タグ:白色系 ( 129 ) タグの人気記事
ツメレンゲ(爪蓮華)
 ツメレンゲ(爪蓮華)は、ベンケイソウ科イワレンゲ属の多年草です。日本、中国、朝鮮半島に分布します。日本では、関東以西、四国、九州に分布する在来種です。準絶滅危惧(NT)に指定されています。名の由来は、多肉質の葉の尖った先端を爪に、円形に重なり合ったロゼットの葉序を蓮華座に例えたもの。中国名は、晚紅瓦松(wan hong wa song)。

 ベンケイソウ科(Crassulaceae J.St.-Hil. (1805))は、約33属1400種が分布します。イワレンゲ属(Orostachys Fisch. ex A.Berger, in Engl. et Prantl (1930))は、温帯域に約10種が分布します。

 日当たりの良い岩場などに自生します。密生して数段に重なった根出葉でロゼットを形成し、数年間を過ごします。葉は互生します。多肉質の披針形で先端に突起があり、長さ3~6cm、幅0.5~1.5cm。

 花期は、10月から11月。花茎を10~30cmに伸ばして穂状花序をつけます。葉状の包葉があります。花序下から順に咲きます。花径は5~10mm。雄しべ10個、雌しべ5個。葯色は紅色。

 開花して結実すると株が枯死する、一回結実性植物です。子株によって次の花を咲かせます。種子は微細。風媒花です。染色体数は、2n=24,48。

 クロツバメシジミ(黒燕小灰蝶)Tongeia fischeri (Eversmann, 1843) [絶滅危惧II類(VU)] 幼虫の食草としても知られています。※国内亜種は3種あります。

 類似種に、葯色が黄色のイワレンゲ(岩蓮華)Orostachys malacophylla (Pall.) Fisch. var. iwarenge (Makino) H.Ohba [絶滅危惧II類(VU)]、チャボツメレンゲ属の、チャボツメレンゲ(矮鶏爪蓮華)Meterostachys sikokianus (Makino) Nakai [絶滅危惧II類(VU)] があります。

☆  ☆  ☆

 東海自然歩道の峠越え(相沢~油山)を往復した帰り、沢沿いの岩場に咲いているのに気が付きました。このような時には必ず安価なデジカメしか持っていません。沢の岩場を下りて撮影しましたが、残念ながら予定が詰まっていてゆっくりする時間がありませんでした。次回に期待して帰りました。

Japanese common name : Tume-renge
e0038990_21145977.jpg
Orostachys japonica (Maxim.) A.Berger

e0038990_1033712.jpge0038990_10332223.jpg
肉穂状花序は、10~30cm。花序下から順に咲く。

e0038990_10334079.jpge0038990_1035469.jpg
花径は5~10mm。葉は互生。多肉質の披針形で先端に突起がある。


ツメレンゲ(爪蓮華)
別名:ヒロハツメレンゲ(広葉爪蓮華)、ヒロハイワレンゲ(広葉岩蓮華)
ベンケイソウ科イワレンゲ属
学名:Orostachys japonica (Maxim.) A.Berger
花期:10月~11月 多年草 草丈:10~30cm 花冠長:

e0038990_2163229.gife0038990_1449982.gif

【学名解説】
Orostachys : oros(山)+stachys(穂)/イワレンゲ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Maxim. : Carl Johann (Ivanovič) Maximowicz (1827-1891)
A.Berger : Alwin Berger (1871-1931)
---
J.St.-Hil. : Jean Henri Jaume Saint-Hilaire (1772-1845)
Fisch. : Friedrich Ernst Ludwig von (Fedor Bogdanovic) Fischer (1782-1854)
Engl. : Heinrich Gustav Adolf Engler 1844-1930
Prantl : Karl Anton Eugen Prantl (1849-1893)

撮影地:静岡県静岡市
葵区相沢(東海自然歩道) 2014.11.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 12 January 2017
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2017-01-12 00:00 | | Trackback | Comments(0)
アケボノソウ(曙草)
 アケボノソウ(曙草)は、リンドウ科センブリ属の2年草です。日本、中国、ヒマラヤに分布します。日本では、北海道から九州に自生する在来種です。名の由来は、花被片にある模様を夜明けの空(曙)に見立てたものと言われています。中国名は、獐牙菜(zhāng yá cài)。

 リンドウ科(Gentianaceae Juss. (1789))は、世界に約80属1000種が分布し、日本には10属約30種が分布します。センブリ属(Swertia L. (1753))は、世界に約80種、日本には9種あります。

 山地の湿潤な場所に自生します。発芽後はロゼットで過ごし、2年目に茎を伸ばします。茎には4稜があり、分枝しながら高さ60~90cmになります。葉は、互生します。根生葉は長い柄があり楕円形、花期には無くなります。茎生葉に柄は無く、卵状で3本の葉脈が目立ち、全縁、無毛で、長さ5~16cm、幅2~5cm。

