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オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)
 オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)は、キク科モミジハグマ属の多年草です。本州と九州の北部に分布する在来種です。名の由来は、深山に咲き、葉を紅葉(もみじ)に、花の形をハグマ(白熊=ヤク1))の白い尾毛に例えたもの。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。モミジハグマ属(Ainsliaea DC. (1838))は、日本や朝鮮、中国に約30種が分布します。

 山地の林下に自生します。花茎は高さ30~80cm程に立ち上がり、毛がまばらにあります。葉は花軸の中程に5~13cmの葉柄を出し、4~7枚を輪生状に互生します。葉は腎心形または円心形で長さ6~12cm、幅6~18cm。掌状に浅く裂け、両面に軟毛があります。葉の切れ込みが深いのは本種の母種にあたる、モミジハグマ(紅葉白熊)Ainsliaea acerifolia Sch.Bip. var. acerifoliaで、近畿地方以西に分布します。

 花期は、8月から10月。穂状に白色の頭花を横向きにつけます。花柄は約2mm、総苞は1.2~1.5mmで、総苞片が多数並んだ筒形。花冠の長さは12~15mm。頭花は筒状の小花3個の集まりで、小花の花冠は線状に5裂して捻れます。雌しべ1本が長く突き出します。従って頭花は、合計15の裂片と3本の雌しべがあります。果実は痩果2)です。長さ9~10mm、幅2mmの倒披針形3)で、約10mmの羽毛状冠毛があります。染色体数は、2n=24。

 同属でよく似た花は多数ありますが、葉の形状が異なります。近畿地方以西に分布し、紅葉(モミジ)のような形状の葉をつける、モミジハグマ(紅葉白熊)Ainsliaea acerifolia Sch.Bip. var. acerifolia 、亀甲状のキッコウハグマ(亀甲白熊)Ainsliaea apiculata Sch.Bip. 、卵状鉾型のテイショウソウ(禎祥草)Ainsliaea cordifolia Franch. et Savat. や、掌状で静岡県と愛知県に分布する、エンシュウハグマ(遠州白熊)Ainsliaea dissecta Franch. et Savat. 等があります。

1)ヤク(Yak):ウシ科ウシ属の動物 Bos grunniens Linnaeus, 1766。ヤクの尾毛を兜や槍の装飾品とし、軍帽では色によって黒熊(こぐま)、白熊(はぐま)、赤熊(しゃぐま)がある。
2)痩果(そうか:achene):種子が堅い果皮に包まれ熟すと乾燥する果実。1室に1個の種子がある。
3)披針形(とうひしんけい):披針形を逆さにした形。細長く、基部よりも先端の方が広い形状。

Japanese common name : okumomiji-haguma
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Ainsliaea acerifolia Sch.Bip. var. subapoda Nakai

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葉は花軸の中程から出し、掌状に浅く裂ける


オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)
キク科モミジハグマ属
学名:Ainsliaea acerifolia Sch.Bip. var. subapoda Nakai
花期:8月~10月 多年草 草丈:30~80cm 花冠長:12~15mm

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【学名解説】
Ainsliaea : Whitelaw Ainslie (1767-1837)に因む/モミジハグマ属
acerifolius : カエデ属(Acner)の葉に似た(主に掌状)
Sch.Bip. : Carl (Karl) Heinrich Schultz Bipontinus (1805-1867)
var. : varietas(変種)
subapoda : sub(ほとんど)+apoda(無柄の)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)

撮影地:静岡県静岡市
竜爪山(Alt. 1051m) 2008.09.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture]

Last modified: 24 December 2010
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by pianix | 2010-12-22 00:00 | | Trackback | Comments(0)
キッコウハグマ(亀甲白熊)
 キッコウハグマ(亀甲白熊)は、キク科モミジハグマ属の多年草です。日本、朝鮮半島に分布します。日本では、北海道、本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、葉の形が亀甲の形状で、花の形をハグマ(白熊=ヤク1))の白い尾毛に例えたもの。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。モミジハグマ属(Ainsliaea DC. (1838))は、日本や朝鮮、中国に約30種が分布します。

 山地の木陰に自生します。葉は根生して輪生状につきます。5角形の亀甲形状で、長さ1~3cm、幅1~2.5cm。葉柄は1~5cmで、葉の両面に毛があります。葉形変異があり、心臓形や腎臓形、卵形もあります。花茎は高さ10~30cm程になり、毛があります。

 花期は9月から10月。花茎頂に数個の頭花を総状につけます。頭花は、白色の小花3個の集合体です。小花は管状花(筒状花)で、5深裂します。裂片の幅は0.4~0.6mmで、先端は鉤状に巻いて右横に向き、全体で一輪状となります。頭花裂片の合計は15個で、花冠径は7~8mm。総包葉は長さ10~15mmの筒状。雄しべ先熟で、雄しべは合着して淡赤褐色の葯筒となり、雌しべ先端は2裂します。

