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イチビ(*伊知比)
 イチビは、アオイ科イチビ属の1年草で、インド原産の帰化植物です。アジア、南ヨーロッパ、北アフリカ、オーストラリア、北アメリカに分布します。古くに中国から繊維作物として導入され、1905(明治38)年に定着が確認されています。標本では1865年のものが存在します。日本では、全国に分布します。生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。名の由来は、茎の芯を火口に使用した事から、打火が転訛したとの説があります。別名のキリアサ(桐麻)は、葉をキリに見立てたもの。英名は、Velvetleafの他、多数あります。

 アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は、温帯から熱帯に、約75属1500種が分布します。イチビ属(Abutilon Mill. (1754))は、アジアからヨーロッパにかけての温帯から熱帯に約100種があります。日本には3属があり、2種が自生します。

 現在、日本には2系統のイチビが存在します。栽培されていたイチビが逸出して野生化したものと、近年入ってきた輸入穀物混入系統です。果実に違いが見られ、古くからあった栽培逸出系統は蒴果が黒くならず、輸入穀物混入系統は熟すと蒴果が黒くなり種子の生産量が多くなる性質があります。両系統は遺伝的に遠い関係にあるとされています。

 葉は互生し、長い柄があります。長さ7~10cmの心円形で鋸歯があり、両面に軟毛があります。英名のVelvetleafは、そのベルベットのような感触から名付けられたと思われます。独特の臭いがあります。葉腋から花茎を伸ばし先端に花を単生させます。花は黄色の5弁花で、直径15~20mm。夕には萎む一日花です。雄しべは筒状に合着します。子房は合着した雄しべに包まれています。両性花です。果実は分果で、10~15分果になり、1分果に直径3mmの種子が3~5個あります。染色体数は、2n=42。

 畑地の強害草です。近似種に、ニシキアオイ(錦葵)Anoda cristata D.F.K.Schltdl.があり、メキシコ原産で花色は紫色です。別名はミズイロアオイ。こちらもアメリカなどでの畑地強害草です。

★  ★  ★

 去年、海に近い土手斜面でイチビが咲いているのを確認しました。近くの畑地から種子が飛んで来たものと考えられます。しかし、畑でイチビは確認されませんでした。しばらくして様子を見に行くと、刈り取られたのか所在が不明になりました。イチビの種子は土中で20年以上の寿命がありますから、今後も観察を続けたいと考えています。

Japanese common name : Itibi
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Abutilon theophrasti Medik.

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▲ 撮影地:安倍河口から0.50km/左岸土手 2005.09.14
左:果実 右:全体

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▲ 撮影地:静岡県立大学薬用植物園 2006.09.08
左:黒色化した果実がある 右:葉
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▲ 撮影地:藤枝市岡部町・朝比奈川 2010.08.22
黒色化した実


イチビ(*伊知比)
別名:ボウマ(ぼう麻)/キリアサ(桐麻)
アオイ科イチビ属
学名:Abutilon theophrasti Medik.
synonym : Abutilon avicennae Gaertn.
花期:7月~9月 1年草 草丈:100~250cm 花径:15~20mm

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【学名解説】
Abutilon : a(否定)+bous(牝牛)+tilos(下痢)/イチビ属
theophrasti : Theophrastus (372-287 BC)に因むTheophrasta属のような
Medik. : Friedrich Kasimir Medikus (1736-1808)
---
avicennae : Avicenna(980-1037)に因む
*Avicenna [Abu-Ali Al-Husain Ibn Abdullah Ibn Sina]
Gaertn. : Joseph Gaertner (1732-1791)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0.50km 左岸土手 2005.09.14
静岡県立大学薬用植物園 2006.09.08
藤枝市岡部町 2010.08.22
[Location : Shizuoka City, & Fujieda City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

13 September 2006, 08 September 2010
Last modified: 30 August 2016
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by pianix | 2006-09-13 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ダイコンソウ(大根草)
 ダイコンソウ(大根草)は、バラ科ダイコンソウ属の多年草です。日本や中国が原産です。国内では全土に分布する在来種です。名の由来は、根生葉が大根の葉に似ている事から。ダイコンの名が付いていますが、ダイコン(アブラナ科)の仲間ではなく、バラ科です。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、南極を除く、ほぼ全ての大陸に約107属3100種が分布します。ダイコンソウ属(Geum L. (1753))は、北半球の温帯から亜寒帯に約50種があり、日本には5種が自生します。

