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ゴマ(胡麻)
 ゴマ(胡麻)は、ゴマ科ゴマ属の1年草です。アフリカが原産で、日本へは縄文後期、あるいは奈良時代に渡来したと言われています。日本では栽培のみで自生種はありません。名の由来は、中国名の漢字を音読みしたもの。胡は、中国西域諸国の意味で、麻に似た種子を付ける事から。中国を経由した事に因みます。英名は、sesame。

 ゴマ科(Pedaliaceae R. Brown, 1810)は、アフリカ南部からマダガスカル、熱帯アジアにかけて15属50種が分布します。ゴマ属(Sesamum L. (1753))は、アフリカ南部からインドまでの熱帯地方に15種分布し、栽培されているのは本種のみです。

 全体に軟毛が密生します。茎は四角柱状で直立し、所々で分枝して高さは60~100cmになります。葉は、長さ10cm内外の長楕円形か皮針形です。下部で対生し、上部で互生します。花期は7月から9月で、葉腋に花を付け、茎の中程から上に向かって、順次開花させます。花冠は筒状の先端が5裂した唇形花で、長さ25~30mm。花色は種子の色と関連します。白色は白ゴマ、淡紫色を帯びた白色(ピンク)は黒ゴマです。萼は深く5裂します。染色体数は、2n=26。

 果実は朔果です。長さ25mm程の円柱状で4~8房室があり、1室に約15~20粒があります。熟すと縦に裂開して多数の種子を出します。種子は2種類の皮と、内部に胚乳・子葉があり、脂肪油を40~50%含みます。日本薬局方ゴマ油は、軟膏やリニメント剤などの基剤として用いられます。

 主な原産国は、中国、スーダン、ナイジェリア、タンザニアです。栽培面積比率はインドが30%で世界最大です。日本での主な産地は茨城・埼玉・三重・佐賀・長崎ですが、1950年代から減り始め、現在では輸入依存状態になっています。1997年の輸入量は、15万2000tで、世界貿易量の約3割を占めます。因みに各国での呼称は、イギリスではセサミシード(Sesameseed)、フランスではグランドセサム(graines de sésame)、ドイツではゼーザムザートゥ(Sesamsaat)、イタリアではセーメ・ディ・セサモ(Seme di Sesamo)、中国ではチーマ(芝麻)。

Japanese common name : Goma
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Sesamum indicum L.
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果実は朔果


ゴマ(胡麻)
ゴマ科ゴマ属
学名:Sesamum indicum L.
花期:7月~9月 1年草 草丈:60~100cm 花冠長:25~30mm 果期:9~10月

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【学名解説】
Sesamum : zesamm(ギリシャ語)・sessem(アラビア語)の古語に由来/ゴマ属
indicum : indicus(インドの)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬学植物園 2006.09.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

4 October 2006
Last modified: 18 March 2014
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by pianix | 2006-10-04 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(2)
フユイチゴ(冬苺)
 フユイチゴ(冬苺)は、バラ科キイチゴ属の常緑小低木です。日本や朝鮮、台湾、中国等の東アジアが原産です。国内では、本州、四国、九州に分布し、林床・林縁に生育する在来種です。名の由来は、果実が冬に熟すイチゴである事から。中国名は、寒莓。英名は、Buerger's raspberry。学名の種小名にあるbuergeriは、シーボルトの助手であったBürger氏に因みます。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、ほぼ全ての大陸(南極を除く)に、107属3100種が分布します。キイチゴ属(Rubus L. (1753))は、北半球の寒帯から温帯地方に多く、南半球の熱帯山岳地区、北極圏と太平洋の島々にも分布し、400~500種あります。日本には8亜属70種が自生します。

 匍匐茎は蔓性で這い、長さ1~2mになります。途中から匍枝を出し、20~30cm程に斜上させます。細く木質で、褐色の短毛が密生します。ミヤマフユイチゴ(深山冬苺)のような棘はありません。葉柄は2~10cmあります。葉は単葉で互生します。基部は心形で、長さ5~11cm、幅5~9.5cm。先端は丸みを帯び、縁は浅く3~5裂し、細かな単鋸歯があります。光沢のある濃緑色で革質、裏面には短毛が密生します。

 花期は8月から10月頃。葉腋から花枝を出し、花を数個密集させて付けます。花は離弁花で、花径は約2cm。白色で長さ7~9mmの花弁が5個あります。花托には雌しべが多数あり、多数の雄しべがそれを取り巻きます。薄黄緑の萼片は反り返ります。果実は集合果(果実の集合体)です。雌しべの子房が成長した小核果が集まり、径7~10mm程の球形となります。小核果から出ている髭状のものは、残った花柱です。熟すと赤色になり、食用になります。染色体数は、2n=42,56。

Japanese common name : Fuyu-itigo
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Rubus buergeri Miq.