 総苞片に包まれたままの閉鎖花をつけることがあり、閉鎖花は自家受粉します。果実は痩果2)です。倒披針形3)で、長さは4~5mm。長さ7~10mmの淡褐色で羽状の冠毛があります。風で種子散布する風媒花です。染色体数は、2n=24。核型4)は、K=24=3Asm+2B1tr+4B2st+3C1m+3C2sm+3D1tr+3D2m+3Em. (H.Arano, 1957)

 同属でよく似た花は多数ありますが、葉の形状が異なります。卵状鉾型の、テイショウソウ(禎祥草)Ainsliaea cordifolia Franch. et Savat. や、掌状で静岡県と愛知県に分布する、エンシュウハグマ(遠州白熊)Ainsliaea dissecta Franch. et Savat. 、変種で、紅葉(モミジ)のような形状の葉をつける、オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)Ainsliaea acerifolia Sch. Bip. var. subapoda Nakai 等があります。

1)ヤク(Yak):ウシ科ウシ属の動物。Bos grunniens Linnaeus, 1766。ヤクの尾毛を兜や槍の装飾品とした。軍帽では色によって黒熊(こぐま)、白熊(はぐま)、赤熊(しゃぐま)がある。
2)痩果(そうか:achene):種子が堅い果皮に包まれ熟すと乾燥する果実。1室に1個の種 子がある。
3)倒披針形(とうひしんけい):披針形を逆さにした形。細長く、基部よりも先端の方が広い形状。
4)核型(かくけい):karyotype(カリオタイプ)、染色体の数と形状の類型

【参考文献】
Hisao ARANO : The karyotype analysis and its karyotaxonomic considerations in tha tribe Mutisieae. Jap. Jour. Genet. 32(1957):293-299

Japanese common name : Kikkou-haguma
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Ainsliaea apiculata Sch.Bip.

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左:葉は根生して輪生状 右:雄蘂は合着して淡赤褐色の葯筒となり雌蘂先端は2裂
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頭花は管状花が3個の集合体。裂片の先端は鉤状に巻いて右横に向く


キッコウハグマ(亀甲白熊)
キク科モミジハグマ属
学名:Ainsliaea apiculata Sch.Bip.
花期:9月~10月 多年草 草丈:10~30cm 花冠長:10~15mm 花冠径:7~9mm

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【学名解説】
Ainsliaea : Whitelaw Ainslie (1767-1837)に因む/モミジハグマ属
apiculata : apiculatus(短突起のある)
Sch.Bip. : Carl (Karl) Heinrich Schultz Bipontinus (1805-1867)

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰 Alt.717m) 2008.10.27 2014.10.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture]

15 December 2010
Last modified: 19 November 2015
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by pianix | 2010-12-15 00:00 | | Trackback | Comments(2)
コウヤボウキ(高野箒)
 コウヤボウキ(高野箒)は、キク科コウヤボウキ属の落葉低木です。日本と朝鮮半島、中国に分布します。日本では、関東以西から九州に分布する在来種です。名の由来は、霊場である和歌山県の高野山で、枝を束ねて竹箒の代用としたことから。厠箒(かわやぼうき)の転訛したものとの説もあります。古名に、玉箒(多麻婆波伎=たまばはき/たまははき)があります。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。コウヤボウキ属((Pertya C.H. Schultz-Bip. (1862))は、約15種があります。

 山地の林縁に自生します。束生1)(叢生)し、枝分かれしながら樹高60~90cmになります。枝は細く短毛があります。葉は互生します。広卵形で長さ2~3cm、先尖、両面に毛があり、鋸歯がまばらにあります。2年目の枝には披針形の葉を3~5枚、束生します。

 花期は9月~10月。枝先に白色の頭花をつけます。筒状花が10~14個あり、長さ約10mm。花被は5深裂し、リボン状となって先端を巻きます。雄しべ(集葯雄ずい2))5個、雌しべ1個があり、花冠から突出します。総苞は狭卵形の総苞片が重なり合い円柱形。果実は痩果3)です。種子の長さは約5~6mmで、冠毛があり、風に舞って拡散する風媒花です。染色体数は、2n=24。核型4)は、K=24=2A1m+2A2sm+2tB1sm+4B2sm+4C1sm+6C2m+2Dsm+2Em. (Arano, 1957)

