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ナガエコミカンソウ(長柄小蜜柑草)
 ナガエコミカンソウ(長柄小蜜柑草)は、コミカンソウ科コミカンソウ属の1年草です。インド洋マスカリン諸島(Mascarene Islands)の原産と考えられています。南アメリカ、台湾、北アメリカ、オーストラリアに帰化しています。日本では、本州(関東地方以南)、四国、九州、南西諸島、小笠原諸島に帰化しています。

 名の由来は、在来種のコミカンソウより花柄が長い事から。コミカンソウは、果実が極小でミカン果実に似ているから。別名のブラジルコミカンソウ(伯剌西爾小蜜柑草)は、原産地の誤認命名です。中国名は、五蕊油柑(wǔ ruǐ yóu gān)。英名は、Mascarene Island leaf-flowers。

 コミカンソウ科(Phyllanthaceae Martynov (1820))は、世界の熱帯、亜熱帯に58属約2000種が分布します。日本には、7属23種が帰化しています。トウダイグサ科から分科されました。コミカンソウ属(Phyllanthus L. (1753))は、世界に約800種が分布します。日本に約12種が自生あるいは帰化しています。

 草地、畑、道端に生育します。直立した後、枝分かれします。草丈は0~75cm。葉は互生します。広楕円形から倒卵形で全縁、長さ約2cm、幅0.3~1.1cm。托葉は披針状先鋭形で、長さ約1mm。葉柄は長さ0.5~1mm。茎の下側に閉じる就眠運動をします。

 花期は8月から9月。葉腋から花を出します。雌雄同株で雌雄異花。葉の下側に雄花、上側に雌花がつきます。花は白色で極小さく、雄花の径は約2.0mm。花被片5枚、雄しべは5本で、葯色は黄色。雌花の径は約1.5mm。雌しべは3裂し、さらに先端が2裂します。

 枝から長い果柄の先に果実を付けます。長い果柄は、本種の和名由来の特徴です。果実は蒴果です。扁球形で径約2mm。始め緑色で熟すと淡黄色になります。コミカンソウと混生している場合があります。柄の先に果実があるのがナガエコミカンソウで、柄が無く枝に密につくのはコミカンソウです。染色体数は、2n=26 (Miller & Webster, 1967)。

Japanese common name : Nagae-komikansou
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Phyllanthus tenellus Roxb.

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雄花

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雌花

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左:雄花 径約2mm 右:雌花 径約1.5mm

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果実は蒴果 径約2mm

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種子



ナガエコミカンソウ(長柄小蜜柑草)
コミカンソウ科コミカンソウ属
学名:Phyllanthus tenellus Roxb.
花期:8月~9月 1年草 雌雄同株 草丈:20~75cm 花径:約1.5mm

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【学名解説】
Phyllanthus : phyllon(葉)+anthos(花)/コミカンソウ属
tenellus : 非常に軟い,細い,弱い
Roxb. : William Roxburgh (1751-1815)

撮影地:静岡県静岡市
駿河区 円山花木園 (2024) 09.23, 10.13, 11.01
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

15 October 2024
Last modified: 8 December 2024
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# by pianix | 2024-12-01 00:00 | | Comments(0)