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カノコユリ(鹿の子百合)
 カノコユリ(鹿の子百合)は、ユリ科ユリ属の多年草です。日本と中国、台湾が原産です。国内では九州と四国に自生する在来種です。名の由来は、花被片の斑点模様を鹿子斑に見立てたもの。英名は、showy lily、brilliant lily、lance-leaved lily等。

 ユリ科(Liliaceae Juss. 1789)は、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ユリ属(Lilium L. (1753))は北半球の亜熱帯から亜寒帯に約100種類が分布します。15種類が日本に自生し、内7種類(ヤマユリ、サクユリ、ササユリ、オトメユリ、イワトユリ、ウケユリ、タモトユリ)は日本特産種です。ユリ属は、1925年に4亜属に分類されました。テッポウユリ亜属、ヤマユリ亜属、カノコユリ亜属です。その他に、これらを掛け合わせた種間雑種があります。

 ユリの球根は、茎が短縮した低盤部に、葉が変形した鱗片が多数着生して多肉化したものです。1球に1茎を生じます。球根(母球)の基盤部から下根(低出根・牽引根)を出し、土中の地下茎に短い上根(茎出根)を出します。上根部分に木子を付けます。地上部の茎にムカゴ(珠芽)を付けるのは、日本の自生種ではオニユリ(鬼百合)だけです。球根は百合(びゃくごう)として生薬に用いられます。繁殖方法は種子と栄養繁殖があり、栄養繁殖では鱗片・木子・分球・珠芽を用います。カノコユリは木子繁殖が一般的です。

 草丈は50~170cm。葉は互生します。卵状披針形で、長さ12~18cm、幅2~6cm。花期は7月から8月頃。花は薄紅色を帯びた白色で、濃紅色の斑点と乳頭状突起があります。6花被片からなり、外側3枚の外花被、内側3枚の内花被があります。花冠径は10cm内外で、花被片は反り返り、斜め下向きに咲きます。6雄ずい、1雌ずいがあり、葯は赤褐色です。1869年にカノコユリとヤマユリの雑種が作られました。

Japanese common name : Kanoko-yuri
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Lilium speciosum Thunb.


カノコユリ(鹿の子百合)
ユリ科ユリ属
学名:Lilium speciosum Thunb.
花期:7月~8月 多年草 草丈:50~170cm 花径:10cm

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【学名解説】
Lilium : li(白)+lium(花)/ユリ属
speciosum : speciosus(美しい・華やかな)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.07.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 8 August 2006
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by pianix | 2006-08-08 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
ミゾカクシ(溝隠)
 ミゾカクシ(溝隠)は、キキョウ科ミゾカクシ属の多年草です。日本・朝鮮半島・中国・東南アジアに分布します。国内では、全土の溝や畦に生育する在来種です。名の由来は、溝を隠すように茂る様子から。別名のアゼムシロ(畦筵)は、畦に群生して広がる様子を筵に例えたもの。英名は、Chinese lobelia。

 キキョウ科(Campanulaceae Juss. (1789))は、温帯から熱帯に約60属2000種があり、ミゾカクシ属(Lobelia L. (1753))は熱帯から温帯に約300種が分布し、日本には3種が自生します。

 低地から標高1500mあたりまでの広い垂直分布を持ちます。茎は稜があり、地を這い、節から芽を出しながら繁殖します。草丈は10~17cm。葉は、互生します。長さ1~2cm、幅2~4mmの披針形で、鋸歯があります。

 花期は6月から10月頃。葉腋から花柄を長く伸ばして、先端に左右相称で薄紅紫色から白色の花を単生します。花冠の長さは7~10mm、裂片は5裂し、横向きに2枚、下向きに3枚がある唇形です。萼片は2mm程で5個あります。両生花です。染色体数は、2n=42。

 雄しべの花糸は独立しますが、花柱を囲んで葯で合着する集葯雄しべ(syngeneious stamen)で、これはキキョウ科の特徴の一つです。雄しべが先に成熟する雄性先熟で、成熟時期をずらす事により自家受粉を避けています。子房下位。果実は蒴果で長さ5~7mm。微細な種子によって繁殖します。

 有毒です。呼吸興奮薬として用いられるロベリン(Lobeline, C22H27NO2)が含まれ、食品として用いてはなりません。誤食(経口摂取)により、発汗、頻脈、痙攣、低体温症、昏睡等の症状が現れ、重篤の場合は血圧低下から死にいたる場合があります。

Japanese common name : Mizo-kakusi
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Lobelia chinensis Lour.