 仲間に、2年枝の葉が細く束生するナガバノコウヤボウキ(長葉の高野箒)Pertya glabrescens Sch.Bip. ex Nakai があります。

1)束生(そくせい:fascicled):葉のつく節間が詰まって複数の節から束状になって葉が出る様子。この場合の葉序(phyllotaxis)は、互生、対生、輪生がある。叢生(そうせい)ともいう。
2)集葯雄ずい(集葯雄蕊・しゅうやくゆうずい):雄しべが集合し、葯の部分が合着して管状となったもの。
3)痩果(そうか:achene):種子が堅い果皮に包まれ熟すと乾燥する果実。1室に1個の種子がある。
4)核型(かくけい):karyotype(カリオタイプ)、染色体の数と形状の類型

【参考文献】
Hisao ARANO : The karyotype analysis and its karyotaxonomic considerations in tha tribe Mutisieae. Jap. Jour. Genet. 32(1957):293-299

Japanese common name : kouya-bouki
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Pertya scandens (Thunb.) Sch.Bip.

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左:頭花は筒状花の集まり。右:総苞は円柱形で、総苞片が重なり合う。
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葉は互生し、広卵形


コウヤボウキ(高野箒)
キク科コウヤボウキ属
学名:Pertya scandens (Thunb.) Sch.Bip.
花期:9~11月 落葉低木 樹高:50~90cm 花冠径:約10mm 果期:11~12月

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【学名解説】
Pertya : Joseph Anton Maximillian Perty (1804-1884)に因む/コウヤボウキ属
scandens : よじ登る性質の
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Sch.Bip. : Carl (Karl) Heinrich Schultz Bipontinus (1805-1867)

撮影地:静岡県静岡市
大山(Alt. 986m)/突先山(Alt. 1021.7m) 2008.10.29
安倍城跡(Alt.435m) 2008.10.21, 2008.11.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture]

13 December 2010
Last modified: 5 September 2017
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by pianix | 2010-12-08 00:00 | | Trackback | Comments(2)
シロバナイナモリソウ(白花稲森草)
 シロバナイナモリソウ(白花稲森草)は、アカネ科イナモリソウ属の多年草です。関東以西、中部、近畿地方の太平洋側に分布する日本固有種です。地域によっては絶滅危惧種Aに指定されています。名の由来は、近縁種であるイナモリソウ(稲森草)に似て、白花である事から。イナモリソウは販売する際に稲森山(三重県)で採取した事に因み命名したものです。

 アカネ科(Rubiaceae Juss. (1789))は、世界の熱帯から温帯にかけて約630属14000種が分布し、日本には約30属60種程が分布します。イナモリソウ属(Pseudopyxis Miquel, 1867)は日本に分布する特産属です。

 低山の樹林帯に生育します。細い根茎から地上茎を立ち上げ10~20cmになります。葉は対生します。柄の長さは1~1.5cmで基部はくさび形。葉は2~6cm、幅1~2.5cmの先端が尖った三角状卵形、あるいは卵形で、濃緑色。葉の表、裏には短軟毛があります。

 花期は、7月から8月頃にかけて。葉腋から2出集散花序に数個の花を出します。萼は鐘形で5裂し、毛があります。花色は白色で花冠内面は無毛、短い筒部を持った漏斗状で平開せず、裂片先端は5裂し尖ります。花径は約10mm。花糸は白色で花冠から突出します。子房下位。

 イナモリソウ(稲森草)Pseudopyxis depressa Miq.の花冠は淡紫色です。どちらも小さな花なので点在していると目立ちません。本種の場合は、ハコベ(繁縷)と間違えられる場合もあります。

Japanese common name : Sirobana-inamorisou
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Pseudopyxis heterophylla (Miq.) Maxim.

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2008.7.12 静岡市葵区 高山(牛ヶ峰)

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シロバナイナモリソウ(白花稲森草)
アカネ科イナモリソウ属
学名:Pseudopyxis heterophylla (Miq.) Maxim.
花期:6月~8月 多年草 草丈:10~20cm 花径:8~10mm

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【学名解説】
Pseudopyxis : pseudos(偽の)+pyxis(蓋果)/イナモリソウ属
heterophylla : hetero(種々の)+phyll(葉)/heterophyllus(異葉性の)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)
---
depressa : depressus(扁圧した、凹んだ)

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰)Alt.717m 2008.07.12, 2008.09.03, 2014.09.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

29 September 2010
Last modified: 29 September 2014
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ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)
 ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)は、ユリ科ホトトギス属の多年草です。北海道から九州にかけて分布する日本固有の在来種です。名の由来は、山道沿いに多く見られ、花にある斑紋が鳥のホトトギス(杜鵑)にある胸の斑紋に似ている事から。

 ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ホトトギス属(Tricyrtis Wallich (1826))は、日本・台湾・朝鮮半島等の東アジアに19種が分布、日本には13種が分布します。

