タグ:赤色系 ( 63 ) タグの人気記事
モミジルコウ(紅葉縷紅)
 モミジルコウ(紅葉縷紅)は、ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。原産地はアメリカ。園芸交配種です。名の由来は、モミジのような掌状に細裂する葉を付けるルコウソウ(縷紅草)である事から。縷は、細い糸の事で、紅色の花を付けるので縷紅草であり、葉の切れ込みからモミジを冠したもの。英名は、Cardinal climber。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、熱帯から亜熱帯に約500種が分布します。

 茎は蔓となって他の物に絡み合って立ち上がり、2~4m程になります。。巻き方は、上から見て反時計回りの右巻。葉は互生します。楕円形の葉は掌状に深裂し、長さ4~6cm、裂片は披針形。葉は小さなモミジ葉状で、秋に紅葉します。

 花期は7~10月頃。葉腋から長い柄を出し、径約2~3cmの五角形花を付けます。鮮紅色の漏斗状で、花筒の長さは約4cm。花冠先端は反り返ります。雄しべ5本、雌しべ1本。葯色は白色。虫媒花。果実は蒴果です。楕円球形で、径約8mm。種子は長さ4~5mm。

 交配母種は、ルコウソウ(縷紅草)マルバルコウ(丸葉縷紅)で、性質が強いため本州中部地方以西に帰化しています。

Japanese common name : Momizi-rukou
e0038990_051987.jpg
Ipomoea x multifida (Raf.) Shinners

e0038990_074412.jpge0038990_075517.jpg
左:反り返った花冠から飛び出した雄しべと雌しべ 右:葉は掌状に深裂


モミジルコウ(紅葉縷紅)
別名:モミジルコウソウ(紅葉縷紅草)、ハゴロモルコウソウ(羽衣縷紅草)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea x multifida (Raf.) Shinners
花期:7月~10月 1年草(蔓性) 蔓長:2~4m 花径:2~3cm

e0038990_21323673.gif

【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
x : 二種間交配種
multifida : multifidus(多数に中裂した)
Raf. : Constantine Samuel Rafinesque-Schmaltz (1783-1840)
Shinners : Lloyd Herbert Shinners (1918-1971)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬学植物園 2006.09.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 September 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2016-09-28 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
ベニゴウカン(紅合歓)
 ベニゴウカン(紅合歓)は、マメ科ベニゴウカン属の常緑低木です。メキシコ原産で、日本では栽培種として扱われています。渡来時期は明治初年と言われていますが詳細は不明です。名の由来はネムノキ(合歓木)に似て、赤色の花を付ける事から。別名のヒゴウカン、ヒネムとも緋合歓で、読みが異なるだけです。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、約650属12000種が分布します。日本には41属100種が分布します。ベニゴウカン属(Calliandra Bentham, 1840)は。中南米に約150~200種があるとされています。

 樹高は1~2mになります。葉は2回羽状複葉です。2~5対を互生し長さ約2.5cm。小葉は披針形で2列対生し、長さ約5mm。葉柄や葉裏に微細な柔軟毛があります。この為、葉表は緑で裏は薄緑色になります。葉は夜に閉じます。

 花期は4から11月頃。葉腋から長い花柄を出し、小さな花冠から緋色で径約2cmの頭状花をつけます。長さ2~2.5cmの雄しべが房状に20本程出て扇形になり目立ちます。花柄は下向きになります。夜に開き午後に萎れる一日花です。

 果実は豆果です。寒さに弱く日当たりを好みます。温暖な地では路地植えができます。繁殖は挿し木や実生で行います。染色体数は、2n=16。

 他に、花が大きいオオベニゴウカン(大紅合歓)Calliandra haematocephala Hassk. があります。

Japanese common name : Beni-goukan
e0038990_2082574.jpg
Calliandra eriophylla Benth.

e0038990_2085097.jpge0038990_209231.jpg
雄しべが扇形に広がる。頭状花と蕾。

e0038990_2091797.jpge0038990_2092832.jpg
葉は羽状複葉。左手人差し指での大きさ比較。葉柄や葉裏に微細な柔軟毛がある。


ベニゴウカン(紅合歓)
別名:ヒゴウカン(緋合歓)/ヒネム(緋合歓)
マメ科ベニゴウカン属
学名:Calliandra eriophylla Benth.
花期:4月~11月 常緑低木 樹高:1~2m 花径:約2cm 

e0038990_21323673.gif

【学名解説】
Calliandra : callos(美しい)+andros(雄しべ)/ベニゴウカン属
eriophylla : eriophyllus(軟毛葉の)
Benth. : George Bentham (1800-1884)

撮影地:静岡県静岡市
駿河区中田本町/(有)静岡ゴルフガーデン (植栽) 2015.10.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 23 November 2015
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2015-12-01 08:00 | | Trackback | Comments(0)
ショウジョウバカマ(猩々袴)
 ショウジョウバカマ(猩々袴)は、シュロソウ科ショウジョウバカマ属の多年草です。日本や朝鮮半島、サハリンに分布します。日本では、北海道から九州までに分布する在来種です。名の由来は、花を猩々の赤ら顔、葉を袴に例えたものと言われています。猩々は、中国の伝説上の動物です。