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左:全体の様子 右:花冠後部から


ミゾカクシ(溝隠)
別名:アゼムシロ(畦筵)
キキョウ科ミゾカクシ属
学名:Lobelia chinensis Lour.
花期:6月~10月 多年草 草丈:10~17cm 花冠長:7~10mm

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【学名解説】
Lobelia : Mathias de Lobel (1538-1616)氏に因む/ミゾカクシ属
chinensis : 中国の
Lour. : Joao de Loureiro (1717-1791)

撮影地:静岡県静岡市
葵区片羽町/畑地 2006.08.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 7 August 2006
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by pianix | 2006-08-07 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ヒレハリソウ(鰭玻璃草)
 ヒレハリソウ(鰭玻璃草)は、ムラサキ科ヒレハリソウ属の多年草です。コーカサス地方が原産で、ヨーロッパとアジア西部に分布しています。日本へは、明治時代に食用・薬用・牧草として導入されました。北海道から九州にかけて野生化している帰化植物です。名の由来は、花茎に翼がある事からヒレが張っているとの意味。玻璃はガラスの事ですが文字を充てただけのようです。一般的にはコンフリー(Comfrey)の名で知られています。一時期は健康食品としてもてはやされました。2004年6月に厚生労働省医薬食品局が、肝静脈閉塞性疾患等の健康被害例が海外から報告された事により、食品としての販売を禁じました。

 ムラサキ科(Boraginaceae Juss. (1789))は、地中海沿岸などの温帯に約154属2500種類が分布します。日本には14属28種あり、11種の草本が自生します。ヒレハリソウ属(Symphytum L. (1753))は、ヨーロッパやコーカサス地方に約35種類が分布します。

 根茎は分枝して草丈30~90cmになります。全体に白く硬い荒毛が多くあります。根茎を乾燥させたものを、1)生薬のコンソリダ根、あるいはシンフィツム根として使われます。葉は互生します。根生葉は長さ20~40cmの長楕円形で全縁、葉脈がへこみ、長い葉柄があります。上部の葉は葉柄が不明瞭となり、翼状に茎に付きます。この部分がヒレと見立てられて名の由来となっています。

 花期は6月から8月頃。茎の先端を枝分かれさせて、有限花序の1つである巻散花序(けんさんかじょ・drepanium/鎌形花序・鎌状集散花序)を付けます。渦巻き状になった花序を解きながら花を付けていきます。釣鐘型の花を下向きに数個付けます。花冠長は2cm程、径1cm程で、先端は浅く5裂して若干反り返ります。花色は淡紅紫色が多く、紫色や白色もあります。雄しべは5本で、細長い三角形の付属体があります。雌しべは花冠より少し突き出ます。萼は5裂します。果実は分果(mericarp)です。染色体数は、2n=36。

1)植物毒であるアルカロイド(alkaloid)のコソリジン(consolidin)やシンフィト=キノグロッシン(symphyto-cynoglossin)、エキミジン(echimidine)が含まれます。

Japanese common name : Hirehari-sou
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Symphytum officinale L.

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葵区千代 2007.05.08
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ヒレハリソウ(鰭玻璃草)
英名:コンフリー(Comfrey)
ムラサキ科ヒレハリソウ属
学名:Symphytum officinale L.
花期:6月~8月 多年草 草丈:30~100cm 花冠長:2cm

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【学名解説】
Symphytum : symphyton(癒合する)/ヒレハリソウ属
officinale : officinalis(薬用の・薬効のある)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.07.06
葵区千代 2007.05.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

2 August 2006
Last modified: 9 June 2014
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by pianix | 2006-08-02 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
ゴボウ(牛蒡)
 ゴボウ(牛蒡)は、キク科ゴボウ属の多年草です。ユーラシア大陸(欧州北部・シベリア・中国東北部)が原産です。古い時代に中国から薬草用途で渡来したと考えられられている帰化植物です。縄文時代の遺構から種子が出土しています。平安時代後期に蔬菜として食用され始めたと言われています。現在、食用に利用しているのは日本と、台湾に僅かあるのみです。西洋では葉をサラダとして使います。日本の主要産地は関東北部の茨城・埼玉・群馬です。

 名の由来は、根が牛の尾に似ていて、葉が両側に開く意味を持つ「蒡」を充てた漢名を借用して音読みしたものと言われています。日本の古い時代には、キタキス(岐太岐須)やウマフフキ(宇末不々木)と呼ばれていたようです。英名は、edible burdock。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。ゴボウ属(Arctium L.)は、中国東北部からヨーロッパ・シベリアに6種が分布します。食用とされるのは1種のみで、日本には自生種はありません。