 山地の林内に自生します。草丈は30~70cm。茎には下向きの毛が密生します。葉は互生します。基部は心形で茎を抱き葉は卵状長楕円形から狭長楕円形で毛があります、先端は鋭尖、長さは8~18cm。油点状斑紋があります。

 花期は8月から10月。茎頂や葉腋から花柄を出して1~3個の花を上向きに付けます。花被片は内花被片3と外花被片3の6枚で、花被片1/3あたりで平開します。下部には他のホトトギスの仲間のような黄色ではないものの、蜜標である環状の斑紋があります。外花被片は内花被片より幅が広く、基部には袋状に曲がった3つの距があります。これはホトトギス属の学名Tricyrtis=treis(三)+cyrtos(曲)の由来となっています。距には蜜が貯められています。

 雄しべ花糸は6で黄白色。3本は雌しべ下に重なり、湾曲した先端に葯を付けます。蜜を求めて訪れた虫が花被に乗った時に花粉を着けやすくする構造になっています。雌しべ花柱は、上部で3裂した後、先端で2裂します。3裂した上部には腺毛状突起が密生します。花柱には紅紫色の斑点がありますが、基部の子房部分は花糸に囲まれていています。

 雌雄同花、自家和合性があり、雄性先熟の虫媒花。子房上位。子房が成長すると花柱がせり上がってきます。果実は朔果で、種子繁殖します。細長い果実で、内部は3室に別れ、扁平な種子を多数含みます。熟すと先端が3裂して種子を出します。染色体数は、2n=26。

 同属に、よく似たヤマホトトギス(山杜鵑草)Tricyrtis macropoda Miq. があります。ヤマジノホトトギスの花被は平開しますが、ヤマホトトギスの花被は強く反曲します。他に、花序形成の違い、蜜標のあるなしが異なる部分です。共に花柱に紅紫色の斑点があり、花糸にはありません。

・花柱(かちゅう)style:雌しべ(Pistil)の柱頭(Stigma)と子房(Ovary)をつなぐ柄の部分。
・花糸(かし)Filament:雄しべ(Stamen)の葯(Anther)を支える糸状の部分。

Japanese common name : Yamaji-no-hototogisu
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Tricyrtis affinis Makino

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内花被片3と外花被片3が平開。茎に下向きの毛、花被基部に3つの距がある。

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雄しべ6、雌しべは上部で3裂、先端で2裂。茎頂や葉腋に1~3個の花をつける。
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葉は互生し、油点状斑点がある。


ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)
ユリ科ホトトギス属
学名:Tricyrtis affinis Makino
花期:8月~10月 多年草 草丈:30~70cm 花径:約2~3cm

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【学名解説】
Tricyrtis : treis(三)+cyrtos(曲)/ホトトギス属
affinis : 酷似した・近似の
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
牛ヶ峰(高山)Alt.717m/谷沢(Yazawa)ルート 2008.09.03
牛ヶ峰(高山)Alt.717m/八十岡(Yasooka)ルート 2014.09.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

24 July 2009
Last modified: 24 September 2014
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ヤマホトトギス(山杜鵑草)
 ヤマホトトギス(山杜鵑草)は、ユリ科ホトトギス属の多年草です。日本、朝鮮半島、中国に分布します。日本では、岩手県以西の太平洋側、及び長野県に分布します。名の由来は、花にある斑紋が鳥のホトトギス(杜鵑)にある胸の斑紋に似て、山地に生える事から。

 ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ホトトギス属(Tricyrtis Wallich (1826))は、日本・台湾・朝鮮半島等の東アジアに19種が分布、日本には13種が分布します。

 山野の林内に自生します。休眠芽は地中にあります。短い根茎を持ち、茎には下向きの毛があります。草丈は40~70cm。葉は互生します。基部は心形で茎を抱き、長楕円形から長卵形、先端は鋭尖、長さ7~12cm。茎頂1)や葉腋2)から長い柄を出します。これは、この種名の学名macropoda(長い柄の)の由来となっています。

 花期は7月から9月。散房花序3)を出し、花は上向きに咲きます。花被片は内花被片3と外花被片3の6枚で、基部から1/3あたりで強く反り返るのが特長です。白地に紅紫色の斑点模様がまばらにあり、縁側は少ないか全くない場合があります。また、模様や色の個体変異があります。花被片下部には、他のホトトギスの仲間に多く見られる、蜜標である黄橙色の環状の斑紋がありません。外花被片は内花被片より幅が広く、基部には袋状に曲がった3つの距があります。これはホトトギス属の学名Tricyrtis=treis(三)+cyrtos(曲)の由来となっています。距には蜜が貯められています。