 花期は9月から10月。葉腋から分枝して集散状円錐花序を付けます。花冠は白色で、星形に5深裂し、鋭頭で、径約2cm。4~7深裂するものもあります。裂片は約10mmで、先端に紫色の点状斑点があり、中程に円形で黄緑色の蜜腺である腺体が2個横に並びます。蟻、蜂、蠅などが介在します。萼裂片は広倒披針形で長さ約5mm。果実は蒴果です。種子は長さ約1mmで瘤状突起があります。染色体数は、2n=18,24。

 紫色の斑点が無い品種の、ホシナシアケボノソウ(星無し曙草)Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke f. impunctata (Makino) Satake があります。ミヤマアケボノソウ(深山曙草)Swertia perennis L. subsp. cuspidata (Maxim.) H.Hara は、花色が紫色です。

Japanese common name : Akebono-sou
e0038990_20474587.jpg
Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke

e0038990_20575439.jpge0038990_20582693.jpg
4裂した花冠。通常は5裂だが4~7裂もある。緑色の腺体は2個。雄しべは裂片と同数。

e0038990_20595375.jpge0038990_2101077.jpg
左:3脈が目立つ葉。茎生葉は葉柄が無い。 右:蕾。葉腋から分枝して花柄を出す。


アケボノソウ(曙草)
リンドウ科センブリ属
学名:Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke
花期:9月~10月 2年草 草丈:60~90cm 花冠径:約2cm

【学名解説】
Swertia : Emanuel Sweert (1552-1612)に因む/センブリ属
bimaculata : bimaculatus(二斑点がある)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
Hook.f. : Joseph Dalton Hooker (1817-1911)
Thomson : Thomas Thomson (1817-1878)
ex : ~による
C.B.Clarke : Charles Baron Clarke (1832-1906)
---
f. : forma(品種)
impunctata : im(無い)+punctatus(斑点)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
Satake : 佐竹義輔 Yoshisuke Satake (1902-2000)
---
perennis : 多年生の
L. : Carl von Linne (1707-1778)
subsp. : subspecies(亜種)
cuspidata : cuspidatus(急に尖った)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
H.Hara : 原 寛 Hiroshi Hara (1911-1986)

撮影地:静岡県静岡市
林道高山線(Alt. ca.490m地点) 2016.10.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 5 January 2017
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2017-01-05 00:00 | | Trackback | Comments(0)
テイカカズラ(定家葛)
 テイカカズラ(定家葛)は、キョウチクトウ科テイカカズラ属の蔓性常緑低木です。日本や朝鮮半島、中国、インド、タイに分布します。日本では、本州から九州に分布する在来種です。九州の一部や沖縄には、オキナワテイカカズラ(沖縄定家葛)1)が分布します。名の由来は、藤原定家(1162-1241)の謡曲「定家」に因みます。英名は、Japanese star jasmine。

 キョウチクトウ科(Apocynaceae Juss. (1789))は、熱帯・温帯に分布し、215属2100種に及ぶ大きな植物群です。テイカカズラ属(Trachelospermum Lemaire (1851))は、東南アジアや北アメリカに約16種が分布します。

 低山の林床に自生します。地を這い、気根を出して岩や樹木に這い上ります。茎は太いところで4~5cm程になります。花が付く枝は径2~3mm。葉は対生します。広楕円形や長楕円形で長さ3~7cm、幅2~3cm、全縁で光沢のある革質。地上付近の葉は小さく暗緑色で葉脈沿いに斑紋があり、上部の葉は大きく明緑色で斑紋はありません。

 花期は5月から6月頃、一時期間を置いて9月頃まで続きます。枝先や葉腋から集散花序を出します。白色の筒状花で、花冠先端が5裂して平開します。裂片は徐々に捻れて反り返り、時計回りに旋回してスクリューのような形状になります。花径は2~3cm、筒部は長さ7~8mm。時間経過と共に白色から淡黄色に変色します。芳香があります。両性花。中央部は黄色。蜜壺の穴は5個あり中央に雌しべ、周囲の雄しべ5個は合着します。虫媒花で、口吻が長い蝶や蛾が媒介します。

 果実は袋果です。2本対になった径4~5mmの、先端が尖った細い円柱形で、湾曲したハの字状に下垂し、長さ15~30cm。熟すと縦に裂開して種子を出します。種子は長さ12~14mmの線形。先端に白色の種髪が付き、長さ約25mm。風媒花です。染色体数は、2n=20。

 全草が有毒です。成分は、アルクチイン(Arctiin, C27H34O11)、トラケロシド(Tracheloside, C27H34O12)等。茎に含まれる乳液で、かぶれる事があります。