 主根は多肉質で、品種により長さ40~150cmになります。茎は分枝し、150cm程になります。根生葉は叢生し長い柄があります。心臓形で波打ち、長さは40cm内外、暗緑色で、葉裏に綿毛が密生します。花期は6月から7月頃。分枝した茎先に多くの頭花を付けます。頭花は径40~45mmの球形で、淡紫色(稀に白色)の筒状花の集合体です。総苞はイガ状の細い棘が広がり、先端が鉤状になっていて動物に取り付きます。

 生薬として、根を乾燥させたものをゴボウコン(牛旁根)、種子を乾燥させたものをアクジツ(悪実)あるいはゴボウシ(牛旁子)として用いられます。栽培されているゴボウは幾つかの品種があり、長根種と太根種に大別されます。

Japanese common name : Gobou
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Arctium lappa L.
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頭花は筒状花の集合体


ゴボウ(牛蒡)
キク科ゴボウ属
学名:Arctium lappa L.
花期:6月~7月 多年草 草丈:100~150cm 花径:40~45mm

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【学名解説】
Arctium : arktos(熊)/ゴボウ属
lappa : lavein(掴む・引っ掛ける)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.07.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 21 July 2006
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by pianix | 2006-07-21 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
シモツケ(下野)
 シモツケ(下野)は、バラ科シモツケ属の落葉低木です。日本・中国・朝鮮が原産です。国内では北海道から九州に分布します。名の由来は、現在の栃木県である下野の国で学術採取されたことにより地名が名称になったとされています。あるいは、花の咲く様子を霜が降りた状態に見立てたという説もあります。中国名は、シュクセンギク(繍線菊)。英名は、Japanese spiraea。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、南極を除く、ほぼ全ての大陸に約107属3100種が分布します。シモツケ属(Spiraea L. (1753))は、北半球の温帯と亜寒帯に約120種が分布し、日本に10種が自生します。

 茎は束生し、枝は分枝します。樹高は通常100cm程で、放任すれば150cmまでになります。若い枝は赤褐色、古くなると暗褐色になり、直径は1cm前後です。葉は互生します。長楕円状披針形で長さ3~8cm、幅2~3cm。不揃いな重鋸歯か鋸歯があり、葉先は鋭尖頭または鋭頭で尖ります。歯裏は白っぽい淡緑色。葉柄は長さ1~3mm。

 枝先に3~5cmの複散房花序を半球状に付け、径4~6mmの小花を多数密生させます。花弁は広卵形から円形の5枚で、平開します。花色は紅色から淡紅色で濃淡の変異があり、稀に白色があります。雄しべ花糸は花弁の2倍ほどの長さで、20本以上が長く突き出て、花序全体をもやっとした雰囲気にさせています。雌しべは5本。萼片は5枚で1mm程。果実は袋果です。長さ2~3mmの光沢がある卵形で、5個が集まっています。熟すと縦に裂開して種子を出します。染色体数は、2n=18。

Japanese common name : Shimotuke
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Spiraea japonica L.f.


シモツケ(下野)
バラ科シモツケ属
学名:Spiraea japonica L.f.
花期:5月~8月 落葉低木 樹高:20~100cm 花径:4~6mm 果期:9~10月

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【学名解説】
Spiraea : speira(螺旋・輪)/シモツケ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
L.f. : Carl von Linne, filius (1741-1783)
---
Desv. : Nicaise Auguste Desvaux (1784-1856)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.50km左岸 2006.06.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 11 July 2006
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by pianix | 2006-07-11 00:00 | | Trackback | Comments(2)
シロバナマンテマ(白花マンテマ)
 シロバナマンテマ(白花マンテマ)は、ナデシコ科マンテマ属の越年草です。ヨーロッパが原産で、日本には江戸時代の弘化年間(1844~1848)に園芸用途で渡来したとされています。逸出して北海道から九州に広がった帰化種です。名の由来は、白い花を付けるマンテマから。移入された時のマンテマンの名が省略されたもの、あるいは学名のmaritimaやAgrostemmaが変化したものとの説があり、詳細は不明です。

 ナデシコ科(Caryophyllaceae Juss.,1789)は、熱帯から寒帯まで約75属1200種が分布、マンテマ属(Silene L. (1753))は北半球に約200~700種があります。