 雄しべ花糸は6個で黄白色、斑紋はありません。内3個は雌しべ下に重なり、外に湾曲した先端に葯を付けます。蜜を求めて訪れた虫が花被片に乗った時に花粉を着けやすくする構造になっています。雌しべ花柱は、上部で3裂した後、先端で2裂します。3裂した上部には腺毛状突起が密生します。花柱には紅紫色の斑点がありますが、基部の子房部分は花糸に囲まれていています。長さは1.5~2cm。

 2日間ほど花を咲かせます。雌雄同花、自家和合性があり、雄性先熟の虫媒花。子房上位。子房が成長すると花柱がせり上がってきます。果実は朔果で、種子繁殖します。細長い果実で、内部は3室に別れ、扁平な種子を多数含みます。熟すと先端が3裂して種子を出します。染色体数は、2n=26。

 同属に、よく似たヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)Tricyrtis affinis Makino があります。イガイ目イガイ科の貝に同名のヤマホトトギス(Musculus japonica (Dunker))があります。

1)茎頂(けいちょう):茎の先端
2)葉腋(ようえき):葉のつけ根の茎に面した部分
3)散房花序 (corymb):花軸に複数の花柄が付き、下部の花柄ほど長くなる事で花の位置が平面か半球状に揃う花序。

Japanese common name : yama-hototogisu
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Tricyrtis macropoda Miq.

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左:外花被片の基部には3つの距がある/右:花被片の幅が広いのが外花被片

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花被片は内花被片3と外花被片3の6枚で、基部から1/3あたりで強く反り返る。
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茎頂や葉腋から柄を出して散房花序を形成する。2008.09.17


ヤマホトトギス(山杜鵑)
ユリ科ホトトギス属
学名:Tricyrtis macropoda Miq.
花期:7月~9月 多年草 草丈:40~70cm 花径:約2.5cm

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【学名解説】
Tricyrtis : treis(三)+cyrtos(曲)/ホトトギス属
macropoda : macropodus(長柄の・太い軸の)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡(Alt. 435m) 2007.09.17 - 2008.09.27
牛妻不動の滝(静岡市葵区) 2007.09.18
竜爪山(薬師岳 Alt. 1051m) 2008.09.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

25 June 2009
Last modified: 26 July 2016
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by pianix | 2009-06-24 00:00 | | Trackback | Comments(0)
シタキソウ(舌切草)
 シタキソウ(舌切草)は、キョウチクトウ科シタキソウ属の蔓性常緑小高木です。千葉県以西から九州、沖縄に分布する在来種です。和名は、江戸時代の本草学者である井岡冽(Retu Inooka, 1778-1837)氏が命名、シタキリソウを略してシタキソウ。名の由来は不明です。中国名は、黑鰻藤(hei man teng)、舌瓣花(shé bàn huā)。

 キョウチクトウ科(Apocynaceae Juss. (1789))は、熱帯・温帯に分布し、215属2100種に及ぶ大きな植物群です。旧分類のガガイモ科(Asclepiadaceae R.Brown (1810))は、熱帯から亜熱帯に約250属2700種が分布し、日本には6属、数十種類があります。シタキソウ属(Jasminanthes Blume (1850)) は、世界に15種が分布します。

 海に近い山地に自生します。葉は単葉で対生します。柄があり、長さは1.5~3cm。葉の形状は、卵形から卵状楕円形で長さ6~12cm、幅5~11cm。基部は心臓形で、先端は鋭頭、革質で厚みがあり、鋸歯はありません。茎は蔓となり、他の物に絡みついて立ち上がります。若い茎は緑色で淡褐色の毛があり、茶褐色の木質化した古い茎の途中から分枝します。若い茎や葉には乳液が含まれます。

 花期は6月から7月頃。葉腋から集散花序を出します。花冠は白色。基部は筒状で、先が深く5裂し開出する筒状花です。強い芳香があります。裂片は肉厚で、分岐部で交互に重なります。筒部の長さは約1cm。花冠の径は4~6cm。萼片は5全裂し先端が丸く、長さ約7mm。両生花で、雄しべと雌しべが合着した蕊柱(ずいちゅう:gynostemium)があります。子房上位。

 果実は袋果です。基部からハの字形となる莢(さや)状で長さ13~20cm程。基部に5個の萼片が残ります。種子は袋果にぎっしりと詰込まれ、卵形で扁平、長さ約10~12mm。先端に2.5cm程の冠毛があり、風によって散布されます。

 よく似た園芸種にステファノティス属の、アフリカシタキヅル(マダガスカルジャスミン)Stephanotis floribunda (R.Br.) Brongn.があります。

※分類は、APG分類体系(Angiosperm Phylogeny Group)によります。

【謝辞】市内在住の寺内氏から自生地と開花の情報を提供して頂き、本種を河川敷で撮影する事ができました。ご厚意に感謝し、お礼申し上げます。

Japanese common name : Sitaki-sou
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Jasminanthes mucronata (Blanco) W.D.Stevens et P.T.Li

