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ロウバイ(蝋梅)
 ロウバイ(蝋梅)は、ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木です。中国(湖北・江西省近辺)が原産で、17世紀頃に渡来したと言われています。日本全国に分布します。蝋質の花を付けるのが名の由来で、漢名の音読によります。旧暦12月の臘月に咲くからとの説もあります。別名のトウバイ(唐梅)とカラウメ(唐梅)は、共に産地国の中国や朝鮮半島を経由して来た事を表しています。英名は、Winter Sweet。

 梅の名が付けられていますが、バラ科ではなくロウバイ科(Calycanthaceae Lindley, 1819)であり、梅とは異なります。ロウバイ科には、クロバナロウバイ属(北米産・5種)、ロウバイ属(Chimonanthus J. Lindley, 1819/中国産・2種)の2属7種があります。

 幹と共に枝も良く分岐します。樹皮には横長楕円形の皮目があります。枝分かれした先に径2cm程の黄色の花を付けますが、花弁と萼片は区別できません。花被片は多数あり、外花被片は淡黄色で、内花被片は小形で紫褐色をしています。蝋細工のようだと言われるように半透明で光沢があります。下か横向きに咲きます。花には芳香があり、ボルネオール(Borneol)、リナロール(Linalool)、カンファー(Camphor)、ファルネゾール(Farnesol)、シネオール(Cineole)等の精油成分が含まれています。

 花が咲いた後に葉が展開します。葉は柄があり、長楕円形の全縁(鋸歯がない)で、対生します。長さ15cm位で、光沢があり、先端は尖ります。果実は卵形で長さ4cm程、種子は褐色で1cm程です。花蕾を生薬の蝋梅花として、解熱・鎮咳・鎮痛薬として用います。花弁全体が黄色であるのは、ソシンロウバイ(素心蝋梅)です。割合としては、ソシンロウバイの方が多いようです。

Japanese common name : Roubai
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Chimonanthus praecox (L.) Link


ロウバイ(蝋梅)
ロウバイ科ロウバイ属
別名:トウバイ(唐梅)/カラウメ(唐梅)
学名:Chimonanthus praecox (L.) Link
花期:12月~2月 落葉低木 樹高:2~5m 花径:2cm

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【学名解説】
Chimonanthus : cheimon(冬)+anthos(花)/ロウバイ属
praecox : 早期の・早熟の・早咲きの
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Link : Johann Heinrich Friedrich Link (1767-1851)

撮影地:静岡県静岡市
葵区羽鳥「洞慶院」(植栽) 2006.01.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 January 2006
Last modified: 19 March 2014
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by pianix | 2006-01-28 00:00 | | Trackback | Comments(2)
カラシナ(芥子菜)
 カラシナ(芥子菜)は、アブラナ科アブラナ属の2年草です。ヨーロッパ原産で、食用として導入したものが野生化した帰化植物です。主に関東以西に分布します。名の由来は、種子を芥子にしたことから。英名も、和名と同じく、leaf mustardです。

 一般的に、私達が「菜の花」と言っているものは、アブラナ科の黄色い花を付けるものを指す事が多いようです。そして、その種類は多く、判別に頭を悩ます事になります。河川敷では大きなロゼットを見る事が多く、その内の幾つかは花を付けています。

 双子葉綱ケシ目のアブラナ科(Cruciferae Juss. 1789)で、世界に約390属3200種が知られています。日本には100種以上があります。科名は十字架を意味し、4弁の十字状の花を付ける事に由来します。以前は十字花科とされていました。

 アブラナ(Brassica rapa L. var. oleifera DC.)と、クロガラシ(Brassica nigra (L.) W.D.J.Koch)の、雑種4倍体です。それで、カラシナとセイヨウアブラナ(西洋油菜)は、大変よく似ています。

 簡単な見分け方法ですが、茎の基部で葉を抱かないのがカラシナです。葉は互生し、30cm程になります。羽状に分裂し鋸歯があります。花は扁平の十字形をしています。染色体数は、2n=4x=36。

Japanese common name : Karasina
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Brassica juncea (L.) Czern.
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葉は茎を抱かない


カラシナ(西洋芥子菜)
別名:セイヨウカラシナ(西洋芥子菜)
アブラナ科アブラナ属
学名:Brassica juncea (L.) Czern.
花期:3月~5月 2年草 草丈:30~80cm 花径:1cm