 茎は分枝して毛があり、草丈は30~50cm。葉は対生します。柄は無く全縁、両面に短毛があります。下につく葉はヘラ形で鈍頭、上の葉は広被針形で鋭頭です。花期は5月から7月頃。茎先を2から3に分岐させ、花序の片側に偏って5弁花をつけます。花色は白色から淡紅色まであります。花柄は無く、花径は10~15mmの離弁花です。中央に2裂した鱗片が5つあります。雌雄同株で、花柱は3本。萼筒は円筒形で赤い10脈があります。茎や萼筒には長毛と腺毛があり、粘着します。果実は蒴果です。

参考:マンテマ

Japanese common name : shirobana-mantema
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Silene gallica L. var. gallica

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シロバナマンテマ(白花マンテマ)
ナデシコ科マンテマ属
学名:Silene gallica L. var. gallica
花期:5月~7月 越年草 草丈:30~50cm 花径:10~15mm

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【学名解説】
Silene : sialon(唾液)|ギリシャ神話のシレネス(Silenes)に因む/マンテマ属
gallica : gallicus(フランスの古名ゴール地方の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0km 大浜海岸 2006.06.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 7 July 2006
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by pianix | 2006-07-07 00:00 | 海辺の植物 | Trackback | Comments(0)
ナワシロイチゴ(苗代苺)
 ナワシロイチゴ(苗代苺)は、バラ科キイチゴ属の落葉小低木です。日本、朝鮮・中国等の東アジアに分布する小果樹類(Smallfruits)で、国内では北海道から沖縄まで分布する在来種です。名の由来は、苗代を用意する頃に花、あるいは実が熟す事から。別名のサツキイチゴ(五月苺)も同様。古くは野苺を伊知古と呼んでいました。英名は、Japanese raspberry。

 バラ科(Rosaceae Jussi. (1789))は、ほぼ全ての大陸(南極を除く)に、107属3100種が分布します。キイチゴ属(Rubus L. (1753))は、北半球の寒帯から温帯地方に多く、南半球の熱帯山岳地区、北極圏と太平洋の島々にも分布し、400~500種あります。日本には8亜属70種が自生します。耐寒性があるラズベリー(Raspberry)の近縁種です。

 茎は地を這い、接地した所々から根を出し、栄養繁殖します。茎には棘があります。1m以上に伸びることがあり、花茎を5~30cmに立ち上げます。葉は互生します。奇数羽状複葉で、花枝では3出複葉、徒長する枝では5出複葉になります。小葉は2~4cmの菱形状倒卵形で、1)欠刻状重鋸歯があり、葉先は円頭。葉裏は灰白色の綿毛が密生します。葉柄の長さは2~5cm、葉柄の付け根には線形で5mm程の托葉があります。

 花期は5月から6月頃。枝先や葉腋から花柄を枝分して集散花序を作ります。径15mm程の5枚の萼片があり、平開して反り返ります。花は、淡紅紫色で6~7mmの倒卵形の花弁5枚が上向きに立ち上がり、蕾状になります。この中に雄しべ多数があります。半開のままで平開しません。その後、花弁は落脱しますが萼片は残ります。果実は、直径約15mmの球形液果の集合果で濃赤色。食用となり、ジャムなどに利用されます。

1)欠刻重鋸歯(けっこく・じゅうきょし):葉脈の間の葉肉が欠けて切れ込みが生じ、大きな鋸歯にさらに小さな鋸歯が二重になっている葉の縁の状態

Japanese common name : Nawasiro-itigo
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Rubus parvifolius L.

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▲ 果実は集合果


ナワシロイチゴ(苗代苺)
別名:サツキイチゴ(五月苺)
バラ科キイチゴ属
学名:Rubus parvifolius L.
花期:5月~6月 落葉小低木 樹高:5~30cm(蔓性50~100cm) 花径:1.5cm 果期:6月

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【学名解説】
Rubus : ruber(赤)/キイチゴ属
parvifolius : 小形の葉の
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.50km 左岸河川敷 2006.06.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 22 June 2006
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by pianix | 2006-06-22 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ユウゲショウ(夕化粧)
 ユウゲショウ(夕化粧)は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草です。南米から北米南部が原産の帰化植物です。温暖な地域に広く分布します。日本へは明治時代に園芸用途で移入され、逸出して関東以西で野生化しています。ユウゲショウはオシロイバナの別名であるので、区別の為にアカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)と呼ばれる事があります。名の由来は、花色を夕方の化粧に例えたもの。夕方から咲くマツヨイグサ属の仲間ですが、本種は昼咲き性です。別名のアカバナユウゲショウは、アカバナ科アカバナ属のアカバナ(赤花)のように、花後に茎や葉が赤くなる事から。