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左:花冠裂片は分岐部で交互に重なる      右:筒部の長さは約1cm

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右:基部が筒状で先が深く5裂する 左:葉は単葉で対生
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葉は、卵状楕円形で長さ6~12cm、幅5~11cm、先が尖る

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左:茎の下部 右:茎の上部

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ハエの仲間(左)や、蟻(右)などが媒介する

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左:花冠基部 萼は5全裂し先端は丸い  右:花冠基部内部

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左:果実は袋果で、全体の長さは約30cm。2013.08.19 右:種子 2013.03.29
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袋果内の種子。扁平で冠毛がある。縦に切れ目が入って裂開する。2017.01.31


シタキソウ(舌切草)
別名:オキナワシタキヅル(沖縄舌切蔓)
キョウチクトウ科シタキソウ属
学名:Jasminanthes mucronata (Blanco) W.D.Stevens et P.T.Li
synonym : Stephanotis lutchuensis Koidz. var. japonica (Makino ex Nakai) Hatus.
花期:6月~7月 蔓性常緑低木 草丈:蔓性(~12m) 花径:40-45mm

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【学名解説】
Jasminanthes : Jasminum(ジャスミン)+anthos(花)/シタキソウ属
mucronata : mucronatus(微凸頭の)
Blanco : Francisco Manuel Blanco (1778-1845)
W.D.Stevens : Warren Douglas Stevens (1944-)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
P.T.Li : Ping-t'ao Li (1936-)
---
synonym : (シノニム) 同意語、異名
Stephanotis : stephanos(冠)+otis(耳)/ステファノティス属
lutchuensis : 琉球産の
Koidz. : 小泉源一 Koidzumi Genichi (1883-1953)
var. : varietas(変種)
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
ex : ~による
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)
Hatus. : 初島住彦 Sumihiko Hatusima (1906-2008)
※小泉源一:日本植物分類学会創立者

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.75km 右岸河川敷 2008.06.05, 2008.06.06
安倍城跡(Alt.435m) 2008.07.11, 2013.03.29, 2013.08.19
賤機山(Alt. 171m) 2016.05.31
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

18 December 2008, 21 August 2013, 9 June 2014, 25 June 2014,
2 July 2014, 13 September 2016
Last modified: 31 January 2017
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by pianix | 2008-12-18 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ギンリョウソウ(銀竜草)
 ギンリョウソウ(銀竜草)は、ツツジ科ギンリョウソウ属の多年草です。日本、中国、朝鮮半島、台湾、インドシナ半島、サハリンなどに分布します。国内では全国に分布する在来種の菌寄生植物(菌従属栄養植物)です。名の由来は、鱗片葉がついた茎を胴体に、うつむき加減の花を頭に見立て、全体が白色である事から銀の竜に例えたもの。別名のユウレイタケ(幽霊茸)は、薄暗い雑木林に咲く白い妖艶な姿を白衣をまとった幽霊のようなキノコに例えたもの。ただしキノコの仲間ではありません。中国名は球果沙晶蘭。蘭とありますがランの仲間ではありません。

 APG分類体系では、ツツジ科(Ericaceae Juss. (1789))で、約125属4000があり、シャクジョウソウ(錫杖草)亜科(Monotropoideae)に、旧分類のシャクジョウソウ科やイチヤクソウ科がまとめられました 。クロンキスト体系では、シャクジョウソウ科(Monotropeae Dumort. (1829))で、北半球の温帯から熱帯にかけて約10属15種が分布します。新エングラー体系ではイチヤクソウ科(Pyrolaceae Dumortier (1829))ギンリョウソウ亜科とされます。ギンリョウソウ属(Monotropastrum H.Andres, in Handel-Mazzetti, 1936)は、2種があり、国内には1種が自生します。

 山地の落ち葉が積もった暗く湿った雑木林などに生える真菌寄生の植物です。短くて太く、鱗片が密集した茶色の地下茎があります。この地下茎に外生菌根(モノトロポイド菌根/monotropoid mycorryhiza)を形成し、ベニタケ属の菌類から有機物栄養を吸収します。葉緑素を持たない為、全体的に透明感がある白色ですが、内部に紫色の色素があります。草丈は10~20cmで、株を作り立ち上がります。

 花期は5月から8月頃。花茎は多肉質で水っぽく、上向きに鱗片葉が互生します。茎頂に、うつむき加減に花冠を1個付けます。鐘形の合弁花で、花冠裂片は3から5個。花冠の長さは、15~25mm。雄しべは10個内外で子房に取り巻くように付き、軟毛があり、葯色は黄色。雌しべ先端は、やや広がり暗紫色。果実は卵球形の液果で、熟すと黒褐色となります。種子の大きさは、0.3×0.2mmで、約5000個が含まれると言われています。モリチャバネゴキブリ1)により種子の散布が行われるとの研究成果2)があります。