 テイカカズラミサキフクレフシ(定家葛実先膨五倍子)ができることがあります。テイカカズラミタマバエ(定家葛実玉蠅)幼虫の寄生による虫瘤です。幼虫が出す刺激物でテイカカズラの実を変形させると言われています。20~30匹の幼虫が住んでいます。テイカカズラミタマバエ(Asteralobia sp.)は、ハエ目(双翅目)タマバエ科(Cecidomyiidae)のハエの一種で、幼虫は黄色で長さは2~3mm。成虫は蚊のような体型で、以前はタマカ(玉蚊)科とされてきました。双翅目の記載種は2014年で7658種。タマバエ科の既知数は、193種です。虫瘤は、虫営や英名のゴール(gall)と呼ばれます。

1)Trachelospermum gracilipes Hook.f. var. liukiuense (Hatus.) Kitam.

Japanese common name : Teika-kazura
e0038990_14551413.jpg
Trachelospermum asiaticum (Siebold et Zucc.) Nakai

e0038990_15554293.jpge0038990_15555480.jpg
左:咲き始め 右:花冠裂片が丸まりプロペラ状になる
e0038990_15584872.jpg
筒部は長さ7~8mmで、訪れる虫は口吻が長いものに限定される

e0038990_1623910.jpge0038990_1625238.jpg
白かった花冠は黄色に変色する
e0038990_20271515.jpg
樹木の上に覆い被さるテイカカズラ。2010.06.16 帆掛山

e0038990_173455.jpge0038990_1735649.jpg
湾曲し、ハの字型に下垂する果実。初め緑色で、陽が当たる側から赤褐色になる

e0038990_14512523.jpge0038990_14513934.jpg
左:種子は線形で種髪が付く 右:テイカカズラミサキフクレフシ


テイカカズラ(定家葛)
別名:チョウセンテイカカズラ(朝鮮定家葛)、ケナシテイカカズラ(毛無定家葛)、ナガバテイカカズラ(長葉定家葛)
キョウチクトウ科テイカカズラ属
学名:Trachelospermum asiaticum (Siebold et Zucc.) Nakai
花期:5月~9月 常緑低木(蔓性) 花径:2~3cm 果期:10~11月

e0038990_2163229.gife0038990_10353896.gif

【学名解説】
Trachelospermum : trachelos(頚)+sperma(種子)/テイカカズラ属
asiaticum : asiaticus(アジアの)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)

撮影地:静岡県静岡市
山原山(Yanbara-yama, Alt. 448m) 2010.05.28
帆掛山(Alt. 304m) 2010.06.16, 2015.05.08
梶原山(Alt. 279m) 2016.10.31
安倍城跡(Alt. 435m) 2014.07.11 / 09.15, 2015.09.02, 2016.05.31
賤機山(Shizuhata-yama, Alt. 171m) 2016.05.23 / 06.01 / 08.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

20 September 2016
Last modified: 01 November 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2016-10-05 00:00 | | Trackback | Comments(0)
マメアサガオ(豆朝顔)
 マメアサガオ(豆朝顔)は、ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。北アメリカ原産。日本では1955年に東京で帰化が確認され、現在は関東以西に分布域を広げています。輸入雑穀に種子が混入していた事による非意図的移入と考えられます。農地では害草とされます。名の由来は、花が朝顔に似て、小型である事を豆に比喩したもの。和名の命名者は。淺井康宏(Yasuhiro Asai 1933-)氏。別名のヒラミホシアサガオ(平実星朝顔)は、果実がやや扁平で花冠が星形である事から。英名は、Small-flowered white morning-glory。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、熱帯から亜熱帯に約500種が分布します。

 土手や河川敷、荒れ地等で自生します。根は淡黄色。茎は4稜で赤味を帯び、蔓性で、分岐しながら地を這い、巻き付いて長く伸びます。蔓の巻き方は、上から見て反時計回り、右巻き(dextrorse)*。葉は、互生します。心臓形や長卵形の全縁、あるいは2裂、3裂葉があり、長さ5~10cm、幅4~8cmで先は尖る。葉腋からイボ状突起がある花柄を出します。

 花期は8月から10月頃。花冠は白色から淡紅色。径1.5cmから2cmの漏斗型筒状花で、先端は5裂して尖ります。雄しべは5個で、葯色は紫色、花粉は白色。

 果実は蒴果です。やや扁平の球形で、毛があり、径約1cm。熟すと2つに割れ、黒色で、長さ約6mmの種子を、4(3~6)個出します。染色体数は、2n=30。

*学術用語集植物学編増訂版(1990)の定義による。

Japanese common name : Mame-asagao
e0038990_15121114.jpg
Ipomoea lacunosa L.