 茎や葉には軟毛が密生します。草丈は25~60cm。根生葉は長さ10~20cmの奇数羽状複葉で、鋸歯があります。頂小葉は広卵形で長さ3~6cm、側小葉は倒卵形で鈍鋸歯があります。茎葉は3裂します。

 花期は7月から8月頃で、分枝した茎頂に、径1~2cmで黄色の5弁花を付けます。雄しべと雌しべは多数あります。雌しべの花柱は5~6mmで関節があり、S字形に捻れます。花後に花柱の関節から先が脱落し、鉤状に曲がります。果実は痩果が集まった集合果で、径15mm程の球形。動物に付着して散布されます。染色体数は、2n=42。

 近似種に、本州中部以北に分布するオオダイコンソウ(大大根草)Geum aleppicum Jacq.があり、この集合果は20~25mmの楕円形をしています。

Japanese common name : Daikon-sou
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Geum japonicum Thunb.

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左:緑色の雌しべ 右:萼

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左:S字型に捻れた花柱の痩果 右:奇数羽状複葉の根生葉。長さ10~20cm


ダイコンソウ(大根草)
バラ科ダイコンソウ属
学名:Geum japonicum Thunb.
花期:7~8月 多年草 草丈:25~60cm 花径:1~2cm

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【学名解説】
Geum : geuo(美味)/ダイコンソウ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
Juss. : Adrien Henri Laurent de Jussieu (1797-1853)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川上流 2006.08.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

30 August 2006
Last modified: 14 March 2014
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by pianix | 2006-08-30 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ミヤコグサ(都草)
 ミヤコグサ(都草)は、マメ科ミヤコグサ属の多年草です。東アジアの温帯(朝鮮・中国・ヒマラヤ)が原産です。国内では全土に分布する史前帰化植物です。名の由来は、奈良や京都の都周辺に咲いていたという説、ミャクコングサ(脈根草)が転訛したものとの説があります。英名は、Bird's foot trefoil。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があり、日本には41属100種が自生します。ミヤコグサ属(Lotus L. (1753))は世界に約150種が分布します。

 茎は根元で分枝して地を這います。斜上し、草丈15~35cmになります。茎や葉、萼は無毛です。対してセイヨウミヤコグサには毛があります。奇数羽状複葉で、5枚の倒卵状楕円形をした小葉があります。内2枚は托葉になっているので3出複葉に見えます。長さ6~13mmで幅は3~8mm。萼は筒状で、萼片は萼の長さの半分以上裂けます。

 花期は4月から10月頃。花茎を長く伸ばして、先に2~3個の花を付けます。花径10~15mmの蝶形花で、黄色。花弁は、上部にある旗弁 (standard petal)、左右にある翼弁 (wing petals)、下に2つある竜骨弁 (keel petals) の計5枚からなります。2個の竜骨弁は筒状になり、雄しべと雌しべを包みます。雄性先熟です。染色体数は、2n=12。

 果実は長さ20~35mmの豆果で、細長い円柱形をしています。熟すと2裂して黒色の種子を出します。種子は、堅い種皮に覆われています。マメ科の特徴である根粒菌は、Mesorhizobium loti(ミヤコグサ根粒菌)。本種はゲノムサイズ(約4億5千万塩基対)が小さくライフサイクルが短い(2ヶ月)事からマメ科のモデル植物として扱われています。

 類似種として、在来種で開花後に黄赤色になるニシキミヤコグサ(錦都草)Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel f. versicolor Makino 、帰化種のセイヨウミヤコグサ(西洋都草)Lotus corniculatus L. var. corniculatus(染色体数:2n=24)があります、。種や挿し芽で簡単に増殖できます。

Japanese common name : Miyako-gusa
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Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel

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左:萼の部分。萼や茎に毛が無い。右:セイヨウミヤコグサは毛がある

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右:豆果。左はセイヨウミヤコグサ。初めは緑で、熟すと黒色化する。
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セイヨウミヤコグサ(西洋都草)
Lotus corniculatus L. var. corniculatus