 類似種に、ギンリョウソウモドキ(銀竜草擬)Monotropa uniflora L. があります。別名をアキノギンリョウソウ(秋の銀竜草)と言います。8月から10月にかけて咲く、ツツジ科シャクジョウソウ属の多年草です。ギンリョウソウの果実は下向きに付き、胚珠3)は側膜胎座4)ですが、ギンリョウソウモドキの果実は朔果であり、中軸胎座5)で、上向きになります。品種として、淡い紅色に色づく、ベニバナギンリョウソウ(紅花銀竜草)Monotropastrum humile (D.Don) H.Hara f. roseum (Honda) Yonek.があります。

1)モリチャバネゴキブリ(森茶翅蜚蠊)
チャバネゴキブリ科チャバネゴキブリ属
学名:Blattella nipponica Asahina, 1963
2)Cockroach-mediated seed dispersal in Monotropastrum humile (Ericaceae): a new mutualistic mechanism. Botanical Journal of the Linnean Society 2017. Yasuhiro Uehara and Naoto Sugiura
3)胚珠【はいしゅ】(ovule):子房内部にある粒で、種子になる部分。
4)側膜胎座【そくまくたいざ】(parietal placentation):子房の側壁に胚珠が付くもの。
5)中軸胎座【ちゅうじくたいざ】(axial placentation):子房の中軸に胚珠が付くもの。

Japanese common name : Ginryou-sou
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Monotropastrum humile (D.Don) H.Hara

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2008.05.20 - 花冠の裂片は3~5個 - 2008.05.17

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左:雄しべと雌しべ(2014.04.16) 右:鱗片葉が互生する茎(2008.05.20)
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花冠裂片が脱落して子房が露出(2008.06.04)

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左:暗紫色部分が雌しべ柱頭、雄しべは10個内外で軟毛がある。右:子房側面。

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 子房断面。果実は液果

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▼右:果実表皮の一部が腐って内部が露出。
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▲左:枯れると全体が黒褐色になり地に倒れる。(2008.08.05)
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落ち葉が積もった暗く湿った雑木林などに生える真菌寄生の植物


ギンリョウソウ(銀竜草)
別名:マルミノギンリョウソウ(丸実の銀竜草)/コギンリョウソウ(小銀竜草)/ユウレイタケ(幽霊茸)
ツツジ科ギンリョウソウ属
学名:Monotropastrum humile (D.Don) H.Hara
花期:5月~8月 多年草 草丈:8~20cm 花冠長:15~25mm

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【学名解説】
Monotropastrum : Monotropa(シャクジョウソウ属)+astrom(似る)/ギンリョウソウ属
※Monotropa : monos(一つ)+tropos(向く)/シャクジョウソウ属
humile : humilis(低い)
D.Don : David Don (1799-1841)
H.Hara : 原 寛 Hara Hiroshi (1911-1986)

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡(alt.435.2m) 2008.05.17 / 05.20 / 06.04, 2014.04.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

9 August 2008, 18 April 2014, 3 June 2014, 20 May 2016, 8 November 2016
Last modified: 24 August 2017
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by pianix | 2008-08-05 00:00 | | Trackback(1) | Comments(3)
ナルコユリ(鳴子百合)
 ナルコユリ(鳴子百合)は、キジカクシ科アマドコロ属の多年草です。中国・朝鮮・日本に分布し、国内では全国に分布します。名の由来は、花の形状を鳥を追い払う農機具の鳴子に見立てたもの。

 キジカクシ科(Asparagaceae Juss. (1789))は、約150属2500種が分布します。旧分類ユリ科(Liliaceae Juss. 1789)は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。アマドコロ属(Polygonatum P.Miller, 1754)は、北半球の温帯に約40種が分布しています。

 山野の林内に自生します。根茎は塊状で、節が多くあります。これはアマドコロ属に共通することで属名Polygonatum(多い節)の由来となっています。アマドコロに比べて節間が短めです。根茎を乾燥させたをものを生薬の1)黄精(おうせい)と称して滋養強壮薬に用います。茎の上部は湾曲し、草丈50~80cmになります。茎は丸く、稜はありません。稜があるのは類似種のミヤマナルコユリ(深山鳴子百合)、アマドコロ(甘野老)です。