e0038990_040428.jpge0038990_0405549.jpg
花径は約15mm。茎は4稜があり、赤味を帯びる。花柄は緑色でイボ状突起がある

e0038990_0421022.jpge0038990_055486.jpg
左:葉表 《葉は互生。長卵形や心臓形の全縁、あるいは3裂》 右:葉裏
e0038990_15364223.jpg
心臓形と2裂葉が混在する個体

e0038990_0434850.jpge0038990_044285.jpg
扁平な果実
e0038990_15515496.jpg
種子

e0038990_19594729.jpge0038990_2004670.jpg


マメアサガオ(豆朝顔)
別名:ヒラミホシアサガオ(平実星朝顔)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea lacunosa L.
花期:8月~10月 1年草 蔓性(2~5m) 花径:15~20mm

e0038990_12135938.gif

【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
lacunosa : lacunosus(孔、又は凹みを持った)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2012.10.07, 2012.10.08, 2016.09.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

17 September 2016
Last modified: 6 October 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2016-09-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)
モミジイチゴ(紅葉苺)
 モミジイチゴ(紅葉苺)は、バラ科キイチゴ属の落葉低木です。本州の中部地方以北から北海道に分布する日本固有種です。日本の東西で地域変異があり、西日本に母種のナガバモミジイチゴ(長葉紅葉苺)1)、東日本に変種としてのモミジイチゴが分布します。名の由来は、葉がモミジ2)に似ているキイチゴ(木苺)3)である事から。別名のキイチゴ(黄苺)は、黄色の実を付ける事によります。

 バラ科(Rosaceae Juss, 1789)は、南極を除く、ほぼ全ての大陸に約107属3100種が分布します。キイチゴ属(Rubus L. (1753))は、北半球の寒帯から温帯地方に多く、南半球の熱帯山岳地区、北極圏と太平洋の島々にも分布し、400~500種あります。日本には8亜属70種が自生します。

 山野の明るい場所に自生します。地下分枝型の地下茎を伸ばし群生します。茎には3mm程の棘があり、分枝して斜上し、高さ100~200cmになります。葉柄は3~8cm。葉は互生します。長さ7~15cm、幅1.5~2.5cmの卵形で重鋸歯があります。普通、掌状に3~5中裂します。裂片は鋭突。葉裏は葉脈が目立ち棘があります。葉の雰囲気はニガイチゴよりも鋭く見えます。

 花期は4月頃。葉脈から花柄を出し、白色の5弁花を下向きに付けます。萼片は5個で鋭突。花弁は狭楕円型で、花径は2.5~3cm。雄しべ、雌しべは多数。果実は、核果の集合果です。球形で1~1.5cm。黄色に熟し、生食できます。ジュース、モミジイチゴ酒などに加工して用いられる事もあります。種子は1~2mm。黄色く熟するキイチゴ属には、ナガバモミジイチゴやカジイチゴ(梶苺)があります。

1)Rubus palmatus Thunb. var. palmatus
2)ムクロジ科カエデ属、約128種の総称。
3)バラ科キイチゴ属の総称。

Japanese common name : Momizi-itigo
e0038990_22455726.jpg
Rubus palmatus var. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Koidz. f. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Matsum.

e0038990_22461299.jpge0038990_22462199.jpg
花は白色の5弁花。萼は5裂して鋭突。

e0038990_22474048.jpge0038990_22475133.jpg
葉は、掌状に3~5中裂する。葉裏は葉脈が目立ち棘がある。
e0038990_22485878.jpg
枝は斜上して花は下向きに付ける。
e0038990_222456.jpg
黄色の果実は、核果の集合果


モミジイチゴ(紅葉苺)
別名:キイチゴ(黄苺)
バラ科キイチゴ属
学名:Rubus palmatus var. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Koidz. f. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Matsum.
花期:4月 落葉低木 樹高:1~2m 花径:2.5~3cm 果期:6~7月

e0038990_2122812.gif

【学名解説】
Rubus : ruber(赤)/キイチゴ属
palmatus : 掌状の
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
var. : varietas(変種)
coptophyllus : 分裂葉の
A.Gray : Asa Gray (1810-1888)
Kuntze : Carl Ernst Otto Kuntze (1843-1907)
ex : ~による
Koidz. : 小泉源一 Gen-ichi Koidzumi (1883-1953)
f. : forma(品種)
Matsum. : 松村任三 Ninzo Matsumura (1856-1928)

撮影地:静岡県静岡市
牛ヶ峰(八十岡ルート) 2008.03.27
牛ヶ峰(水見色ルート) 2008.04.04
牛ヶ峰(谷沢ルート) 2008.04.21
林道慈悲尾線 2011.04.07
花沢山(Alt.449.2m) 2015.05.18
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