ミヤコグサ(都草)
別名:エボシグサ(烏帽子草)
マメ科ミヤコグサ属
学名:Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel
花期:4月~10月 多年草 草丈:15~35cm 花径:10~15mm

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【学名解説】
Lotus : ギリシャ古語の植物名/ミヤコグサ属
corniculatus : 角のある・小角状の
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)
japonica : 日本の[japonicus(男性)/japonica(女性)/japonicum(中性)]
Regel : Eduard August von Regel (1815-1892)
---
ニシキミヤコグサ(錦都草)Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel f. versicolor Makino
japonicus: 日本の[japonicus(男性)/japonica(女性)/japonicum(中性)]
f. : forma(品種)
versicolor : 斑入りの、変色の、種々の色のある
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
---
セイヨウミヤコグサ(西洋都草)
英名:Birdsfoot trefoil
学名:Lotus corniculatus L. var. corniculatus
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撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.10, 2006.06.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 June 2006
Last modified: 02 November 2016
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by pianix | 2006-06-28 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ヒペリクム・ヒドコート(Hypericum Hidcote)
 ヒペリクム・ヒドコート(Hypericum Hidcote)は、オトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉低木で、キンシバイ(金糸梅)の園芸品種です。キンシバイは中国が原産で、日本へは1760(宝暦10)年に渡来したとされています。ヨーロッパへは1862年に日本から移入されました。名の由来は、漢名の金絲梅を音読みしたもので、金(黄色)の雄しべがある梅に似た花との意味。園芸関係ではヒペルカム・ヒドコート(と呼んでいますが、実際の発音はヒペリクムです)。こちらは第二次大戦後に移入されたものと言われています。また、セイヨウキンシバイ(西洋金糸梅)の和名は、ヒペリクム・カリキヌム(Hypericum calycinum L.)に充てられています。

 オトギリソウ科(Guttiferae Juss. (1789))は、温帯から熱帯に約40属1000種があります。オトギリソウ属(Hypericum L. (1753))は、ユーラシアの温帯から亜熱帯にかけて約300種があります。

 葉は二列対生(distichous opposite)します。二列対生とは、対生葉序の一形態です。茎の節に葉が2個ずつ並んで付くものを対生と言います。上下の葉の各対が直角になり、茎先端から見ると十字に見えるものを十字対生(decussate opposite)と言い、上下の各対が重なって平面的に付くのを二列対生と言います。本種の場合は、その二列対生が少しずれています。時には、かなり十字対生に近いものまであります。類似種で花径3~4cmのキンシバイは2列対生、雄しべが長いビヨウヤナギ(未央柳/美容柳)は十字対生です。

 サイズは実測値です。括弧内のサイズは一般値によります。枝は紅紫色で、分枝します。葉序は8~13対あります。葉は長さ5cm、幅2cmで、卵状長楕円形で葉柄は無く、全縁、先端は鋭尖形です。花期は6月から7月頃で、やや艶がある黄色の5弁花を枝先に付けます。花径は6~6.5(6~8)cmで、キンシバイより大型。雄しべは長さ1cmで、5群に分かれ、約60個ずつあります。5群にはっきりと分かれていないものもあります。花柱は長さ18mmで、先端は5裂します。果実は朔果です。径1cm程で、熟すと先端が5裂して種子を出します。挿し木や株分けで繁殖させます。

※キンシバイ(金糸梅)は、Hypericum patulum Thunb.

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Hypericum patulum Thunb. cv. Hidcote
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5群に分かれた雄しべと5裂した花柱

ヒペリクム・ヒドコート(Hypericum Hidcote)
オトギリソウ科オトギリソウ属
学名:Hypericum patulum Thunb. cv. Hidcote
花期:6月~7月 半落葉低木 樹高:50~150cm 花径:6~8cm 果期:10月

【学名解説】
Hypericum : hypericonに因む|hypo(下に)+erice(草叢)/オトギリソウ属
patulum : patulus(やや開出した・散開の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
cv. : cultivana varietas(園芸品種)
Hidcote : Hidcote Manor Garden

