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センダン(栴檀)
 花の香りで、センダンがある事に気が付いたことがありました。その後、河川敷にも何本かのセンダンがある事を確かめました。そして今の季節、この果実にも気が付かないで通り過ぎていました。すでに葉は全て落ち、果実だけが残されています。小さな花を追い求めていると、高木に目が行かないようです。ある図鑑に、「においはない」と記されていました。「栴檀は双葉より芳し」で詠われている栴檀とは、ビャクダン科のビャクダン(白檀)のことであり、それと間違えないように「樹木」に臭いはないと記したのでしょう。センダンの花には香りがあります。

 センダン(栴檀)は、センダン科センダン属の落葉高木です。アジアに分布します。日本では、本州(伊豆半島以西)・四国・九州・沖縄に分布します。名の由来は、不明です。栴檀(zhāntán)はビャクダン(檀香)の異名で、その名が誤用され転訛したと言われています。中国名は、楝(liàn)。

 センダン科(Meliaceae Juss. (1789))は、熱帯や亜熱帯に約46属700種が分布します。センダン属(Melia L. (1753))は、東アジア(インド、中国、アジア南東部)やオーストラリアに約10種があり、日本には本種のみが自生します。

 葉は互生します。奇数羽状複葉。小葉は卵形で、鈍い鋸歯があります。花期は、5月~6月。葉腋から複集散花序を出します。花は径15~20mmで、淡紫色。萼片5枚、花弁5枚、合着して筒状になった紫色の雄しべが10本あります。果実は淡黄色をした長楕円形の核果で、長さ15~20mm。5~6室に分かれた各室に1個の種子があります。落葉した後も残ります。

 生薬で、クレンシ(苦楝子)として整腸、鎮痛薬に用います。しかし、民間療法で気をつけなければならない事は、その量です。中毒事故の事例があります。果実には有毒成分の、メリアトキシン(meliatoxin)A1, A2, B1が含有1,2)されていて、子供の場合で6~8個の摂取が致死量になります。48時間で死に至ります。犬の場合は5~6個、豚や羊では体重(kg)あたり5gです。

 山上憶良の「妹が見し棟(あふち)の花は散りぬべしわが泣く涙いまだ干(ひ)なくに」(万葉集・巻五・七九八)は、センダンの古名であるアフチが詠み込まれています。初夏に咲いたセンダンの花を見た妻は逝ってしまい花も散ってしまった。「私が流した涙はまだ乾いてもいないのに」との嘆きの歌です。ただし、山上憶良(やまのうえのおくら)の妻ではないようです。山上憶良は斉明天皇6年(660年)頃の生まれと言われていますから、今から1300年ほど前の事です。

1) Hare, W.R. 1998. Chinaberry (Melia azedarach) poisoning in animals. In Toxic plants and other natural toxicants. p514-516.
2) Hare, W.R. et al. 1997. Chinaberry poisoning in two dogs. J. Am. Vet. Med. Assoc. 210:1638-1640.
* Meliatoxin A1(C35H46O12), A2(C34H44O12), B1(C35H46O12)

Japanese common name : Sendan
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Melia azedarach L. var. subtripinnata Miq.
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花|2005.05.19

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果実|2016.12.31
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木肌


センダン(栴檀)
古名:アウチ(樗)
センダン科センダン属
学名:Melia azedarach L. var. subtripinnata Miq.
花期:5月~6月 落葉高木 樹高:7~10m 花径:15~20mm 果期:12月

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【学名解説】
Melia : トネリコ(Fraxinus)のギリシャ名/センダン属
azedarach : 高貴な木(ペルシャ語から)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)
subtripinnata : subtripinnatus(やや三回羽状の)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.5km 右岸土手 2005.05.19, 2006.01.17
安倍川/河口から5.85km 左岸河川敷 2016.12.31
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