31 July 2016
Last modified: 20 November 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2016-07-31 00:00 | | Trackback | Comments(1)
オトコエシ(男郎花)
 オトコエシ(男郎花)は、オミナエシ科オミナエシ属の多年草です。中国や台湾、朝鮮半島、日本に分布します。日本では、北海道、本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、はっきりしません。オミナエシ(女郎花)に対して葉や茎が大きく強健に見える事から男をあてたとの説が一般的です。エシは、メシ(飯)の転訛と言われていて、オミナエシの黄色花を粟、オトコエシの白花を米に例えたと言われています。漢名は白花敗醬ですが、中国では別種です。

 APG1)体系では、スイカズラ科(Caprifoliaceae Juss. (1789))で、約16属500種が分布します。クロンキスト体系2)とエングラー体系3)では、オミナエシ科(Valerianaceae Batsch (1802))で、約8属があり、日本には3属10種が分布します。オミナエシ属(Patrinia Juss. (1789))は、東アジアと中央アジアに15種が分布し、日本には6種があります。

 山野に自生します。根出葉はロゼット状で羽状深裂します。根元から匐枝を出して繁殖します。夏期に花茎を直立させ、草丈は60cmから100cmになります。茎下部には柔毛があります。葉は対生します。茎下部の葉は3~5に羽状深裂し、長さ3~15cm、裂片は卵状長楕円形で鋸歯があります。茎上部では分裂せず被針形。

 花期は、8月から10月頃。茎上部で枝分れして散房状花序を付けます。花は白色、基部が筒状の合弁花で、先端が5裂し、径4~5mm。雄しべ4本、雌しべ1本があります。果実は痩果です。径約5mmの円形をした翼(小苞)があります。3室中の1室に種子ができます。種子は約2.5mmの倒卵形で、やや扁平。風で舞散る風媒花です。染色体数は、2n=4x=44。

1)APGは、被子植物系統グループ (Angiosperm Phylogeny Group)で、ゲノム解析による分類体系を構築する研究者団体。分子系統説による分類で、現在の主流。国立科学博物館維管束植物標本室は、2012年に新エングラー体系からAPGIII分類体系に配列替えが行われた。
2)クロンキスト体系(Cronquist system)は、Arthur John Cronquist (1919-1992)提唱による分類体系で、ストロビロイド説による分類。
3)エングラー体系(Engler's system)は、Heinrich Gustav Adolf Engler (1844-1930)提唱による分類体系。新エングラー体系(New Engler's system)は、エングラー体系を元に、Hans Melchior(1894-1984)らが提唱した分類体系で、構造複雑化説による分類。

Japanese common name : Otoko-esi
e0038990_2131174.jpg
Patrinia villosa (Thunb.) Juss.

e0038990_2081854.jpge0038990_2082930.jpg


オトコエシ(男郎花)
別名:チメクサ[知女久佐]/トチナ[土知菜]
スイカズラ科オミナエシ属
学名:Patrinia villosa (Thunb.) Juss.
花期:8月~10月 多年草 草丈:80~100cm 花径:4~5mm

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Patrinia : Eugene Louis Melchior Patrin (1742-1815)に因む/オミナエシ属
villosa : villosus(長い柔毛をもつ)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰)Alt. 717m 2014.09.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 26 April 2015
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2016-01-19 20:00 | | Trackback | Comments(0)
ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)
 ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)は、アオイ科ヤノネボンテンカ属の常緑低木です。南アメリカ原産で、渡来時期は不明。日本では園芸種として扱われています。逸出したものが野生化して帰化しています。名の由来は、やじり(鏃、矢尻)型の葉を持つボンテンカである事から。矢の根は矢尻の事で、ボンテンカ1)(梵天花)はインドの花との意味。別名のタカサゴフヨウ(高砂芙蓉)は、台湾の芙蓉との意味。高砂は台湾の異名。

 アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は、旧分類では約75属1500種が分布します。APG植物分類体系では約240属3700種。ヤノネボンテンカ属(Pavonia Cavanilles, 1786)は、中央及び南アメリカに約100種が分布します。

 茎は直立し、分枝しながら50~150cmになります。茎や葉に星状毛があります。葉は互生します。基部が張り出し鉾形で、長さ3~10cm。波形の鈍鋸歯があります。花期は8月から9月頃。茎頂に花を単生します。蕾は初め赤く、開花前頃に赤い筋模様に変化します。4~7cmの花柄があり、花弁は5枚で花径は4~6cm。白色で基部が半円状に農赤色となります。花弁裏には赤色の筋模様が入ります。

 雄しべは12個で筒状につき赤色。雌しべは赤色で先端が10分岐します。萼は小苞と2列になり5裂します。朝開夕閉の一日花です。閉鎖花をつけます。果実は5分果で径約8mm。染色体数は、2n=56。

 園芸店ではミニ芙蓉の名で販売されている事があります。同じアオイ科のムクゲをそのまま小さくしたような花を付ける事からの命名と思われます。

1) ボンテンカ(梵天花)Urena lobata L. subsp. sinuata (L.) Borss.Waalk.

