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シナレンギョウ(支那連翹)
 桜が咲く頃、鮮やかな黄色の花を咲かせるレンギョウ(連翹)があります。辺り一面が明るい雰囲気になります。このレンギョウの後ろにサクラが咲くとコントラストが美しく、毎年楽しみにする風景の一つになっています。付近に咲くレンギョウを調べて回ったら、ほとんどがシナレンギョウでした。

 シナレンギョウ(支那連翹)はモクセイ科レンギョウ属の落葉低木です。中国が原産で、日本へは古くに観賞用として渡来しました。1923年渡来との説もあります。名の連翹は漢名を音読みしたもので、中国ではトモエソウ(巴草)Hypericum ascyron L.を指し、これを誤って付けたもの。本来の漢名は黄寿丹です。英名は、Golden-bolls。

 変種に朝鮮原産のチョウセンレンギョウ(朝鮮連翹)があります。日本原産種に、ヤマトレンギョウ(大和連翹)とショウドシマレンギョウ(小豆島蓮翹)があります。モクセイ科は世界の熱帯から温帯にかけて、約27属600種が分布します。レンギョウ属は東アジア、ヨーロッパ東部に数種が分布します。

 枝や幹は直立します。チョウセンレンギョウの場合は枝が湾曲します。枝は中空で、髄があり隔壁(薄い膜の仕切り)があります。レンギョウにはありません。葉は対生し、鋸歯が先端の半分程まであります。チョウセンレンギョウの場合は、ほぼ全面にあります。葉の長さは5~10cm程。花冠は25mm程で、黄色。深く4裂し、下向きに咲きます。雌雄異株です。雄しべは2個で、花柱は雄しべより長く突き出ます。卵形の朔果をつけます。生薬として使うのは、この果実で、消炎・利尿・排膿・解毒に利用されます。挿し木で簡単に殖やせます。

***
【日本原産】
ヤマトレンギョウ(大和連翹):Forsythia japonica Makino
ショウドシマレンギョウ(小豆島蓮翹):Forsythia togashii Hara
【中国原産】
レンギョウ(連翹):Forsythia suspensa (Thunb.) Vahl
【朝鮮原産】
チョウセンレンギョウ(朝鮮連翹):Forsythia viridissima Lindl. var. coreana Rehd.
【バルカン原産】
フォルシティア・エウロパエア:Forsythia europaea Deg. et Bald.

Japanese common name : Shina-rengyou
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Forsythia viridissima Lindl.


シナレンギョウ(支那連翹)
モクセイ科レンギョウ属
学名:Forsythia viridissima Lindl.
花期:3月~4月 落葉低木 樹高:2~3m 花径:25mm

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【学名解説】
Forsythia : William Forsyth(1737-1804)に由来/レンギョウ属
viridissima : viridissimus(濃緑色の)
Lindl. : John Lindley (1799-1865)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.25km 左岸土手(植栽) 2006.03.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 31 March 2006
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by pianix | 2006-03-31 00:00 | | Trackback | Comments(0)
シキミ(樒)
 馴染みのない植物は、地域的に見かけないか、利用する事がない場合が主な理由です。私が偶然に迷い込んだ山間地域に、見慣れない花木がありました。シキミ(樒)です。何故この一帯に植えてあるのか聞いてみたところ、昔は周辺にお墓があったそうで、納得しました。私にとって、実に馴染みのない植物でした。

 シキミはマツブサ科シキミ属の常緑小高木です。中国・台湾、日本に分布し、国内では宮城県以西から沖縄にかけて分布します。静岡県富士市ではシキミ栽培農家があり、3年ものを盆花として出荷しています。古来、神事に使われ、後に仏事に引き継がれたようです。神事にはサカキ(榊)、仏事にはシキミと分けて使われます。全体に有毒であり、特に実には、毒物及び劇物取締法による劇物に指定されている猛毒が含まれています。これから「悪しき実」が転訛してシキミになったとか、実の形から「敷き実」との説があります。マツブサ科は、3属約100種が分布します。旧シキミ科は1属のみがあり、温帯から亜熱帯にかけて、約20種が分布します。