 アカバナ科(Onagraceae Juss. (1789))は、特に北米・南米に多く、15属約650種が分布します。日本には15属があります。マツヨイグサ属(Oenothera L. (1753))は、約200種が知られ、日本には在来の自生種はありません。

 茎は叢生し、軟毛があります。草丈は15~50cm程になります。葉は互生します。長さ2~5cm、幅1~2cmの披針形で、浅い鋸歯があり、縁は波打ちます。花期は5月から9月。茎頂の葉腋に薄紅色の4弁花をつけます。径10~15mmで、中心部は薄黄色、丸みのある花弁には濃紅色の筋状の脈があります。雄しべは8本あり、葯は薄紅色、花粉は白色です。雌しべ柱頭は紅色で、先端が4裂します。これはマツヨイグサ属の特徴です。果実は朔果です。8つの稜があり、熟すと4裂して1mm程の茶色の種子を散布します。染色体数は、2n=14。

 類似種に、同属で花径が4~5cmあり、白色で萎むと桃色になるヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)Oenothera speciosa Nutt.と、咲き始めから桃色であるモモイロヒルザキツキミソウ(桃色昼咲月見草)Oenothera speciosa Nutt. var. childsii Munzがあります。

Japanese common name : Yu'ugesyou
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Oenothera rosea L'Hér. ex Aiton
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雄しべ8、雌しべ柱頭は先端が4裂する


ユウゲショウ(夕化粧)
別名:アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)
アカバナ科マツヨイグサ属
学名:Oenothera rosea L'Hér. ex Aiton
花期:5月~9月 多年草 草丈:15~50cm 花径:10~15mm

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【学名解説】
Oenothera : oinos(酒)+ther(野獣)/マツヨイグサ属
rosea : roseus(薔薇色の・淡紅色の)
L'Hér. : Charles Louis L'Héritier de Brutelle (1746-1800)
ex : ~による
Aiton : William Aiton (1731-1793)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

10 June 2006
Last modified: 20 November 2016
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by pianix | 2006-06-10 00:00 | | Trackback | Comments(2)
マキバブラシノキ(槙葉刷子の木)
 マキバブラシノキ(槙葉刷子の木)は、フトモモ科ブラシノキ属の常緑小高木です。オーストラリア原産で、日本へは明治の末期に渡来し、関東以西の暖地に分布します。名の由来は、花序をブラシに例えたもの。槙葉と別名のハナマキ(花槙)は、葉がマキ科のイヌマキ(犬槙)Podocarpus macrophyllus (Thunb.) D.Donの葉に似る事から。英名はStiff bottle brush。

 フトモモ科(Myrtaceae Juss. 1789)は、南半球の熱帯から温帯に約155属3600種以上があり、ブラシノキ属(Callistemon R.Brown, in Flinders, 1814)は、オーストラリア・タスマニア・ニューカレドニアに34種が分布します。

 樹高は通常2~4mですが、12m程までになるものもあるようです。葉は長さ8~10cmで細長く、革質で堅く全縁です。花期は、5月から6月頃。枝先に10~12cmの穂状花序(spike)を付けます。花弁は緑色で小さく、5枚あります。萼と共に開花後に脱落します。雄しべの花糸は光沢のある赤色で多数あります。初めは毛糸玉のような丸まった状態になっていて、解きほぐしながら伸ばし、まっすぐに展開します。花糸が出揃うと、ボトルブラシ状になります。雌しべは1本で、葯の色は黄色です。両性花です。果実は朔果で、枝に取り巻いて付きます。原産地では乾燥期や山火事の時に実を開き種子を散布します。

 ヨーロッパでは民間薬として咳、気管支炎、呼吸器感染症に用いられます。

参考文献:
Jirovetz L., Fleischhacker W.,Bbuchbauer G.,Ngassoum M.B., Sci.Pharm.,65,315-319(1997)

Japanese common name : Makiba-burasinoki
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Callistemon rigidus R.Br.
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2005.05.19 上部から花糸が伸び始める
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丸まっている花糸


マキバブラシノキ(槙葉刷子の木)
別名:キンポウジュ(金宝樹)/ハナマキ(花槙)/カリステモン(Callistemon)
フトモモ科ブラシノキ属
学名:Callistemon rigidus R.Br.
花期:5月~6月 常緑小高木 樹高:2~12m 穂状花序:10~12cm