08 September 2010
Last modified: 06 January 2017
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by pianix | 2006-01-17 00:00 | | Trackback(1) | Comments(2)
サザンカ(山茶花)
 サザンカは、ツバキ科ツバキ属の常緑小高木です。日本を原産とする花木で、学名にも日本語のsasanquaが使われています。和名の「山茶花」は、サンサカが訛ったものとの説があります。もっとも、漢名の山茶花は、和名のツバキ(椿)の事で、混同し誤用されたようです。サザンカは、ツバキ科ツバキ属である事から分かるように、ツバキと似ています。それで、欧米ではサザンカとツバキを区別しません。野生種のサザンカは、九州や四国に分布し、原種の花色は白です。品種は300種ほどで、ツバキ(原種は紅色)ほど品種改良は進んでいません。近縁種に、カンツバキ群、ハルサザンカ群があります。

 サザンカは秋咲きで、花は平開します。花弁の基部と雄しべが合着するツバキと異なり、分離します。これによって、花びらが散り、雄しべだけが後に残る事は珍しくありません。合着が強いツバキのように、花全体が落ちる事はありません。花は一重か二重で、八重咲きはありません。葉は、長さ3~7cm程の小型長卵形で、厚くて堅く、暗緑色で鋸歯を持ち、子房・若枝・葉の主脈の上下面、果実に毛があります。葉が互生し托葉が無い事は、ツバキ科に共通する特徴です。果実は卵形の蒴果で、熟すと黒褐色の種子を出します。

 一番やっかいなのはカンツバキ(寒椿)で、見分けには苦労させられます。一般的に、カンツバキは枝が横に伸びる性質があり、樹高は100cm程までです。それ以上の場合はサザンカの可能性が高いようです。

 サザンカ(山茶花)と聞くと思い出すのが、唱歌「たき火」です。しかし、それは2節で、「さざんか さざんか 咲いている/たき火だ たき火だ 落葉たき/あたろうか あたろうよ/しもやけ おててが もうかゆい(作詞:巽聖歌)」です。焚き火や霜焼けとは、幼少を思い出す懐かしい風景です。
*巽聖歌 (Tatumi Seika) :1905(明治38)年2月12日~1973(昭和48)年4月24日

Japanese common name : Sazanka
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Camellia sasanqua Thunb.


サザンカ(山茶花)
ツバキ科ツバキ属
学名:Camellia sasanqua Thunb.
花期:10月~12月 常緑小高木 花径:5~8cm 樹高:1~10m 果期:9~10月

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【学名解説】
Camellia : Georg Josef Kamel (1661-1706)宣教師の名に因む/ツバキ属
sasanqua : サザンカ(日本名)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
ex : ~による
Murray : Johan Andreas Murray (1740-1791)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷(植栽) 2005.12.14

05 January 2006
Last modified: August 12, 2008
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by pianix | 2006-01-05 00:00 | | Trackback(1) | Comments(1)
ハナカタバミ(花片喰)
 ハナカタバミ(花片喰)は、カタバミ科カタバミ属の多年草です。南アフリカ・ケープ地方原産の帰化植物で、江戸時代の天保年間に渡来したと言われてる、カタバミの園芸品種です。暖地では路地植ができ、野生もします。関東以南で越冬可能です。中国名は、大花酢漿草。

 カタバミ科(Oxalidaceae R.Br. (1818))は、8属約930種が分布します。カタバミ属(Oxalis L. (1753))は約850種があり、日本には6種が自生します。

 カタバミの属名はOxalis(オキサリス)で、酸っぱい事を表しています。これは葉に酸性成分の蓚酸(しゅうさん=oxalic acid)が含まれているためです。蓚酸の「蓚」は、中国名でスイバ(酢葉)の事です。そこから蓚酸と名付けられました。蓚酸を多量に採るとカルシウムと結合して不溶性の蓚酸カルシウムを作り出すため、尿路結石の原因となる事があります。カタバミの別名は、この酸味を表していて、スイグサ、スイモノグサ、スグサと呼ばれています。中国では酢漿草と書き表しますが、これはカタバミの当て字として使われています。