Japanese common name : Yanone-bontenka
e0038990_2127224.jpg
Pavonia hastata Cav.

e0038990_21273747.jpge0038990_21275054.jpg
花弁は5個で花柱が目立つ。夕方には萎れてくる一日花。

e0038990_21282972.jpge0038990_21284428.jpg
蕾は赤く、膨らんでくると赤の筋模様になってくる。蝶はウラナミシジミ。

e0038990_21293940.jpge0038990_213034.jpg
花弁裏側の赤筋模様。表側は白色で基部が半円状に農赤色となる。

e0038990_21304797.jpge0038990_2131147.jpg
野生するヤノネボンテンカ。葉は、互生し鉾型。

e0038990_21312840.jpge0038990_21314193.jpg
庭先に裂いていたヤノネボンテンカ 2016.08.15)


ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)
別名:タカサゴフヨウ(高砂芙蓉)
アオイ科ヤノネボンテンカ属
学名:Pavonia hastata Cav.
花期:8月~9月 常緑低木 樹高:50~150cm 花径:4~6cm

e0038990_21323673.gife0038990_12135938.gif

【学名解説】
Pavonia : Jose Antonio Pavon Jimenez (1754-1844)氏の/ヤノネボンテンカ属
hastata : hastatus(鉾形の)
Cav. : Antonio Jose Cavanilles (1745-1804)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0.25km 左岸河川敷 2015.10.07
葵区池ヶ谷(植栽) 2016.08.15
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

24 November 2015
Last modified: 27 November 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2015-11-24 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ハナネコノメ(花猫の目)
 ハナネコノメ(花猫の目)は、ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草です。福島県から京都付近までに分布します。シロバナネコノメソウ(白花猫の目草)を母種とします。名の由来は、花弁状の萼片がネコノメソウの仲間では花らしく見える事から。ネコノメソウは、果実が熟して割れた形状を猫の瞳孔に例えたもの、あるいは漢名の猫児目晴草から。

 ユキノシタ科(Saxifragaceae Juss. (1789))は、温帯から寒帯にかけて約17属500種があります。以前は約80属1200種が属する大きな科でしたが、近年に幾つかの科が分離され減少しました。ネコノメソウ属(Chrysosplenium L. (1753))は、世界に約55種、日本に14種が分布します。葉が対生するネコノメソウ節と、互生するヤマネコノメソウ節の2種に分類されます。

 山地の沢や谷沿い湿地に自生します。茎は暗紅褐色を帯び、白色軟毛が散生します。草丈は5~10cm。葉は対生します。根生葉は花期に枯れます。茎葉は扇形で、半円状の鋸歯が3~7個あり、長さ10mm以内。葉にも白色軟毛がまばらにあります。花後に走出枝(runner)を伸します。

 花期は3月から4月頃で、茎頂に4~5個の花を付けます。花弁状に見えるのは4裂した萼裂片です。萼裂片は長さ3~5mmの長卵形で斜開し、白色、花径は約5mm。両性花。雄しべは8個で萼より突出します。葯色は暗紅色。花粉は黄色。近畿地方以西、四国や九州に分布する母種のシロバナネコノメソウ(白花猫の目草)の花粉は白色。花柱の先端はくちばし状。子房上位。果実は蒴果です。種子は微小で乳頭状突起があります。

 シロバナネコノメソウ(白花猫の目草)Chrysosplenium album Maxim. var. albumを母種とする変種は次の3種があります。
・ハナネコノメ(花猫の目)
 Chrysosplenium album Maxim. var. stamineum (Franch.) H.Hara
・キイハナネコノメ(紀伊花猫の目)
 Chrysosplenium album Maxim. var. nachiense H.Hara
キバナハナネコノメ(黄花花猫の目)
 Chrysosplenium album Maxim. var. flavum H.Hara

Japanese common name : Hana-nekonome
e0038990_23452170.jpg
Chrysosplenium album Maxim. var. stamineum (Franch.) H.Hara

e0038990_23493096.jpge0038990_23503692.jpg
茎頂に4~5個の花をつける。葯色は暗紅色で、花粉は黄色。
e0038990_23511718.jpg
沢の湿地にある岩陰に群生するハナネコノメ


ハナネコノメ(花猫の目)
ユキノシタ科ネコノメソウ属
学名:Chrysosplenium album Maxim. var. stamineum (Franch.) H.Hara
花期:3月~4月 多年草 草丈:5~10cm 花径:約5mm