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【学名解説】
Callistemon : callos(美しい)+stemon(雄しべ)/ブラシノキ属
rigidus : 硬直の、曲がらない、堅い、強直な
R.Br. : Robert Brown (1773-1858)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸(植生) 2006.05.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

02 June 2006
Last modified: 18 January 2015
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by pianix | 2006-06-02 00:00 | | Trackback | Comments(4)
ムラサキツメクサ(紫詰草)
 ムラサキツメクサ(紫詰草)は、マメ科シャジクソウ属の多年草です。ヨーロッパ原産で、日本全国に分布する帰化植物です。明治初期に北海道へ牧草として輸入され、その後に各地へ広がり野生化しました。名の由来は、紫色の詰草から。詰草は、梱包された品を壊さないようにする緩衝材として使われた事によります。別名のアカツメクサ(赤詰草)の名でも親しまれています。英名は、Red clover、あるいはwild clover。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があります。シャジクソウ属(Trifolium L. (1753))は、温帯から亜熱帯に約300種があり、日本の在来種として自生するのは1種のみです。

 地下茎があり繁殖します。類似種のシロツメクサ(白詰草)と異なり、茎は地を這わず直立し、30~60cm程までの草丈になります。全体に褐色の軟毛があります。葉は3出複葉です。普通3小葉で、稀に4小葉があります。小葉は卵形または長楕円形で長さ2~3cm、中程にV字をした白の斑紋があります。

 花期は5月から10月の長期に渡ります。茎頂の葉腋から、紅紫色で長さ20~25mmの総状花序を球形に付けます。稀に白色になる品種があり、シロバナアカツメクサ(白花赤詰草)Trifolium pratense L. f. albiflorum Alef.と呼ばれます。ムラサキツメクサの品種なのに、ここではアカツメクサが使われていて和名に統一感がありません。セッカツメクサ(雪華詰草)の名でも知られています。

 花序の下に葉を1対付けます。シロツメクサとの分りやすい相違点です。頭花は蝶形花の集合体で多数あります。蝶形花は、旗弁1・翼弁2・竜骨弁2からなり、花弁の合計数は5枚です。萼は5裂します。10本の雄しべがあり、内9本が筒状になる二体雄ずいです。果実は豆果です。長さ2~3mmの卵円形をした1枚の心皮 (carpel) からなる鞘で、種子は1個あり長さ約1.5mm。染色体数は、2n=28。

 マメ科植物の特徴である、根粒バクテリア共生による窒素固定作用があります。畑等で緑肥として使われます。ハーブとしての利用もあります。イソフラボン(Isoflavone)やアントシアニン(Anthocyanine)、ジェニスティン (Genistein)等が含まれます。咳・痰・強壮・便秘等に効果があるとされ、更年期障害の軽減を期待する使い方もあります。

参考:シロツメクサ(白詰草)コメツブツメクサ(米粒詰草)

Japanese common name : Murasaki-tume-kusa
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Trifolium pratense L.

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花序の下に一対の葉を付ける。頭花は蝶形花の集合体で、萼裂片は線形で5裂。
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旗弁1・翼弁2・竜骨弁2からなる蝶形花で、花弁の合計数は5枚
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花冠拡大

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左:果実は豆果で心皮に包まれる 右:種子は長さ約1.5mm
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シロバナアカツメクサ(白花赤詰草)/別名:セッカツメクサ(雪華詰草)
Trifolium pratense L. f. albiflorum Alef.


ムラサキツメクサ(紫詰草)
別名:アカツメクサ(赤詰草)/赤クローバー
マメ科シャジクソウ属
学名:Trifolium pratense L.
花期:5月~10月 多年草 草丈:30~60cm 花序径:20~25mm

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【学名解説】
Trifolium : treis(三)+folium(葉)/シャジクソウ属
pratense : pratensis(草原生の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
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シロバナアカツメクサ(白花赤詰草)
f. : forma(品種)
albiflorum : albiflorus(白花の)
Alef. : Friedrich Georg Christoph Alefeld (1820-1872)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10.5km 左岸土手 2006.05.24, 2017.05.04, 2017.08.31
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

29 May 2006, 26 November 2014, 23 May 2017, 19 August 2017
Last modified: 04 September 2017
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by pianix | 2006-05-29 00:00 | | Trackback | Comments(0)