 ハナカタバミの花は大型で、そこから花の大きいカタバミの意味で名付けられました。花茎は30mm程あります。濃い紅色をしていて、中心部と葯の色は黄色です。日光が当たらないと花は充分に開かないのは、カタバミ全般に言える事です。葉は小葉が3枚の丸みのあるハート形(倒心形)で、花柄に細かい毛があります。似ているベニカタバミ(紅片喰)は、艶がある事で区別します。変種が幾つかあり、白色の花や斑入りの葉を持つものもあります。紡錘形の白い塊茎を持ち繁殖します。カタバミの印象は悪いようで、それを避けるためにオキザリス・ボーウィの名も使われています。でも、学名を言っているだけで何ら変わりません。

参考:カタバミ(傍食) ムラサキカタバミ(紫傍喰)

Japanese common name : Hana-katabami
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Oxalis bowiei Herb.


ハナカタバミ(花片喰)
別名:オキサリス・ボーウィ(Oxalis bowiei)
カタバミ科カタバミ属
学名:Oxalis bowiei Herb.
synonym : Oxalis purpurata Jacq. var. bowiei (Herb.) Sond.
synonym : Oxalis bowieana Lodd.
花期:10月~4月 多年草(耐寒性球根) 草丈:20~30cm 花径:3~5cm

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【学名解説】
Oxalis : oxys(酸っぱい)/カタバミ属
bowiei : James Bowie(1789-1869)氏の
Herb. : William Herbert (1778-1847)
---
synonym(シノニム):同意語、異名。
purpurata : purpuratus(紅紫色の)
Jacq. : Nikolaus Joseph von Jacquin (1727-1817)
Sond. : Otto Wilhelm Sonder (1812-1881)
---
bowieana : James Bowie(1789-1869)の
Lodd. : Conrad Loddiges (1738-1826)

撮影地:静岡県静岡市
葵区安倍口 2005.10.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

31 August 2013, 18 August 2015
Last modified: 9 October 2016
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by pianix | 2005-12-19 00:00 | | Trackback | Comments(1)
ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)
 ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)は、キク科ベニバナボロギク属の1年草です。ボロギク(襤褸菊)は、本種とは異なるキク科キオン属で、サワギク(沢菊)の別名です。花後に白い冠毛ができ、それをボロに例えたものと言われています。ベニバナボロギクも、赤い筒状花が同様な冠毛を付けるので名が付けられたようですが、詳細は不明です。冠毛は風で運ばれます。アフリカ原産の帰化植物で、日本には戦後(1946年)に渡来し、急速に広まり、本州、四国、九州、沖縄に分布します。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。ベニバナボロギク属(Crassocephalum Moench, 1794)はアフリカ地域に約30種があります。

 花は管状花で、下向きに咲きます。枯れたり弱っているわけではありません。筒状で、これ以上は開きません。ノボロギク(野襤褸菊)やダンドボロギク(段戸襤褸菊)の形状に似ていますが、その頭花は黄色で、こちらは緑と紅色のコントラストが目立ちます。葉は、下部は羽状に切れ込みがあり、上部は切れ込みの度合いが少なく、互生します。茎は、水分が多めで柔らかく、途中で枝分かれします。染色体数は、2n=40。

 茎も葉も食用となり、春菊に近い味がするとの事です。別名のナンヨウシュンギク(南洋春菊)は、戦時中に軍人の食料とされた事があり、その時に付けられた名前です。

Japanese common name : Benibana-borogiku
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Crassocephalum crepidioides (Benth.) S.Moore


ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)
別名:ナンヨウシュンギク(南洋春菊)/ショウワソウ(昭和草)
キク科ベニバナボロギク属
学名:Crassocephalum crepidioides (Benth.) S.Moore
花期:8月~12月 1年草 草丈:30~70cm 花径:約7mm