 樹皮や葉を燃やすと強い臭いを発生します。死臭を香りで覆い隠す為に使われた木で、これの粉末を線香や抹香の材料として利用します。現在でも名残として仏事の霊前に供える木であり、主に寺院に植栽されています。有毒成分は、アニサチン(anisatin|分子量328)という痙攣毒で、中毒事故の事例があります。これは種子や果皮に多く含まれています。シキミは劇物指定されている唯一の植物です。従って、シキミの実を販売や授与の目的で製造・輸入・販売するには、登録を受けた者でないと行えません。抽出されるシキミ酸(shikimic acid)は無毒です。

 樹皮は暗灰褐色。葉は互生します。革質で艶がある倒卵状広披針形で4~10cm程の長さがあります。花は両性花で、葉腋に出し、径3cm程の淡黄白色。花弁は長く、萼片と共に線状披針形で12個あります。雄しべは約20本。果実は袋果の集まりで9~10月に熟し、艶のある褐色の種子を出します。染色体数は、2n=28。

Japanese common name : Sikimi
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Illicium anisatum L.
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熟した果実と種子 2013.09.11
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種子 2007.11.12


シキミ(樒)
別名:コウバナ(香花)/コウノキ(香の木)
マツブサ科シキミ属
学名:Illicium anisatum L.
花期:3月~4月 常緑小高木 樹高:2~5m 花径:25~30mm 果期:9~10月

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【学名解説】
Illicium : illicio(誘惑する、魅了する)/シキミ属
anisatum : (薬草・香辛料の)アニス
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
葵区西ヶ谷(植栽) 2006.03.15
安倍城跡(Alt. 435m) 2013.09.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

29 March 2006, 15 September 2013
Last modified: 22 February 2016
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by pianix | 2006-03-29 00:00 | | Trackback(1) | Comments(2)
ハハコグサ(母子草)
 ハハコグサ(母子草)は、キク科ハハコグサ属の越年草です。中国、日本、東南アジア、インドに分布し、国内では全国に分布する史前帰化植物の在来種です。古くは、オギョウあるいはゴギョウと呼ばれ、春の七草の一つになっています。七草粥や草餅に利用されたようですが、現在ではヨモギが使われます。ハハコグサはホホケグサが訛った名であるとの説があります。冠毛がほおけ立つ(穂穂ける=毛羽立つ)事に由来します。それからすると、母子草との字を充てるのは適切でないようです。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。ハハコグサ属(Pseudognaphalium M.E. Kirpicznikov, in M.E. Kirpicznikov et L.A. Kuprijanova, 1950)は、世界に120種程が分布しています。

 茎や葉には白い綿毛が密生しています。葉は互生し、へら形で、ロゼット葉は花期にはありません。頭花は黄色で、管状花と糸状小花で構成される総苞の集まりです。ロゼットで越冬します。ロゼットとは、葉が放射状に根際から出ているものの事です。その一枚毎を根出葉あるいは根生葉、ロゼット葉と言います。染色体数は、2n=14。

 近縁種に、アキノハハコグサ(秋の母子草)がありますが絶滅危惧IB類(EN)です。また、チチコグサ(父子草)は、チチコグサ属の在来種で、頭花は茶色です。外来種のチチコグサモドキ(父子草擬き)も多く見られます。葉の裏が白いウラジロチチコグサ(裏白父子草)、花色が淡紅紫色のウスベニチチコグサ(薄紅父子草)も外来種です。また、ヤマハハコ属には、よく似た名のカワラハハコ(河原母子)があります。

Japanese common name : Hahako-gusa
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Pseudognaphalium affine (D.Don) Anderb.
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2006.05.06


ハハコグサ(母子草)
別名:ホウコグサ/オギョウ(御形)/ゴギョウ(御形)
キク科ハハコグサ属
学名:Pseudognaphalium affine (D.Don) Anderb.
synonym : Gnaphalium affine D. Don.
花期:4月~6月 越年草 草丈:10~30cm 花径:3mm(総苞)