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【学名解説】
Brassica : キャベツの古いラテン語/アブラナ属
juncea : junceus(イグサに似た)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Czern. : Vassilii Matveievitch Czernajew (1796-1871)
---
et : 及び(命名者が2名の時など・&に同じ)
Coss. : Ernest Saint-Charles Cosson (1819-1889)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0km 右岸河川敷 2006.01.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 January 2006
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by pianix | 2006-01-27 00:00 | | Trackback | Comments(1)
ノゲシ(野芥子)
 ノゲシ(野芥子)は、キク科ノゲシ属の2年草(越年草)です。ヨーロッパ原産で、中国経由で日本に入ってきたと言われている史前帰化植物です。世界中で見られる世界種で、日本でも全国に分布します。双子葉植物綱合弁花亜綱のキク科植物です。ロゼットで越冬し春以降に開花する越年草ですが、冬でも開花する事があります。温暖地では通年見られます。葉がケシ科のケシ(芥子)に似ている事から名が付けられました。ハルノノゲシ(春の野芥子)は、秋に開花するアキノノゲシ(秋の野芥子)に対する別名です。ノゲシ属やアキノノゲシ属は食用にもなりますが、日本では馴染みが薄いようです。

 葉は全体に柔らかく、下部は長い葉柄があり、羽状に裂けます(大根の葉に似ている)。上部は茎を抱き、刺状の粗い距歯がありますが、オニノゲシ(鬼野芥子)のような硬い棘はありません。花は、黄色の舌状花からなる頭花を持ち、タンポポに似ています。熟すと総苞が反り返り、球状の綿毛になります。果実は褐色の痩果で、白い冠毛があり、果体に直接付きます。長い柄の先につくタンポポと異なるところです。茎は中空で、傷つけると乳液が出ます。ケシの場合は、乳液を乾燥させ黒褐色になったものが阿片(Opium)となります。ノゲシの場合は当然の事ながら麻薬性はありません。

 このノゲシは、崖下の小川のほとりに咲いていました。撮影しようか迷ったのは、登って戻れるか不安だったからです。少し滑れば、冷たい水に浸かる事になります。結局は、あまりにも気持ちよさそうに咲いていたので降りてしまったわけです。勿忘草だったら流されてもロマンチックかもしれません。土手で滑り落ちるのは慣れていますが、先日は恥ずかしい思いをしました。絶好調の二十?肩を強打し、「再起不能」とつぶやき、「まだまだ~」と威勢良く起きあがったら、遠くで一部始終を見ていた人がいたのです。

参考:ホソバアキノノゲシ(細葉秋の野芥子)

Japanese common name : Nogesi
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Sonchus oleraceus L.


ノゲシ(野芥子)
別名:ハルノノゲシ(春の野芥子)
キク科ノゲシ属
学名:Sonchus oleraceus L.
花期:4月~8月 2年草(越年草) 草丈:50~100cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Sonchus : アザミなどを一括したギリシャ古名/ノゲシ属
oleraceus : 食用蔬菜の・畑に栽培の
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.75km 右岸河川敷 2006.01.10
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

12 January 2006
Last modified: June 11, 2008
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by pianix | 2006-01-12 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヤブヘビイチゴ(薮蛇苺)
 ヤブヘビイチゴ(薮蛇苺)は、バラ科キジムシロ属の多年草です。主に東南アジアに分布し、日本では関東以西に分布する在来種です。半日陰の藪陰などに生育します。名の由来は不明です。蛇がいそうな藪に生育する事から蛇が食べる苺、匍匐茎が蛇のようだから等の説があり、ヘビイチゴと区別するために藪が付けられたと言われています。

 バラ科(Rosaceae Juss. (1789))は、世界に107属3100種が分布します。キジムシロ属(Potentilla L. (1753))は、世界に約300種があり、日本には約20種程が分布します。

 ヘビイチゴ(蛇苺)とオヘビイチゴ(雄蛇苺)、ヤブヘビイチゴは共にキジムシロ属で、大変良く似ています。ヘビイチゴは日向に咲く事が多く、ヤブヘビイチゴのほうが大型です。どちらも1本の花茎に5弁の黄色の花を1個咲かせます。染色体数は、2n=12x=84。