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Chrysosplenium : chrysos(金の)+spleen(脾臓)/ネコノメソウ属
album : albus(白色の)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
var. : varietas(変種)
stamineum : stamineus(雄の、雄蘂の)
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
H.Hara : 原寛 Hiroshi Hara (1911-1986)

撮影地:静岡県静岡市
竜爪山(Alt. 1051m) 2009.03.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 01 September 2014
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2014-09-01 00:00 | | Trackback | Comments(0)
カワヂシャ(川萵苣)
 カワヂシャ(川萵苣)は、オオバコ科クワガタソウ属の2年草です。日本、中国、東南アジア、インドに分布します。日本では、本州(中部地方以西)、四国、九州、沖縄に分布する在来種です。環境省カテゴリでは、準絶滅危惧(NT)種。名の由来は、乳草が転訛してチシャ(レタス)となり、川に多い事からカワヂシャ。

 オオバコ科(Plantaginaceae Juss.(1789))は、約90属1700種があります。ゴマノハグサ科から再編されました。旧ゴマノハグサ科(Scrophulariaceae Juss. (1789))は、熱帯から寒帯に約220属3000種がある双子葉植物・合弁花類です。クワガタソウ属(Veronica L. (1753))は、北半球に約300種が分布します。日本には、約13種があります。

 川などの水辺に自生します。茎は淡緑色で丸く柔らかく、直立します。分岐しながら草丈は10~50cmになります。葉は十字対生します。長さ4~8cm、幅0.8~2.5cmで無毛、長楕円状披針形から被針形(先が尖る)です。基部は茎を抱き、鋸歯があり、縁が波打ちます。若い葉は食用になりますが、準絶滅危惧(NT)種という事もあり採取が難しいかもしれません。

 花期は5月から6月頃です。茎の先端や葉腋から、長さ5~15cmの総状花序を出します。花は白色の合弁花で、花冠は深く4裂します。裂片は広卵形で平開し、下側の一弁が少し小さい左右相称。花径3~4mmで、淡紅紫色の条(すじ)が入ります。条色はオオカワヂシャのようには濃くはなく、また花弁全体にではなく上側に偏ってつきます。花冠基部は黄緑色を帯びます。

 雄しべ2個、雌しべ1個の両性花です。葯室は2、葯色は薄黄色で花粉は白色。子房2室。萼は4列し、果実と共に残る宿存性。果実は蒴果です。長さ10~15mmの中央がへこんだ球形で、1mm程の残存花柱があります。種子は褐色の扁平楕円形で、長さ約0.5mm。染色体数は、2n=54。

 類似のオオカワヂシャ1)(大川萵苣)は外来種であり、「外来生物法」で特定外来生物に指定されています。飼育、栽培、保管及び運搬、輸入が原則禁止、野外へ放つ、植える及びまくこと、譲渡し、引渡しなどをすることが禁止され、違反者には懲役あるいは罰金が科せられます。

 在来種カワヂシャ(2n=54)と外来種オオカワヂシャ(2n=36)との交雑種にホナガカワヂシャ2)(2n=5x=45)があります。これは5倍体の為ほとんど結実しません(田中 1994)。しかし「発芽能力のある種子を生産することが、野外観察及び人為交配実験から確認されており、在来種の遺伝的攪乱が生じている」とされています。

1)オオカワヂシャ(大川萵苣) Veronica anagallis-aquatica L.
2)ホナガカワヂシャ(穂長川萵苣) Veronica × myriantha Tos.Tanaka

Japanese common name : Kawa-disya
e0038990_10325618.jpg
Veronica undulata Wall.

e0038990_10331641.jpge0038990_10332825.jpg
オオカワヂシャが勢力を拡大する中、わずか数株が点在していた。

e0038990_10342016.jpge0038990_10343433.jpg
花は深く4列した合弁花で径3~4mm。白地に薄い紫色の筋が入る。

e0038990_103523.jpge0038990_10351795.jpg
葉は荒い鋸歯がある。時期はじめなので、まだ小さい。


カワヂシャ(川萵苣)
オオバコ科クワガタソウ属
学名:Veronica undulata Wall.
花期:5月~6月 2年草 草丈:10~50cm 花径:3~4mm

e0038990_2163229.gife0038990_1449982.gif

【学名解説】
Veronica : Vettonicaの転訛|聖Veronicaに因む/クワガタソウ属
undulata : undulatus(波状の・うねった)
Wall. : Nathaniel (also Nathan Wolf) Wallich (1786-1854)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.75km右岸河川敷 2007.04.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