 APG1)植物分類体系では、シュロソウ科(Melanthiaceae Batsch ex Borkh. (1797))で、北半球温帯に約16属170種が分布します。旧分類(新エングラー体系、クロンキスト体系)では、ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))で、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ショウジョウバカマ属(Helonias L. (1753))は、日本や台湾、朝鮮半島、サハリンに6種分布し、日本には3種が分布します。

 野や山地の湿地や林下に自生します。根生葉はロゼット状の葉で、放射状に広がり、やや革質のヘラ型で全縁、無毛、長さ5~20cm。草丈は10~30cmで、鱗片葉が花茎に数個付きます。花期は4~5月。茎頂に花柄を出し、総状花序に3~10の花を付けます。花披片は倒披針形。淡紅色から濃紅紫色で、濃淡の個体差があります。花被基部が膨らみます。雌性先熟で、開花前は雌性期、開花後に雄性期となります。雄しべ6個で、葯は黒紫色。子房上位。

 花後に茎が伸び、花被が退色して緑色になります。花は上を向くようになり果実が熟してきます。果実は蒴果です。長さ約8mmで、3~5にくびれます。熟すと裂開し、5mm程の両端に糸状の付属体が付いた線形の種子を多数出します。風による種子散布を行います。種子及び葉先に生じる不定芽(栄養繁殖体)により繁殖します。染色体数は、2n=34。

 他に、花弁が白い、ツクシショウジョウバカマ(筑紫猩々袴)Helonias breviscapa (Maxim.) N.Tanaka、別名シロバナショウジョウバカマ(白花猩々袴)。鹿児島、沖縄、台湾に分布し小型白色系で絶滅危惧II類(VU)の、コショウジョウバカマ(小猩々袴)Helonias kawanoi (Koidz.) N.Tanaka。白花種で絶滅危惧IB類のオオシロショウジョウバカマ(大白猩々袴)Helonias leucantha (Koidz.) N.Tanaka。台湾に分布する、ヒメショウジョウバカマ(姫猩々袴)Helonias umbellata (Baker) N.Tanakaがあります。

1)APG : Angiosperm Phylogeny Group (被子植物系統グループ)は、ゲノム解析に基づく分類体系を構築する団体。

参考文献:YAKUGAKU ZASSHI Vol. 73 (1953) No. 1 P 84-85 邦産植物ステリン成分の研究 (第2報) ショウジョウバカマの成分 (1) 武田 健一, 岡西 為人, 島岡 有昌

Japanese common name : Syoujou-bakama
e0038990_128093.jpg
Helonias orientalis (Thunb.) N.Tanaka
e0038990_1285969.jpg
茎頂に花柄を出し数個の花を付ける。花披片は倒披針形。

e0038990_1073547.jpge0038990_1074639.jpg
左:開花前 右:開花途中。葯は黒紫色。

e0038990_109565.jpge0038990_1091576.jpg
左:根生葉は放射状に広がる。 右:花茎につく鱗片葉。成長と共に間隔が広がる。

e0038990_10101654.jpge0038990_10102876.jpg
花色は淡紅色から濃紅紫色がある。

e0038990_20413544.jpge0038990_20415164.jpg
左:花後は緑色になる。 右:果実は蒴果。裂開して糸状の種子を出す。
e0038990_1011358.jpg
葉先に出た不定芽


ショウジョウバカマ(猩々袴)
シュロソウ科ショウジョウバカマ属
学名:Helonias orientalis (Thunb.) N.Tanaka
synonym : Heloniopsis orientalis (Thunb.) Tanaka
花期:4月~5月 多年草 草丈:10~30cm 花冠長:1~1.5cm 花径:約1.5cm

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Helonias : 詳細不明/ショウジョウバカマ属
orientalis : 東方の
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
N.Tanaka : 田中教之 Noriyuki Tanaka (?) 帝京大学教授
---
Heloniopsis : Helonias(属名)+opsis(似る)/ショウジョウバカマ属
breviscapa : brevi(短い)+scaposus(花茎)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
Tanaka : 田中長三郎 Tyôzaburô Tanaka (1885-1976)
---
synonym(シノニム):同意語、異名。

撮影地:静岡県静岡市
ダイラボウ(Alt. 561.1m) 2015.03.26
誓願寺山麓 2015.03.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

7 February 2015, 30 April 2015, 27 April 2016
Last modified: 11 June 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2015-04-28 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヒガンバナ(彼岸花)
 ヒガンバナ(彼岸花)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。日本と中国に分布します。日本では全国に分布し、中国から稲作と共に渡来した史前帰化植物と考えられています。名の由来は、秋の彼岸頃に開花する事から。別名のマンジュシャゲ(曼珠沙華)は古い呼び名で、古代インド梵語(サンスクリット語)manjusaka(マンジュシャケ)の音写です。如意花と訳し天界の花とされます。多数の別名があります。

