リンドウ(竜胆)は、リンドウ科リンドウ属の多年草です。シベリア、中国、朝鮮半島、日本に分布します。日本では、本州、四国、九州、沖縄に分布する在来種です。名の由来は、漢方生薬の竜胆(龍膽・リュウタン)が転訛したものと言われています。中国名は、龙胆(lóng dǎn)。英名は、Japanese gentian。
リンドウ科(Gentianaceae Juss. (1789))は、世界に約80属1000種があり、日本には10属約30種が分布します。リンドウ属(Gentiana L. (1753))は、アフリカを除く熱帯と温帯に約500種があり、日本には13種が自生します。 山野に自生します。淡黄色の根茎があり、生薬として用いられます。竜胆(リュウタン)、及びゲンチアナ(Gentiana)は日本薬局方に収録され、苦味健胃薬として用いられます。茎は枝分かれせず直立して20~80cmになります。葉は対生します。茎を抱き、長さ4~12cm、幅1~3cmの披針形で先が尖ります。主脈の両側に支脈が走る三縦脈があり、葉の縁にざらつきがあります。 花期は9月~11月。茎頂や葉腋上部に青紫色の鐘形花冠を上向きにつけます。花冠色は、アントシアニン色素のゲンチオデルフィン(Gentiodelphin)によります。花冠は、長さ4~5cm、幅1.5~3cmの筒状で、先が5裂して広がった線状披針形の裂片になります。裂片の間に3角形の小さな副裂片があります。花冠内面に茶褐色の斑点が線状に並びます。温度傾性があり、晴れて陽が差した時に花冠を開き、曇りや夜間では花冠を閉じます。 萼片は5つに深く裂けた狭長片。雄しべは5本。雄性先熟です。子房の周囲を雄しべが取り囲み、子房基部に蜜腺があります。雄しべの花粉放出が終わると、雌しべ柱頭が2裂します。子房上位。染色体数は2n=26。果実は赤色、長莢状の蒴果で、二つに裂けて楕円形の種子を排出します。 よく似た種類に、蔓になるツルリンドウ(蔓竜胆)があります。 Japanese common name : rindou リンドウ(竜胆) リンドウ科リンドウ属 学名:Gentiana scabra Bunge var. buergeri (Miq.) Maxim. ex Franch. et Sav. 花期:9月~11月 多年草 草丈:20~80cm 花冠長:4~5cm 花冠径:1.5~3cm 【学名解説】 Gentiana : イリュリア最後の王Gentius(ruled 180-168 B.C)に因む/リンドウ属 scabra : scaber(でこぼこした・ざら付いた)*scabra,scabrum Bunge : Alexander Andrejewitsch von Bunge (1803-1890) var. : varietas(変種) buergeri : Heinrich Bürger (1806-1858))氏の (日本植物の採集家ブュルゲル) Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871) Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891) ex : ~による Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900) et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ) Sav. : Paul Amedee Ludovic Savatier (1830-1891) 撮影地:静岡県静岡市 大山(Alt. 986m)/突先山(Alt. 1021.7m) 2008.10.29 高山(牛ヶ峰 Alt. 717m) 2008.11.17 安倍城跡(Alt. 435m) 2008.11.18 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] Last modified: 08 October 2010
by pianix
| 2010-10-07 00:00
| 花
|
Comments(0)
|
by pianix カテゴリ
タグ
白色系(136)
紫色系(80) 黄色系(75) 赤色系(67) キク科(64) チョウ目(鱗翅目)(50) シソ科(33) マメ科(23) バラ科(22) 赤い実(22) カメムシ目(半翅目)(18) 緑色系(16) 茶色系(14) アオイ科(14) ナス科(13) タテハチョウ科(13) ユリ科(11) ヒガンバナ科(11) ヒルガオ科(11) 多色系(10) 記事ランキング
Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 2月末日現在) 合計676,607人 (前年同月比 -5,483人) 男:329,454人 女:347,153人 世帯数324,388戸 (前年同月比 +1.770戸) 最新のコメント
以前の記事
2023年 11月
2023年 06月 2022年 12月 2022年 08月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 05月 2020年 07月 2020年 04月 2020年 01月 more...
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||