 相違点としてあげられるものに果実があります。果実の赤い部分は果床と言い、その上にいくつものぶつぶつした痩果(種子)が付いています。ヤブヘビイチゴは、この痩果に艶があり、ヘビイチゴは光沢がない事で区別します。光沢がないのは痩果に瘤状小突起があるためです。この果実に毒はなく、食べられない事はありませんが、すかすかして美味しくないので、食用にはしません。

 花期の場合は、萼で区別します。萼は2列になっていて、副萼片(外側にある萼片)が花より大きく出ているものがヤブヘビイチゴです。この形態はキジムシロ属の特徴です。葉は3出複葉で、ヤブヘビイチゴは先端がやや尖っている形に対し、ヘビイチゴは扇形に近い形をしています。

 品種に、白実をつける、シロミノヤブヘビイチゴ(白実野藪蛇苺)Potentilla indica (Andrews) Th.Wolf f. albocaput (Naruh.) H.Ohashi があり、福井県で1991年に発見されました。福井県の県域絶滅危惧Ⅰ類に指定されています。
 ヘビイチゴの白実品種は、シロミノヘビイチゴ(白実野蛇苺)Potentilla hebiichigo f. leucocephala (Makino) Yonek. et H.Ohashi で、牧野富太郎博士が1930年に栃木県で発見したものです。
 ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの交雑種に、アイノコヘビイチゴ(あいのこ蛇苺)Potentilla × harakurosawae (Naruh. & M. Sugim.) H. Ohashi があり、果実は不稔です。

Japanese common name : Yabu-hebi-itigo
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Potentilla indica (Andrews) Th.Wolf
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艶がある痩果


ヤブヘビイチゴ(薮蛇苺)
バラ科キジムシロ属
学名:Potentilla indica (Andrews) Th.Wolf
synonym : Duchesnea indica (Andrews) Focke
花期:4月~6月 多年草 草丈:5~10cm 花径:16~24mm 果期:7月

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【学名解説】
Potentilla : potens(強力)の縮小形、薬効を持つ/キジムシロ属
indica : indicus(インドの)
Andrews : Henry Charles Andrews (fl. 1794-1830)
Th.Wolf : (Franz) Theodor Wolf (1841-1921)
---
Duchesnea : Antane Nicolas Duchesne (1747-1827)に因む/ヘビイチゴ属
Focke : Wilhelm Olbers Focke (1834-1922)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川 2005.11.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

June 11, 2008
Last modified: 17 July 2015 (Scientific name update)
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by pianix | 2005-12-30 00:00 | | Trackback | Comments(1)
オオジシバリ(大地縛)
 オオジシバリ(大地縛)は、キク科ノニガナ属の多年草です。イワニガナ(岩苦菜)の別名であるジシバリ(地縛り)よりも大型である事から名付けられました。それからするとオオイワニガナとなるはずですが、そうなってはいません。走出枝(ランナー)を出し、地面を縛るように生える事から地縛の名が付いています。別名はツルニガナです。イワニガナが乾燥したところに多い事に対し、オオジシバリは、やや湿り気の多いところに生育するようです。本来は春の花ですが、温暖な地方では初冬から開花します。種子と地下茎で繁殖します。染色体数は、2n=48。

 葉の形が違う事で区別ができます。このオオジシバリの葉は、先端が尖り気味のヘラ型(倒披針形から、ヘラ状楕円形)ですが、イワニガナは丸みを帯びたスプーン型です。どちらも柄があり、鋸歯がない全縁ですが、オオジシバリは羽状に切れ込む場合があります。茎や葉を傷つけると乳液を出します。民間療法の生薬「剪刀股(せんとうこ)」として、健胃・消炎・鼻づまりに使われます。

★  ★  ★

 夢を語ると言うと、通常は自分に内在する抱負や希望を話す事になります。古来は、言葉の通りに自分が見た夢を語る意味で、シャーマン的な行為を指す事になります。脳の不思議な働きで潜在意識が夢に現れますが、それを伝えるわけです。先日は、この花は何科で何属かという夢を見ました。それはそれは恐ろしく疲れるものでした。何も分からずに焦っている自分がいました。別名も混乱する時があります。

 王子縛ってどうするの?(王子縛り)と笑い話になりますが、「おおじ」と「おうじ」の聞き間違えも起きそうですね。

Japanese common name :Oo-jisibari
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Ixeris japonica (Burm.f.) Nakai