 ヒガンバナ科(Amaryllidaceae Jaume Saint-Hilaire, 1805) は、世界の熱帯から温帯にかけて約59属860種が分布します。クロンキスト体系ではユリ科(Liliaceae Juss. (1789))に分類され、世界の熱帯と温帯に約280属4000種が分布します。ヒガンバナ属(Lycoris Herbert, 1821)は東南アジアに3属1)約30種が分布します。

 鱗茎及び全草共に有毒です。毒成分は、リコリン (lycorine, C16H17NO4)、ガランタミン(galantamine, C17H21NO3)です。ガランタミンはアルツハイマー病治療薬として用いられますが、現在は合成精製されたものを使用します。誤食した場合、睡眠作用、痙攣、吐き気、下痢の症状が現れます。飢餓の時に、水にさらして毒抜きをして食べた救荒作物としても知られています。民間療法で外用生薬・石蒜(せきさん)として肩こり、浮腫、乳腺炎の治療に用いられる場合があります。ヒガンバナアルカロイド(Amaryllidaceae alkaloids)は、鎮痛、抗ウイルス、抗マラリア、抗腫瘍、中枢神経作用などの薬理作用が報告されています。※危険なので素人は用いないようにする。

 田の畦道、土手、墓地等、人の生活圏内に自生します。広卵形で大きさ2~6cmの鱗茎があり、栄養繁殖(鱗茎の分球により増殖)します。埋没しても上方の地表下に移動する性質があります。鱗茎に含有するリコリンはアルカロイド系成長阻害物質でもあり、季節変動があるアレロパシー作用によって周囲の植物発生を制御します。花後の10月に葉を出します。葉は線形で長さ30~50cm、幅4~8mm。中央に薄緑色の筋が入ります。

 花期は9月。鱗茎から花茎を30~50cmに立ち上げ、茎先に1つの包をつけます。包から5~8個程の花を輪生状に横向きに出し、散形花序を形成します。花被は倒披針で6枚あり赤色、長さ約4cm、幅5~6mm。縮れていて外側に反り返ります。雄しべ6本、雌しべ1本で、花冠より突出します。子房下位。

 年間の生活形態は次の通りです。9月に花が咲き、10月に葉を出す。4月に葉が枯れ8月に至る。つまり、他の草木が生い茂る季節は葉を落とし、競合する相手が少ない冬に葉を伸ばし鱗茎に栄養を蓄えます。

 染色体数は、2n=3x=33(=33A)。3倍体の不稔性(sterility)であるため結実しません。中国産シナヒガンバナ(支那彼岸花)Lycoris radiata (L'Hér.) Herb. var. pumila Grey の染色体数は2n=22。稔性があり結実し、ヒガンバナの原種と言われています。日本産より早咲きですが、小ぶりなため、コヒガンバナ(小彼岸花)の別名があります。シロバナマンジュシャゲ(白花曼珠沙華)=シロバナヒガンバナ(白花彼岸花)Lycoris x albiflora Koidz.の染色体数は2n=3x=17(=5M+1T+11A)で、ヒガンバナ同様に結実しません。シナヒガンバナ(支那彼岸花)とショウキズイセン(鍾馗水仙)Lycoris traubii W.Hayw. の自然交配種と考えられています。

1) ヒガンバナ属(Lycoris Herbert, 1821)、ハマオモト属(Crinum C. Linnaeus, 1753)、ハエマンサス属(Haemanthus C. Linnaeus, 1753)

参考文献:
ヒガンバナ科植物含有Lycorine型アルカロイドに関する化学的研究(Toriizuka, 2009)
ヒガンバナ自生地における雑草発生制御の実態(Takahashi, Ueki, 1982)
ヒガンバナの他感作用と作用物質リコリン・クリニンの同定(Fujii, Iqbal, Nakajima,1999)

Japanese common name : higan-bana
e0038990_19462496.jpg
Lycoris radiata (L'Hér.) Herb.

e0038990_19464363.jpge0038990_1947155.jpg
左:雄しべ6本、雌しべ1本で花冠より突出する。*2 右:茎頂に花を輪生状につける。*2

e0038990_8274587.jpge0038990_8275435.jpg
左:蕾と花。*2  右:子房下位。*3
e0038990_8282916.jpg
鱗茎(幅約23mm)。ヒガンバナアルカロイドのリコリンやガランタミンが含まれる。*4
e0038990_8284824.jpg
花後の10月頃から葉を出す。*6
e0038990_8285955.jpg
シロバナマンジュシャゲ(白花曼珠沙華)*5
Lycoris x albiflora Koidz.


