります。日本には8亜属70種が自生します。

 山野の明るい場所に自生します。地下分枝型の地下茎を伸ばし群生します。茎には3mm程の棘があり、分枝して斜上し、高さ100~200cmになります。葉柄は3~8cm。葉は互生します。長さ7~15cm、幅1.5~2.5cmの卵形で重鋸歯があります。普通、掌状に3~5中裂します。裂片は鋭突。葉裏は葉脈が目立ち棘があります。葉の雰囲気はニガイチゴよりも鋭く見えます。

 花期は4月頃。葉脈から花柄を出し、白色の5弁花を下向きに付けます。萼片は5個で鋭突。花弁は狭楕円型で、花径は2.5~3cm。雄しべ、雌しべは多数。果実は、核果の集合果です。球形で1~1.5cm。黄色に熟し、生食できます。ジュース、モミジイチゴ酒などに加工して用いられる事もあります。種子は1~2mm。黄色く熟するキイチゴ属には、ナガバモミジイチゴやカジイチゴ(梶苺)があります。

1)Rubus palmatus Thunb. var. palmatus
2)ムクロジ科カエデ属、約128種の総称。
3)バラ科キイチゴ属の総称。

Japanese common name : Momizi-itigo
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Rubus palmatus var. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Koidz. f. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Matsum.

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花は白色の5弁花。萼は5裂して鋭突。

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葉は、掌状に3~5中裂する。葉裏は葉脈が目立ち棘がある。
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枝は斜上して花は下向きに付ける。
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黄色の果実は、核果の集合果


モミジイチゴ(紅葉苺)
別名:キイチゴ(黄苺)
バラ科キイチゴ属
学名:Rubus palmatus var. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Koidz. f. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Matsum.
花期:4月 落葉低木 樹高:1~2m 花径:2.5~3cm 果期:6~7月

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【学名解説】
Rubus : ruber(赤)/キイチゴ属
palmatus : 掌状の
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
var. : varietas(変種)
coptophyllus : 分裂葉の
A.Gray : Asa Gray (1810-1888)
Kuntze : Carl Ernst Otto Kuntze (1843-1907)
ex : ~による
Koidz. : 小泉源一 Gen-ichi Koidzumi (1883-1953)
f. : forma(品種)
Matsum. : 松村任三 Ninzo Matsumura (1856-1928)

撮影地:静岡県静岡市
牛ヶ峰(八十岡ルート) 2008.03.27
牛ヶ峰(水見色ルート) 2008.04.04
牛ヶ峰(谷沢ルート) 2008.04.21
林道慈悲尾線 2011.04.07
花沢山(Alt.449.2m) 2015.05.18
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

31 July 2016
Last modified: 20 November 2016
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by pianix | 2016-07-31 00:00 | | Trackback | Comments(1)
オトコエシ(男郎花)
 オトコエシ(男郎花)は、オミナエシ科オミナエシ属の多年草です。中国や台湾、朝鮮半島、日本に分布します。日本では、北海道、本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、はっきりしません。オミナエシ(女郎花)に対して葉や茎が大きく強健に見える事から男をあてたとの説が一般的です。エシは、メシ(飯)の転訛と言われていて、オミナエシの黄色花を粟、オトコエシの白花を米に例えたと言われています。漢名は白花敗醬ですが、中国では別種です。

 APG1)体系では、スイカズラ科(Caprifoliaceae Juss. (1789))で、約16属500種が分布します。クロンキスト体系2)とエングラー体系3)では、オミナエシ科(Valerianaceae Batsch (1802))で、約8属があり、日本には3属10種が分布します。オミナエシ属(Patrinia Juss. (1789))は、東アジアと中央アジアに15種が分布し、日本には6種があります。

 山野に自生します。根出葉はロゼット状で羽状深裂します。根元から匐枝を出して繁殖します。夏期に花茎を直立させ、草丈は60cmから100cmになります。茎下部には柔毛があります。葉は対生します。茎下部の葉は3~5に羽状深裂し、長さ3~15cm、裂片は卵状長楕円形で鋸歯があります。茎上部では分裂せず被針形。