オオジシバリ(大地縛)
別名:ツルニガナ(蔓苦菜)
キク科ノニガナ属
学名:Ixeris japonica (Burm.f.) Nakai
synonym : Ixeris debilis A. Gray
花期:4月~6月 多年草 草丈:10~30cm 花径:25~30mm

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【学名解説】
Ixeris : 語源不明/ノニガナ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Burm.f. : Nicolaas Laurens (Nicolaus Laurent) Burman (1734-1793)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)
---
debilis : 弱小な・軟弱な・脆弱な
A. Gray : Asa Gray (1810-1888)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から12.0km 右岸河川敷 2005.12.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: June 11, 2008
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by pianix | 2005-12-29 00:00 | | Trackback(1) | Comments(3)
カタバミ(傍食)
 カタバミ(傍食)は、カタバミ科カタバミ属の多年草です。史前帰化植物と言われ、日本全国に分布します。カタバミ属で日本に自生(野生種)しているのは、カタバミ(傍食)、ミヤマカタバミ(深山傍食)、白花のコミヤマカタバミ(小深山傍食)等です。以前は酢漿草(さくしょうそう)、鳩酸草と漢字表記されましたが、現在では傍食に落ち着いてきました。酢漿草は、蓚酸(oxalic acid)を含むことに由来しています。

 カタバミ科(Oxalidaceae R.Br. (1818))は、8属約930種が分布します。カタバミ属(Oxalis L. (1753))は約850種があり、日本には6種が自生します。

 槍状の果実が熟すと、少しの刺激で種をはじき飛ばして拡散させます。繁殖力が旺盛で、農家や園芸を楽しむ人たちの悩める野草の一つになっています。花びらは5枚で、黄色です。葉も花も、夕方には閉じる日周運動をします。名の由来は、この日周運動によって閉じられた葉の様子から。染色体数は2n=24,48。

 葉は倒心形で、全縁です。葉を図案化して家紋として採用されて来ました。傍食紋と言い、その数は100種類を越え、桐紋の次に多い種類です。これは繁殖力の強さを武家社会が好んだためと思われますが、実際は平安時代から存在し、大名の他、公家にも多い事から真偽不明です。はっきりしているのは、カタバミが大変身近であった事で、その現れと言えます。「丸に片喰」「丸に剣片喰」の紋が代表的なものです。

 在来カタバミは1変種、3品種があります。ケカタバミ(毛片喰)が変種です。葉が赤紫色を帯びるアカカタバミ(赤傍食)は品種です。花びらが黄色で、立ち上がって咲くものは帰化種のオッタチカタバミ(御立片喰)です。ムラサキカタバミ(紫傍食)や、ハナカタバミ(花傍食)は帰化植物(帰化種)です。

・ケカタバミ(毛片喰)Oxalis corniculata L. var. trichocaulon H.Lev.
・オッタチカタバミ(おっ立ち片喰)Oxalis dillenii Jacq.

参考:ハナカタバミ(花片喰) ムラサキカタバミ(紫傍喰)

Japanese common name : Katabami
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Oxalis corniculata L.

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黄色の5弁花。萼片は5個。

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左:雄しべは短長5本、花柱も5本 右:外種皮に包まれた種子。
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アカカタバミ(赤片喰)
Oxalis corniculata L. f. rubrifolia (Makino) H.Hara


カタバミ(傍食)
カタバミ科カタバミ属
学名:Oxalis corniculata L.
花期:5月~9月 多年草 草丈:2~10cm 花径:8mm 実期:6~10月

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【学名解説】
Oxalis : oxys(酸っぱい)/カタバミ属
corniculata : 小角のある
L. : Carl von Linne(1707-1778)
---
f. : forma(品種)
rubrifolia : rubrifolius(赤い葉の)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷 2005.11.02
安倍川/河口から8.00km 左岸河川敷 2007.04.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

20 December 2005
Last modified: 15 November 2016
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by pianix | 2005-12-20 00:00 | | Trackback(1) | Comments(1)
ツルナ(蔓菜)
 ツルナ(蔓菜)は、ハマミズナ科ツルナ属の多年草です。世界に分布する海岸植物です。日本では太平洋側の浜辺に生育します。蔓状で食用とされる事から、蔓の菜っ葉という意味で蔓菜の名が付いています。英名は、New Zealand Spinach(ニュージーランド・ホウレン草)で、キャプテン・クック(James Cook (1728-1779))がニュージーランドから持ち帰った事に由来しています。