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【学名解説】
Crassocephalum : Marcus Licinius Crassus (BC.114-BC.53)+cephale(頭)/ベニバナボロギク属
crepidioides : Crepis(長靴)属+dioides(似た)
Benth. : George Bentham (1800-1884)
S.Moore : Spencer Le Marchant Moore (1850-1931)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川 2005.11.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

16 December 2005
Last modified: June 14, 2008
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by pianix | 2005-12-16 00:00 | | Trackback | Comments(5)
ノハラアザミ(野原薊)
 ノハラアザミ(野原薊)は、キク科アザミ属の多年草です。5月~6月にかけて咲きますが、時折、静岡のような温暖な地方では秋にも咲く事があります。それなので、秋に咲くのはノハラアザミ、とは言えない状態です。しかも、安倍川流域で見るのはノアザミばかりで、ノハラアザミ(野原薊)と出会う事がありませんでした。それが今年は、2カ所で咲いているのを見つけました。あるところにはある、と言うしかありませんでした。

 ノアザミの総苞(花の付け根に当たる部分)は粘り、総包片は反りかえりません。一方のノハラアザミは、総苞が鐘球形で、総包片が反りかえり、粘り気はありません。また、花が咲く時期の根生葉にも違いが見られ、ノアザミは曖昧になりますが、ノハラアザミは、はっきりと残ります。どちらも、タンポポのような冠毛がある種を付け、風によって散布します。

 アザミは、その棘により、太古の昔から嫌われるものの筆頭のように扱われています。聖書には幾つかのアザミを扱った箇所がありますが、最初に現れる部分は、神の戒めを守らなかったアダムに対して発せられる、恐ろしい場面です。『3:17 神はアダムに向かって言われた。「おまえは女の声に従い/取って食べるなと命じた木から食べた。お前のゆえに、土は呪われるものとなった。お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。3:18 お前に対して/土は茨とあざみを生えいでさせる/野の草を食べようとするお前に。3:19 お前は顔に汗を流してパンを得る/土に返るときまで。お前がそこから取られた土に。塵にすぎないお前は塵に返る。」』創世記3章17~19節(新共同訳聖書)

参考:フジアザミ(富士薊)

Japanese common name : Nohara-azami
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Cirsium oligophyllum (Franch. et Sav.) Matsum.

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ノハラアザミ(野原薊)
キク科アザミ属
学名:Cirsium oligophyllum (Franch. et Sav.) Matsum.
synonym : Cirsium tanakae (Franch. et Sav.) Matsum.
花期:8月~10月 多年草 草丈:40~100cm 花径:3~5cm

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【学名解説】
Cirsium : cirsion[静脈腫(cirsos)に効くCarduus pycnocephalus Linn.]の転用/アザミ属
oligophyllum : oligo(少数の)+phyllon(葉)
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Sav : Paul Amedee Ludovic Savatier (1830-1891)
Matsum. : 松村任三 (1856-1928)
---
tanakae : 田中芳男 (1838-1915)の

撮影地:静岡県静岡市
内牧川(安倍川水系) 2005.11.17
安倍川/河口から8.5km 左岸 2006.09.27
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

June 21, 2008
Last modified: 24 March 2014
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by pianix | 2005-12-01 00:00 | | Trackback | Comments(4)
マルバルコウ(丸葉縷紅)
 マルバルコウ(丸葉縷紅)は、ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。熱帯アメリカ原産の蔓植物です。太い茎を持ち、左巻きの蔓で巻き付いて立ち上がります。同じ蔓植物のルコウソウ(縷紅草)の葉が細く羽状なのに対し、丸い葉を付ける事から名付けられました。「縷」とは細かいという意味なので、丸葉がつくと本来の意味と矛盾することになってしまいます。また、丸葉とはいえ、ハート形で、葉先は尖っています。7月から10月にかけて、朱色の小さなラッパ形の花を咲かせます。染色体数は、2n=18。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は、熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、500種程があります。旧分類のルコウソウ属(Quamoclit Moench, 1794)は、熱帯アメリカやインドに約10種があります。

