キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)は、ナス科キダチチョウセンアサガオ属の常緑低木です。朝鮮とつけられていますが、原産地は南アメリカです。外国産で木本の朝顔に似た、という意味合いの名前です。
ナス科(Solanaceae Juss. (1789))は、世界に90属約2300種が分布します。旧属名はチョウセンアサガオ属(Datura L. (1753))で、現在はキダチチョウセンアサガオ属(Brugmansia Persoon, 1805)に転属されました。しかし、以前の属名でダツラ(ダチュラ)と呼ばれる事もあります。南アメリカに約5種が分布します。 チョウセンアサガオ属の花は上向きに、キダチチョウセンアサガオ属は下向きにラッパ状の香りある花を咲かせます。ヨウシュチョウセンアサガオ(洋種朝鮮朝顔)よりも大型で、成長すると4mに達するものもあります。花色は白で、時間経過と共に色合いが変わっていきます。挿し木で増やす事ができます。園芸種として、黄色花品種のJamaican yellow、桃色のEquador Pinkなどがあります。果実には棘状の突起はありません。 チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔)と同様に毒1)がありますから、扱った後の手洗いを忘れないようにする必要があります。 1)トロパンアルカロイドと呼ばれるアトロピン(Atropine)、スコポラミン(Scopolamine)、ヒヨスチアミン (Hyoscyamine)等が含まれ、中毒症状(目眩、四肢弛緩、嘔吐、瞳孔散大、痙攣、呼吸困難)を起こす。ヒヨスチアミンは、ナス科のヒヨス(天仙子/菲沃斯)Hyoscyamus niger L. からの命名。 参考:ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)-1 ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)-2 Japanese common name : Kidati-chousen-asagao キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔) 別名:オオバナチョウセンアサガオ(大花朝鮮朝顔)/カシワバチョウセンアサガオ(柏葉朝鮮朝顔) 流通名:エンジェルズトランペット(Angel's trumpet)/天使のラッパ ナス科キダチチョウセンアサガオ属 学名:Brugmansia suaveolens (Humb. et Bonpl. ex Willd.) Sweet 花期:6月~9月 常緑低木 樹高:200~300cm 花冠長:25~30cm 花径:10~20cm 【学名解説】 Brugmansia : Sebald Justinus Brugmans (1763-1819)/オランダの植物学者に因む suaveolens : (suāve+olēns)快い+匂い/芳香のある Humb : Alexander von Humboldt (1769-1859) et : 及び(命名者が2名の時など・&に同じ) Bonpl. : Aime Jacques Alexandre Bonpland (1773-1858) ex : ~より (代わりに発表) Willd. : Carl Ludwig von Willdenow (1765-1812) Sweet : Robert Sweet (1783-1835) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から14.25km 左岸(植栽) 2005.11.02 葵区内牧(内牧川) 2015.09.28 駿河区小坂(農道) 2015.10.09 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] June 22, 2008 Last modified: 12 October 2015
by pianix
| 2005-11-05 00:00
| 花
|
Comments(3)
Commented
by
light-vento
at 2005-11-14 22:27
x
キダチチョウセンアサガオの毒もさることながら、チョウセンアサガオの毒のことには、びっくりしました。私も、以前キダチチョウセンアサガオの写真を撮っていたらしいので、自分のブログにアップしました。
トラックバックさせていただきました。ありがとうございました。
0
Commented
by
:PHじょPH
at 2007-08-23 20:06
x
毒のある花がもっと知りたい
Commented
by
pianix at 2007-08-27 13:18
PHじょPH さん
薬草を探せば良いかもしれませんね。
|
by pianix カテゴリ
タグ
白色系(136)
紫色系(80) 黄色系(75) 赤色系(67) キク科(64) チョウ目(鱗翅目)(50) シソ科(33) マメ科(23) バラ科(22) 赤い実(22) カメムシ目(半翅目)(18) 緑色系(16) 茶色系(14) アオイ科(14) ナス科(13) タテハチョウ科(13) ユリ科(11) ヒガンバナ科(11) ヒルガオ科(11) 多色系(10) 記事ランキング
Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 2月末日現在) 合計676,607人 (前年同月比 -5,483人) 男:329,454人 女:347,153人 世帯数324,388戸 (前年同月比 +1.770戸) 最新のコメント
以前の記事
2023年 11月
2023年 06月 2022年 12月 2022年 08月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 05月 2020年 07月 2020年 04月 2020年 01月 more...
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||