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.50km 左岸土手(植栽) 206.05.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 17 June 2006
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by pianix | 2006-06-17 00:00 | | Trackback | Comments(2)
メキシコマンネングサ(メキシコ万年草)
 メキシコマンネングサ(メキシコ万年草)は、ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草です。日本には関東以西から九州に分布する帰化植物で、昭和四十年代から増え始めました。渡来時期も不明で、園芸用途に渡来したものが逸出したものと考えられています。種小名にメキシコとありますが、原産地は不明です。米軍関係者によって持ち込まれたとする説もあります。

 名の由来は諸説あり不明です。メキシコから種子が輸入された、メキシコが原産、等です。マンネングサは、多肉質で常緑である事からで、マンネングサ属(キリンソウ属)の総称です。属名のSedumは「座る」で、岩の上に座るように自生する姿に由来します。英名は、Mexican stonecrop。中国名は、松葉佛甲草。

 ペンケイソウ科(Crassulaceae J. St.-Hil., 1805)は、アフリカ・ユーラシア・北アメリカに多く、約30属1500種が分布します。マンネングサ属(Sedum L. (1753))は、北半球の温帯と暖帯に約500種が分布します。日本には約17種が自生します。

 茎は高さ10~20cmになります。葉は肉質円柱状で光沢がある鮮緑色。長さ5~20mm、幅1~3mmの線状披針形です。3~5個が輪生し、花茎では互生します。花茎の先に、5本程の枝を傘状に広げ集散花序を形成し、径7~12mmの濃黄色の5弁花を20~40個、互生します。花弁先端は鋭形。萼は5個。雄しべは10本。葯は濃黄色で、裂開後は赤味を帯びます。果実は袋果です。径約5mm。種子は1mm以下の大きさで瘤状突起があります。染色体数は、2n=36。

 耐暑・耐寒・耐乾・耐湿等の環境耐性が強い事からセダム工法としてビルの屋上緑化や断熱にも使われます。屋上緑化は地域によっては義務化されていて、本種が多用されます。繁殖力が強く、挿し木や種子で容易に増殖できます。

Japanese common name : Mekisiko-man'nen-gusa
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Sedum mexicanum Britton

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2006.05.24


メキシコマンネングサ(メキシコ万年草)
ベンケイソウ科マンネングサ属
学名:Sedum mexicanum Britton
花期:4月~5月 多年草 草丈:10~20cm 花径:7~12mm

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【学名解説】
Sedum : sedere(座る)/マンネングサ属
mexicanum : mexicanus(メキシコの)
Britton : Nathaniel Lord Britton (1859-1934)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.15, 2006.05.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

9 June 2006
Last modified: 23 November 2016
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by pianix | 2006-06-09 00:00 | | Trackback | Comments(0)
クララ(眩/苦参)
 クララ(眩/苦参)は、マメ科クララ属の多年草です。中国が原産で、朝鮮半島にも分布し、アメリカに帰化しています。日本では本州以南に分布する在来種です。外国女性と間違えられそうな名になっています。名の由来は、根を噛むと目が眩むほど苦い事から眩草(くららぐさ)であって、それが短縮されたものと言われています。英名は、Ku shen。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があり、日本には41属100種が自生します。クララ属(Sophora L. (1753))は、世界に約50種があります。

 根は人参に似た直根で、肥大した塊根になります。乾燥させた塊根は、日本薬局方の生薬で苦参(クジン|Sophorae Radix)として健胃・利尿・解熱・鎮痛薬に用いられます。当然ながら素人療法は危険です。茎や葉には、マトリン(matrine)等のアルカロイドを含み、誤食すると痙攣を引き起こします。

 茎の断面は円形で、下部は木質化し、草丈は80~150cmになります。葉は、互生する奇数羽状複葉で、葉序の長さは20~25cmです。小葉は長さ2~4cm、幅4~14mm程の狭長楕円形で、15~43枚が付きます。

 花期は6月から7月頃。茎や枝先に長さ16~25cmの総状花序を出します。小花は長さ15~20mmの蝶形花で、淡黄色あるいは淡紅色です。蝶形花は、旗弁・翼弁・舟弁あるいは竜骨弁と呼ばれる部分からなります。両性花です。果実は長さ7~8cmの豆果で、4~5個の種子があります。オオルリシジミ幼虫の食草としても知られています。染色体数は、2n=18。