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【学名解説】
Pseudognaphalium : pseudos(偽)+Gnaphalium(一握りの尨毛=獣の毛)/ハハコグサ属
affine : affinis(似た)
D. Don : David Don (1799-1841)
Anderb. : Arne A.Anderberg (1954- )

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷 2006.03.19
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.03.19, 2006.05.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 28 March 2006
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by pianix | 2006-03-28 00:00 | | Trackback | Comments(0)
コゴメヤナギ(小米柳)
 安倍川河川敷で、カワヤナギのような花が落ちていました。近くを見回しても、そのような木はありません。おかしいと思ったその時、真上にその花はありました。コゴメヤナギ(小米柳)でした。小さな野草ばかりを探していると、上に注意が届かなくなります。カワヤナギは樹高2m程で目に入る高さですが、コゴメヤナギは大木です。そこで何本が河川敷の川沿いにあるのか数えはじめました。あまりにもたくさんあるので途中でやめました。時間がなかったのです。少なくとも1km範囲内にヤナギ類は十数本がありました。柔らかな黄緑色で春が来た事を知らせてくれます。

 安倍川(Abekawa)は、静岡県静岡市葵区と山梨県の境にある大谷嶺・八紘嶺・安倍峠を源流とする一級河川(昭和41年3月指定)です。大谷嶺は、標高1999.7mで、斜面が大きく崩れている事から大谷崩と呼ばれています。広さは180万m2で日本三大崩の内のひとつです。下流の静岡市駿河区を通り駿河湾に流れ注ぎます。流域は全て静岡市になります。主な支流には、中河内川・足久保川・藁科川・丸子川があります。幹川流路延長は51kmで、流域面積は567km2です。

 ヤナギ科(Salicaceae Mirbel, 1815)は、世界の北半球に4属350種以上があると言われています。日本の在来種は28種4亜種3変種14品種1)があります。コゴメヤナギは日本固有種で、本州の中部地方以南と四国に分布します。河川流域や湿地帯に多く見られます。2)ヤナギ林は、流速を減少させ掃流物質を堆積させる効果があるとされています。

 若い樹肌は緑がかっていますが、老木になると灰褐色になり縦の裂け目が多く現れます。若い枝は多量の樹液を出し、樹液に虫が群がる事が多くあります。アメリカシロヒトリの幼虫(毛虫)が問題となる場合があります。葉は互生し単葉で1対の托葉があります。2~5cm程の皮針形で、単鋸歯があります。雌雄異株であり、花は尾状花序で花被はありません。雄花序の葯は淡黄色です。

 ネコヤナギの葯は赤で分かりやすいのですが、他のヤナギ属は、よく似ているものが多いので同定は簡単ではありません。なお、ユキヤナギ(雪柳)の別名をコゴメヤナギとする場合がありますが、本種がある事から誤りは明らかです。別名コゴメバナ(小米花)の類推と思われます。

 1)日本産ヤナギ属植物集覧 大橋広好:(植物研究雑誌75: 1 - 41)
 2)砂洲上の植生と河状の相互関係に関する現地調査 1995(林、岡部、鎌田、板東)

Japanese common name : Kogome-yanagi
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Salix dolichostyla Seemen subsp. serissifolia (Kimura) H.Ohashi et H.Nakai
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全体の様子


コゴメヤナギ(小米柳)
別名:コメヤナギ(米柳)
ヤナギ科ヤナギ属
学名:Salix dolichostyla Seemen subsp. serissifolia (Kimura) H.Ohashi et H.Nakai
synonym : Salix serissaefolia Kimura
花期:4月~5月 落葉高木 樹高:~25m