ヒガンバナ(彼岸花)
別名:マンジュシャゲ(曼珠沙華)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属
学名:Lycoris radiata (L'Hér.) Herb.
花期:9月 多年草 草丈:30~50cm 花径:6~12cm

e0038990_10353896.gife0038990_12135938.gif

【学名解説】
Lycoris : ギリシャ神話の海の女神Lycorisに因む/ヒガンバナ属
radiata : radiatus(放射状の)
L'Hér. : Luis Hernández Sandoval (1958- )
Herb. : William Herbert (1778-1847)
---
x : 二種間交配種
albiflora : albiflorus(白花の)
Koidz. : 小泉源一 Genichi Koidzumi (1883-1953)
---
pumila : pumilus(低い)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から12.75km 左岸河川敷 2005.09.30
*4 安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.09.22
*3 安倍川/河口から5.75km 右岸河川敷 2007.09.27
*2 藁科川(安倍川水系)/河口から1.5km 左岸河川敷 2007.09.28
*5 内牧川(安倍川水系)/上流 2006.09.25
*6 賤機山 2010.11.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture]

8 November 2010, 12 November 2010
Last modified: 6 June 2014
Scientific name confirmed: 9 September 2015
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2010-11-08 00:00 | | Trackback | Comments(4)
キツネノカミソリ(狐の剃刀)
 キツネノカミソリ(狐の剃刀)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。日本、朝鮮半島に分布し、日本では本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、葉を剃刀に見立てたもので、キツネは「劣る」の意味や、花色を狐火に例えた等の諸説があります。

 ヒガンバナ科1) (Amaryllidaceae J. Saint-Hilaire2), 1805) は、世界の熱帯から温帯にかけて約59属860種が分布します。クロンキスト3)体系ではユリ科(Liliaceae Juss. 4), (1789))に分類され、世界の熱帯と温帯に約280属4000種が分布します。ヒガンバナ属(Lycoris Herbert5), 1821)は、東南アジアに3属約30種が分布します。

 山野の明るい林縁に自生します。広卵形の鱗茎から、春に葉柄のある緑色の葉を2列に出します。葉は、長さ30~40cm、幅8~10mmの狭長状。花をつける夏に葉は枯れます。年間の生活形態は次の通りです。4月に葉が出て、5~6月に葉が枯れる。7月から茎が伸び始め、8月に花が咲く。9月に果期となり、冬越しをして3月に至る。

 鱗茎6)及び全草共に有毒です。有毒成分は、リコリン (lycorine, C16H17NO4)、ガランタミン(galantamine, C17H21NO3)です。ガランタミンはアルツハイマー病治療薬として用いられますが、現在は合成精製されたものを使用します。誤食した場合、睡眠作用、痙攣、吐き気、下痢の症状が現れます。

 花期は8~9月頃。花茎を上部で3~5本に枝分かれさせながら30~50cmに立ち上げ、花を茎先に散形状に付けます。花序基部に総苞片があり、長さ約4cmの披針形。花冠は漏斗型で、橙色の花弁6枚の花を咲かせます。花被片長は5~8cm。雄しべは6本で、先で上向きに反り返り、花被片とほぼ同長。雌雄同花。子房下位。染色体数は、2n=22(=22A)7)、2n=3X=32。2倍体と3倍体とがあり、3倍体は結実しません。果実は蒴果です。径約15mmの扁球形で内部は3室に別れ、中軸胎座8)。種子は黒色、径5~7mmの円形で扁平形。

 類似種に大型の、オオキツネノカミソリ(大狐の剃刀)Lycoris sanguinea Maxim. var. kiushiana T.Koyama9) があり、雄しべ、雌しべ共に花被片より長く突出しています。キツネノカミソリと共に白花品種10)があります。八重咲き品種のヤエキツネノカミソリ(八重狐の剃刀)Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea f. plena T.Yamaz. は、高尾山で発見されました。ムジナノカミソリ(狢の剃刀)Lycoris sanguinea var. koreana (Nakai) T.Koyamaは、野生絶滅(EW)とされています。

1) 新エングラー体系/Adolf Engler (1844-1930)
2) J. Saint-Hilaire : Jean Henri Jaume Saint-Hilaire (1772-1845)
3) Cronquist : Arthur John Cronquist (1919-1992)
4) Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)
5) Herbert : William Herbert (1778-1847)
6) 鱗茎は、地下茎の一種で、葉の付け根が重なって肥大したもの。特徴として玉葱のようにむいていく事ができる。かけらになっても再生能力が高く、根によって鱗茎を地下に引込む能力もある。ヒガンバナ、ラッキョウ、チューリップなども鱗茎をもつ。
7) アクロセントリック染色体(acrocentric chromosome:A-type)
8) 中軸胎座【ちゅうじくたいざ】(axial placentation):胚珠が子房の中軸に付く。
9) synonym : Lycoris sanguinea Maxim. var. kiushiana (Makino) Makino ex Akasawa
10) シロバナキツネノカミソリ(白花狐の剃刀)Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea f. albiflora Honda、シロバナオオキツネノカミソリ(白花大狐の剃刀)Lycoris sanguinea Maxim. var. kiushiana T.Koyama f. albovirescens E.Doi ex Akasawa

Japanese common name : Kitune-no-kamisori
e0038990_18501685.jpg
Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea

e0038990_18502776.jpge0038990_18504096.jpg
2008.08.08 / 2008.09.03 どちらも群生地ではなく山道脇に咲いていたもの。

e0038990_19213350.jpge0038990_19214547.jpg
2014.07.30

e0038990_18505388.jpge0038990_1851589.jpg
左:果実は蒴果(2014.09.23) 右:キツネノカミソリの葉(2008.03.27)