Japanese common name : Kurara
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Sophora flavescens Aiton

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蝶形花を密生させる

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クララ(眩/苦参)
別名:マトリグサ(マトリ草)/クサエンジュ(草槐)
マメ科クララ属
学名:Sophora flavescens Aiton
花期:6~7月 多年草 草丈:80~150cm 総状花序:16~25cm

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【学名解説】
Sophora : 蝶のような(アラビア語)/クララ属
flavescens : 黄色っぽくなる
Aiton : William Aiton (1731-1793)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.25km 左岸土手 2006.05.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

3 June 2006
Last modified: 13 June 2012
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by pianix | 2006-06-03 00:00 | | Trackback | Comments(0)
コメツブツメクサ(米粒詰草)
 コメツブツメクサ(米粒詰草)は、マメ科シャジクソウ属の1年草です。ヨーロッパ、西アジアが原産で、日本へは明治の後期に渡来した帰化種です。侵入経路は不明とされています。日本全国に分布します。名の由来は、米粒状の小さな花をつけるツメクサの仲間である事から。英名は、lesser trefoil、あるいはSuckling clover。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があります。日本には、70属198種、11亜種、7変種、17品種があります。シャジクソウ属(Trifolium L. (1753))は温帯から亜熱帯に約300種があり、日本の在来種として自生するのは1種のみです。

 茎は分枝しながら地を這い、草丈15~40cmになります。葉は3出複葉で互生します。小葉は長さ5~10mmの倒卵形で、葉先は少し窪み、2~7mmの葉柄があります。花茎はまばらに分岐し、茎頂に総状花序を球形に付けます。

 花期は5月から9月頃。頭花は淡黄色で、長さ3~4mmの蝶形花が5から20個集まったものです。蝶形花は5枚の花弁で構成された離弁花です。淡黄褐色に変色します。萼は長さ2mm程。果期にも花弁は残り、茶色に変色した中に果実を包みます。果実は豆果で、長さ2mm程の倒卵形です。匍匐茎と種子で繁殖します。染色体数は、2n=30。

 似た仲間に、ウマゴヤシ属のコメツブウマゴヤシ(米粒馬肥し)Medicago lupulina L. があり、20~30個の小花が集った頭花をつけ、受粉後に花弁を落します。

Japanese common name : Kometubu-tume-kusa
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Trifolium dubium Sibth.
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コメツブツメクサ(米粒詰草)
別名:キバナツメクサ(黄花詰草)/コゴメツメクサ(小米詰草)
マメ科シャジクソウ属
学名:Trifolium dubium Sibth.
花期:5月~9月 1年草 草丈:15~40cm 花(蝶形花長):3~4mm 花序径:7mm

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【学名解説】
Trifolium : treis(三)+folium(葉)/シャジクソウ属
dubium : dubius(疑わしい・不確実の)
Sibth. : John Sibthorp (1758-1796)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.25km 右岸河川敷 2006.04.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 31 May 2006
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コナスビ(小茄子)
 コナスビ(小茄子)は、サクラソウ科オカトラノオ属の多年草です。アジアの熱帯や温帯の中国・台湾・インドシナ・マレーシアに分布します。日本では全国に分布する在来種です。名の由来は、果実を小さなナスに例えたもの。茄子との名前が付いていますがナス科ではなく、サクラソウ科です。

 サクラソウ科(Primulaceae Batsch ex Borkh. (1797))は、北半球の暖帯から寒帯を中心に28属約1000種があり、日本には9属37種が分布します。オカトラノオ属(Lysimachia L. (1753))は、アジア、アフリカ、南アメリカ、オーストラリアなどに約160種、日本に15種が分布します。

 茎は細く、まばらに軟毛があり、斜上します。個体の成長と共に地を這います。茎は枝分かれして節から根を出し、四方に広がります。長さは10~30cmで、高さは15cm程度です。葉は対生1)します。5~10mmの葉柄2)があり、軟毛がある鈍頭3)の広卵形4)で、長さは6~23mm。

