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ギンラン(銀蘭)
 ギンラン(銀蘭)は、ラン科キンラン属の多年草です。日本、中国、台湾、朝鮮に分布します。日本では、本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、花色の白色を銀に見立てた蘭である事から。中国名は、银兰 (yin lan)。

 ラン科(Orchidaceae Juss. (1789))は、熱帯から亜寒帯に約700属、15000種以上、日本には約73属約220種が分布します。キンラン属(Cephalanthera L.C.Richard, (1818))は、東アジアやヨーロッパに約15種(Matsuda et al. 2008)が分布します。

 林内に自生します。短い根茎があり、基部から多数の不定根を出します。菌根菌による半寄生植物で、人工栽培困難種です。草丈は、5cm~30cm。全体に無毛。茎の径は約2mm。葉は互生します。基部は茎を抱き、長さ2~8cm。狭長楕円形で鋭頭、葉脈があり、長さ3~8cm、緑色、全縁。

 花期は、5月から6月。総状花序を葉よりも高くに出し、茎頂に白い花を数個付けます。花冠長は、約10mm。花弁は先端がやや開く程度です。一番外側に萼片があります。上部の背萼片、横部の側萼片2枚の計3枚があり、長さ7~9mmの披針形。側花弁は2枚で、両側に付き、やや開く程度。下部にある唇弁は1枚で隆起線があります。唇弁の基部に2~3mmの短い距があります。

 中央に雄しべと雌しべが合着した棒状の器官である白色の蕊柱があります。そこから葯帽が伸び、先端は花粉塊となります。果実は蒴果です。上向きにつき、長楕円形で長さ約15mm。稜があり、稜に沿って縦に裂けて種子を出します。種子は微細な埃種子で、多数あります。風散布されます。染色体数は、2n=34。

 類似種として、ギンランより大型で葉に短毛状の突起がある、ササバギンラン(笹葉銀蘭)Cephalanthera longibracteata Blume 、品種として花が黄褐色がかった、ニシダケササバギンラン(西岳笹葉銀蘭)Cephalanthera longibracteata Blume f. lurida Hayashi 、唇弁の距が目立たない、クゲヌマラン(鵠沼蘭)Cephalanthera longifolia (L.) Fritsch があります。

 参考:キンラン(金蘭)

Japanese common name : Gin-ran
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Cephalanthera erecta (Thunb.) Blume


ギンラン(銀蘭)
ラン科キンラン属
学名:Cephalanthera erecta (Thunb.) Blume
花期:5月~6月 多年草 草丈:10~30cm 花冠長:約1cm

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【学名解説】
Cephalanthera : cephalos(頭)+anthera(葯)/キンラン属
erecta : erectus(直立した)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Blume : Carl Ludwig Blume (1789-1862)
---
longibracteata : longibracteatus(長い包葉がある)
longifolia : longi~(長い)+ foliatus(葉のある)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Fritsch : Karl Fritsch (1864-1934)

撮影地:静岡県静岡市
駿河区平沢 2019.05.18
賤機山 2020.05.08-05.12
駿河区井尻 2021.04.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 8 July 2021
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# by pianix | 2022-08-17 00:00 | | Comments(0)
ナヨテンマ(弱天麻)
 ナヨテンマ(弱天麻)は、ラン科オニノヤガラ属の腐生植物1)(菌従属栄養植物)です。本州(関東)以西に点在します。絶滅危惧IB類(EN)に指定されています。名の由来は、中国名のテンマ(天麻)=オニノヤガラ(鬼の矢柄)に似るが、細くナヨナヨしている事から。中国名は、細天麻(xì tiān má)。

 ラン科(Orchidaceae Juss. (1789))は、熱帯から亜寒帯に約700属、15000種以上、日本には約73属約220種が分布します。オニノヤガラ属(Gastrodia R.Br. (1810))は、アフリカ、インド、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、東アジアに約50種が分布し、日本には約10種があります。

 湿った山林に自生します。肥厚した根茎は腐生菌類に寄生して養分を得ます。淡褐色の細い花茎を10~60cmに伸ばします。鱗片葉をまばらに付けますが、葉緑素を持たないので光合成は行いません。

 花期は6月頃。花茎を出して総状に数個の花を付けます。花冠は淡褐色の鐘状。花冠長は約1cm。萼片と側弁が合着した筒状となり、花被片先端は3〜5裂します。唇弁は赤橙色で約6mm。対の球状突起があります。果実は朔果です。種子は微細。染色体数は、2n=22(Aoyama and Tanaka 1986)。

脚注:
1)腐生植物:腐生菌類に寄生する植物。菌従属栄養植物は,必要な栄養を光合成に代わって共生する菌に依存する植物。

参考文献:
Takasi TUYAMA: Notes on Gastrodia of Japan (2) . March 1956 Journ. Jap Bot. Vol. 31 No. 3

Aoyama, M. and Tanaka, R. 1986. Karyomorphological studies in Gastrodia elata and G. confusa. La Kromosomo II-42: 1336-1340. (in Japanese with English summary)

Japanese common name : Nayo-tenma
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Gastrodia gracilis Blume


ナヨテンマ(弱天麻)
別名:ナガイモヤガラ(長芋矢柄)
ラン科オニノヤガラ属
学名:Gastrodia gracilis Blume
花期:6月 腐生植物 草丈:10~60cm 花冠長:約1cm

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【学名解説】
Gastrodia : gaster(胃)/オニノヤガラ属
gracilis : 細い、痩せた
Blume : Carl Ludwig Blume (1789-1862)
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Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)
R.Br. : Robert Brown (1773-1858)

撮影地:静岡県静岡市
位置情報非公開 駿河区 2021.06.21.
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 4 July 2021
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# by pianix | 2021-08-28 00:00 | | Comments(0)