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【学名解説】
Salix : sal(近い)+lis(水)/ヤナギ属
dolichostyla : dolicho(長い)+stachyus(穂)
Seemen : Karl Otto von Seemen (1838-1910)
subsp. : subspecies(亜種)
serissaefolia : Serissa(ハクチョウゲ属)+efolia(のような葉の)
Kimura : 木村有香 Kimura Arika (1900-1996) 東北大附属植物園初代園長
H.Ohashi : 大橋広好 Hiroyoshi Ohashi (1936- )
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
H.Nakai : 中井秀樹 Hideki Nakai (1956- )

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.25km 左岸河川敷 2006.03.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

8 March 2006
Last modified: 14 September 2016
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by pianix | 2006-03-08 00:00 | | Trackback | Comments(0)
カントウタンポポ(関東蒲公英)
 タンポポの数を調べてみました。実施日は2006年2月21日。調査地は、安倍川河口から6.50km東岸近辺から東へ延びる小川の土手、車両の通行が禁止されている250m程度の区域です。観察は目視により、頭花数を数えました。総数は86で、内訳は在来種86、外来種0でした。在来種の内訳は、カントウタンポポ34、トウカイタンポポ33、シロバナタンポポ19です。

カントウタンポポ(関東蒲公英) Taraxacum platycarpum Dahlst.
oooooooooooooooooooooooooooooooooo[34]

トウカイタンポポ(東海蒲公英) Taraxacum platycarpum Dahlst. var. longeappendiculatum (Nakai) Morita
ooooooooooooooooooooooooooooooooo[33]

シロバナタンポポ(白花蒲公英) Taraxacum albidum Dahlst.
ooooooooooooooooooo[19]

 タンポポ属は日本で22種が自生します。カントウタンポポ(関東蒲公英)は、関東地方と東海地方東部に分布する在来種です。葉は根生し倒披針形で羽状に深く切れ込みます。総苞外片は反り返りません。総苞外片が内片の長さの1/2程になります。花弁は黄色で、径20~30mm程です。小花数は60前後です。

 染色体は二倍体(2n=2x=16)です。有性生殖であり、他家受粉を行います。強い自家不和合性(自分の花粉では種子を生産しない)があります。従って、同種が群れて咲く必要性があります。虫媒花であり、媒介動物はハナアブやハチです。花色に黄色や白が多いのは、ハナアブが見えやすい色である為と言われています。20度以上になると発芽しない夏期高温休眠性があり、夏は休眠し、地上部は枯れます。発芽後、2~3年を経て開花に至ります。在来種は水分や栄養の多い土を必要とします。

参考:セイヨウタンポポ(西洋蒲公英) シロバナタンポポ(白花蒲公英) トウカイタンポポ(東海蒲公英)

Japanese common name : Kantou-tanpopo
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Taraxacum platycarpum Dahlst.
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カントウタンポポ(関東蒲公英)
別名:アズマタンポポ(東蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum platycarpum Dahlst.
synonym : Taraxacum sendaicum Kitam.
花期:3月~6月 多年草 草丈:10~25cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon(苦い草)の変形/タンポポ属
platycarpum : platycarpus(平ったい果の・大きな果実の)
Dahlst. : Hugo Gustav Adolf Dahlstedt (1856-1934)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.50km 左岸土手 2006.02.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 21 February 2006
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by pianix | 2006-02-21 00:00 | | Trackback | Comments(3)
ノボロギク(野襤褸菊)
 ノボロギク(野襤褸菊)は、キク科キオン属の1年草です。ヨーロッパ原産で、アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアに分布します。日本へは明治のはじめ頃(1887年)に侵入した非意図的移入の帰化植物です。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化種は100種以上あります。双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。Compositae Giseke, 1792は保留名。キオン(黄苑)属(Senecio L. (1753))は、世界に約2000種が分布します。日本全国に分布し、10種以上が自生します。

 キオン属全種は、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」で、種類名証明書の添付が必要な生物に加えられています。在来種と競合しています。

 花後に白い綿毛がつくのを襤褸(ぼろ)に例えた名前です。ボロギク(襤褸菊)はサワギク(沢菊)の別名で、野に咲くサワギクに似たとの意味で名が付けられました。属名のSenecioも、綿毛を「老人」に例えたものです。繁殖力が強く、暖地では通年花を付けます。茎は多数に枝分かれし、中空です。葉は互生し、長倒卵形で、不規則な羽状の切れ込みがあります。濃緑色で光沢があります。