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葉は互生し、革質で単鋸歯がある。花径は約2cmで雄しべ、雌しべとも多数。

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フ2006.11.03 ユイチゴの果実。集合果 2006.11.17

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左:葉表 右:葉裏


フユイチゴ(冬苺)
別名:カンイチゴ(寒苺)
バラ科キイチゴ属
学名:Rubus buergeri Miq.
花期:8月~10月 常緑小低木 樹高(蔓性):20~30cm 花径:約2cm 果期:11~1月

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【学名解説】
Rubus : ruber(赤)/キイチゴ属
buergeri : Heinrich Bürger (1806-1858))氏の (日本植物の採集家ブュルゲル)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川 2006.08.22
安倍城跡(Alt.435m) 2006.11.03, 2014.11.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

01 September 2006, 08 October 2010, 30 November 2014
Last modified: 23 November 2016
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by pianix | 2006-09-01 00:00 | | Trackback | Comments(2)
オオイヌタデ(大犬蓼)
 オオイヌタデ(大犬蓼)は、タデ科イヌタデ属の1年草です。日本や北半球の温帯から暖帯に分布します。国内では北海道から九州までの全土に分布します。新帰化植物(江戸時代末期から現代の間に帰化したもの)と言われています。名の由来は、イヌタデ(犬蓼)よりも大型である事から。イヌタデは食用にならないタデの意味。食用となるのはヤナギタデ(柳蓼)。英名は、Curlytop knotweed。

 タデ科(Polygonaceae Juss. (1789))は北半球に約40属800種があります。タデ科の特徴は、葉柄の基部の托葉が茎を包む形の托葉鞘(たくようしょう)となる事です。イヌタデ属(Persicaria (L.) P.Miller (1754))は北半球に約100種あり、日本には約30種があります。旧属名はPolygonumで、polys(多い)+ gonu(節)の意味を持ち、節が関節のように膨れる事に因みます。

 赤味を帯びた茎は分枝しながら80~200cmになります。茎の太さは1cm前後。節は膨らみ托葉鞘(ochrea)となります。托葉鞘とは、茎に取り巻き融合して鞘状になった葉の事です。托葉鞘は約2cm、筒形の膜質で無毛です。無毛である事は、オオイヌタデとサナエタデ(早苗蓼)共通の特徴です。葉は互生します。先が尖った披針形で、長さは15~25cmです。側脈は20~30対あり、葉裏面には綿毛があります。

 花期は6月から11月頃。花序は3~7cmの穂状で、淡紅色か白色の小花を多数付け、開花時には先が垂れ下がります。小花の花弁に見えるのは3mm程の萼片で、花被は4~5裂します。種子繁殖します。畑地では堆肥に混入した種子による侵入が多く、強害雑草となります。堆肥発酵温度60℃/24hで種子は死滅1)します。果実は痩果で、種子は黒褐色の扁平楕円形です。染色体数は、2n=22,24。

1)Effect of duration of heat exposure on upland weed seed viability : Tomoko Nishida, etc. J.Weed Sci.Tech. Vol.44 (1) 59-66 (1999)

Japanese common name : Oo-inutade
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Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. lapathifolia
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オオイヌタデの托葉鞘。無毛が特徴。


オオイヌタデ(大犬蓼)
別名:カワタデ(川蓼)/タデクサ(蓼草)
タデ科イヌタデ属
学名:Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. lapathifolia
synonym : Polygonum lapathifolium L. subsp. nodosum (Pers.) Fr.
花期:6月~11月 1年草 草丈:80~200cm 花径:2~6mm 花序長:3~7cm