 葉は互生します。長さ8~15cm、幅1~2.5cmの披針形で、無毛、全縁。葉裏は白色を帯びます。花期は5月から6月頃で、葉腋から枝分かれした細い花柄を出し、緑白色の花1~5個を下垂させます。花柄には苞がありません。花被片は6枚で筒状に合着し、先端は緑色で、浅く6裂します。雄しべは6本で、花糸の下部は花筒に合着します。ミヤマナルコユリは雄しべに白色軟毛がありますが、本種の場合は無毛です。葯は黄色。子房上位。果実は液果です。直径7~10mmの球形で、熟すと黒紫色になります。染色体数は、2n=18,20。

1)黄精は、中国産のカギクルマバナルコユリ(Polygonatum sibiricum Red.)の乾燥根茎であり、日本ではナルコユリを代用とします。岩手県では飴に黄精を配合した銘菓があります。

Japanese common name : Naruko-yuri
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Polygonatum falcatum A.Gray

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左:若い葉は中央に白色の縦筋がある 右:果実は液果で、熟すと黒紫色になる

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左:細い花柄の先に緑白色の花1~5個を下垂させる 右:花糸の下部は花筒に合着。
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子房上位。


ナルコユリ(鳴子百合)
キジカクシ科アマドコロ属
学名:Polygonatum falcatum A.Gray
花期:5月~6月 多年草 草丈:50~80cm 花被片長:2cm内外

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【学名解説】
Polygonatum : polys(多)+gonu(膝・節)/アマドコロ属
falcatum : falcatus(鎌状の)
A.Gray : Asa Gray (1810-1888)
---
Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)
P.Miller : Philip Miller (1691-1771)

撮影地:静岡県静岡市
千代山(Alt.226m) 2007.06.04 - 2007.06.11
安倍城跡(Alt.435m) 2008.06.04, 2012.05.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

18 August 2007, 31 May 2012, 14 March 2014
Last modified: 8 August 2016
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by pianix | 2007-08-18 00:00 | | Trackback | Comments(2)
チゴユリ(稚児百合)
 チゴユリ(稚児百合)は、イヌサフラン科チゴユリ属の多年草です。中国・朝鮮・日本に分布します。国内では、北海道、本州、四国、九州の全国に分布します。名の由来は、姿が小さくて可愛らしい事から稚児に例えたもの。

 イヌサフラン科(Colchicaceae DC. (1804))は、世界の温帯から熱帯に約18属250種があります。旧ユリ科(Liliaceae Juss. 1789)は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。チゴユリ属(Disporum R.A.Salisbury ex D.Don, 1825)は、アジアと北米に約15種が分布し、日本には4種1変種1)が自生します。

 山野の林内に自生します。白色の地下茎があり、栄養繁殖します。多年草ですが、母根が1年以内に枯れることから擬似1年草1)とも言われます。地下茎の先に新しい地下茎を作り翌年の株を作ります。稀に茎を分枝する場合があり、草丈20~35cmになります。葉は、互生します。長さ4~7cm、幅2~3cmの長楕円形で無毛、全縁。基部は丸みを帯び先端は尖ります。

 花期は4月から6月で、茎頂に花柄を出し白色の花を1~2個、斜垂させます。花被片は6枚あり、披針形で、長さは12~16mm。雄しべは6個で、葯は花糸の半分の長さ。雌しべ柱頭は3裂します。子房は花柱の半分の長さ。子房上位で3室あり、各室には2個の胚珠があります。果実は液果です。直径7~10mmの球形で、熟すと黒紫色になります。染色体数は、2n=16。

 1)1年草は、種子から発芽し年内に枯れて世代を終える植物の事。多年草は、地下部と地上部、又は地下部が多年に渡って生きる植物。疑似1年草は、母根が1年で枯れ、新しい地下茎を作る植物。

Japanese common name : Tigo-yuri
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Disporum smilacinum A.Gray

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左:葉裏は白味を帯びる 右:雄しべ6本、柱頭は3裂する

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左:外側の花被片3枚は萼 右:葉は互生し長楕円形


チゴユリ(稚児百合)
イヌサフラン科チゴユリ属
学名:Disporum smilacinum A.Gray
花期:4月~6月 多年草(擬似1年草) 草丈:20~35cm 花径:20~25mm

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【学名解説】
Disporum : dis(二重の)+spora(種子)/チゴユリ属
smilacinum : smilacinus(サルトリイバラ属(Smilax)の)
A.Gray : Asa Gray (1810-1888)
---
Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)
R.A.Salisbury : Richard Anthony (nee Markham) Salisbury (1761-1829)
D.Don : David Don (1799-1841)

撮影地:静岡県静岡市
千代山(Sendai-yama) 2007.04.26 - 2007.04.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

17 August 2007, 25 August 2008
Last modified: 8 August 2016
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by pianix | 2007-08-17 00:00 | | Trackback | Comments(0)