 花は黄色で、5mm程の管状花を付けます。蕾状のままで、平開することはありません。総苞の基部に、二等辺三角形状をした黒色の小苞片があり、目立ちます。綿毛のある痩果を付け、自家受粉します。家畜に有毒な物質を含みます。肝毒性や発がん性を有するピロリジジン・アルカロイド(pyrrolizidine alkaloids)を含んでいます。これはキオン属の植物全般に言えます。染色体数は2n=40。

参考:ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)

Japanese common name : Noboro-giku
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Senecio vulgaris L.
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ノボロギク(野襤褸菊)
キク科キオン属
学名:Senecio vulgaris L.
花期:1月~12月 1年草 草丈:10~30cm 花径:5mm

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【学名解説】
Senecio : senex(老人)に由来/キオン属
vulgaris : 普通の
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
葵区西ヶ谷 2005.11.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 16 February 2006
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by pianix | 2006-02-16 00:00 | | Trackback | Comments(4)
トウカイタンポポ(東海蒲公英)
 トウカイタンポポ(東海蒲公英)は、キク科タンポポ属の多年草です。千葉県以西の東海地方の太平洋沿岸側に分布する在来種です。名の由来は、生育地方名を冠したタンポポ。別名のヒロハタンポポ(広葉蒲公英)は、葉幅が広い事に由来します。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。タンポポ属(Taraxacum F.H. Wiggers, 1780)は世界に約400種類、細分して約2000種ほどあり、日本には約22種が野生しています。それらは大きく在来種と外来種に分けられます。

 トウカイタンポポは総苞外片が内片の長さの2/3程あり、カントウタンポポ(関東蒲公英)の1/2位よりも長めです。カントウタンポポの突起は小型ですが、トウカイタンポポは著しい突起があります。セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)のように総苞外片は反り返らず、密着しています。染色体は二倍体(2n=2x=16)で、有性生殖を行います(在来平地性二倍体種)。虫媒によって他家受粉を行う必要があるので、繁殖には豊かな自然環境が必要です。自家受粉はしない仕組みになっています(自家不和合性)。セイヨウタンポポと異なり、種子は秋に芽生えます。

 羽状に浅く裂けた根生葉の間から花茎を伸ばします。花茎には軟毛があります。茎から出る乳汁はイヌリン(Inulin・多糖類の一種)です。頭状花を1つを付けます。花色は黄色で、舌状花(花弁が筒状となり上部が平らで舌のような形をした花)が多数付きます。朝に開花し夕方に閉じる動作を数日続けます。最近はセイヨウタンポポとの雑種である中間種が多くなってきています。

★ ★ ★

 「名もない雑草」とは文学的表現で使われますが、植物分類学的に言えば発見者が名を付けることになるので、興味深い研究対象に早変わりです。「世界に一つだけの花」という言葉は観念的な表現であることを承知の上で、ひねくれた言い方をすれば、絶滅危惧種です。そして、ありふれた野草の一つであるタンポポは、実は素人の研究の域を超える難しい問題をはらんでいます。このブログでは表面的な事柄しか扱っていません。もし興味がおありでしたら、是非ともたくさんの論文をお読みになり、深く観察して新たな局面を開く研究をして頂きたいと思います。

 植物分類学は、ディオスコリデス(Pedanius Dioscorides, c.40-90 AD)の著した薬草誌「De Materia Medica」が最初と言われています。現在の植物分類学が確定したのはリンネ(Carl von Linne, 1707-1778)によります。その流れは人類の初穂であるアダムから連綿と受け継がれています。『主なる神は、野のあらゆる獣、空のあらゆる鳥を土で形づくり、人のところへ持って来て、人がそれぞれをどう呼ぶか見ておられた。人が呼ぶと、それはすべて、生き物の名となった。人はあらゆる家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名を付けたが、自分に合う助ける者は見つけることができなかった。』創世記2章19~20節(新共同訳聖書)。