 花期は、8月から10月頃。茎上部で枝分れして散房状花序を付けます。花は白色、基部が筒状の合弁花で、先端が5裂し、径4~5mm。雄しべ4本、雌しべ1本があります。果実は痩果です。径約5mmの円形をした翼(小苞)があります。3室中の1室に種子ができます。種子は約2.5mmの倒卵形で、やや扁平。風で舞散る風媒花です。染色体数は、2n=4x=44。

1)APGは、被子植物系統グループ (Angiosperm Phylogeny Group)で、ゲノム解析による分類体系を構築する研究者団体。分子系統説による分類で、現在の主流。国立科学博物館維管束植物標本室は、2012年に新エングラー体系からAPGIII分類体系に配列替えが行われた。
2)クロンキスト体系(Cronquist system)は、Arthur John Cronquist (1919-1992)提唱による分類体系で、ストロビロイド説による分類。
3)エングラー体系(Engler's system)は、Heinrich Gustav Adolf Engler (1844-1930)提唱による分類体系。新エングラー体系(New Engler's system)は、エングラー体系を元に、Hans Melchior(1894-1984)らが提唱した分類体系で、構造複雑化説による分類。

Japanese common name : Otoko-esi
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Patrinia villosa (Thunb.) Juss.

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オトコエシ(男郎花)
別名:チメクサ[知女久佐]/トチナ[土知菜]
スイカズラ科オミナエシ属
学名:Patrinia villosa (Thunb.) Juss.
花期:8月~10月 多年草 草丈:80~100cm 花径:4~5mm

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【学名解説】
Patrinia : Eugene Louis Melchior Patrin (1742-1815)に因む/オミナエシ属
villosa : villosus(長い柔毛をもつ)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰)Alt. 717m 2014.09.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 26 April 2015
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by pianix | 2016-01-19 20:00 | | Trackback | Comments(0)
ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)
 ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)は、アオイ科ヤノネボンテンカ属の常緑低木です。南アメリカ原産で、渡来時期は不明。日本では園芸種として扱われています。逸出したものが野生化して帰化しています。名の由来は、やじり(鏃、矢尻)型の葉を持つボンテンカである事から。矢の根は矢尻の事で、ボンテンカ1)(梵天花)はインドの花との意味。別名のタカサゴフヨウ(高砂芙蓉)は、台湾の芙蓉との意味。高砂は台湾の異名。

 アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は、旧分類では約75属1500種が分布します。APG植物分類体系では約240属3700種。ヤノネボンテンカ属(Pavonia Cavanilles, 1786)は、中央及び南アメリカに約100種が分布します。

 茎は直立し、分枝しながら50~150cmになります。茎や葉に星状毛があります。葉は互生します。基部が張り出し鉾形で、長さ3~10cm。波形の鈍鋸歯があります。花期は8月から9月頃。茎頂に花を単生します。蕾は初め赤く、開花前頃に赤い筋模様に変化します。4~7cmの花柄があり、花弁は5枚で花径は4~6cm。白色で基部が半円状に農赤色となります。花弁裏には赤色の筋模様が入ります。

 雄しべは12個で筒状につき赤色。雌しべは赤色で先端が10分岐します。萼は小苞と2列になり5裂します。朝開夕閉の一日花です。閉鎖花をつけます。果実は5分果で径約8mm。染色体数は、2n=56。

 園芸店ではミニ芙蓉の名で販売されている事があります。同じアオイ科のムクゲをそのまま小さくしたような花を付ける事からの命名と思われます。

1) ボンテンカ(梵天花)Urena lobata L. subsp. sinuata (L.) Borss.Waalk.

Japanese common name : Yanone-bontenka
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Pavonia hastata Cav.