2 July 2012
Last modified: 24 September 2015
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2012-06-23 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ユキノシタ(雪の下)
 ユキノシタ(雪の下)は、ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草です。日本、中国に分布し、日本では本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、冬の雪下で枯れずに残るからとか、白い花を雪に見立てて下に葉があるから(牧野富太郎)等の諸説があります。中国名の虎耳草(こじそう)は、葉が虎の耳に似ている事から。

 ユキノシタ科(Saxifragaceae Juss. (1789))は、世界に約110属、1200種が分布します。ユキノシタ属(Saxifraga L. (1753))は、北半球に約300種が分布し、日本には16種が分布します。日本固有種は6種1)があります。

 山地の半日陰や岩場などで自生します。また、民間薬や山菜として用いられてきた事もあり、植栽も多くみられます。紅紫色で糸状の長い匍匐枝2)を出し、栄養繁殖します。草丈は20~50cm。茎、葉、萼の全体に毛が密生しています。葉は根生します。腎円形で、浅い鋸歯があり、基部は心形で、長さ3~6cm、幅3~9cm。5~13cmの長い葉柄があります。アントシアン色素による赤味を帯びた緑色で、葉脈に沿って白色の筋があります。葉裏は赤紫色。

 花期は、5月から7月頃。花茎の先に円錐状集散花序をつけます。花は白色で、左右相称の離弁花です。花弁は5枚。上側3枚は卵形で先端が尖り、長さ3.5~5.5mm。紅色の斑点があり、基部には黄色の斑点があります。下側2枚は白色の披針形で、長さ12~20mm、幅4~8mm。花冠全体は、長さ20~28mm、幅15~25mm。萼は5裂し、腺毛があります。

 両性花です。雄しべは10本で、葯色は紅色。花弁に沿って放射状に平開し、やがて前方に立ち上がり花粉を放出します。その後、元の位置に戻ります。雌しべ花柱は2本。雄しべ基部に子房を覆う黄色の花盤(蜜腺)が半円状にあります。

 果実は蒴果です。先端が2裂した、くちばし状で長さ約4mm。種子は0.5mm程の広卵形で、細かい突起があります。染色体数は、2n=30(Ma et al.,1990)、2n=30,36,54。

 漢方薬として、乾燥葉を虎耳草(こじそう)として用います。民間薬として、解熱、鎮咳、消炎、解毒、利尿、止血等の広範囲に用いられてきました。主要成分は、硝酸カリウム(potassium nitrate)、塩化カリウム(potassium chloride)、ベルゲニン(Bergenin)。硝酸カリウムは毒性が強い食品添加物として知られています。山菜として、葉を天ぷらなどにします。

1)日本の固有種
エゾノクモマグサ(蝦夷の雲間草)Saxifraga nishidae Miyabe et Kudô
エチゼンダイモンジソウ(越前大文字草)Saxifraga acerifolia Wakabayashi et Satomi
ハルユキノシタ(春雪の下)Saxifraga nipponica Makino
フキユキノシタ(蕗雪の下)Micranthes japonica (H.Boissieu) S.Akiyama et H.Ohba
ジンジソウ(人字草)Saxifraga cortusaefolia Siebold et Zucc.
センダイソウ(仙台草)Saxifraga sendaica Maxim.

2)匍匐枝(ほふくし):主茎基部から地上近くを水平に這って伸びる茎で、植物体になる芽をつけるもの。栄養繁殖集合体を形成して栄養繁殖する。(匍匐茎:ほふくけい|stolon)。

Japanese common name : Yuki-no-sita
e0038990_3494771.jpg
Saxifraga stolonifera Curtis

e0038990_351484.jpge0038990_3512068.jpg
崖の法面に、驚くほど密生したユキノシタ。

e0038990_3525614.jpge0038990_3531142.jpg
花中央に見える黄色の部分は花盤で、半円状につく。花茎や萼には毛が密生する。

e0038990_3561051.jpge0038990_3562454.jpg
円錐状集散花序。葉は基部が心形の腎円形。
e0038990_865391.jpg
雄しべ10本、雌しべ2本。半円状に付く黄色の花盤から蜜を出す。


ユキノシタ(雪の下)
学名:Saxifraga stolonifera Curtis
ユキノシタ科ユキノシタ属
花期:5月~7月 多年草 草丈:20~50cm 花冠長:20~28mm

e0038990_2163229.gife0038990_23292459.gife0038990_23304654.gife0038990_23384753.gif

【学名解説】
Saxifraga : saxum(石)+ frangere(砕く)/ユキノシタ属
stolonifera : stolonifer(匍枝を持った)
Curtis : William Curtis (1746-1799)
---
Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
葵区牧ヶ谷(Alt. 34m) 2008.05.27
高山(牛ヶ峰 Alt.716.9m) 2008.05.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

30 March 2012
Last modified: 20 November 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2012-03-30 00:00 | | Trackback | Comments(4)