参考:セイヨウタンポポ(西洋蒲公英) シロバナタンポポ(白花蒲公英) カントウタンポポ(関東蒲公英) 

Japanese common name : Toukai-tanpopo
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Taraxacum platycarpum Dahlst. var. longeappendiculatum (Nakai) Morita
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種子
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トウカイタンポポ(東海蒲公英)
別名:ヒロハタンポポ(広葉蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum platycarpum Dahlst. var. longeappendiculatum (Nakai) Morita
synonym : Taraxacum longeappendiculatum Nakai
花期:2月~5月 多年草 草丈:10~30cm 花径:35~45mm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon(苦い草)の変形/タンポポ属
platycarpum : platycarpus(平ったい果の・大きな果実の)
Dahlst. : Hugo Gustav Adolf Dahlstedt (1856-1934)
var. : varietas(変種)
longeappendiculatum : longe(長い)+appendiculatus(附属物のある)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.02.07, 2016.04.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 09 February 2006
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by pianix | 2006-02-09 00:00 | | Trackback | Comments(0)
セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
 タンポポは大きく外来種と在来種に分けられます。外来種優勢と言われる中で、安倍川河川敷には在来種がたくさん咲きます。あるところで籾殻(もみがら)を敷き詰めた場所があり、タンポポが花を咲かせていました。外来種のセイヨウタンポポ(西洋蒲公英)ですが、その萼片が作り物のように整然としていたので鳥肌が立ちました。葉は、籾殻の中に埋まったままでした。

☆  ☆  ☆

 セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)は、キク科タンポポ属の多年草です。ヨーロッパ原産で、世界各地に進出している世界種(cosmopolitan species)です。明治時代に北海道の宣教師が野菜として栽培したものが逸出して野生化した、逸出帰化植物と言われています。北ヨーロッパでは春の貴重な野菜として栽培され、花が咲く前の葉を食用とします。日本では全国に分布します。生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種、日本には約70属360種が分布する巨大な分類群です。タンポポ属(Taraxacum F.H.Wiggers, 1780)は、日本に約22種、世界に400種程があります。

 和名の蒲公英は、タンポポとは読めません。漢名を充てたものだからです。ホコウエイと読む場合は、生薬名としてがほとんどです。名の由来は幾つかあります。綿毛が用具のタンポ(綿を布で包んだもの)に似ているからとか、頭花を鼓に見立てて叩く音に例えたとか数種あります。数が多いのは、どれも有力な根拠を持たないからです。

 総包は頭状花の基部にあり、全体を包むような構造物を指します。外側から順に、総包外片、角状突起、総包内片があります。一般的に、総包外片が反っているものをセイヨウタンポポとしています。実際には遺伝の攪乱があり、判別しにくいものが出現しています。花は黄色の舌状花が多数付く頭状花序で、下から子房、冠毛があり、雌しべには先が丸まった柱頭があります。種子には冠毛が付きます。大型の冠毛で、種子を広く散布するのに在来種より有利とされています。種子の色は灰褐色です。赤みを帯びるものはアカミタンポポ(赤実蒲公英)Taraxacum laevigatum DC.として区別されています。

 セイヨウタンポポとアカミタンポポは共に染色体が3倍体(2n=3x=24)の単為生殖(受粉無しに種子を作る)ですが、ごく稀に、1~2倍体を持つものが現れます。正常な花粉を作りだし、これが在来種と交雑する事になります。在来種に外来種の遺伝子を持つ種子を作らせる事から、盗賊種(Compilospecies)とも言います。

 多数の根出葉を出します。葉は倒披針形で、縁が深く羽状に切れ込みます。英語では、この様子を例えて、タンポポのことをDandelion(Dande=歯、lion=ライオン)と言います。長さは8~13cm程になります。茎は中空で、傷つけると乳液が出ます。根はローストして珈琲の代用品、花はワインの原材料、葉は野菜として利用されます。

参考:セイヨウタンポポ(西洋蒲公英) シロバナタンポポ(白花蒲公英) トウカイタンポポ(東海蒲公英)

Japanese common name : Seiyou-tanpopo
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Taraxacum officinale Weber ex F.H.Wigg.


セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum officinale Weber ex F.H.Wigg.
花期:4月~6月/9月~11月 多年草 草丈:30~40cm 花径:35~50mm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon | talkh chakok(苦い草)/タンポポ属
officinale : officinalis(薬用の・薬効のある)
Weber : Georg Heinrich Weber (1752-1828)
ex : ~による
F.H.Wigg. : Friedrich Heinrich Wiggers (1746-1811)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14.75km (足久保) 2006.01.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 8 February 2006
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by pianix | 2006-02-08 00:00 | | Trackback | Comments(5)
ワタ(綿)
 加工品が多いと、原材料を勘違いする場合があります。例えば、西瓜や落花生の果実が木からぶら下がっていると思いこんでいる子供がいます。アジの開きが泳いでるとなると、その想像力には感服するものの、寂しい思いもします。布団の中身のワタも、植物由来であることを知らない子供が多いし、知っていても、どのような形で付いているのか見たことが無いという人も多いようです。

☆  ☆  ☆

 ワタ(綿)は、アオイ科ワタ属の1年草です。東南アジアが原産です。古くから栽培されてきた繊維作物で、インドのモヘンジョ・ダロ遺跡(紀元前2500~1500年頃)からも発見されているそうです。名の由来は、不明です。綿は中国名で、カイコ由来から変遷して木綿綿を差すようになりました。英名は、tree cotton、あるいはCotton Plant。

 アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は世界に121属1550種が分布、ワタ属(Gossypium L. (1753))は約40種があります。

 日本へは799年(延暦18年)に三河に漂着したインド人よって種がもたらされました(類聚国史による)。その後消滅してしまい、何度かの導入も失敗しています。気候風土が合わなかったと推測されます。

 文禄年間(1592~1595)に中国から入った種子により栽培が成功します。関東以西に広まり、明治20年までには2万4千トンの収穫がありました。その後は安価な輸入品に押され衰退し、商業栽培はほとんど無くなりました。2002年の綿実(食用油・乳牛の餌・油粕は有機肥料)輸入量は約15万トンであり、オーストリアからが96%を占めるに至っています。

 大別すると、アジアワタ(亜細亜綿)とリクチワタ(陸地綿=アプランドワタ)があります。アジアワタには、アジアワタ(Gossypium herbaceum L.)とインドワタ(Gossypium arboreum L.)があります。日本で栽培されてきたのはアジアワタの系統と考えられています。

 花後5週間ほどでできる果実は、卵形の蒴果(さくか)で、英語でコットンボール(Cotton Ball)と呼ばれます。初めは緑色で熟すと薄茶色になり、3~5片に割れて開きます。中から綿毛に包まれた20個以上の種子(綿実)が顔を出します。これを花に例えて綿花と言います。綿の花そのものではありません。綿毛は布団の綿や糸、織物として利用され、綿実の殻はキノコ栽培の培地としての利用があります。綿実には脂肪油約20%が含まれ食用油が精製されます。種子には催乳作用(女性の乳汁の分泌を増大させる作用)があります。ゴシポール(gossypol)という成分は有毒(食べると出血性胃腸障害を起こす・男性避妊薬)で、綿実油の精製ではこれを除去します。

 花は、淡黄色の花弁が5枚で、中心部が濃紅色をしています。オクラに似ています。一日花です。葉は3~5裂します。ワタの最適温度は20~28度の範囲で、生育期には多量の雨が必要となります。塩濃度の高い土壌でも生育する代わりに酸性を嫌う性質があります。種子で繁殖します。現在は綿毛が長いリクチワタ (陸地綿)(Gossypium hirsutum L.)の栽培が主流で、園芸用としても出回っています。

Japanese common name : Wata
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Gossypium herbaceum L.