キツネノカミソリ(狐の剃刀)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属
学名:Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea
花期:8月~9月 多年草 草丈:30~50cm 花冠長:50~55mm

e0038990_2163229.gife0038990_10353896.gif

【学名解説】
Lycoris : ギリシャ神話の海の女神Lycorisに因む/ヒガンバナ属
sanguinea : sanguineus(血紅色の)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)
var. : varietas(変種)
---
kiushiana : kiusianus(九州の)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
ex : ~による
Akasawa : 赤澤 時之 Yoshyuki Akasawa (1915-2003)
---
f. : forma(品種)
albovirescens : albo(白)+virescens(淡緑色の)
albiflora : albiflorus(白花の)
plena : plenus(八重の)
Honda : 本田 政次 Masaji Honda (1887-1984)
T.Koyama : 小山 鐵夫 Tetsuo Michael Koyama (1933- )
T.Yamaz. : 山崎 敬 Takasi Yamazaki (1921-2007)

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰 Alt.717m)2008.03.27, 2008.08.08, 2008.09.03, 2014.09.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture]

31 October 2010, 3 November 2010, 24 September 2014
Last modified: 23 August 2015
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2010-10-31 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ツルニンジン(蔓人参)
 ツルニンジン(蔓人参)は、キキョウ科ツルニンジン属の多年草です。東アジアに分布し、日本では北海道、本州、四国、九州に分布します。名の由来は、蔓性であり、根が朝鮮人参に似ている事から。別名のジイソブ(爺蕎)は、バアソブ(婆蕎)に対して付けられ、花冠内側の斑点をお爺さんのソバカスに見立てたものです。ソブはソバカスの方言。

 キキョウ科(Campanulaceae Juss. (1789))は、Campanula(釣鐘)に由来し、温帯から熱帯に約60属2000種があります。ツルニンジン属(Codonopsis N.Wallich, in Roxburgh, 1824)は、東アジアに約55種ほど分布し、日本には2種が自生します。

 山野の林縁に自生します。髭根がある肥大した紡錘形の塊根があります。去痰効果があるとされています。蔓性で、草木に絡みつき200cm程になります。葉は、初め互生し、枝先で3~4枚の輪生となります。卵状楕円形で、長さ3~10cm、幅1.5~4cm、葉裏は白っぽい。根茎、茎、葉には白乳液があります。このことから中国では羊乳と呼ばれています。

 花期は8月~10月。側枝の先に花を下向きに付けます。萼片は大きく5裂し、裂片は20~25mmで平開します。花冠は釣鐘形で、先が浅く5裂して外側に開きます。花冠径は25~35mmで、外側は白緑色、内側には紫褐色の斑紋があります。花冠基部には蜜源である5つの距があります。

 雄しべは5本で、雄性先熟です。雌しべ柱頭は3~5裂します。子房半下位。果実は5角形の蒴果で、萼片につき約30mmで扁平、裂開して種子を散布します。種子は淡褐色で翼がある半月状、大きさは約5mm。染色体数は、2n=16。

 同属の類似種であるバアソブ(婆蕎)Codonopsis ussuriensis (Rupr. et Maxim.) Hemsley は、全体に白い毛があり、花冠外側は紫褐色、種子に翼が無く黒褐色であることが本種との区別点となります。

Japanese common name : Turu-ninjin
e0038990_1613225.jpg
Codonopsis lanceolata (Siebold et Zucc.) Trautv.

e0038990_1614371.jpge0038990_16141713.jpg
花冠基部には蜜源である5つの距がある。葉は3~4枚が輪生する。

e0038990_16152435.jpge0038990_16154035.jpg
花冠内側には紫褐色の斑紋がある。雄しべ5本が花冠側に倒れている。

e0038990_16165816.jpge0038990_16171699.jpg
左:萼の開きはじめ。葉の裏面は粉白色。 右:萼が開き、距が見えるようになる。

e0038990_16192650.jpge0038990_16193959.jpg
樹木に絡みつくと盛大に伸びる(2014.09.17 花沢山)

e0038990_16204455.jpge0038990_1724653.jpg
左:果実は5角形の蒴果で萼が残る 右:種子は淡褐色で翼がある半月状


ツルニンジン(蔓人参)
別名:ジイソブ(爺蕎)
キキョウ科ツルニンジン属
学名:Codonopsis lanceolata (Siebold et Zucc.) Trautv.
花期:8月~10月 多年草 草丈:~200cm(蔓性) 花冠径:25~35mm

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Codonopsis : codon(鐘)+opsis(似)/ツルニンジン属
lanceolata : lanceolatus(皮針形の)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Joseph Gerhard Zuccarini (1797-1848)
Trautv. : Ernst Rudolf von Trautvetter (1809-1889)

撮影地:静岡県静岡市
竜爪山(Alt. 1051m) 2008.09.25
安倍城跡(Alt. 435m) 2008.09.27, 2008.10.03
花沢山(Alt. 449m) 石部コース 2014.09.17 <静岡市・焼津市>
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture]