 葉腋から2~3mmの花柄を伸ばし、深く5裂した5~7mmの黄色い合弁花冠を平開します。萼は5全裂した4~8mmの線状披針形で先端は尖ります。雄しべは5本。果実は上向きに付きます。熟すと5裂して1mm程の黒色で球形をした朔果を多数散布します。染色体数は2n=20。

 コナスビの仲間には次の種があります。
 ・オニコナスビ(鬼小茄子)Lysimachia tashiroi Makino 《絶滅危惧IB類(EN)》
 ・ヒメコナスビ(姫小茄子)L. japonica Thunb. var. minutissima Masam.
 ・ミヤマコナスビ(深山小茄子)L. tanakae Maxim.
 ・ヒメミヤマコナスビ(姫深山小茄子)L. liukiuensis Hatus. 《絶滅危惧IA類(CR)》
 ・タニガワコナスビ(谷川小茄子)L. taiwaniana Suzuki
 ・クロボシコナスビ(黒星小茄子)L. nigropunctata Masam.
 ・コバンコナスビ(小判小茄子)L. nummularia L. 《帰化種》
 ・タイワンコナスビ(台湾小茄子)L. formosana Honda
 ・ヘツカコナスビ(辺塚小茄子)L. ohsumiensis H.Hara 《絶滅危惧IA類(CR)》
※列挙する場合はLysimachiaを L. と省略する場合があります。ちなみに、斜体ではない L. は人名で、 Carl von Linne (1707-1778) を表します。

1)対生(たいせい):茎の同じ高さから向き合うように出る2枚の葉
2)葉柄(ようへい):葉身と茎をつなぐ柄の部分
3)鈍頭(どんとう):葉先が丸まっている
4)広卵形(こうらんけい):卵形葉の広い形

Japanese common name : Ko-nasubi
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Lysimachia japonica Thunb.

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葉は広卵形で対生する(2011.07.11)。茎は軟毛が密生する。
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 深く5裂した合弁花冠で、雄しべは5本。


コナスビ(小茄子)
サクラソウ科オカトラノオ属
学名:Lysimachia japonica Thunb.
synonym : Lysimachia japonica Thunb. var. subsessilis F.Maek. ex H.Hara
花期:5月~6月 多年草 草丈:10~30cm 花径:5~7mm

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【学名解説】
Lysimachia : lysis(解ける)+mache(競争・争い)/オカトラノオ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
f. : forma(品種)
subsessilis : sub(ほとんど)+sessilis(無柄)/無柄に近い
F.Maek. : 前川文夫 (1908-1984).
ex : ~による
H.Hara : 原 寛 Hiroshi Hara (1911-1986)
Murata : 村田 源 Gen Murata (1927- )

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km東岸河川敷 2006.05.06, 2006.05.24
安倍城跡(Alt. 435.2m) 2011.07.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

15 May 2006, 28 August 2011, 1 July 2016
Last modified: 23 November 2016
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by pianix | 2006-05-15 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ニガナ(苦菜)
 ニガナ(苦菜)は、キク科ニガナ属の多年草です。中国、韓国、日本に分布し、日本国内全域で自生分布する在来種です。名の由来は、茎や葉に含まれる乳液が苦い事によります。山菜として利用され、副鼻腔炎や胃炎の民間療法にも使われます。英名は、Korean lettuce。ニガナの名が付くものは多いので判別には若干の注意が必要です。 

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。ニガナ属(Ixeridium (A. Gray) Tzvelev, in V.L. Komarov, 1964)は、東アジアに約20種が分布し、日本には約10種が分布します。

 長い葉柄を持つ根生葉があり、3~10cmの広披針形から倒卵状長楕円形です。全縁か、羽状に深く裂けます。茎の断面は、四角形状。茎に付く葉は4~5cmの長楕円形で、柄はなく基部で茎を抱きます。総苞片は細い円筒形で、総苞外片は短い鱗片状です。

 花期は5月から7月頃。花茎を分散させ、頭花を集散状に付けます。花弁に見えるのは、小花である黄色の舌状花です。それが集まった径15mm程の集合花で、舌状花は通常5個あります。先端に4つ程の切れ込みがあります。舌状花が7~11枚のものはハナニガナ(花苦菜)と呼ばれます。