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花弁は5個で花柱が目立つ。夕方には萎れてくる一日花。

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蕾は赤く、膨らんでくると赤の筋模様になってくる。蝶はウラナミシジミ。

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花弁裏側の赤筋模様。表側は白色で基部が半円状に農赤色となる。

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野生するヤノネボンテンカ。葉は、互生し鉾型。

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庭先に裂いていたヤノネボンテンカ 2016.08.15


ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)
別名:タカサゴフヨウ(高砂芙蓉)
アオイ科ヤノネボンテンカ属
学名:Pavonia hastata Cav.
花期:8月~9月 常緑低木 樹高:50~150cm 花径:4~6cm

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【学名解説】
Pavonia : Jose Antonio Pavon Jimenez (1754-1844)氏の/ヤノネボンテンカ属
hastata : hastatus(鉾形の)
Cav. : Antonio Jose Cavanilles (1745-1804)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0.25km 左岸河川敷 2015.10.07
葵区池ヶ谷(植栽) 2016.08.15
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

24 November 2015
Last modified: 27 November 2016
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by pianix | 2015-11-24 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ハナネコノメ(花猫の目)
 ハナネコノメ(花猫の目)は、ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草です。福島県から京都付近までに分布します。シロバナネコノメソウ(白花猫の目草)を母種とします。名の由来は、花弁状の萼片がネコノメソウの仲間では花らしく見える事から。ネコノメソウは、果実が熟して割れた形状を猫の瞳孔に例えたもの、あるいは漢名の猫児目晴草から。

 ユキノシタ科(Saxifragaceae Juss. (1789))は、温帯から寒帯にかけて約17属500種があります。以前は約80属1200種が属する大きな科でしたが、近年に幾つかの科が分離され減少しました。ネコノメソウ属(Chrysosplenium L. (1753))は、世界に約55種、日本に14種が分布します。葉が対生するネコノメソウ節と、互生するヤマネコノメソウ節の2種に分類されます。

 山地の沢や谷沿い湿地に自生します。茎は暗紅褐色を帯び、白色軟毛が散生します。草丈は5~10cm。葉は対生します。根生葉は花期に枯れます。茎葉は扇形で、半円状の鋸歯が3~7個あり、長さ10mm以内。葉にも白色軟毛がまばらにあります。花後に走出枝(runner)を伸します。

 花期は3月から4月頃で、茎頂に4~5個の花を付けます。花弁状に見えるのは4裂した萼裂片です。萼裂片は長さ3~5mmの長卵形で斜開し、白色、花径は約5mm。両性花。雄しべは8個で萼より突出します。葯色は暗紅色。花粉は黄色。近畿地方以西、四国や九州に分布する母種のシロバナネコノメソウ(白花猫の目草)の花粉は白色。花柱の先端はくちばし状。子房上位。果実は蒴果です。種子は微小で乳頭状突起があります。

 シロバナネコノメソウ(白花猫の目草)Chrysosplenium album Maxim. var. albumを母種とする変種は次の3種があります。
・ハナネコノメ(花猫の目)
 Chrysosplenium album Maxim. var. stamineum (Franch.) H.Hara
・キイハナネコノメ(紀伊花猫の目)
 Chrysosplenium album Maxim. var. nachiense H.Hara
キバナハナネコノメ(黄花花猫の目)
 Chrysosplenium album Maxim. var. flavum H.Hara

Japanese common name : Hana-nekonome
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Chrysosplenium album Maxim. var. stamineum (Franch.) H.Hara

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茎頂に4~5個の花をつける。葯色は暗紅色で、花粉は黄色。
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沢の湿地にある岩陰に群生するハナネコノメ


ハナネコノメ(花猫の目)
ユキノシタ科ネコノメソウ属
学名:Chrysosplenium album Maxim. var. stamineum (Franch.) H.Hara
花期:3月~4月 多年草 草丈:5~10cm 花径:約5mm

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【学名解説】
Chrysosplenium : chrysos(金の)+spleen(脾臓)/ネコノメソウ属
album : albus(白色の)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
var. : varietas(変種)
stamineum : stamineus(雄の、雄蘂の)
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
H.Hara : 原寛 Hiroshi Hara (1911-1986)

撮影地:静岡県静岡市
竜爪山(Alt. 1051m) 2009.03.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 01 September 2014
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by pianix | 2014-09-01 00:00 | | Trackback | Comments(0)