 ハマミズナ科(Aizoaceae Martinov (1820))は、約135属1800種が分布します。旧分類のクロンキストおよびエングラー体系では、ツルナ科でした。ツルナ属(Tetragonia L. (1753))は、日本にはツルナのみが自生します。

 茎は木質化し地を這い、蔓状に伸び、途中で立ち上がります。全体的に、ざらついた柔らかな感触です。表面に非常に細かな粒状の突起物があるためです。葉は互生します。肉厚の三角形状葉で長さ3~7cm。食用となります。

 花期は4月から11月頃。小さな黄緑色の花を、葉脇に付けます。花びらに見えるのは萼片で、3~5裂しています。長い期間にわたって花をつけます。果実は核果です。角が生えたような形状で、波に乗って漂流し、海流の行き着く浜に打ち上げられて根付きます。染色体数は、2n=16。

 全草を乾燥させ、生薬のバンキョウ(蕃杏)として用います。水はけの良い土や砂地で、日当たりの良い明るい環境であれば良く育ちます。江戸時代から食べられてきた野菜で、若い茎や葉を灰汁抜きして、おひたしや和え物として調理されます。

Japanese common name : Turuna
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Tetragonia tetragonoides (Pall.) Kuntze


ツルナ(蔓菜)
別名:ハマヂシャ(浜萵苣)/ニュージーランド・スピナッチ(New Zealand spinach)
ハマミズナ科ツルナ属
学名:Tetragonia tetragonoides (Pall.) Kuntze
花期:4月~11月 多年草 草丈:30~60cm 花径:約3~5mm

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【学名解説】
Tetragonia : tetra(四)+gonia(膝)/ツルナ属
tetragonoides : tetragonus(四角の)+ides(似た)
Pall. : Peter Simon von Pallas (1741-1811)
Kuntze : Carl Ernst Otto Kuntze (1843-1907)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から0km 左岸浜辺 2005.11.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

8 December 2005
Last modified: June 14, 2008
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by pianix | 2005-12-08 00:00 | 海辺の植物 | Trackback | Comments(0)
イソギク(磯菊)
 イソギク(磯菊)は、キク科キク属の多年草です。大変狭い地域に生息する日本原産の在来種です。範囲は千葉県犬吠崎から静岡県の御前崎あたりまでで、海岸沿いの岩場に自生します。房総半島、伊豆半島とも自生種が見られますが、土手沿いのものは品種改良されて移植されたものがあるようです。

 海辺に咲く花は葉に特徴があり、厚みを帯びているものが多いようです。イソギクの葉も同様に厚く、葉裏面には白い毛が生えています。それが縁沿いまで達しているので、表面から見ると白の縁取りに見えます。

 花には、周りを飾る花びらに相当する舌状花はありません。黄色の小さな管状花だけで成り立ち、それが散房状に多数付いています。舌状花を持つのは園芸品種のハナイソギク(花磯菊)で、菊との交雑種です。花壇や鉢植えの用途として、園芸種が広く出回っています。初夏に挿し木で繁殖する事ができます。

Japanese common name : Iso-giku
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Chrysanthemum pacificum Nakai


イソギク(磯菊)
キク科キク属
学名:Chrysanthemum pacificum Nakai
synonym : Dendranthema pacificum (Nakai) Kitam.
花期:10月~12月 多年草 草丈:30~40cm 花径:5~6mm 果期:11~1月

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【学名解説】
Chrysanthemum : chrysos(黄金色)+anthemon(花)/キク属
pacificum : pacificus(太平洋の)
Nakai : 中井猛之進 (1882-1952)/東京帝国大学植物学科教授
---
Dendranthema : dendron(樹木)+anthemon(花)/キク属
Kitam. : 北村四郎 (1906-2002)/京都大名誉教授・「原色日本植物図鑑」著者
---
ハナイソギク(花磯菊)
Chrysanthemum x marginatum (Miq.) Matsum.
x : 二種間交配種
marginatum : marginatus(縁取りのある)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Matsum. : 松村任三 Ninzo Matsumura (1856-1928)

撮影地:静岡県静岡市
駿河区西島 2005.11.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 17 January 2014
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by pianix | 2005-12-07 00:00 | 海辺の植物 | Trackback | Comments(4)
ツワブキ(石蕗)
 ツワブキ(石蕗)は、キク科ツワブキ属の多年草です。私が今年初めてを見たのは、10月30日。まだ蕾の状態で、一花だけ開きかけている状態でした。一ヶ月を経た今は、溢れるばかりに咲いていますが、すでにくたびれてしまったものまであります。撮影地は、日本平という、海に近い山の中腹です。