 雄しべは5本がまとまって筒になる集約雄ずいです。無性生殖で種子を作ります。無融合生殖1)で、複相胞子生殖2)を行います。果実は紡錘形の痩果で、長さは3~3.5mm。白色の冠毛を付けます。風によって散布されます。染色体数は、2n=21,28。

1)無融合生殖(apomixis):
 受精を行わずに配偶体から新しい胞子体ができる生殖法
2)複相胞子生殖(diplospory, aneuspory):
 配偶体無融合生殖(gametophytic apomixis)の内の一つで、胚珠内の倍数性の大胞子からそのまま胚嚢がつくられるもの。

Japanese common name : Nigana
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Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. dentatum


ニガナ(苦菜)
キク科ニガナ属
学名:Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. dentatum
synonym : Ixeris dentata (Thunb.) Nakai
花期:5月~7月 多年草 草丈:20~40cm 花径:15mm

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【学名解説】
Ixeridium : Ixeris(語源不明)+eidos(構造)/ニガナ属
dentatum : dentatus(歯状の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Tzvelev : Nikolai Nikolaievich Tzvelev (1925- )
subsp. : subspecies(亜種)
---
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)
synonym(シノニム) : 同意語、異名。

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.10
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 10 May 2006
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by pianix | 2006-05-10 00:00 | | Trackback | Comments(0)
クサノオウ(草の黄/瘡の王)
 クサノオウ(草の黄/瘡の王)は、ケシ科クサノオウ属の1年草です。東アジアの温帯に分布し、日本では全国に分布します。名の由来は、幾つかあります。皮膚病である瘡の治療に効果があるので「瘡の王」とするもの、橙黄色の汁液を出すので「草の黄」等です。

 ケシ科(Papaveraceae Adans. 1763)は、北半球の亜熱帯から温帯にかけて23属、約210種が分布します。クサノオウ属 (Chelidonium L. (1753))は、ヨーロッパから東アジアにかけて数種が分布します。

 日当たりの良い草地に生えます。根生葉は叢生(そうせい※群がり生えること)します。茎は中空。葉と茎には縮れた毛が多くあります。葉は、互生します。1~2回羽状に深く裂け、葉裏はやや白っぽくなります。萼片が2個あり、開花直前に脱落します。葉腋に花柄を出し数花を付けます。花は黄色の4弁花で、径2~3cm。黄色の雄しべが多数あり、突き出た緑色の雌しべが目立ちます。

 傷を付けると橙黄色の乳液を出します。これにはアルカロイド(alkaloid)毒が含まれています。食べると、酩酊状態・嘔吐・昏睡・呼吸麻痺を引き起こします。全草を乾燥させたものが生薬の白屈菜で、昔は疥癬の民間薬として使われていました。毒草は薬草でもありますが、素人判断の処方は禁物です。

 果実は5cm程の細長い円柱形の朔果です。種子は黒色で、白い冠毛が付いています。種枕の脂肪体(種子の外側に付いた脂肪)があり、蟻が運び散布します。染色体数は、2n=10。

Japanese common name : Kusa-no-ou
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Chelidonium majus L. subsp. asiaticum H.Hara
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縮れた毛が密生する茎から出る橙黄色の汁液

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細長い円柱形の朔果を付ける

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萼片が2個あり、開花直前に脱落。葉は互生し、1~2回羽状に深裂する。


クサノオウ(草の黄/瘡の王)
ケシ科クサノオウ属
学名:Chelidonium majus L. subsp. asiaticum H.Hara
synonym : Chelidonium majus L. var. asiaticum (Hara) Ohwi ex W.T.Lee
花期:5月~7月 1年草 草丈:30~80cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Chelidonium : chelidon(ツバメ)に由来/クサノオウ属
majus : major(巨大な)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
subsp. : subspecies(亜種)
asiaticum : asiaticus(アジアの)
H. Hara : 原 寛 Hara Hiroshi (1911-1986)
---
var. : varietas(変種)
Ohwi : 大井次三郎 Ohwi Jisaburo (1905-1977)
ex : ~による
W.T. Lee : W.T.Lee (col. 1924-)

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷 2006.03.31, 2017.05.07
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

4 April 2006, 31 May 2014
Last modified: 8 May 2017
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by pianix | 2006-04-04 00:00 | | Trackback(1) | Comments(2)