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【学名解説】
Persicaria : persica(モモ)に似ている/イヌタデ属
lapathifolia : Lapathum属+efolia(のような葉の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Delarbre : Antoine Delarbre (1724-1813)
var. : varietas(変種)
---
Polygonum : polys(多)+gonu(膝、節)
lapathifolium : lapathifolus(Lapathum=acetosaスイバのような葉の)
subsp. : subspecies(亜種)
nodosum : nodosus(結節がある)
Pers. : Christiaan Hendrik Persoon (1761-1836)
Fr. : Elias Magnus Fries (1794-1878)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から5.75km 右岸河川敷 2006.08.15, 2006.08.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 August 2006, 27 October 2014
Last modified: 19 October 2017
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by pianix | 2006-08-28 00:00 | | Trackback | Comments(4)
ヘクソカズラ(屁糞蔓)
 ヘクソカズラ(屁糞蔓)は、アカネ科ヘクソカズラ属の多年草です。東南アジア、東アジアが原産で、国内では全国に分布する在来種です。名の由来は、全草に悪臭がある事から。ただし、潰さない限り臭いは分かりません。この臭いの元はメルカプタン(Mercaptans)です。万葉集で詠まれている名称はクソカズラ。別名のヤイトバナ(灸花)は、花冠中央部の紅紫色をヤイト(灸)の跡に見立て、サオトメバナ(早乙女花)は、早乙女の笠に見立てた名です。

アカネ科(Rubiaceae Juss. (1789))は、熱帯から亜熱帯に約500属6000種以上があり、日本には約30属60種があります。ヘクソカズラ属(Paederia L. (1767))は、アジアとアメリカの亜熱帯から温帯地方に約20種があります。

 茎は蔓性で、基部は木質化します。他の植物に左巻き(反時計回り)で絡まって伸びます。葉は対生します。楕円形か狭卵形で、長さ4~10cm、幅1~7cm。葉柄の根元に托葉が合着した三角形の鱗片(葉間托葉)があります。

 花期は、7月から9月頃。葉腋から集散花序を出します。花は、先が浅く5裂して平開した細長い鐘形の合弁花で、長さは1cm前後。花冠は灰白色で、中央部(喉)と内部は紅紫色です。内部には2本の長い紐状の花柱と短い雄しべ4~5本があり、毛が多くあります。萼の内側に花外蜜腺があります。

 果実は核果です。径5~6mmの球形で、熟すと光沢がある黄褐色になり、2個の核に種子が1個づつ入っています。生の果実を潰したものは、民間薬として古来から虫刺されや霜焼けの薬として使われてきました。

Japanese common name : He-kuso-kazura
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Paederia foetida L.

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底にある毛は子房を守る為と言われています。Y字形に見えるのは花柱。


ヘクソカズラ(屁糞蔓)
別名:ヤイトバナ(灸花)/サオトメバナ(早乙女花)
アカネ科ヘクソカズラ属
学名:Paederia foetida L.
synonym : Paederia scandens (Lour.) Merr.
花期:7月~9月 多年草 草丈:蔓性 花径:4~5mm 果期:10月

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【学名解説】
Paederia : paidor(悪臭)/ヘクソカズラ属
foetida : foetidus(臭い、悪臭を放つ)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
---
synonym : (シノニム) 同意語、異名
scandens : よじ登る性質の
Lour. : Joao de Loureiro (1717-1791)
Merr. : Elmer Drew Merrill (1876-1956)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.07.28, 2006.08.10
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

15 August 2006
Last modified: 7 August 2015 (Scientific name update)
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by pianix | 2006-08-15 00:00 | | Trackback(2) | Comments(4)
ペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)
 ペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)は、キク科ムカシヨモギ属の多年草です。中央アメリカが原産で、アフリカやヨーロッパ、アジアに分布します。日本には園芸用途で移入されたもので、逸出して1949年に京都、1952年に金沢で野生化が確認された帰化植物です。現在では、関東以西に分布しています。

 名の由来は、葉が薄くペラペラしてヨメナ(嫁菜)に似ている事から。金沢で採取された時の名前はペラペラヒメジョオン(ぺらぺら姫女菀)でしたが、京都のほうが早かった為に命名の優先権1)によって決められました。別名のゲンペイコギク(源平小菊)は、花色を源氏の白旗と平家の赤旗に見立てたもの。ムキュウギク(無休菊)は、花期が長いため。英名は、Mexican fleabane。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))2)は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。ムカシヨモギ属(Erigeron L. (1753))は、温帯から寒帯に約250種あり、日本には数種が分布します。