ワタ(綿)
シロバナワタ(白花綿)
アオイ科ワタ属
学名:Gossypium herbaceum L.
花期:7月~9月 1年草(熱帯地方では多年草) 草丈:90~120cm 花径:5~6cm

【学名解説】
Gossypium : gossypion|gossum(腫れもの)/ワタ属
herbaceum : herbaceus(草本の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県立大学 薬用植物園 2005.12.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 7 February 2006
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by pianix | 2006-02-07 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ソシンロウバイ(素心蝋梅)
 ソシンロウバイ(素心蝋梅)は、ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木です。ロウバイ(蝋梅)の一品種です。ロウバイが花の中心部が暗紫色になるのに対して、ソシンロウバイは花弁全体が黄色になります。江戸時代には渡来されていたと言われています。この2種はロウバイ属です。以下、ロウバイと同様なので、「ロウバイ(蝋梅)」を参照してください。

☆  ☆  ☆

 学名は階級づけられて、上位から界(Kingdom)、門(Division/Phylum)、網(Class)、目(Order)、科(Family)、属(Genus)、種(Speices)と定められています。国際植物命名規約では、その内の、科・属・種を規制します。種の下に、亜種(Subspecies)、変種(varietas)、型(Form)、品種(Race)を設けます。園芸品種(cultivana varietas)、交配種(hybrid)、二種間交配種(x)等も使われます。

 ロウバイを眺めていたら、見物客の何人かは「オウバイ(黄梅)は終わったな、下を向いている」と話していました。ロウバイをモクセイ科のオウバイ(黄梅)と間違えているようです。確かに一文字違いの発音ですから紛らわしいのかもしれません。その上、名前に梅の文字を使っています。ところが、ウメ(梅)はバラ科サクラ属ですが、ロウバイはロウバイ科ロウバイ属、オウバイはモクセイ科ソケイ属で、異なる性質です。

 私は中学生の時に歌を作り、NHKテレビに出演した事がありました。その歌の題名は「白薔薇の夢」でした。今思い起こすと、薔薇の外観さえもあやふやで、薔薇そのものを、ほとんど知らない状態でした。言葉に実体がなかったのです。言葉と実体の解離は普段の生活でも問題を起こします。特に、見かけ以上に自分を背伸びさせたい状況におかれると頻発するかもしれません。いわゆる知ったかぶりです。植物を観察していると、頭の中で、曖昧な言葉が実体と合わさる瞬間があります。植物に対して、大きな驚きと敬愛の念を抱く時です。植物の名を知るというのは、こういう事なのかと実感しています。

 梅の蕾は堅いのに、「梅は咲いたか、桜はまだかいな」と梅園で歌う粋なかたもいました。春を待ちわびる日本人の季節感覚が樹木と合わさっている事が分かります。ロウバイは、それらの前哨戦のような、春を予感させる迎春花です。

Japanese common name : Sosin-roubai
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Chimonanthus praecox (L.) Link f. concolor (Makino) Makino


ソシンロウバイ(素心蝋梅)
ロウバイ科ロウバイ属
学名:Chimonanthus praecox (L.) Link f. concolor (Makino) Makino
synonym : Chimonanthus praecox Link f. lutea (Makino) Okuyama
花期:12月~2月 落葉低木 樹高:2~5m 花径:2cm

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【学名解説】
Chimonanthus : cheimon(冬)+anthos(花)/ロウバイ属
praecox : 早期の・早熟の・早咲きの
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Link : Johann Heinrich Friedrich Link (1767-1851)
f. : forma(品種)
concolor : con(共に)+color(色)/同色の 
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
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lutea : luteus(黄色の)
Okuyama : 奥山春季 Shunki Okuyama (1909-1998)

撮影地:静岡県静岡市
葵区羽鳥「洞慶院」(植栽) 2006.01.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

29 January 2006
Last modified: 06 January 2015
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by pianix | 2006-01-29 00:00 | | Trackback | Comments(4)