21 October 2010, 24 September 2014
Last modified: 8 March 2015
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2010-10-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヤマジオウ(山地黄)
 ヤマジオウ(山地黄)は、シソ科オドリコソウ属の多年草です。神奈川県以西から九州に分布する在来種です。名の由来は、葉がゴマノハグサ科のジオウ(地黄)に似ていて山に咲く事から。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。オドリコソウ属(Lamium C. Linnaeus, 1753)は、温帯に約40種(Mabberley1997)が分布します。日本には帰化種2を含む6種が分布します。

 山地の木陰に自生します。地下茎は細く、長く伸ばし群生する事があります。栄養繁殖します。茎は下向きの白い毛があって、地を這い、分枝せずに立ち上がって5~10cmになります。葉は対生し、長さ3~7cm、幅2~5cmの倒卵形で、荒い鋸歯があります。両面に白色の毛が密生し、葉脈が深く目立ちます。

 花期は8月。茎頂の葉腋に、淡紅色で白色の縁取りがある唇形花を数個付けます。花冠は長さ15~18mm。蕚は長さ7~8mmで5中裂します。雄しべ4個。果実は裂開果です。4分果となり中軸から裂開します。種子は楕円形で長さ2mm。

 他に、白花品種のシロバナヤマジオウ(白花山地黄)Lamium humile (Miq.) Maxim. f. albiflorum Sugim. があります。

Japanese common name : Yama-ziou
e0038990_1991631.jpg
Lamium humile (Miq.) Maxim.
e0038990_1992888.jpg
花は淡紅色で白色の縁取りがある唇形花。

e0038990_1993820.jpge0038990_199503.jpg
葉は倒卵形で、白色の毛が密生し、荒い鋸歯がある。


ヤマジオウ(山地黄)
シソ科オドリコソウ属
学名:Lamium humile (Miq.) Maxim.
花期:7月~8月 多年草 草丈:5~10cm 花冠長:15~18mm 

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Lamium : laipos(喉)/オドリコソウ属
humile : humilis(低い)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)
---
f. : forma(品種)
albiflorum : albiflorus(白花の)
Sugim. : 杉本順一 Junichi Sugimoto (1901-?)

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰)Alt.717m 2008.07.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

1 October 2010
Last modified: 30 October 2010
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2010-10-01 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ドクウツギ(毒空木)
 ドクウツギ(毒空木)は、ドクウツギ科ドクウツギ属の落葉低木です。近畿地方以北の本州と北海道に分布する日本固有の在来種です。日本三大毒草1)のひとつに数えられ、猛毒です。名の由来は、毒があり、幹が空洞であるウツギ(空木)に似ている事から。別名にイチロベエゴロシ(市郎兵衛殺し)やオニゴロシ(鬼殺し)等がありますが、いずれも有毒植物である事を表したものです。

 ドクウツギ科(Coriariaceae DC. (1824))は、ドクウツギ属(Coriaria L. (1753))の1属約30種があります。アジア、ニュージーランド、地中海、中南米等に隔離分布し、日本にはドクウツギの1種のみが分布します。

 日当たりの良い山野や川原に自生します。茎は褐色で、基部から分枝し、高さ100~200cm程になります。幹は丸く、下部で約2.5~3cm。小枝には4稜があり、新しい枝は赤みを帯びます。小枝の太さは約5mmで、先端は約1mm。葉は2列対生し15~18対が付きます。長楕円状披針形で長さ5~8cm、幅1~5cm、全縁、基部は丸く先端は尖ります。葉脈は3本で曲線を描く側脈があります。葉柄は1~5mmです。

 花期は4月から5月です。雌雄同株2)で、若い枝の付け根(葉腋)から黄緑色の単性花を総状花序に多数付けます。雄花の花序は約5cmで雄しべ10個があり、葯は黄色。雌花の花序は約10cmで雌しべ5個と子房5個があり、葯は赤色。萼片と花弁は共に5枚。

 果期は5月から8月頃です。果実は宿存萼3)に包まれた5個からなる痩果で、柱頭が先端に出ていて、初め赤く、熟すと黒紫色になります。果実の径は約7.5~8.6mm。種子は褐色で、長さ3.3~4.3mm、幅2mm程の半月状。動物被食散布 (endozoochory) されます。花被が被食部で、鳥などによって種子が散布されます。染色体数は、2n=40。

 全草が猛毒です。果実や種子には、速効性のあるコリアミルチン(coriamyrtin, C15H18O5, LD504)=1mg/kg)、ツチン(tutin)が含まれています。毒性を利用して、ネズミ取りやウジ殺しに使われた事がありました。果実は甘みがあり、低木である事から、子供のままごと遊びによる誤食事故がたびたび起き、その都度、駆除が行われてきました。誤食部位は、果実や若芽です。摂取経過は、嘔吐、痙攣、硬直、呼吸麻痺で、重篤の場合は死に至ります。危険ですから見付けても手を触れない事と、子供を近寄らせないように指導すべきです。しかし、すべての人に毒草の知識があるわけではないので、手が届きやすい場所に自生している場合は駆除等の対策が必要となります。