 茎は根元で分枝し、匍匐して広がり、斜上します。草丈は、20~50cm。葉の形状は上下で異なります。下の葉は柄があり2~5cmの倒披針形で3~5に中裂します。上部の葉は線形から披針形で、柄が無く全縁です。枝先に1個の小花の集合花である、頭状花を付けます。周囲を囲む舌状花は白色で、時間の経過と共に紅紫色に変化します。中心にある筒状花は黄色で多数あります。虫媒花です。果実は痩果。種子は1mm程で、長短の冠毛があり風で飛ばされます。染色体数は、2n=36。

★  ★  ★

 撮影場所は、安倍川から分岐して与一を流れ、秋山川に合流して安倍川に戻る地域です。川幅4~5mの小さな流れで、川の側面を覆う石垣に野生していました。ある人から花の名前を知りたいと問われて出かけましたが、その時は花がありませんでした。1ヶ月ほど後に、また咲き始めたと言われて再度出かけました。川を清掃をしている近所のボランティア男性1名がいました。話を伺うと、綺麗な川だったが、下水の影響で汚れてしまったと嘆いていました。

 近くの家の方を紹介されて話を伺ったところ、同じ話をされました。昔は洗濯ができたようですが、水が綺麗になった現在でも魚はいないとの事。但し、ペラペラヨメナは「草か花か」と聞かれた時は困惑しました。草本で花をつけますから答えようがありません。よくよく考えると、草は雑草、花は園芸種を言っているのだと推測できました。しかしこれも園芸種であり、野生化した雑草でもあるので、説明に苦慮しました。

1) 国際植物命名規約で優先権があるのは学名で、和名には制約がない。
2) Compositae Giseke, 1792は保留名。

Japanese common name : Perapera-yomena
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Erigeron karvinskianus DC.

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ペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)
別名:ゲンペイコギク(源平小菊)/ムキュウギク(無休菊)
キク科ムカシヨモギ属
学名:Erigeron karvinskianus DC.
花期:5月~11月 多年草 草丈:20~50cm 花径:10~20mm

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【学名解説】
Erigeron : eri(早い)+geron(老人)/ムカシヨモギ属
karvinskianus : Wilhelm Friedrich Karwinski von Karwin (1780-1855)の
DC. : Augustin Pyramus de Candolle (1778-1841)

撮影地:静岡県静岡市
静岡市葵区与一 2006.07.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 July 2006
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by pianix | 2006-07-27 00:00 | | Trackback | Comments(2)
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)
 イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)は、シソ科イブキジャコウソウ属の落葉矮小低木です。日本・中国・モンゴル・ヒマラヤが原産です。国内では北海道から九州に分布する在来種です。名の由来は、滋賀県と岐阜県の県境にある伊吹山に多く分布し、ジャコウ(麝香)のような芳香がある事から。麝香は、ジャコウジカ(麝香鹿)の雄の麝香腺分泌物の事。名前に草と付きながら実際は木本。日本のタイムとも呼ばれます。英名は、和名と同じくIbuki-Zyako-So。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。イブキジャコウソウ属(Thymus L. (1753))は、ヨーロッパ・アジア・アフリカなどに約350種(古い図鑑では35種)が分布し、日本には本種1種のみが自生します。

 日当たりの良い高山の岩礫地から海岸までに生育します。茎は細く木質化し、地を這い、分枝して節から根を出し群落を作ります。葉は対生します。卵形あるいは狭卵形で、長さ5~10mm、幅2~6mm。全縁で、短い柄があり、基部はくさび形、先端は鈍頭。葉の両面には腺点があります。

 花期は6月から7月頃で、枝先に穂状花序を付けます。花冠は淡紅色の唇形花で、長さは5~8mm、幅8mm内外。花色は低地ほど淡くなります。稀に白花があります。下唇は3裂します。萼に長い毛があり、類似種のタチジャコウソウと異なる部分です。雄しべは4本で、内2本が長くなって花冠から出ます。雌しべに先立ち熟す、雄しべ先熟です。繁殖は通常、挿し木や株分けで行います。染色体数は、2n=24。

Japanese common name : Ibuki-zyakou-sou
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Thymus quinquecostatus Celak.


イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)
シソ科イブキジャコウソウ属
学名:Thymus quinquecostatus Celak.
synonym : Thymus serpyllum L. subsp. quinquecostatus (Celak.) Kitam.
synonym : Thymus serpyllum L. var. ibukiensis Kudo
花期:6月~7月 落葉矮小低木 樹高:5~15cm 花冠長:5~8mm

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【学名解説】
Thymus : thyo(香)|thyme(力)|thymo(神聖な)/イブキジャコウソウ属
quinquecostatus : 五本の主脈ある
Celak. : Ladislav Josef Celakovsky (1834-1902)
---
serpyllum : serpens(蛇のような・這っている・匍匐性の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
subsp. : subspecies(亜種)
quinquecostatus : 五本の主脈がある
Celak. : Ladislav Josef Celakovsky (1834-1902)
Kitam. : 北村四郎 Shirō Kitamura (1906-2002)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0.25km 左岸土手 2006.07.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

25 July 2006
Last modified: 9 June 2014
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by pianix | 2006-07-25 00:00 | | Trackback | Comments(0)
クマノミズキ(熊野水木)
 クマノミズキ(熊野水木)は、ミズキ科ミズキ属の落葉高木です。日本・朝鮮・台湾・中国からヒマラヤにかけてが原産で、国内では本州・四国・九州に分布します。名の由来は、三重県熊野地方に多いミズキである事から。ミズキは、新芽の頃に枝を折ると樹液がしたたり落ちる事から。英名は、Large-leaf dogwood。

 ミズキ科(Cornaceae Bercht. et J.Presl (1825))は、北半球の温帯から熱帯に約14属100種が分布します。ミズキ属(Cornus L. (1753)) はアジア、アメリカの温帯に約60種が分布し、日本には5種が自生します。

 幹は直立します。樹皮は灰褐色で、浅い裂け目が縦に入ります。枝は放射状に斜上します。葉は対生します。長さ5~16cm、幅2~7cmの卵状長楕円形で全縁、先端は急鋭尖頭です。10~50mmの葉柄があり、基部は広いくさび形。葉表は緑色、葉裏は粉白色。落葉時は、淡黄色か紅色を帯びます。葉脈は6対程あり、側脈は曲線になります。

 花期は6月から7月頃。枝先に散房花序を付けます。花序の長さは8~15cm。花は4~5mmの4弁花で、白色。雄しべ4本、雌しべ1本の両生花です。果実は核果です。5~6mmの球形で、熟すと紫黒色になります。主に鳥が種子を散布します。向陽地で水分の多い所に点在し、群生はしません。繁殖は実生か挿し木によります。類似種のミズキは花期が一ヶ月程早く、葉は互生します。

Japanese common name : Kumano-mizuki
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Cornus macrophylla Wall.

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散房花序をつけ、花は白色の4弁花で、雄しべ4、雌しべ1。
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葉は対生し、長さ5~16cm、幅2~7cmの卵状長楕円形で全縁。


クマノミズキ(熊野水木)
ミズキ科ミズキ属
学名:Cornus macrophylla Wall.
synonym : Swida macrophylla (Wall.) Soj.
synonym : Cornus brachypoda C. A. Mey.
synonym : Thelycrania brachypoda (C.A.Mey.) Pojark.
花期:6~7月 落葉高木 樹高:10~15m 花径:4~5mm 果期:10月

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【学名解説】
Cornus : cornu(角)に由来/ミズキ属
macrophylla:macrophyllus(大葉の)
Wall.:Nathaniel (also Nathan Wolf) Wallich (1786-1854)
---
Swida:ミズキ属
Soj.:Jiri Soják (1936- )

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から5.75km 左岸河川敷 2006.06.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

20 July 2006
Last modified: 30 April 2014
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マルバハッカ(丸葉薄荷)
 マルバハッカ(丸葉薄荷)は、シソ科ハッカ属の多年草です。ヨーロッパの地中海地方沿岸が原産です。日本では栽培していたものが逸出して、1879(明治12)年に野生化が確認された帰化植物です。名の由来は、丸い葉を持つ薄荷である事から。英名は、Apple mint。林檎のような香りを持つ薄荷であることからの命名です。あるいは、和名と同じRound leaved mint。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。ハッカ属(Mentha L. (1753))は、北半球の温帯に約40種が分布し、日本には2種が自生します。