 1850年頃に観賞用として渡来したと言われ、寛永年間から栽培の記録があります。現在は野生化し、本州中部以南に分布し、帰化しています。土手などの野生植物に絡まって咲いている事が多いのですが、畑に侵入すると作物の発生消長1)が起き、やっかいな害草扱いとなります。マルバルコウとルコウソウ(縷紅草)の交配種に、モミジルコウ(紅葉縷紅)Ipomoea x multifida (Raf.) Shinnersがあります。

1)発生消長(はっせいしょうちょう):受精から成体(発芽や孵化)の過程が衰えたり盛んになる事。
※植物防疫法により、条件下での輸入禁止及び移動禁止の規制がかかっています。

Japanese common name : Maruba-rukou
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Quamoclit coccinea L.

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マルバルコウ(丸葉縷紅)
別名:ウチワルコウソウ(団扇縷紅草)/ツタノハルコウ(蔦の葉縷紅)/マルバルコウソウ(丸葉縷紅草)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea coccinea L.
synonym : Quamoclit coccinea (L.) Moench
synonym : Quamoclit angulata (Roem. et Schult.) Bojer
花期:7月~10月 1年草 草丈:2~5m(蔓性) 花径:15~18mm

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【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
coccinea : coccineus(紅色の/緋紅色の)
L. : Carl von Linne(1707-1778)
---
Moench : Conrad Moench (1744-1805)
---
x : 二種間交配種
multifida : multifidus(多数に中裂した)
Raf. : Constantine Samuel Rafinesque-Schmaltz (1783-1840)
Shinners : Lloyd Herbert Shinners (1918-1971)
---
Quamoclit : kyamos(豆)+clitos(低い)/ルコウソウ属
angulata :angulatus(稜のある、角張った)
Roem. : Johann Jacob Roemer (1763-1819)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Schult. : Josef August Schultes (1773-1831)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14.25km 左岸土手 2005.11.02
安倍川/河口から8km 左岸河川敷 2016.09.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

June 21, 2008, 30 September 2015
Last modified: 6 October 2015
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by pianix | 2005-11-13 00:00 | | Trackback | Comments(4)
キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)
 キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)は、ナス科キダチチョウセンアサガオ属の常緑低木です。朝鮮とつけられていますが、原産地は南アメリカです。外国産で木本の朝顔に似た、という意味合いの名前です。

 ナス科(Solanaceae Juss. (1789))は、世界に90属約2300種が分布します。旧属名はチョウセンアサガオ属(Datura L. (1753))で、現在はキダチチョウセンアサガオ属(Brugmansia Persoon, 1805)に転属されました。しかし、以前の属名でダツラ(ダチュラ)と呼ばれる事もあります。南アメリカに約5種が分布します。

 チョウセンアサガオ属の花は上向きに、キダチチョウセンアサガオ属は下向きにラッパ状の香りある花を咲かせます。ヨウシュチョウセンアサガオ(洋種朝鮮朝顔)よりも大型で、成長すると4mに達するものもあります。花色は白で、時間経過と共に色合いが変わっていきます。挿し木で増やす事ができます。園芸種として、黄色花品種のJamaican yellow、桃色のEquador Pinkなどがあります。果実には棘状の突起はありません。

 チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔)と同様に毒1)がありますから、扱った後の手洗いを忘れないようにする必要があります。

1)トロパンアルカロイドと呼ばれるアトロピン(Atropine)、スコポラミン(Scopolamine)、ヒヨスチアミン (Hyoscyamine)等が含まれ、中毒症状(目眩、四肢弛緩、嘔吐、瞳孔散大、痙攣、呼吸困難)を起こす。ヒヨスチアミンは、ナス科のヒヨス(天仙子/菲沃斯)Hyoscyamus niger L. からの命名。