1) 日本三大毒草は、ドクウツギ(毒空木)、ドクゼリ(毒芹)、トリカブト(鳥兜)の強毒性である3種。
2) 雌雄同株(monoecism):一つの株に雌花と雄花が付く
3) 宿存萼(persistent calyx):花が終わっても母体から離れず残る萼
4) LD50 : 半数致死量(50% Lethal Dose)

Japanese common name : Doku-utugi
e0038990_21333893.jpg
Coriaria japonica A.Gray

e0038990_21345987.jpge0038990_2135964.jpg
果実は初め赤く、熟すと黒紫色になる (2007.06.27)
e0038990_21395279.jpg
全体の様子 (2009.05.23)
e0038990_2134725.jpg
2007.04.14

e0038990_21255230.jpge0038990_21261097.jpg
雌花花序 <2007.04.14> 雌花
e0038990_21395435.jpg
若い果実 (2009.05.23)
e0038990_21315319.jpg
葉序 葉は2列対生し15~18対 (2006.06.01)

e0038990_21444965.jpge0038990_2145296.jpg
左:葉表側の枝は赤みを帯びる 右:葉裏 (2006.06.24)

e0038990_21502243.jpge0038990_21503972.jpg
左:茎は褐色で、基部から分枝する 右:雄花

e0038990_21522176.jpge0038990_21523740.jpg
左:果実の先端に柱頭が残る 右:種子は5個で褐色


ドクウツギ(毒空木)
別名:イチロベエゴロシ(市郎兵衛殺し)、オニゴロシ(鬼殺し)、ネズミゴロシ(鼠殺し)
ドクウツギ科ドクウツギ属
学名:Coriaria japonica A.Gray
花期:4~5月 落葉低木 樹高:100~200cm 花序:約5cm~10cm 果期:5~8月

e0038990_2122812.gife0038990_10353896.gife0038990_23463384.gif

【学名解説】
Coriaria : corium(鞣皮ナメシガワ)に由来/ドクウツギ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
A.Gray : Asa Gray (1810-1888)
---
DC. : Augustin Pyramus de Candolle (1778-1841)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
位置情報非公開 2006.06.24 - 2009.05.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

May 24, 2009
Last modified: 23 September 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2009-05-24 00:00 | | Trackback | Comments(5)
ササユリ(笹百合)
 ササユリ(笹百合)は、ユリ科ユリ属の多年草です。中部地方から九州にかけて分布する日本の特産種です。現在では希少植物となっています。名の由来は、葉の形状が笹の葉に似ているユリである事から。

 ユリ科(Liliaceae Juss. 1789)は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ユリ属(Lilium L. (1753))は北半球の亜熱帯から亜寒帯に約100種類が分布します。15種類が日本に自生し、内7種類(ヤマユリ、サクユリ、ササユリ、オトメユリ、イワトユリ、ウケユリ、タモトユリ)は日本特産種です。ユリ属(Lilium C. Linnaeus, 1753)は、1925年に4亜属に分類されました。テッポウユリ亜属、ヤマユリ亜属、カノコユリ亜属です。その他に、これらを掛け合わせた種間雑種があります。

 明るく開けた草地や山地の林縁に自生します。球根(鱗茎)は無皮鱗茎で、白色の卵形。茎が短縮した低盤部に、葉が変形した鱗片が多数着生して多肉化したものです。1球に1茎を生じます。球根の基部から発生する下根(低出根・牽引根)と、茎の地下部から発生する上根(茎出根)があります。葉は短い柄があり、互生します。長さ7~15cmの披針形や楕円形で、笹の葉に似ています。茎は円柱形で、直立して草丈は50~100cmになります。

 花期は6月から7月。花茎の先に漏斗状鐘形の花を一つから複数個、横向きにつけます。倒皮針形の外花被片3個と内花被片3個によって構成される同花被花です。花冠は淡桃色で、個体によって濃度が異なり、白色もあり、芳香があります。花冠の長さは10~15cm。雄しべは6本で葯は赤褐色。子房は上位で3室。染色体数は、2n=24,36。果実は蒴果。熟すと裂開して、扁平な翼状構造の種翼を持つ種子を風によって飛散させます。

 実生から開花球へは5~7年を要し、栽培困難種の一つとなっています。自生地の減少もあり、自生地環境の整備保護が課題とされています。品種に、シロササユリ(白笹百合)Lilium japonicum Houtt. f. album (E.H.Wilson) Sugim.、ベニバナササユリ(紅花笹百合)Lilium japonicum Houtt. f. purpureum Terashita があります。 

Japanese common name : Sasa-yuri
e0038990_1172947.jpg
Lilium japonicum Houtt.