 地下茎があり繁殖します。茎は4稜(断面が四角)があり、細かな綿毛で覆われています。草丈は30~80cm。葉は十字対生します。葉柄が無く茎を抱きます。長さ2~5cmの広楕円形で、鋸歯があり、葉脈は窪んで網目状のシワがあります。葉裏は柔らかで細かな綿毛で覆われていて、香りの成分を出す腺点があります。林檎に似た甘い芳香で、主要成分は、ピペリテノンオキシド(Piperitenone oxide)です。

 花期は6月から7月頃。茎の先に3cm~6cmの穂状花序を出します。花冠は白色の合弁花です。唇弁形で長さは2mm前後。雄しべが花冠の2倍程に突き出ます。雄しべ4本の内の2本が長い2強雄ずいです。子房上位。染色体数は、2n=24。類似種のオランダハッカ(阿蘭陀薄荷)は、全体に無毛です。

Japanese common name : Maruba-hakka
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Mentha suaveolens Ehrh.
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葉は十字対生する。茎と葉裏には柔らかな綿毛が密生する。


マルバハッカ(丸葉薄荷)
英名:アップルミント(Apple mint)
シソ科ハッカ属
学名:Mentha suaveolens Ehrh.
synonym : Mentha rotundifolia (L.) Huds.
花期:6月~7月 多年草 草丈:30~80cm 花序長:3~6cm

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【学名解説】
Mentha : Menthe(ギリシャ神話の女神の名)/ハッカ属
suaveolens : 芳香のある
Ehrh. : Jakob Friedrich Ehrhart (1742-1795)
---
rotundifolia : rotundifolius(円形葉の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Huds. : William Hudson (1730-1793)

撮影地:静岡県静岡市
藁科川(安倍川水系) 2.0km左岸 2006.07.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

18 July 2006
Last modified: 26 June 2014
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by pianix | 2006-07-18 00:00 | | Trackback | Comments(4)
イボタノキ(疣取木/水蝋樹)
 イボタノキ(疣取木/水蝋樹)は、モクセイ科イボタノキ属の落葉低木です。日本・朝鮮・中国が原産です。国内では、北海道・本州・四国・九州に分布する在来種です。名の由来は、樹皮にカイガラムシの一種であるイボタロウカタカイガラムシ1)(水蝋樹蝋硬貝殻虫)の雄虫が寄生し、イボタロウ(水蝋樹蝋)という蝋物質の分泌物を出すことから。ワックス用途で利用されます。疣取木は、イボを取る民間薬として蝋物質が使われた事から。英名は、Border privet。

 モクセイ科(Oleaceae Hoffmannsegg & Link, 1813-1820)は、北半球と南半球の温帯から熱帯にかけて27属約600種が知られていて、日本には、イボタノキ属、トネリコ属、ハシドイ属、モクセイ属、ヒトツバタゴ属、レンギョウ属の6属があります。イボタノキ属(Ligustrum C. Linnaeus, 1753)はヨーロッパ、北アフリカ、アジア、オーストラリアに約50種があり、日本には約10種が自生します。

 樹皮は灰白色で、新枝には細毛があり、分枝しながら樹高2~3mになります。葉は対生します。長楕円形で長さは20~50mm、幅は2~20mm。全縁で、先は鈍頭、基部はくさび形。葉柄は短く1~3mm。葉表は緑色で不明瞭な葉脈が4~5対あり、葉裏は灰緑色で中脈に毛があります。

 花期は5月から6月頃。枝先に長さ2~4cmの総状花序を出します。花は先が4裂した筒状漏斗形の合弁花です。花冠は白色で長さ7~9mm。雄しべ2本で、葯が花冠から若干突き出ます。雌しべは1本。果実は核果です。長さ6~7mmの楕円形で、熟すと紫黒色となります。種子が1個入っています。鳥などによって捕食され散布されます。

1)イボタロウカタカイガラムシ(水蝋樹蝋硬貝殻虫)
俗称:イボタロウムシ(水蝋樹蝋虫)
カメムシ目(半翅目)(Hemiptera)カタカイガラムシ科(Coccidae)
学名:Ericerus pela (Chavannes, 1848)
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄

Japanese common name : Ibotano-ki
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Ligustrum obtusifolium Siebold et Zucc.
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花と葉(2006.5.30)