 名の由来は、艶葉蕗(ツヤハブキ=艶のある葉の蕗)から来ているという説があります。温暖な地方の海沿い岩場に自生する事から石蕗の字が充てられ、照り返しによる乾燥や、潮風の塩分に耐えるような葉の造りになっています。英名は、Japanese silverleaf。花は一目でキク科であると分かります。頭花の周りに舌状花(雌花)、中央は筒状花(両性花)からなります。浜辺に咲くハマヒルガオ(浜昼顔)も然り、花の部分は見慣れた形なのに、葉の形状が明らかに異なるのが、これらの特徴です。

 江戸時代から園芸品種が作られていて、現在では庭園や公園でも見る事ができます。観葉植物用途として、斑入りの品種もあります。性質は堅強で、あらゆる所で花を咲かせる事ができます。若い葉は茹でれば食べられます。また、民間薬(抗菌作用)としても使われるので、薬草園でも見る事ができます。サザンカと共に、冬の到来を知らせる花の一つです。

Japanese common name : Tuwabuki
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Farfugium japonicum (L.) Kitam.


ツワブキ(石蕗)
キク科ツワブキ属
学名:Farfugium japonicum (L.) Kitam.
花期:10月~12月 多年草 草丈:30~80cm 花径:4~6cm

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【学名解説】
Farfugium : farius(列)+fugus(駆除)/ツワブキ属
japonicum : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Kitam. : 北村四郎 Shirō Kitamura (1906-2002)

撮影地:静岡県静岡市
駿河区谷田/日本平中腹 2005.12.01
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 5 December 2005
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by pianix | 2005-12-05 00:00 | 海辺の植物 | Trackback(1) | Comments(4)
ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)
 ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)は、マメ科ササゲ属の1年草です。左右非対称の捻れた淡黄色の花をつける、蔓性植物です。アズキ(小豆)の原種と考えられていて、「藪に生える蔓性の小豆」との意味です。アズキは蔓になりませんが、当然、花はそっくりです。ノアズキ(野小豆)とも非常に良く似ています。

 2枚が合わさった、竜骨弁と呼ばれる形の花弁部分が捻れているのが花の特徴です。竜骨弁は船の形に似ている事から舟弁とも呼ばれます。捻れているのは意味があります。虫が中に入ろうとすると竜骨弁が押し下げられ、中にある雄しべと雌しべが現れ、花粉を付ける仕組みになっています。

 葉は3出複葉で互生します。秋に豆果を付け、鞘の中には5~6個の種子が入っています。染色体数は、2n=22。

 奄美大島以南には、オオヤブツルアズキ(大藪蔓小豆)Vigna reflexopilosa Hayata が分布します。 

Japanese common name : Yabu-turu-azuki
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Vigna angularis (Willd.) Ohwi et H.Ohashi var. nipponensis (Ohwi) Ohwi et H.Ohashi.

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豆果は筒状で長さ4~9cm。葉は狭卵形から卵形の3出複葉で長さ3~10cm。


ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)
マメ科ササゲ属
学名:Vigna angularis (Willd.) Ohwi et H.Ohashi var. nipponensis (Ohwi) Ohwi et H.Ohashi.
花期:8月~10月 1年草 草丈:150~300cm(蔓性) 花径:1~2cm 豆果:4~9cm

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【学名解説】
Vigna : Dominico Vigna (1577-1647)イタリアの植物学者に因む/ササゲ属
angularis : 稜のある/角張った
Willd. : Carl Ludwig von Willdenow (1765-1812)
Ohwi : 大井次三郎 Jisaburo Ohwi (1905-1977)
H.Ohashi : 大橋広好 Hiroyoshi Ohashi (1936- )
var. : varietas(変種)
nipponensis : 日本本州の
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reflexopilosa : reflexus(背曲した)+pilosus(軟毛がある)
Hayata : 早田文藏 Bunzō Hayata (1874–1934)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.50km 左岸河川敷 2005.09.20
内牧川(安倍川水系) 2015.09.22, 2015.09.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

21 November 2005, 21 June 2008
Last modified: 4 October 2015
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by pianix | 2005-11-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)