e0038990_1113018.jpge0038990_1113217.jpg
左:葉が笹に似ている。 右:雄しべは6本で葯は赤褐色。


ササユリ(笹百合)
ユリ科ユリ属
学名:Lilium japonicum Thunb.
花期:6月~7月 多年草 草丈:50~100cm 花径:13~14cm 花冠長:10~15cm

e0038990_2122812.gif

【学名解説】
Lilium : li(白)+lium(花)/ユリ属
japonicum : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Houtt. : Maarten Houttuyn (1720-1798)
---
f. : forma(品種)
album : albus(白色の)
E.H.Wilson : Ernest Henry Wilson (1876-1930)
Sugim. : 杉本順一 Junichi Sugimoto (1901- )
---
purpureum : purpureus(紫色の)
Terashita : 寺下隆喜代 Takakiyo Terashita (fl.1968- )

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡(Alt.435m) 2008.06.10
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

17 December 2008, 16 June 2012
Last modified: 11 April 2016
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2008-12-17 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ホトケノザ(仏の座)
 ホトケノザは、シソ科オドリコソウ属の2年草(越年草)です。北半球に広く分布し、日本では本州から沖縄までに自生する、史前帰化植物です。温暖地では、秋から現れ始め、春に最盛期を迎えます。年を越して生育するので越年草と分類されます。名の由来は、葉の形態を蓮華座に見立て、仏の座としたものです。春の七草に出てくる「ホトケノザ」は、現在のキク科コオニタビラコ(小鬼田平子)であるとされています。秋の七草は愛でるものであり、春の七草は食べるものですが、現在のホトケノザは食用にしません。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。オドリコソウ属(Lamium L. (1753))は世界に約40種が存在します。

 シソ科の特徴である四角形の茎を持ち、対生する上部の葉は茎を抱きます。花は紅紫色で、唇型の合弁花です(双子葉植物綱合弁花亜綱)。唇から舌を出したような部分は、虫が止まるのに便利なようになっています。頭頂部に細かな毛が生えていて、私には、やんちゃ坊主のように見えます。その内側にオレンジ色の雄しべがあり、蜜を吸いに奥へ入ろうとする虫に花粉を付ける仕組みになっています。蕾のように見える濃紅色の閉鎖花を多く持ちます。染色体数は、2n=18。

 白花品種の、シロバナホトケノザ(白花仏の座)Lamium amplexicaule L. f. albiflorum D.M.Moore があります。近縁種に、オドリコソウ(踊子草)、ヒメオドリコソウ(姫踊子草)があります。

参考:早春の野草・その1

◆ ◆ ◆

 昨日、渋滞を引き起こしている車の横を通り過ぎました。どうしたのかな、と思って車を見るとパンクしていました。運転者は中高齢の女性。非常駐車灯と三角板を出した方が良いとアドバイスしました。女性はパニック状態でした。見過ごせない状態だったので、パンク修理を手伝う事にしました。詳細は省きますが、無事走り出した時は安心しました。全く面識のない方でしたが、関わりを持った事を嬉しく思いました。家に帰ってきた時、妨げになるのに移動してくれない車がいました。そのお陰で迂回し、我が家の駐車場へ入るために何度かの切り返しが必要でした。その車の運転手は見て見ぬふりをしていました。

 愛(agape)の対極は何かと問われると、アパシー(apathy)だと答えています。無関心の事です。関心を持つ事は大切です。全てに関わるのは不可能だとしても、困っている人がいたら率先して関わるようにしています。そして、その関わりは煩わしさではなく、嬉しさを引き出してくれます。

 今、私は野草と関わりを持とうと歩き回っています。植物と人間ではコミュニケーションの取り方が異なりますが、眺めて、名前を覚えるという関わりをする事で野草に関心を持とうとしています。昔は、目に映っても意識の外にあり無関心でした。そして今日、河川敷で野草を探し回っているところで出会った二人の方と話をする事ができました。話は、自然保護にまで及びました。自然に対して無関心なため、環境保全をおろそかにし、無くなってから事の重大さに気が付く愚かさを話してくれました。

 例年だったら、いつまで咲いているのかと思わせるコウゾリナですが、この冬、ほとんど見かけていません。寒さのためか土手の草刈り時期が効果的だったのか、原因は、はっきりしません。ホトケノザ(仏の座)も同様でしたが、河川敷で、今年初めて出会う事ができました。

Japanese common name : Hotoke-no-za
e0038990_15571994.jpg
Lamium amplexicaule L.

e0038990_15573056.jpge0038990_15574389.jpg
左:2007.03.09 右:2014.03.11


ホトケノザ(仏の座)
別名:サンガイグサ(三階草)
シソ科オドリコソウ属
学名:Lamium amplexicaule L.
花期:3月~6月 2年草(越年草) 草丈:10~30cm 花冠長:8~15mm

e0038990_2163229.gif

【学名解説】
Lamium : イラクサ様植物の古代ラテン名|laipos(喉)/オドリコソウ属
amplexicaule : amplexicaulis(茎を抱く)
L. : Carl von Linne(1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.75km 右岸河川敷 2006.01.09
安倍川/河口から8.25km 左岸河川敷 2007.03.09
安倍川/河口から13.0km 右岸土手   2014.03.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

First draft: 11 June 2008
Last modified: 4 April 2014
e0038990_1703595.gif

[PR]
by pianix | 2008-06-11 00:00 | | Trackback | Comments(7)