イボタノキ(疣取木/水蝋樹)
モクセイ科イボタノキ属
学名:Ligustrum obtusifolium Siebold et Zucc.
花期:5月~6月 落葉低木 樹高:2~3m 花冠長:7~9mm 果期:10~11月

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【学名解説】
Ligustrum : ligare(縛る)/イボタノキ属
obtusifolium : obtusifolius(先が鈍形の葉を持った)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&に同じ)
Zucc. : Joseph Gerhard Zuccarini (1797-1848)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.24, 2006.05.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

13 July 2006
Last modified: 28 Septembe 2011
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by pianix | 2006-07-13 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヤマボウシ(山法師)
 ヤマボウシ(山法師)は、ミズキ科ミズキ属(旧ヤマボウシ属)の落葉高木です。日本・中国・朝鮮半島が原産で、国内では本州から九州まで分布する在来種です。名の由来は、花の形状を法師の白い頭巾に見立てたもの。英名は、Japanese dogwood。英名dogwoodの語源は不明で、dagge(短剣)に使われた木であるからとか、樹皮が犬の皮膚病に効果があるから、等の説があります。。

 ミズキ科(Cornaceae Bercht. et J.Presl (1825))は、北半球の温帯から熱帯に約14属100種が分布します。ミズキ属(Cornus L. (1753)) はアジア、アメリカの温帯に約60種が分布し、日本には5種が自生します。

 幹は灰褐色で樹高10m程、幹の径は50cmになります。円形や楕円形の皮目があり、幹肌は平滑です。葉は対生します。長さ4~12cm、幅3~7cmの楕円形か卵円形で鋭尖頭。全縁で縁は波打ちます。表面は緑色で、少し光沢があり、ほぼ無毛。明瞭な側脈が4~5対あり、平行して曲線を描き先端へ向かいます。裏面には短毛があり緑白色、葉脈腋に褐色の毛があります。葉柄は長さ5~10m。葉は紅葉します。

 花期は5月から7月頃。出葉後に花を咲かせ、長い柄がある頭状花序を列生させます。花芽は5~7mmの長さで、先端が尖った扁球形です。花弁に見えるのは白色の総苞片で4枚あり、長さ3~6cmの長楕円状卵形です。花は集合花で、総苞片の中心部に淡黄緑色の小花を球状に20~30個密生させます。雌雄同株。雄しべは4本。子房下位。果実は径10~30mmの球形複合果で、熟すと赤くなり食用となります。種子(核)は約3~5mmで、1~5個が含まれます。

 近似種のハナミズキ(花水木)は、出葉前に花を咲かせ、総苞片の先端がへこみ、果実は単果です。樹皮が細かく割れています。

Japanese common name : Yama-boushi
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Cornus kousa Buerger ex Hance subsp. kousa

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長楕円状卵形の総苞片4枚の先端は尖る。中央に集合花をつける
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頭状花序 (花後) 淡黄緑色の小花を球状に20~30個密生させる
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総苞片の裏側

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樹勢と木肌


ヤマボウシ(山法師)
別名:ヤマグワ(山桑)
ミズキ科ミズキ属
学名:Cornus kousa Buerger ex Hance subsp. kousa
synonym : Benthamidia japonica (Siebold et Zucc.) H.Hara
花期:5月~7月 落葉高木 樹高:3~10m 総苞片径:3~6cm 果期:9~10月

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【学名解説】
Cornus : cornu(角)に由来/ミズキ属
kousa : クサ(箱根でのヤマボウシの方言)
buergeri : Heinrich Bürger (1806-1858))氏の (日本植物の採集家ブュルゲル)
ex : ~による
Hance : Henry Fletcher Hance (1827-1886)
subsp. : subspecies(亜種)
---
synonym(シノニム):同意語、異名。
Benthamidia : George Bentham (1800-1884)に因む/ヤマボウシ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&に同じ)
Zucc. : Joseph Gerhard Zuccarini (1797-1848)

撮影地:静岡県静岡市
葵区堤町(植栽) 2006.06.16
帆掛山(Hokake-yama, Alt.304m) 2010.06.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

6 July 2006
Last modified: 30 April 2014
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by pianix | 2006-07-06 00:00 | | Trackback | Comments(0)