参考:ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)-1 ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)-2

Japanese common name : Kidati-chousen-asagao
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Brugmansia suaveolens (Humb. et Bonpl. ex Willd.) Sweet

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左:若い葉 右:茎

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高さ200~300cmになる木本。葉は互生し長さ15~20cmで鋸歯がある。

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花冠の先端は4~5裂して尾状に尖り、長さ25~30cm。5個の雄しべと長い雌しべ。


キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)
別名:オオバナチョウセンアサガオ(大花朝鮮朝顔)/カシワバチョウセンアサガオ(柏葉朝鮮朝顔)
流通名:エンジェルズトランペット(Angel's trumpet)/天使のラッパ
ナス科キダチチョウセンアサガオ属
学名:Brugmansia suaveolens (Humb. et Bonpl. ex Willd.) Sweet
花期:6月~9月 常緑低木 樹高:200~300cm 花冠長:25~30cm 花径:10~20cm

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【学名解説】
Brugmansia : Sebald Justinus Brugmans (1763-1819)/オランダの植物学者に因む
suaveolens : (suāve+olēns)快い+匂い/芳香のある
Humb : Alexander von Humboldt (1769-1859)
et : 及び(命名者が2名の時など・&に同じ)
Bonpl. : Aime Jacques Alexandre Bonpland (1773-1858)
ex : ~より (代わりに発表)
Willd. : Carl Ludwig von Willdenow (1765-1812)
Sweet : Robert Sweet (1783-1835)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14.25km 左岸(植栽) 2005.11.02
葵区内牧(内牧川) 2015.09.28
駿河区小坂(農道) 2015.10.09
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

June 22, 2008
Last modified: 12 October 2015
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by pianix | 2005-11-05 00:00 | | Trackback(1) | Comments(3)
ボタンクサギ(牡丹臭木)
 ボタンクサギ(牡丹臭木)は、シソ科クサギ属の落葉低木です。半円球状に花を咲かせるので、遠くから見れば赤い紫陽花の雰囲気です。しかし、葉も、雄花と雌花が長く突きだした花も、クサギそっくりです。当然、葉を揉めば臭い臭いがするのですが、眺める分には別段気になりません。園芸として育てられていますが、性質が強い事から野生化する事もあるようです。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。オドリコソウ属Lamiumに由来する名です。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。旧科名のクマツヅラ科(Verbenaceae Jaume Saint-Hilaire, 1805)は、南半球に約100属3000種が分布します。クサギ属(Clerodendrum L. (1753))は、約100種が知られています。

 余談です。私は花の名前を知りたいと観察に出かけます。花の名前を覚えるのが大変なのに、学名には植物学者の名前が登場します。人の名前を覚えるのが大の苦手なのです。それでも調べようとすると相当の時間がかかってしまいます。海外のサイトに行って訳の分からない言葉と対面し、頭をクラクラさせています。

参考:クサギ(臭木)

Japanese common name : Botan-kusagi
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Clerodendrum bungei Steud.


ボタンクサギ(牡丹臭木)
別名:ヒマラヤクサギ(ヒマラヤ臭木)/ベニバナクサギ(紅花臭木)
シソ科クサギ属
学名:Clerodendrum bungei Steud.
花期:7月~9月 落葉低木 樹高:100~150cm 花序径:10cm

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【学名解説】
Clerodendrum : cleros(運命)+dendron(樹木)=Clerodendron/クサギ属
bungei : Alexander von Bunge (1803-1890)氏の/ウクライナの植物学者
Steud. : Ernst Gottlieb von Steudel (1783-1856)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸土手(植栽) 2005.10.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: June 25, 2008
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by pianix | 2005-10-22 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ミゾソバ(溝蕎麦)
 今年は、ママコノシリヌグイをよく観察していません。蕾が開いているものが少ないようです。イシミカワも実が色づいているものがありません。どちらもタデ科イヌタデ属で、葉が三角形をしていて、棘が鋭い特徴を持っています。アキノウナギツカミの葉は細長い形をしています。

 その点、このミゾソバ(溝蕎麦)は、葉の形が鉾形で、棘はあるものの、触っても痛くありません。「触るな危険」植物は、棘か毒を持っていますが、ミゾソバは大丈夫です。この種の花は、どれもよく似ています。タデ科の特徴として、花弁はありません。5つの萼片でできています。

 タデ科(Polygonaceae Juss. (1789))は北半球に約40属800種があります。タデ科の特徴は、葉柄の基部の托葉が茎を包む形の托葉鞘(たくようしょう)となる事です。イヌタデ属(Persicaria (L.) P.Miller, 1754)は北半球に約100種あり、日本には約30種があります。旧属名はPolygonumで、polys(多い)+ gonu(節)の意味を持ち、節が関節のように膨れる事に因みます。

 ミゾソバは、漢字表記そのままの、溝に生える蕎麦に似た植物という意味合いです。蕎麦と名が付くのは、救荒植物として蕎麦のように食べられた事によります。ウシノヒタイも、葉が牛の顔に似ているから。如何にも牛らしい模様が出てくる個体もあります。

 地下に閉鎖花を付けます。湿地、あるいは水辺に咲く事から、増水と戦わなければならない事もあります。過酷な生育条件下での生き残り作戦なのでしょう。

Japanese common name : Mizo-soba
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Persicaria Thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross


ミゾソバ(溝蕎麦)
別名:ウシノヒタイ(牛の額)
タデ科イヌタデ属
学名:Persicaria Thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross
花期:8月~10月 1年草 草丈:30~100cm 花径:4~7mm

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【学名解説】
Persicaria : persica(モモ)に似る/イヌタデ属
thunbergii : 植物学者ツンベルク氏の/Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
Zucc. : Joseph Gerhard Zuccarini (1797-1848)
H.Gross : Hugo Gross (1888-1968)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9km 右岸河川敷 2005.10.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 14 October 2005
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by pianix | 2005-10-14 00:00 | | Trackback(1) | Comments(2)
ハナトラノオ(花虎の尾)
 シソ科の仲間で花が大きいものの一つではないでしょうか。花穂が長いものにトラノオの名称が付きますが、花が大きいので花虎の尾。シソ科らしく茎が四角いので角虎の尾とも。当然、唇形の花は四方に咲く事になります。

 原産地はアメリカで、英名は、Virginia lion's heart。強い性格で、地下茎で繁殖するので、水さえ切らさなければ大丈夫。野生もします。ピンク、白などの花色があります。

【シソ科(Labiatae)】
参考:オカトラノオ(丘虎尾) メハジキ(目弾) ハッカ(薄荷) ウツボグサ(靭草) ホトケノザ(仏の座) ヒメオドリコソウ(姫踊子草)

Japanese common name : Hana-torano-o
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Physostegia virginiana (L.) Benth.
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ハナトラノオ(花虎の尾)
別名:カクトラノオ(角虎の尾)/フィソステギア(Physostegia)
シソ科ハナトラノオ属
学名:Physostegia virginiana (L.) Benth.
花期:7月~9月 多年草 草丈:60~120cm 花穂:10~30cm

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【学名解説】
Physostegia : physa(胞)+stege(蓋をする・蔽う)/ハナトラノオ属
virginiana : virginianus(北米バージニアの)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Benth. : George Bentham (1800-1884)

撮影地:静岡県静岡市
葵区安倍口(植栽) 2005.09.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 4 October 2005
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by pianix | 2005-10-04 00:00 | | Trackback | Comments(4)